【照会要旨】

 A市では、市外に在住する者から1万円以上の寄附を受けた場合、この寄附に対する謝礼として、市の特産品(3,000円程度)を送ることとし、総務省からふるさと納税の対象となる団体の指定を受けています。
 この場合の寄附者が受ける経済的利益について、課税関係は生じますか。

【回答要旨】

 寄附者が特産品を受けた場合の経済的利益は、一時所得に該当します。なお、その年中にこの特産品(3,000円程度)に係る一時所得のほかに一時所得に該当するものがないときには、課税関係は生じません。

 所得税法上、各種所得の金額の計算上収入すべき金額には、金銭以外の物又は権利その他経済的利益の価額も含まれます(所得税法第36条第1項)。
 ふるさと納税の謝礼として受ける特産品に係る経済的利益については、所得税法第9条《非課税所得》に規定する非課税所得のいずれにも該当せず、また、地方公共団体は法人とされていますので(地方自治法第2条第1項)、法人からの贈与により取得するものと考えられます。
 したがって、特産品に係る経済的利益は一時所得に該当します(所得税法第34条、所得税基本通達34-1(5))。
 なお、一時所得の金額は次のように計算します。

一時所得の金額イコール(A その年中の一時所得に係る総収入金額)マイナス(B その収入を得るために支出した金額の合計額(注1))マイナス50万円(注2)

(注)

1 その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限られます。

2 AからBを控除した残額が50万円に満たない場合には、その残額となります。

【関係法令通達】

 所得税法第9条、第34条、第36条、所得税基本通達34-1(5)、地方自治法第2条第1項

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。