【照会要旨】

 社員研修の一環として社員を社外に派遣し、定期的に研修を受けさせていますが、派遣先は大学、大学院、各種学校、研究機関などさまざまです。この場合、当社が派遣先に支払う授業料や受講料などは支払先に関係なく課税仕入れとなるのでしょうか。

【回答要旨】

 会社が社員研修の一環として社員を大学等に派遣する場合において、その会社が支払う授業料や受講料などの取扱いは、それが非課税とされる教育役務の提供の対価に該当するかどうかによって、次のように取り扱われます。

(1) 大学、大学院等(学校教育法第1条に規定する学校)における研修

〇 大学公開講座等の受講
 大学等における正規の授業科目ではなく、一般社会人等を対象に一般教養の習得等を目的として開講されるものであり、消費税法別表第二第11号に規定する教育に関する役務の提供とは認められませんから、受講の対価である受講料等は課税の対象となります。したがって、会社が支払う受講料等は課税仕入れとなります。

〇 大学等の授業の聴講
 大学等における正規の授業科目について聴講生として授業を受け、その結果、一般には単位を取得することとなっているような大学等における聴講については、消費税法別表第二第11号に規定する教育に関する役務の提供と認められますから、聴講の対価である授業料や聴講料は非課税です。したがって、会社が支払う授業料等は課税仕入れとはなりません。

(2) 外国語学校、ビジネス学校等の各種学校(学校教育法第134条第1項に規定する学校)における研修

〇 修業年限が1年以上で、その1年間の授業時間数が680時間以上であること等消費税法別表第二第11号(基通6−11−1(3)参照)に規定する各種学校における教育の役務提供として非課税とされる要件に該当する場合……会社が支払う授業料等は課税仕入れとはなりません。

〇 その他の場合……授業料は課税の対象となりますから、会社が支払う授業料等は課税仕入れとなります。

(3) 研究機関における研修
 大学等に設置された研究機関における研修であっても、その研修が非課税とされている教育として行う役務の提供に該当しない場合の研修料等は課税の対象となります。したがって、会社が支払う授業料等は課税仕入れとなります。

【関係法令通達】

 消費税法第2条第1項第12号、別表第二第11号、消費税法施行令第14条の5、消費税法基本通達6-11-1

注記
 令和5年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。