【照会要旨】

 学生への奨学金の支給を目的とする公益財団法人が、寄附を受けた株式(以下「寄附株式」といいます。)4,000株が株式分割により6,000株となったことから、その株式のうち2,000株を譲渡し、その譲渡代金の全額を奨学金の支給に充てました。この場合、寄附株式は、受贈法人の公益目的事業の用に直接供されているものと認められますか。

【回答要旨】

 株式分割により寄附株式の株数が増加した場合、その増加した株数に相当する株式は、租税特別措置法第40条の対象となった株式のいわば分身、すなわち、寄附株式そのものです。
 したがって、この場合、寄附株式のうち譲渡した株式は、受贈法人の公益目的事業の用に直接供されているものとは認められません。

【関係法令通達】

 租税特別措置法第40条
 租税特別措置法施行令第25条の17第5項第2号
 昭和55年4月23日直資2−181「租税特別措置法第40条第1項後段の規定による譲渡所得等の非課税の取扱いについて」13

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。