【照会要旨】

 県の施行する土地区画整理事業により施行区域の土地が高くなることによって、対岸の治水の問題が生じ、対岸の市道の嵩上げが必要となりました。この市道の嵩上げに伴い、その市道に隣接する土地についても嵩上げをする必要が生じ、当該隣接地に建物等が存することから、建物移転補償金を支払うこととしています。
 市道の嵩上げ工事は、道路改良事業として県が行い、隣接地の嵩上げ及び建物移転補償金の支払いは市が行うこととしています。この場合、道路区域外の隣接地に存する建物移転補償金について、収用等の場合の課税の特例を受けることができますか。

【回答要旨】

 照会の建物移転補償金が収用等の場合の課税の特例の対象となるためには、その存する土地が土地収用法等の規定により収用又は使用されることが前提となりますが、照会の場合の市道改良工事の事業施行区域外である隣接地の嵩上げ工事は、土地収用法第3条各号に規定する収用事業に該当しないと認められるため、建物移転補償金について収用等の場合の課税の特例の適用はありません。

【関係法令通達】

 租税特別措置法第33条第4項第2号
 租税特別措置法関係通達33-14

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。