【照会要旨】

 評価会社が所有する株式をその株式の株式発行法人に譲渡することにより、法人税法第24条第1項の規定により配当等とみなされる部分(みなし配当)の金額が生じた場合、類似業種比準方式により株式譲渡法人の株式を評価するに当たり、「1株当たりの利益金額C」の計算上、そのみなし配当の金額を「益金に算入されなかった剰余金の配当等」の金額に含める必要がありますか。

【回答要旨】

 みなし配当の金額は、原則として、「1株当たりの利益金額C」の計算上、「益金に算入されなかった剰余金の配当等」の金額に含める必要はありません。
 この場合、「取引相場のない株式(出資)の評価明細書」の記載に当たっては、「第4表 類似業種比準価額等の計算明細書」の(2.比準要素等の金額の計算)の「丸13受取配当等の益金不算入額」欄にみなし配当の金額控除後の金額を記載します。

(理由)

 「1株当たりの利益金額C」の計算の際に、非経常的な利益の金額を除外することとしているのは、評価会社に臨時偶発的に生じた収益力を排除し、評価会社の営む事業に基づく経常的な収益力を株式の価額に反映させるためです。
 「みなし配当」の基因となる合併や株式発行法人への株式の譲渡等は、通常、臨時偶発的なものと考えられるため、財産評価基本通達上、法人税の課税所得金額から除外している「非経常的な利益」と同様に取り扱うことが相当です。そのため、原則として、「みなし配当」の金額は「1株当たりの利益金額C」の計算において法人税の課税所得金額に加算する「益金に算入されなかった剰余金の配当等」の金額に該当しません。

【関係法令通達】

 財産評価基本通達183(2)
 法人税法第24条

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。