【照会要旨】

 「教授等の免税」や「学生、事業修習者等の免税」のように租税条約に基づき課税の免除を受ける給与等がある場合(注1)には、「給与所得の源泉徴収票」の「摘要」欄にその旨を記載することとされていますが(所得税法施行規則別表第六(一))、具体的にどのように記載するのでしょうか。

【回答要旨】

 「給与所得の源泉徴収票」の「摘要」欄には、免税対象額及び該当条項(日○租税条約○○条該当)と記載(書面作成の場合は赤書き)します。また、「支払金額」欄には免税対象額を含めて記載します。

 「給与所得の源泉徴収票」は、居住者に対し国内において給与等の支払をする者が提出することとされています(所得税法第226条第1項)。
 居住者とは、国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人をいいますので、外国人であっても1年以上居所を有する場合には居住者となり、それらの者に対し国内において給与等の支払をする場合には、源泉徴収票の提出が必要になります。

 そのため、租税条約上我が国において「教授等の免税」や「学生、事業修習者等の免税」の対象となる給与等の支払をする場合であっても、その給与等が居住者に対するものである場合には、源泉徴収票の提出が必要となります(注2)。この場合、「給与所得の源泉徴収票」の「支払を受ける者」の「住所又は居所」欄には、その者から提出された租税条約に関する届出書を基にして、外国における住所を記載します。また、「支払金額」欄には免税対象額も含めて記載し、「摘要」欄に免税対象額及び該当条項(日○租税条約○○条該当)と記載(書面作成の場合は赤書き)します。

(注)

  • 1 租税条約の内容は、その締約相手国によって異なります。
  • 2 その給与等が非居住者に対するものである場合には、「非居住者等に支払われる給与、報酬、年金及び賞金の支払調書」を提出します。また、租税条約に基づき課税の免除を受ける給与等がある場合には、「給与所得の源泉徴収票」と同様に、「支払金額」欄に免税対象額を含めて記載し、「摘要」欄に免税対象額及び該当条項(日○租税条約○○条該当)と記載(書面作成の場合は赤書き)します。

【関係法令通達】

 所得税法第2条第1項第3号、第225条第1項8号、第226条第1項、所得税法施行規則別表第五(二十三)、別表第六(一)備考2(17)(ワ)、各国との租税条約

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。