【照会要旨】

 従来から有していた土地に工場を建設しましたが、その後、工場の東側一帯の住民の間にテレビの難視聴の問題が起こり、A放送局による実情調査の結果、当社の工場建物(高さ19m)にその原因があることが判明し、当社に補償の責任があることが明確になりました。
 これにより住民一同(○○戸)は、当社に対し、テレビの共聴アンテナの提供を要求してきましたので、今後の感情にしこりを残さないためにも、これに応ずることを予定していますが、これに要する費用約200万円を一時の費用とすることは認められますか。

【回答要旨】

 その費用は、住民に与えた損害を補償するものであって、その支出により、法人が積極的に何らかの便益を受けるという性質のものではありませんので、繰延資産には該当しないと考えられます。
 また、建物の建設後にこのような問題が生じたものですから、建物の取得価額に算入すべきものとも認められません。したがって、一種の損害賠償金とし、一時の費用として処理して差し支えありません。

【関係法令通達】

 法人税法第22条第3項

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。