【照会要旨】

 当社は、役員に対して毎月同額の給与を支給するほか諸手当として、この役員の子が通う学校の授業料を負担することとし、1年分の授業料を一括して学校に支払っています。この諸手当は、定期同額給与に該当しますか。
 なお、この諸手当は、所得税の課税対象とされる経済的な利益に該当することを前提とします。

【回答要旨】

 お尋ねの諸手当は定期同額給与に該当します。

(理由)

  1.  役員に対して継続的に供与される経済的利益のうち、その供与される利益の額が毎月おおむね一定であるものは、定期同額給与として、法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入されます(法法34@一、C、法令69@二)。
     この「継続的に供与される経済的利益のうち、その供与される利益の額が毎月おおむね一定であるもの」とは、その役員が受ける経済的利益の額が毎月おおむね一定であるものをいい(法基通9-2-11)、負担した費用の支払形態や購入形態によりその該当性を判定するものではないと考えられます。
  2.  お尋ねの授業料については、一般に、在学契約に基づく学校側から学生に対する教育役務の提供等の対価と考えられており、授業料を支払うことにより、学生は在学期間中、継続的に教育役務の提供を受けることとなります。このような授業料の性質からすれば、本来であれば貴社の役員が負担すべき授業料を貴社が学校に支払うことによって、実質的に当該役員に対して給与を支給したのと同様の経済的効果が継続的にもたらされていると考えられます。また、この場合の継続的に供与される経済的な利益の額とは、役員の子が継続的に(毎月)受ける教育役務の提供等の対価に相当する額と考えられますので、その額は毎月おおむね一定であると考えられます。
     したがって、お尋ねのように貴社が学校に対して一括で授業料を支払う場合であっても、その支払いにより供与される経済的利益は定期同額給与に該当することとなります。

【関係法令通達】

 法人税法第34条第1項第1号、第4項
 法人税法施行令第69条第1項第2号
 法人税基本通達9-2-9、9-2-11

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。