【照会要旨】

 A社は、B組合所有の土地を賃借していましたが、借地期限の満了に伴って立退要求を受け、紛争となっていました。
 この度、両者で次のように和解が成立しました。

1 A社は、借地の一部(この部分の借地権時価を32,000千円と評価)を返還し、B組合は、残りの借地に係る土地(この部分の底地時価を27,000千円と評価)の所有権を同社に与える。

2 これに伴い、差金としてB組合はA社に対し5,000千円を支払う。

借地権と底地との交換に伴う圧縮記帳の図

 A社では、これについて、法人税法第50条((交換により取得した資産の圧縮額の損金算入))の規定による圧縮記帳の適用を受けたいと考えていますが、認められるでしょうか。

【回答要旨】

 法人税法第50条の規定による圧縮記帳の対象となる土地の範囲には、土地のほか、建物又は構築物の所有を目的とする地上権及び賃借権(借地権)が含まれています。 
 借地権者が地主に借地権を返還し、その対価として地主から当該借地権に係る土地の一部を取得した場合には、借地権のうち当該取得した土地に係る部分以外の部分と、当該取得した土地のうち底地部分とを交換したものとして法人税法第50条の規定を適用することができます(法人税基本通達10−6−3の2)。
 したがって、照会の場合は、照会に係る借地権及び底地の評価額が適正であると認められる限り、同条により圧縮記帳することができます。

【関係法令通達】

 法人税法第50条
 法人税基本通達10−6−3の2

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。