【照会要旨】

 建物とその敷地の用に供されている土地(宅地)を固定資産として20年間保有しているA法人が、土地(宅地)を固定資産として5年間保有しているB法人との間で、土地については交換契約を、建物については売買契約をそれぞれ締結しました。

1 この場合、税務上も交換は交換、売買は売買として取り扱われるものと解して差し支えありませんか(法人税基本通達10−6−5((資産の一部を交換とし他の部分を譲渡とした場合の交換の特例の適用))の取扱いの適用はないと解して差し支えありませんか。)。

2 また、1のように解することができる場合、A法人が、新たな建物の取得をし、かつ、当該取得の日から1年以内に当該新たな建物を事業の用に供する見込みであるときは、譲渡した建物を譲渡資産とし、当該新たな建物を買換資産として租税特別措置法第65条の7((特定資産の買換えの場合の課税の特例))の規定を適用することができますか。

【回答要旨】

1 それぞれの土地、建物の価額が適正である限り、照会意見のとおりと解して差し支えありません。
 ただし、時価の異なる土地の交換について、これを等価交換として仮装するために別個の契約としたような場合には、適正な価額に基づいて計算し直すことになります。
 なお、法人税基本通達10−6−5の取扱いは、一体となって同じ効用を有する同種の資産について適用があるものであり、本件の場合は異なる種類の資産(土地と建物)であるため、同通達の適用はありません。

2 租税特別措置法第65条の7第1項の表の第3号の規定は、建物のみを譲渡した場合にも適用することができます。

【関係法令通達】

 法人税法第50条
 租税特別措置法第65条の7第1項
 法人税基本通達10−6−4、10−6−5

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。