【照会要旨】

 法人がリース取引(法人税法第64条の2《リース取引に係る所得の金額の計算》第3項に規定するリース取引をいいます。以下同じです。)を行った場合には、税務上、賃借人がリース資産を取得したこととなるところですが、この取得したリース資産は租税特別措置法第67条の5《中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例》の規定(以下「本制度」といいます。)の適用対象となるのでしょうか。

【回答要旨】

 売買があったものとされるリース資産についても本制度の適用対象となります。ただし、その取得価額が10万円以上30万円未満であるなどの一定の要件を満たす必要があります。

(理由)

 本制度は、中小企業者等(租税特別措置法第42条の4《試験研究を行った場合の法人税額の特別控除》第19項第7号に規定する中小企業者(同項第8号に規定する適用除外事業者を除きます。)又は同項第9号に規定する農業協同組合等で、青色申告書を提出するもの(通算法人を除きます。)のうち常時使用する従業員の数が500人以下の法人をいいます。)が、平成18年4月1日から令和6年3月31日までの間に取得価額が30万円未満であるなどの一定の要件を満たす減価償却資産の取得等をし、かつ、事業の用に供した場合に、その事業の用に供した日を含む事業年度において、損金経理を要件にその取得価額の全額を損金算入できるというものです。
 ところで、リース取引により取得したリース資産については、税務上、「リース資産の賃貸人から賃借人への引渡しの時にそのリース資産の売買があったもの」(法法64の2まる1)とされていることから、そのリース資産は賃借人において取得したものとなりますので本制度の適用対象とすることができます。
 ただし、当然のことながら、取得価額が10万円以上30万円未満であるなどの本制度の適用要件を満たす必要があります。
(注)  租税特別措置法の規定による特別償却制度においては、リース資産は原則としてその適用対象から除かれているため、その各制度の適用に当たっては各規定を確認する必要があります。
 なお、令和4年度の税制改正において、本制度の適用対象となる減価償却資産から、貸付け(主要な事業として行われるものを除きます。)の用に供したものが除外されています。

【関係法令通達】

 租税特別措置法第67条の5
 租税特別措置法施行令第39条の28
 法人税法第64条の2、法人税法施行令第48条の2第1項第6号、第5項第5号、第133条、第133条の2第1項

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。