【照会要旨】

 非居住者から土地等を取得する場合において、対価の額が1億円以下のときは、店舗併用住宅に係るものであっても、源泉徴収を要しないと解してよいでしょうか。

【回答要旨】

 その土地等に居住用以外の部分が含まれる場合であっても、居住の用に供する部分が主たる部分であり、かつ、土地等の対価の額が1億円以下のときは、その居住用以外の部分も含め源泉徴収を要しません。

 非居住者に対して土地等の譲渡対価を支払う場合の源泉徴収に際しては、その対価の支払者が「その土地等を自己又はその親族の居住の用に供するために譲り受けた個人」に該当するかどうかが問題となりますが、これについては次の3つの考え方があります。
1 一部でも居住の用以外の用に供している部分があれば源泉徴収を要する。
2 一部でも居住の用に供している部分があれば源泉徴収を要しない。
3 その主たる用途が居住の用途かそれ以外かにより判定する。

 1については、例えば、事業者が給与所得者と同様に居住の用に供する土地等を取得する場合において、ごく一部でも居住の用以外の用に供する部分があることをもって源泉徴収を要することとするのは、適当ではありません。
 2については、所得税法第161条第1項第5号《国内源泉所得》及び第212条第1項《源泉徴収義務》の規定により源泉徴収を行うこととした趣旨に反し、源泉徴収の実効性が実質的に担保し得なくなります。
 3については、その取得の主たる目的により判定することから合理性があり、これによることが相当です。
 なお、この場合、その家屋の床面積の2分の1以上を居住の用に供する場合には、居住の用に供するために取得したものと扱うのが相当です。

【関係法令通達】

 所得税法第161条第1項第5号、第212条第1項、所得税法施行令第281条の3

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。