(法附則第55条第3項の規定の適用を受けた特定農地等の買換えがあった場合)

11 法附則第55条第3項の規定の適用を受けている受贈者及び特定農業生産法人が、旧法第70条の4第1項の規定の適用を受ける農地又は採草放牧地につき同条第5項の買取りの申出等があった場合において、当該買取りの申出等に係る同条第20項に規定する特定農地等(以下「特定農地等」という。)及び当該特定農地等に設定されている使用貸借による権利の全部又は一部を譲渡する見込みであり、かつ、当該特定農業生産法人に帰属すべき使用貸借による権利の譲渡等の対価の額がないときには、当該受贈者が、同項の規定に基づく旧令第40条の6第39項に規定する申請書に、その譲渡等の対価の額の全部又は一部をもって代替取得農地等に該当する農地又は採草放牧地を取得する見込みであり、かつ、当該代替取得農地等のすべてについて、当該特定農業生産法人に対して当該取得の日から2か月以内に再び使用貸借による権利を設定する旨並びに当該特定農業生産法人の名称及び所在地を付記して税務署長の承認を受けたときに限り、当該代替取得農地等に相当する当該譲渡等をした特定農地等に設定されている使用貸借による権利の譲渡等はなかったものとして取り扱う。

(新設)

(説明)

1 被設定者である特定農業生産法人について使用貸借による権利が設定されている特例適用農地等について旧法第70条の4第5項に規定する買取りの申出等があり、かつ、同条第20項に規定する特定農地等の買換え承認により、使用貸借による権利が設定されている特例適用農地等の全部又は一部が譲渡される場合において、法附則第55条第3項の規定の適用を受けた受贈者が特例適用農地等の譲渡等をしたことに伴い、その特例適用農地等に設定されている当該特定農業生産法人の使用貸借による権利が消滅するときには、通達10の説明と同様に旧法第70条の4第20項の買換え規定の意味がなくなることとなる。

2 通達11は、通達10の場合と同様に、法附則第55条第3項の規定の適用を受けている受贈者及び被設定者である特定農業生産法人が、旧法第70条の4第1項の規定の適用を受ける農地又は採草放牧地につき同条第5項の買取りの申出等があった場合において、当該買取りの申出等に係る同条第20項に規定する特定農地等及び当該特定農地等に設定されている使用貸借による権利の全部又は一部を譲渡する見込みであり、かつ、当該特定農業生産法人に帰属すべき使用貸借による権利の譲渡等の対価の額がないときには、当該受贈者が、旧法第70条の4第20項の規定に基づく旧令第40条の6第39項に規定する申請書に、その譲渡等の対価の額の全部又は一部をもって代替取得農地等に該当する農地又は採草放牧地を取得する見込みであり、かつ、当該代替取得農地等のすべてについて、当該特定農業生産法人に対して当該取得の日から2か月以内に再び使用貸借による権利を設定する旨並びに当該特定農業生産法人の名称及び所在地を付記して税務署長の承認を受けたときに限り、当該代替取得農地等に相当する当該譲渡等をした特定農地等に設定されている使用貸借による権利の譲渡等はなかったものとして取り扱うことを明らかにしたものである。

(法附則第55条第3項の規定の適用を受けた特例適用農地等又は特定農地等の買換えがあった場合に提出する書類)

12 10((法附則第55条第3項の規定の適用を受けた特例適用農地等の買換えがあった場合))又は11((法附則第55条第3項の規定の適用を受けた特定農地等の買換えがあった場合))の適用を受けた受贈者については、特例適用農地等又は特定農地等の譲渡の対価の額の全部又は一部をもって代替取得農地等を取得し、かつ、その取得の日から2か月以内にその特定農業生産法人に対して再び使用貸借による権利の設定をしたときに提出すべき旧規則第23条の7第21項又は第28項の書類には、次の(1)に掲げる事項を付記させ、次の(2)に掲げる書類を添付させるものとする。

(1) 使用貸借による権利の設定を行った年月日、当該権利を設定した代替取得農地等の地目、面積及びその所在場所その他の明細並びに当該権利の設定を受ける特定農業生産法人の名称及び所在地

(2) (1)に掲げる権利の設定に係る契約書及び農地法第3条第1項の許可に関する書類の写し

(新設)

(説明)   

 特例適用農地等の譲渡等につき旧法第70条の4第15項の規定による買換え承認を受けた場合又は特例適用農地等の買取りの申出等につき同条第20項の規定による特定農地等の買換え承認を受けた場合において、その後農地又は採草放牧地を取得したときは、その取得の日後遅滞なく所定の書類((代替農地等の取得価額の計算明細書))を税務署長に提出しなければならないこととされている(旧規則23の72128)。
 通達12は、通達10又は11の取扱いの適用を受けた場合における上記の書類に記載すべき事項及び添付すべき書類についての取扱いを定めたものである。

(特定農業生産法人による農地等の転用)

13 特定農業生産法人が使用貸借による権利の設定を受けた特例適用農地等を転用したことにより、法附則第55条第4項第1号及び第6項第1号の規定により受贈者が当該転用をしたものとみなされる場合において、当該転用が令附則第33条第39項第2号の規定による読替後の旧令第40条の6第7項に規定する特定農業生産法人の耕作若しくは養畜の事業に係る施設又はこれらの事業に従事する使用人の宿舎の敷地にするための転用(以下「農業用施設用地への転用」という。)であるときは、当該転用は、納税猶予期限の確定事由とならない転用に該当するのであるから留意する。

(注) 特定農業生産法人の農業用施設用地への転用には、農畜産物を原料又は材料として使用する製造又は加工、農畜産物の販売等に係る施設、農業と併せ行う林業に係る施設及びこれらの事業に従事する使用人の宿舎の敷地にするための転用は含まれない。

(新設)

(説明)

1 受贈者が附則による納税猶予の継続の特例の適用を受けた後、被設定者である特定農業生産法人がその使用貸借による権利の設定を受けた特例適用農地等を転用した場合には、受贈者がその転用をしたものとみなされ、納税猶予税額の全部又は一部について納税猶予税額が確定する(法附則554一・6一、旧法70の414)のであるが、受贈者がその転用をしたものとみなされる場合であっても、その転用が、被設定者である特定農業生産法人が自ら耕作若しくは養蓄の事業に係る施設又はこれらの事業に従事する使用人の宿舎の施設にするための転用(以下「農業用施設用地への転用」という。)であるときは、令附則第33条第39項第2号による読替後の旧令第40条の6第7項の規定により納税猶予期限の確定事由に該当しない転用とする措置が講じられている(令附則3339二)。

2 ところで、農業生産法人は、農地法又は農業協同組合法に定めるところにより、1農畜産物を原料又は材料として使用する製造又は加工、2農畜産物の貯蔵、運搬又は販売、3農業生産に必要な資材の製造、4農作業の受託及び5農業と併せ行う林業などを事業として行うことができることとされているので、被設定者である特定農業生産法人が、これらの耕作若しくは養蓄の事業以外の事業に係る施設又は農業用施設用地への転用をすることも考えられる。
 しかし、納税猶予制度では、農地等の一定の転用の場合に限って納税猶予期限を確定させないこととする措置を講じていることから、被設定者である農業生産法人が農業(耕作若しくは養蓄の事業)以外の事業に必要な施設の敷地等とするため特例適用農地等を転用した場合は、当該特定農業生産法人の耕作若しくは養蓄の事業に係る施設又はこれらの事業に従事する使用人の宿舎の敷地にするための転用に該当しないのは当然のことである。

3 通達13は、以上のことを留意的に明らかにしたものである。

(借受代替農地等に係る使用貸借による権利を譲渡等した場合)

14 貸付特例適用農地等に係る借受代替農地等につき使用貸借による権利の設定を受けている特定農業生産法人が、当該権利の譲渡等又は当該借受代替農地等の転用(農業用施設用地への転用を除く。)をした場合には、当該譲渡等又は転用をした部分を除いた当該借受代替農地等の面積の当該貸付特例適用農地等の面積に対する割合が100分の80以上となるときであっても、法附則第55条第6項第1号の規定により当該貸付特例適用農地等の全部について同号に規定する賃借権等の設定があったものとみなされ、旧法第70条の4第1項ただし書又は第4項の規定によりその贈与税の納税猶予税額の全部又は一部について納税猶予の期限が確定するのであるから留意する。

(新設)

(説明)

1 受贈者が旧法第70条の4第8項の規定の適用を受けている場合において、同項の規定の適用を受ける貸付特例適用農地等につき、当該貸付特例適用農地等に係る借受代替農地等のすべてに係る土地の面積の合計(当該借受代替農地等につき、当該受贈者の農業の用に供されていない部分がある場合には、その部分の面積を除いた面積)の当該貸付特例適用農地等に係る土地の面積に対する割合が100分の80以上となるときには、納税猶予期限の確定事由に該当しないこととされている(旧法70の410一)。

2 他方、受贈者が法附則第55条第5項の規定の適用を受けている場合において、貸付特例適用農地等に係る借受代替農地等につき使用貸借により権利の設定を受けている特定農業生産法人が、当該権利の譲渡等又は当該借受代替農地等の転用(農業用施設用地への転用を除く。)をした場合には、当該譲渡等又は転用をした部分を除いた当該借受代替農地等の面積の当該貸付特例適用農地等の面積に対する割合が100分の80以上となるときであっても、当該貸付特例適用農地等の全部について同号に規定する賃借権等の設定があったものとみなされ、旧法第70条の4第1項ただし書又は第4項の規定によりその贈与税の納税猶予税額の全部又は一部について納税猶予の期限が確定することとされている(法附則556一)。
 通達14は、このことを留意的に明らかにしたものである。

(貸付特例適用農地等の全部又は一部に係る賃借権等の解約が行われた場合)

15 法附則第55条第5項の規定の適用を受ける使用貸借による権利の設定をした借受代替農地等に係る貸付特例適用農地等の全部又は一部に係る賃借権等の解約が行われたことにより当該賃借権等が消滅した場合には、旧法第70条の4第10項第2号に該当するのであるから留意する。
 この場合において、法附則第55条第8項の規定による読替後の旧法第70条の4第11項の規定により、当該事実が生じたことを知った日から2か月を経過する日までに当該貸付特例適用農地等の全部に係る賃借権等を消滅させ、かつ、当該貸付特例適用農地等であった農地等につき使用貸借による権利を設定し、当該設定をした日から2か月を経過する日までに一定の事項を記載した届出書を所轄税務署長に対し提出したときは、当該使用貸借による権利の設定がされた当該貸付特例適用農地等であった農地等は、法附則第55条第3項の規定の適用を受ける農地等とみなされ、引き続き附則による納税猶予の継続の特例の適用を受けることができるのであるから留意する。

(新設)

(説明)

1 法附則第55条第5項の規定により使用貸借による権利の設定をした借受代替農地等に係る貸付特例適用農地等について旧法第70条の4第8項に規定する賃借権等の存続期間が満了する前に、貸付特例適用農地等を借り受けた者がその農地等の全部又は一部につき、農地又は採草放牧地としてその者の農業の用に供していない場合において、貸付特例適用農地等を借り受けた者がその農地等の全部又は一部につき農地又は採草放牧地としてその者の農業の用に供していない事実が生じたことを知った日から2か月を経過する日までに当該貸付特例適用農地等の全部に係る賃借権等を消滅させ、かつ、当該貸付特例適用農地等であった農地等につき使用貸借による権利を設定し、当該設定をした日から2か月を経過する日までに一定の事項を記載した届出書を所轄税務署長に対し提出したときは、当該使用貸借による権利の設定がされた当該貸付特例適用農地等であった農地等は、法附則第55条第3項の規定の適用を受ける農地等とみなされ、引き続き附則による納税猶予の継続の特例の適用を受けることができるとしている(法附則558、令附則3318)。

2 しかしながら、賃借権等の存続期間の満了前に賃借権等が解約される事情は、上記以外にもあり得ることから、上記1の場合に限定することは相当ではない。

3 そこで通達15は、法附則第55条第5項の規定により使用貸借による権利の設定をした借受代替農地等に係る貸付特例適用農地等について旧法第70条の4第8項に規定する賃借権等の存続期間満了前に当該貸付特例適用農地等の全部又は一部に係る賃借権等の解約が行われたことにより当該賃借権等が消滅した場合において、法附則第55条第5項に規定する受贈者が、当該解約が行われた日から2月を経過する日までに当該借受代替農地等につき使用貸借による権利の設定を受けている特定農業生産法人に対し、当該貸付特例適用農地等のすべて(旧法第70条の4第4項又は第5項の規定により、その贈与税の納税猶予税額の一部について納税猶予の期限が確定したものを除く。)について使用貸借による権利の設定をしたときは、法附則第55条第7項の規定の適用があるものとして取り扱うことを明らかにしたものである。

(法附則第55条第3項又は第5項の規定の適用を受けた受贈者に係る特例適用農地等の贈与者が死亡した場合)

16 法附則第55条第3項又は第5項の規定の適用を受けた受贈者に係る旧法第70条の4第1項に規定する贈与者が死亡したときは、法第70条の5の規定により、使用貸借による権利が設定された特例適用農地等、貸付特例適用農地等及び旧令第40条の6第45項各号に掲げる農地等又は敷地若しくは用地は、当該受贈者が相続又は遺贈により取得したものとみなされるのであるが、当該贈与者が死亡したときにおいて、当該受贈者は、令第40条の7第2項各号に定める者に該当しないことから、法第70条の6第1項の規定による相続税の納税猶予の特例の適用はないのであるから留意する。

(新設)

(説明)

 受贈者が法附則第55条第3項又は第5項の規定の適用を受けた後、当該受贈者に対し特例適用農地等を贈与した贈与者が死亡したときは、法第70条の5の規定により、使用貸借による権利が設定された特例適用農地等、貸付特例適用農地等及び旧令第40条の6第45項各号に掲げる農地等又は敷地若しくは用地は、当該受贈者が相続又は遺贈により取得したものとみなされることとなる。
 この場合において、当該受贈者は、法第70条の6第1項に規定する「農業相続人」の要件を満たさないことから、同項の規定による相続税の納税猶予の特例の適用を受けることはできない。
 通達16は、このことを留意的に明らかにしたものである。

(法附則第55条第10項の地上権等の設定があった場合の旧法第70条の4第1項の担保)

17 特例適用農地等が旧法第70条の4第1項に規定する担保に供されている場合には、その特例適用農地等につき法附則第55条第10項に規定する一時的道路用地等(以下「一時的道路用地等」という。)の用に供するために地上権、賃借権又は使用貸借による権利の設定があったときにおいても、その担保に提供した受贈者に対して国税通則法第51条第1項に規定する増担保の提供等を命ずる必要はないのであるから留意する。

(新設)

(説明)

1 特定農業生産法人に対し、特例適用農地等の全部について使用貸借による権利を設定させている場合において、その特例適用農地等の全部又は一部を一時的道路用地等(道路法による道路に関する事業、河川法が適用される河川に関する事業、鉄道事業法による鉄道事業者がその鉄道事業で一般の需要に応ずるものの用に供する施設に関する事業その他これらの事業に準ずる事業として当該事業に係る主務大臣が認定したもののために一時的に使用する道路、水路、鉄道その他の施設で代替性のないものとして主務大臣が認定したものをいう。以下同じ。)の用に供するため、特例適用農地等に設定されている使用貸借による権利を消滅させ、かつ、当該用に供するために、地上権等の設定に基づき貸付けを行った場合において、その貸付期限の到来後、当該一時的道路用地等の用に供していた農地等について当該特定農業生産法人に対し使用貸借による権利の設定を行う見込みであることにつき税務署長の承認(以下「一時的道路用地等としての貸付承認」という。)を受けたときには、当該地上権等の設定はなかったものとみなされ、引き続き附則による納税猶予の継続の特例の適用を受けることができることとされている(法附則5510)。

2 贈与税の納税猶予の特例の適用を受けるためには担保を提供しなければならないが、附則による納税猶予の継続の特例の適用を受ける特例適用農地等が担保に提供されている場合において、その特例適用農地等について一時的道路用地等に供するため地上権等の設定に基づき貸し付けた場合には、その特例適用農地等の担保価値は減少し、受贈者に対して国税通則法第51条第1項に規定する増担保の提供等を命ずる必要があるのではないかという疑義が生ずるおそれがある。

3 ところで、一時的道路用地等に係る地上権等の設定権者は事業の施行者に限られていることから、その貸付期限の到来により当該地上権等の抹消及び原状回復が確実と見込まれる。また、それにより地上権又は賃借権(賃借期間5年超のもの)が設定される場合であっても、当該地上権又は賃借権は抵当権に劣後し、抵当権に対抗できない(短期の賃借権(賃借期間5年以内のもの)が設定される場合には、抵当権に対抗できるものの、貸付期限到来によりその抹消が確実である。)。
 更に、法附則第55条第10項の規定は、一時的道路用地等に係る事業に必要不可欠な用地の確保に資するために設けられたものである。

4 通達17は、上記の点を踏まえ、特例適用農地等が旧法第70条の4第1項に規定する担保に供されている場合において、その特例適用農地等につき地上権等の設定があったときであっても、その担保に供した受贈者に対して国税通則法第51条第1項に規定する増担保の提供等を命ずる必要がないことを明らかにした。

(一時的道路用地等に係る継続貸付届出書の提出期間)

18 法附則第55条第11項に規定する届出書は、同条第10項の承認を受けた日の翌日から起算して1年を経過するごとの日までに提出しなければならないのであるが、その提出期間は、当該1年を経過するごとの日の属する月の前々月の初日から当該1年を経過するごとの日までの期間として取り扱う。

(新設)

(説明)

1 法附則第55条第10項の適用を受ける受贈者は、同項に規定する貸付期限(当該貸付期限の到来前に地上権等の解約が行われたことにより当該地上権等が消滅した場合には、当該地上権等の消滅した日をいう。)が到来するまでの間、一時的道路用地等としての貸付承認を受けた日の翌日から起算して1年を経過するごとの日までに、当該一時的道路用地等の用に供されている農地等に係る地上権等の設定に関する事項その他一定の事項を記載した届出書(以下「継続貸付届出書」という。)を提出しなければならないこととされている(法附則5511)。そして、この継続貸付届出書が当該提出期限までに提出されなかった場合には、当該提出期限の翌日から2か月を経過する日に当該継続貸付届出書に係る農地等について地上権等の設定があったものとして、納税猶予税額の全部又は一部について納税猶予の期限が確定することとされている(法附則5512)。

2 ところで、この継続貸付届出書の提出期限について、その期限(終期)は、法令上明らかであるが、いつ(始期)から提出できるかは必ずしも明らかでない。

3 そこで、通達18において、この継続貸付届出書の提出期間を、その1年を経過するごとの日の属する月の前々月の初日(始期)から当該1年を経過するごとの日(終期)までの期間として取り扱うことを明らかにしたものである。

(法附則第55条第5項の規定により使用貸借による権利の設定がされた借受代替農地等が一時的道路用地等の用に供することとなった場合)

19 法附則第55条第5項の規定により使用貸借による権利の設定がされた借受代替農地等が一時的道路用地等の用に供することとなった場合には、同条第6項第1号に該当することとなるのであるから留意する。

(新設)

(説明)

1 受贈者が旧法第70条の4第8項の規定の適用を受けている場合において、同項の規定の適用を受ける貸付特例適用農地等に係る借受代替農地等が一時的道路用地等の用に供することとなった場合において、当該貸付特例適用農地等に係る借受代替農地等のすべてに係る土地の面積の合計(当該借受代替農地等につき、当該受贈者の農業の用に供されていない部分がある場合には、その部分の面積を除いた面積)の当該貸付特例適用農地等に係る土地の面積に対する割合が100分の80未満となった場合には、その事実が生じた日から2か月を経過する日に当該貸付特例適用農地等について賃借権等の設定があったものとして同条第1項ただし書又は第4項の規定が適用され、納税猶予税額の全部又は一部に係る納税猶予の期限が確定することとされている(旧法70の410一)。

2 この場合において、同条第8項の規定の適用を受ける貸付特例適用農地等に係る受贈者が、当該一時的道路用地等の用に供することとなったことを知った日から2か月を経過する日までに当該貸付特例適用農地等に代わるものとして当該受贈者の農業の用に供する農地又は採草放牧地(同項に規定する農用地利用集積計画の定めるところによる賃借権等の設定に基づき借り受けたことその他一定の要件を満たすものに限る。以下「再借受代替農地等」という。)を借り受けたとき(当該再借受代替農地等及び当該貸付特例適用農地等に係る借受代替農地等のすべてに係る土地の面積の当該貸付特例適用農地等に係る土地の面積に対する割合が100分の80以上となる場合に限る。)又は当該貸付特例適用農地等の全部に係る賃借権等を消滅させたときは、当該受贈者が、一定の事項を記載した届出書(届出書の変更の届出書)を所轄税務署長に提出した場合には、当該再借受代替農地等及び当該借受代替農地等は、同項の規定の適用を受ける貸付特例適用農地等とみなして、旧法第70条の4第10項第1号の規定は適用しないこととされ、引き続き納税猶予の特例の適用を受けることができることとされている(旧法70の411)。

3 ところで、法附則第55条第5項の規定により使用貸借による権利の設定がされた借受代替農地等が一時的道路用地等の用に供することとなった場合おいて、法附則第55条第8項の規定による読替後の旧法第70条の4第11項の規定は、同条第10項第2号の事由が生じた場合のみ、引き続き附則による納税猶予の継続の特例の適用を受けることができることとされている(法附則558、令附則3318)。したがって、法附則第55条第5項の規定により使用貸借による権利の設定がされた借受代替農地等が一時的道路用地等の用に供することとなった場合には、同条第6項第1号に該当し、納税猶予税額の全部又は一部について納税猶予の期限が確定することとなる。
 通達19は、このことを留意的に明らかにしたものである。

(平成15年以前旧法適用者に係る取扱い)

20 法附則第55条第16項の規定により同条第3項から第15項までの規定を平成15年以前旧法第70条の4第1項本文の規定の適用を受けているものについて準用する場合には、1((受贈者が旧法第70条の4第6項の規定の適用を受けている場合))から19((法附則第55条第5項の規定により使用貸借による権利の設定がされた借受代替農地等が一時的道路用地等の用に供することとなった場合))までの例による。

(新設)

(説明)   

 通達20は、法附則第55条第16項の規定により同条第3項から第15項までの規定を租税特別措置法の一部を改正する法律(昭和50年法律第16号)による改正前の租税特別措置法第70条の4第1項本文、租税特別措置法の一部を改正する法律(平成3年法律第16号)による改正前の租税特別措置法第70条の4第1項本文、租税特別措置法の一部を改正する法律(平成7年法律第55号)による改正前の租税特別措置法第70条の4第1項本文、租税特別措置法等の一部を改正する法律(平成12年法律第13号)による改正前の租税特別措置法第70条の4第1項本文、租税特別措置法等の一部を改正する法律(平成13年法律第7号)による改正前の租税特別措置法第70条の4第1項本文、租税特別措置法等の一部を改正する法律(平成14年法律第15号)による改正前の租税特別措置法第70条の4第1項本文及び所得税法等の一部を改正する法律(平成15年法律第8号)による改正前の租税特別措置法第70条の4第1項本文の規定の適用を受けているものについて準用する場合には、1((受贈者が旧法第70条の4第6項の規定の適用を受けている場合))から19((法附則第55条第5項の規定により使用貸借による権利の設定がされた借受代替農地等が一時的道路用地等の用に供することとなった場合))までの取扱い等の例によることを明らかにしたものである。