この制度の適用を受けるためには、確定申告書に少額減価償却資産の取得価額に関する明細書を添付する必要がありますが、所得税の青色申告決算書の「減価償却費の計算」欄にこの制度を適用していることなど一定の事項を記載することなどにより明細書の添付に代えることができます。

〔創設された制度の概要〕

この制度は、中小企業者に該当する個人で青色申告書を提出する方が、平成15年4月1日から平成18年3月31日までの間に取得等し、かつ、不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務の用に供した減価償却資産で、その取得価額が30万円未満である少額減価償却資産については、その取得価額に相当する金額を、その方のその業務の用に供した年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入することができるというものです(措法28の2)。

1 適用が受けられる方

 この制度の適用が受けられる方は、青色申告書を提出する中小企業者の方です。

(注)中小企業者とは、常時使用する従業員の数が1,000人以下の方をいいます(措令5の38)。

 

2 適用対象となる資産

 この制度の適用対象となる少額減価償却資産とは、取得価額が30万円未満の減価償却資産をいいます。
 ただし、別紙1に掲げる規定の適用を受ける減価償却資産については、この制度は適用できません(措令18の4)。

3 適用を受けるための要件等

 この制度の適用を受けるためには、確定申告書に少額減価償却資産の取得価額に関する明細書を添付することが必要とされています。
 ただし、青色申告決算書の「減価償却費の計算」欄に次の事項を記載して確定申告書に添付して提出し、かつ、当該少額減価償却資産の取得価額の明細を別途保管することにより適用を受けることができます。

 1  少額減価償却資産の取得価額の合計額

 2  少額減価償却資産について租税特別措置法第28条の2を適用する旨

 3  少額減価償却資産の取得価額の明細を別途保管している旨


(記載例は別紙2(PDFファイル/67KB)をご覧ください。)

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(別紙1)

ア 所得税法施行令の規定

・第138条 《少額の減価償却資産の取得価額の必要経費算入》

・第139条 《一括償却資産の必要経費算入》

イ 租税特別措置法の規定

・第10条の2 《エネルギー需給構造改革推進設備を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除》

・第10条の3 《中小企業者が機械等を取得した場合等の特別償却又は所得税額の特別控除》

・第10条の4 《事業基盤強化設備を取得した場合等の特別償却又は所得税額の特別控除》

・第10条の5 《沖縄の特定中小企業者が経営革新設備等を取得した場合等の特別償却又は所得税額の特別控除》

・第10条の6 《情報通信機器等を取得した場合等の特別償却又は所得税額の特別控除》

・第11条 《特定設備等の特別償却》

・第11条の2 《地震防災対策用資産の特別償却》

・第11条の3 《開発研究用設備の特別償却》

・第11条の4 《事業革新設備の特別償却》

・第11条の5 《特定余暇利用施設の特別償却》

・第11条の6 《特定電気通信設備等の特別償却》

・第11条の7 《商業施設等の特別償却》

・第11条の8 《製造過程管理高度化設備等の特別償却》

・第11条の9 《再商品化設備等の特別償却》

・第11条の10 《特定集積地区における輸入関連事業用資産の特別償却》

・第12条 《特定地域における工業用機械等の特別償却》

・第12条の2 《医療用機器等の特別償却》

・第12条の3 《特定医療用建物の割増償却等》

・第13条 《障害者を雇用する場合の機械等の割増償却等》

・第13条の2 《経営基盤強化計画を実施する特定組合等の構成員等の機械等の割増償却》

・第13条の3 《農業経営改善計画等を実施する個人の機械等の割増償却》

・第13条の4 《漁業経営改善計画を実施する個人の漁船の割増償却》

・第14条 《優良賃貸住宅等の割増償却等》

・第14条の2 《特定再開発建築物等の割増償却》

・第15条 《倉庫用建物等の割増償却》

・第33条の6 《収用交換等により取得した代替資産等の取得価額の計算》

・第37条の3 《買換えに係る特定事業用資産の譲渡の場合の取得価額の計算等》

・第37条の5 《既成市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等の建設のための買換え 及び交換の場合の譲渡所得の課税の特例》

・第37条の9 《大規模な住宅地等造成事業に係る交換等により取得した宅地の譲渡の場合 の取得価額の計算等》(ただし第37条の9の2第4項《認定事業用地適正化計画の事業用地の区域内にある土地等の交換等の場合の譲渡所得の課税の特例》において準用する場合)

ウ 租税特別措置法施行令の規定

・第10条各号 《特別償却等に関する複数の規定の不適用》に掲げる規定

・第18条の5 《転廃業助成金等に係る課税の特例》

エ 阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の規定

・第10条 《被災代替資産等の特別償却》

・第14条 《特定の事業用資産の買換え等の場合の譲渡所得の課税の特例》