「『租税特別措置法(株式等に係る譲渡所得等関係)の取扱いについて』等の一部改正について(法令解釈通達)」の趣旨説明(情報)

○ 「租税特別措置法(株式等に係る譲渡所得等関係)の取扱いについて」の一部改正について

措置法第37条の10《株式等に係る譲渡所得等の課税の特例》関係

※ アンダーラインを付した部分が改正関係部分である。

37の10−13 新株予約権付社債に係る新株予約権の内容として定められている新株予約権の行使に際して出資される財産の価額が当該新株予約権付社債の発行時の発行法人の株式の価額を基礎として合理的に定められている場合における当該新株予約権の行使により取得した株式1株当たりの取得価額は、次に定める算式により計算した金額によるものとする。

株式1株につき払い込むべき金額+(当該払込みに係る新株予約権付社債の当該行使直前の取得価額が当該払込みに係る新株予約権付社債の額面金額を超える部分の金額÷当該行使により取得した株式の数)

≪説明≫

1 本項は、新株予約権付社債についての新株予約権を行使して取得した株式の取得価額の計算方法(算式)を明らかにしたものである。
当該算式において、新株予約権を行使する直前のその新株予約権付社債の取得価額がその新株予約権付社債の額面金額を超える場合に、その超える部分の金額 を新株の取得価額に加算することとするのは、新株予約権付社債の取得価額の中には新株予約権の価額に相当する部分が含まれていることによるものである。新 株予約権付社債の取得価額のうちその額面金額を超える部分の金額は、新株予約権が行使され株式が取得された場合には株式の取得価額に算入すべきであると考 えられることから、原則として、その部分の金額は、新株予約権の価額に相当するものとして取り扱うこととしたものである。

2  会社法においては、新株予約権の行使に際して、金銭の払込みを行うときは、新株予約権者は、新株予約権を行使する日に、株式会社が定めた銀行等の払込み の取扱い場所(金融機関払込取扱場所)において、その行使に係る新株予約権についての行使に際して出資される財産の価額(行使に際して払込むべき金額)の 全額を払い込まなければならないとされた(会社法2811)。
 また、金銭以外の財産を新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、新株予約権者は、新株予約権を行使する日に、その行使に係る新株予約権についての金銭以外の財産を給付しなければならないこととされ(会社法2812)、この場合、その財産の価額がその新株予約権の行使に際して出資される財産の価額(行使に際して払い込むべき金額)に足りないときは、銀行等の払込みの取扱い場所(金融機関払込取扱場所)においてその差額に相当する金銭を払い込まなければならないとされた(会社法2812)。

3  改正前の本項における代用払込み(金銭の払込みに代えて社債の償還金で払い込む方法)の考え方は、会社法では社債による現物出資と整理されるとともに、 所得税法令第167条の7第4項第6号においては、新株予約権の行使があった場合の株式等の取得価額を「当該新株予約権付社債の取得価額」とする旨が規定 された。
 したがって、本項の改正前の「(2) 新株予約権付社債の発行価額をもって払込みがあったものとされた場合」の定めは削除した。