連結納税制度の適用を受けている連結親法人P社及びP社の連結子法人であるS社(いずれも3月決算)は、令和4年4月1日以後に開始する事業年度から通算制度へ移行することとしました。
P社は電子情報処理組織(以下「e-Tax」といいます。)による申告を要する特定法人(所得税法等の一部を改正する法律(令和2年法律第8号)による改正前の法人税法81の24の2)には該当していませんが、従来からe-Taxによる申告を行っています。
ところで、通算法人はe-Taxによる申告を要する特定法人(法75の4)に該当し、この特定法人については、「e-Taxによる申告の特例に係る届出書」を提出する必要があると聞きました。
この場合において、P社及びS社は、通算制度への移行により通算制度の承認の効力が生じたことに伴い「e-Taxによる申告の特例に係る届出書」を提出する必要がありますか。
P社及びS社は、通算制度の承認の効力が生じた日である令和4年4月1日から1月以内に「e-Taxによる申告の特例に係る届出書」を提出する必要があります。
令和4年3月31日において連結親法人に該当する内国法人及び同日の属する連結親法人の事業年度終了の日においてその内国法人との間に連結完全支配関係がある連結子法人については、同日の翌日において、通算制度の承認があったものとみなされ、この承認は、当該翌日から、その効力が生ずることとされています(令2改正法附則29@)
また、特定法人(注)である内国法人は、各事業年度の所得に対する法人税の申告については、e-Taxを使用して、申告書記載事項等を入力して送信する方法により提供する必要があります(法75の4@)。
この特定法人でなかった内国法人について、通算制度の承認の効力が生じた場合には、その効力が生じた日等から1月以内に「e-Taxによる申告の特例に係る届出書」を提出しなければならないこととされています(規36の4)
本件では、P社及びS社は、P社の連結事業年度終了の日(令和4年3月31日)の翌日(令和4年4月1日)から通算制度の承認の効力が生ずることとなりますが、P社は連結納税制度を適用している事業年度において特定法人に該当しておらず、また、P社及びS社は「e-Taxによる申告の特例に係る届出書」を提出していないことから、令和4年4月1日から1月以内に「e-Taxによる申告の特例に係る届出書」をそれぞれの納税地の所轄税務署長に提出する必要があります。
なお、P社が連結納税制度を適用している事業年度において特定法人に該当する場合は、S社のみが「e-Taxによる申告の特例に係る届出書」を納税地の所轄税務署長に提出することとなります。
(注) 特定法人とは、次に掲げる法人をいいます(法75の4)。
(参考)
連結法人の通算制度への移行に関する手続については、次のQ&Aを参照してください。