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- 第2編 第2章 第3節 第二次納税義務の限度
第2章 清算人等の第二次納税義務
第3節 第二次納税義務の限度
(責任の限度)
62 第二次納税義務の限度は、次に掲げるところによる。
- (1) 法人が解散した場合
- イ 清算人の場合
- 清算人から徴収することができる金額は、分配等をした財産の当該分配等をした時における価額を限度として(徴基通第34条関係7、8)、主たる納税者の滞納国税の全額である。この場合における当該第二次納税義務の限度額は、分配等が金銭でされているときは、その金額によるものとし、金銭以外の財産でされているときは、その分配等がされた時における財産の価額によるものとする。
なお、分配等をした金銭以外の財産がその後の譲渡、滅失等により現存しない場合には、分配等をした時又は最近時における財務関係諸帳簿、固定資産課税台帳等によりその性状、規格、価額等の調査を行うとともに、関係者・精通者意見等を参考としてその価額を算定する。
(注)
- 1 清算人が、株主等に残余財産(100万円)の分配等をし、かつ、その清算人が株主等の資格で、その残余財産(30万円)の分配等を受けた場合においては、その清算人には、清算人として分配等をした財産の価額の限度(100万円)について第二次納税義務を負わせることに留意する。
- 2 清算人が2人以上いる場合において、各清算人がそれぞれ別個に分配等をしたときは、その各分配等をした財産の価額を、それぞれその限度とするが、清算人が共同行為により分配等をしたときは、その分配等をした財産の価額の全額を、それぞれその限度とする(徴基通第34条関係9)。
- ロ 分配等を受けた者の場合
- 残余財産の分配等を受けた者から徴収することができる金額は、分配等を受けた財産の当該分配等を受けた時における価額を限度として(徴基通第34条関係7、8)、主たる納税者の滞納国税の全額である。この場合における財産の価額の算定はイと同様である。
- (2) 信託が終了した場合
- イ 特定清算受託者の場合
- 特定清算受託者から徴収することができる金額は、給付をした財産の当該給付をした時における価額を限度として(徴基通第34条関係22、23)、主たる納税者の滞納国税の全額である。この場合における財産の価額の算定は(1)のイと同様である。
- (注) 清算受託者が2人以上ある場合において、各清算受託者がそれぞれ別個に給付をしたときは、その給付をした財産の価額を、それぞれその第二次納税義務の限度とするが、清算受託者が共同行為により給付をしたときは、その給付をした財産の価額の全額を、それぞれその限度とする(徴基通第34条関係24)。
- ロ 残余財産受益者等の場合
- 残余財産受益者等から徴収することができる金額は、給付を受けた財産の当該給付を受けた時における価額を限度として(徴基通第34条関係22、23)、主たる納税者の滞納国税の全額である。この場合における財産の価額の算定は(1)のイと同様である。
(第二次納税義務者相互の関係)
63 同一の分配等又は給付に基づく徴収法第34条の第二次納税義務者が2人以上いる場合には、それらの者相互の関係は次のとおりとする(徴基通第34条関係10、25)。
(注)
- 1 「同一の分配等又は給付」とは、清算人会の決議があるときは一つの決議に基づく分配等又は給付を、これ以外の場合には社会通念上一つの分配等又は給付と認められるものを、それぞれ1単位とするものであることに留意する。
- 2 2回以上の分配等又は給付に基づく徴収法第34条の第二次納税義務者が2人以上いる場合においては、第二次納税義務者の1人につき生じた事由は、異なる回の分配等又は給付に基づく第二次納税義務者には影響を及ぼさない。
なお、上記の場合において、第二次納税義務者の納付等により主たる納税者の国税が消滅したときは、その主たる納税者の国税につき生じた効果が他の第二次納税義務者に影響を及ぼす場合があることはもちろんである。
- (1) 第二次納税義務者の1人につき生じた納付、過誤納金等の充当等以外の事由は、他の第二次納税義務者の第二次納税義務には影響を及ぼさない。
- (2) 第二次納税義務者の1人による納付又は第二次納税義務者の一人に過誤納金等の充当等があった場合には、その納付、過誤納金等の充当等による第二次納税義務の消滅が他の第二次納税義務者の第二次納税義務の範囲に含まれている限り、その限度で他の第二次納税義務者の第二次納税義務も消滅する。この場合における「範囲に含まれている」かどうかの判定は、分配等に係る財産の価額を基準として行う。
なお、上記の場合における財産の価額の算定は62の(1)と同様である。
- (注) 分配等に係る財産の価額から第二次納税義務者の限度額を控除した額を超える額につき、他の第二次納税義務者の納付、過誤納金等の充当等があったときは、その超える額が、上記の「範囲に含まれている」ことになる。
これを例によって示せば、次のとおりである。
〔例〕
主たる納税者の国税 |
5,000万円 |
分配をした財産の価額 |
1,000万円 |
限度額 |
清算人 甲 |
1,000万円 |
分配を受けた者 乙 |
600万円 |
分配を受けた者 丙 |
400万円 |
- 上記の例において、例えば、甲が第二次納税義務につき500万円を納付したときは、甲の責任は、残額500万円(甲の限度額1,000万円−甲の納付額500万円)となり、各第二次納税義務者の責任の最高限度額は500万円となる。したがって、乙の責任は、100万円減少して500万円となり、丙の責任は400万円のままである。
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