第1章 合名会社等の社員の第二次納税義務

第2節 第二次納税義務を負う者

(第二次納税義務を負う者)

51 合名会社等の国税につき第二次納税義務を負う無限責任社員は次に掲げる者である。
 なお、自称社員(会社法588条、589条、税理士法48条の21第1項、弁護士法30条の16、外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律67条2項、80条1項、公認会計士法34条の10の7第1項、弁理士法47条の5、司法書士法38条の2、行政書士法13条の21第1項、社会保険労務士法25条の15の4、土地家屋調査士法35条の4)は、無限責任社員には当たらないことに留意する。

  1. (1) 合名会社等成立後引き続き現に無限責任社員である者
    • 合名会社等成立後引き続き現に無限責任社員であるかどうかは、定款(会社法576条、税理士法48条の8、弁護士法30条の8、外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律60条、72条、公認会計士法34条の7、弁理士法43条、司法書士法32条、行政書士法13条の8、社会保険労務士法25条の11、土地家屋調査士法31条)又は合名会社登記簿、合資会社登記簿若しくは組合等登記簿(商業登記法6条6号及び7号、組合等登記令15条)を調査して確認する。
       なお、賦課関係資料等により無限責任社員であるか否かの確認ができる場合には、便宜それによっても差し支えないものとする。
  2. (2) 合名会社等成立後に無限責任社員となった者
    • 合名会社等が成立した後に無限責任社員となった者とは、例えば、以下に掲げる者をいう(徴基通第33条関係4参照)。
      • イ 合名会社等の成立後に加入した無限責任社員(無限責任社員の持分を譲り受けた者を含む。)(会社法605条、604条、585条1項、税理士法48条の21第1項、弁護士法30条の30第1項、外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律67条2項、80条1項、公認会計士法34条の22第1項、弁理士法55条1項、司法書士法46条2項、行政書士法13条の21第1項、社会保険労務士法25条の25第1項、土地家屋調査士法41条2項)
      • ロ 合資会社又は監査法人の有限責任社員から無限責任社員となった者(会社法583条1項、公認会計士法34条の23第3項)
      • ハ 定款の定めるところに従い被相続人に代わって合名会社又は合資会社の無限責任社員となった相続人(会社法608条1項)
         この合名会社等成立後に無限責任社員となった者に該当するかどうかの調査は、(1)に準ずる。
         なお、調査時においては、無限責任社員となった旨の登記(定款変更の登記(会社法915条1項、組合等登記令3条))がされていない場合があるので、これらの者については、定款、議事録等により無限責任社員であるかどうかを確認する。

(注) 合名会社又は合資会社の成立後に無限責任社員となる場合においてその効力を生ずるためには、定款に別段の定めがある場合を除き(会社法637条)、総社員の同意があれば足り(大正5.10.14大判)、定款を記載した書面の変更及び定款の変更の登記は、無限責任社員であることの効力発生には影響がないことに留意する。

  1. (3) 退社等をした無限責任社員
    • 退社等をした無限責任社員とは、以下に掲げる者をいう(徴基通第33条関係5参照)。
      • イ 退社した無限責任社員(会社法612条1項、税理士法48条の21第1項、弁護士法30条の15第7項、外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律67条2項、80条1項、公認会計士法34条の10の6第11項、弁理士法47条の4第7項、司法書士法38条6項、行政書士法13条の21第1項、社会保険労務士法25条の15の3第6項、土地家屋調査士法35条の3第6項参照)
      • ロ 持分の全部を譲渡した無限責任社員(会社法586条1項、税理士法48条の21第1項、弁護士法30条の30第1項、外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律67条2項、80条1項、公認会計士法34条の22第1項、弁理士法55条1項、司法書士法46条2項、行政書士法13条の21第1項、社会保険労務士法25条の25第1項、土地家屋調査士法41条2項参照)
      • ハ 合資会社又は監査法人の無限責任社員から有限責任社員となった者(会社法583条3項、公認会計士法34条の23第3項参照)
         この退社等をした無限責任社員に該当するかどうかは、合名会社登記簿、合資会社登記簿又は組合等登記簿を調査して確認する。

(注) 退社等をした無限責任社員の責任は、本店の所在地において退社の登記又は責任変更の登記をする前に納税義務が成立した国税に限られるから(52の(2)参照)、これらの者に該当するかどうかは、登記簿の調査のみで足り、定款、議事録等の調査は要しないことに留意する。

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