第3節 換価執行決定手続

この節は、換価執行決定に係る差押行政機関等への告知、滞納者等への通知及び換価に必要な書類の引渡し等について、具体的な手続を定めたものである。

(換価執行決定の告知)

170 差押行政機関等が「換価執行に関する意見」により換価執行に同意した場合は、参加差押えをした税務署長は、換価執行決定を行う(徴収法第89条の2第1項)。
 この場合、換価同意行政機関等へ「換価執行決定告知書」(様式306020-055)を送付することにより、換価執行決定の告知を行う(徴収法第89条の2第3項、徴基通第89条の2関係7)。

(注) 「換価執行決定告知書」による告知は、交付送達又は郵便による送達の方法により行うが、次のことに留意する。

1 交付送達の方法によるときは、必ず「送達記録書」により書類を受領した者の署名を求めること。

2 郵便による送達の方法によるときは、原則として配達証明郵便(郵便法第47条)による特殊取扱いによること。

(交付要求書等の引渡し)

171 換価執行決定の告知をするときは、併せて、換価同意行政機関等に対し、次の書類の引渡しを求める(徴収令第42条の2第1項)。

(1) 特定参加差押不動産につき、換価執行決定前に交付を受けた交付要求書又は2以上の参加差押書(以下、この項、176及び179において「交付要求書等」という。)の交付を受けているときは、これらの書類

(2) 滞納処分関係書類

(注)

  • 1 交付要求書等及び滞納処分関係書類の原本を引き渡すことができないときは、その写しの引渡しで差し支えない。
  • 2 換価同意行政機関等から交付要求書等の引渡しがあった場合には、その引き渡された交付要求書等に係る交付要求をした行政機関等は、その交付要求をした時に、換価執行行政機関等に対して交付要求をしたものとみなされる(徴収令第42条の2第2項、徴基通第89条の2関係8)。
  • 3 換価執行決定後においては、特定参加差押不動産に係る交付要求は、換価執行行政機関等に対して行う(徴収令第42条の2第4項、徴基通第82条関係12)。
     したがって、税務署長が、他の行政機関等に対して換価執行の同意をした場合において、交付要求書等の送付を受けたときは、速やかにその交付要求を行った行政機関等に対して、換価執行行政機関等が換価執行決定をしている旨を連絡する。

(滞納者等への通知)

172 換価執行決定をした場合は、換価執行行政機関等は、速やかに、次に掲げる者に対し、その旨を「換価執行決定通知書」(様式306020-056・057)により通知する(徴収法第89条の2第4項)。

(1) 滞納者

(2) 特定参加差押不動産につき交付要求をした者

(注)

  • 1 上記の「滞納者」には、徴収法第24条《譲渡担保権者の物的納税責任》の規定により追及を受けた譲渡担保権者及び担保物処分の場合における当該担保物の差押え時の所有者が含まれることに留意する(徴基通第54条関係12、第100条関係12参照)。
  • 2 特定参加差押不動産の換価代金から配当を受ける権利を有する者(47(1)ハ、ニ、ホに掲げる者)については、換価執行決定をした旨の通知は要しない。

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