第2節 換価執行決定の事前手続

この節は、差押行政機関等との事前協議、換価の催告、換価執行決定の予告及び換価執行決定の同意請求等について、具体的な手続を定めたものである。

(差押行政機関等との事前協議)

167 換価執行決定を行おうとする税務署長は、事後の手続を円滑に進めるため、換価執行決定の可否について差押行政機関等と協議する(165、166参照)。

(注) 差押行政機関等に対する他の行政機関等からの参加差押え等の状況については「参加差押え等の状況に関する照会書」(様式306020-045)及び「参加差押え等の状況に関する回答書」(様式306020-046)を活用して確認する。

(換価の催告及び換価執行決定予告通知書の送付)

168 167(差押行政機関等との事前協議)により、換価執行決定が可能と見込まれる場合は、「参加差押財産換価催告書」(様式306020-050)により、差押行政機関等に対し換価の催告を行うとともに、滞納者に対して「換価執行決定予告通知書」(様式306020-048)により換価執行決定を予告する(徴収法第87条第3項、徴基通第87条関係14)。
 なお、「換価執行決定予告通知書」の送付の目的、送付すべき者の範囲、送付の時期等及び出署者への対応については、第2章第2節《公売予告通知書等の送付》による。

(注)

  • 1 換価執行決定に基づく換価に当たっては、滞納者に対し「換価執行決定予告通知書」により換価執行決定を予告し、換価執行決定後に「換価執行決定通知書」により公売を予告する(172)。
     このため、上記の場合には、滞納者に対して「公売予告通知書」を重ねて送付する必要はないが、同一の滞納者につき差押財産と参加差押不動産を同時に換価する場合は、差押財産について「公売予告通知書」を作成し、「換価執行決定予告通知書」と併せて送付することに留意する。
  • 2 差押行政機関等との事前協議後、換価執行決定までに新たに発生した滞納国税については、処理中の手続に含めて処理して差し支えないが、その場合は、別途参加差押えの上、167(差押行政機関等との事前協議)から169(換価の執行に係る同意の請求)の手続を経ることに留意する。

(換価の執行に係る同意の請求)

169 差押行政機関等への換価の催告及び滞納者への換価執行決定の予告の結果、差押行政機関等による換価の見込みがなく、滞納者からの自発的な納付もない場合や、出署相談の結果、換価以外に適切な滞納整理の方法がないと認められる場合は、「換価執行に関する求意見書」(様式306020-052)(以下「求意見書」という。)により、差押行政機関等に対して、換価の執行に係る同意を求める(徴収法第89条の2第2項、徴基通第89条の2関係6)。
 併せて「参加差押え等の状況に関する回答書」により、差押財産に係る参加差押え等の状況について確認を行う。

(注)

  • 1 換価執行決定は、先に参加差押えをした他の行政機関等の同意を要しないため、当該行政機関等への求意見書の送付は不要である(徴基通第89条の2関係1)。
  • 2 差押行政機関等は、参加差押えをした行政機関等から換価の執行に係る同意の求めがあった場合において、その換価の執行を相当と認めるときは、これに同意するものとされている。ただし、その参加差押不動産につき、他の行政機関等に対して換価の執行に係る同意をしているときは、この限りではない(徴収法第89条の2第2項、徴基通第89条の2関係6)。
  • 3 求意見書を郵送する際には、「換価執行決定に関する意見」(様式306020-053)を同封することに留意する。

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