第6節 差押財産の搬出等

(差し押さえた動産等の換価前の搬出)

20 差し押さえた動産又は有価証券を換価する場合には、支障のない限り、事前にその財産を搬出してから換価を実施すること。ただし、例えば、工場等に固定した大型機械、特殊大型設備等運搬困難な財産については、搬出しなくても差し支えない(徴収法第60条第1項、徴基通第60条関係10の(1)参照)。
 なお、その財産を滞納者の親族その他の特殊関係者(徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する親族その他の特殊関係者をいう。以下同じ。)以外の第三者が占有している場合において、その財産について受けた引渡命令につき、その財産が滞納者に帰属していないことを理由として不服申立てをしたときは、その不服申立ての係属する間は、その財産の搬出をすることができないことに留意する(徴収法第172条)。

(注) 行政事件訴訟法第25条第2項《執行停止》の規定による停止命令等があったときは、その財産の搬出ができないことに留意する(徴基通第60条関係10の(2)参照)。

(差し押さえた自動車等の換価前の占有)

21 差し押さえた自動車、建設機械又は小型船舶の換価は、事前にその財産を占有してから実施すること(徴収法第71条第3項、第91条本文)。ただし、換価に支障がないと認められるものについては、占有しなくても差し支えない(徴収法第91条ただし書)。

(修理等の処分)

22 差押財産等を換価する場合において、修理等の処分をしなければ買受けを希望する者がないと認められるとき、修理等の処分をすることによって滞納国税に充てるべき額が増加すると認められるとき等、必要があると認められるときは、滞納者の同意を得て、その財産につき修理その他その価額を増加する処分をすることができる。この場合においては、「差押財産の修理等に関する同意書」(様式306010-069)を提出させるものとする。
 なお、修理等の処分の費用は、他の滞納処分費と同様に国が支払い、これを滞納処分費として滞納者から徴収するものとする(徴収法第93条、徴基通第93条関係1から4参照)。

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