第2節 評価事務の基本的事項

1 評価事務の基本的な流れ

見積価額の決定までの評価事務の基本的な手順は、1公売財産の確認、2評価関係資料の収集・分析、3試算価格の算定、4試算価格等の調整及び基準価額の算定、5見積価額の決定となる。
 なお、複数の評価方法(第2章第2節《試算価格の具体的な算定方法》)により試算価格を求めた場合において、その価格の開差が著しい場合には、評価関係資料の収集、検討及び価格形成要因の分析を反復して行うなどして適正な基準価額の算定に努める。ただし、公売財産の評価を不動産鑑定士に依頼した場合又は評価が比較的容易なものの場合には、必要に応じ、上記の手順を簡略化して差し支えない。

2 評価計画の策定

評価計画は、公売の実施計画(換価事務提要23参照)を踏まえ、適切な作業日程、作業手順、分担等を定めるとともに、次に掲げる事項に留意する。

  • (1) 評価計画の策定に当たっては、あらかじめ鑑定人に対し評価依頼を行うことの要否を決定すること。
  • (2) 鑑定人に対し評価依頼を行う場合は、鑑定人に依頼する事務と、評価事務担当者の行う評価事務が重複することのないよう留意すること。
  • (3) 鑑定人に対し評価依頼を行った場合においても、徴収職員は、必ず公売財産の確認(建物内部の確認ができない場合の外観の確認等を含む。)を行うこと。
  • (4) 多数の公売財産がある場合には、同種の財産を一括して効率的に評価するよう努めること。

3 評価事務の計画的実施

差押財産等の評価に当たっては、本節2《評価計画の策定》により策定した評価計画に基づき、計画的かつ効率的に実施する。
 なお、評価の優先着手順位は、差押財産等の種類、処分予定価額、配当見込額、滞納事案の処理方針及び滞納額並びに評価換価担当部署の処理体制及び同部署における評価・換価未済事案の状況等を勘案して決定し、評価すべき事案が評価換価担当部署で長期間滞留することのないよう、円滑な実施に努める。

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