官際 1-20
課総 5-15
課個 7-3
課資 6-1
課法 6-8
査調 5-14
平成15年4月7日
(最終改正)平成30年7月12日官際5−253外

国税局長 殿
沖縄国税事務所長 殿

国税庁長官

 租税条約の規定に基づく情報交換のうち、個別的情報交換及び自発的情報交換に関する事務手続について、別添のとおり定めたから、今後はこれによられたい。
 なお、平成12年7月7日付官際1-45ほか6課共同「租税条約に基づく外国税務当局との情報交換手続について」(事務運営指針)は、廃止する。

(趣旨)

 平成15年度税制改正により租税条約実施特例法の一部が改正され、租税条約の規定に基づき、相手国から情報提供の要請があった場合の質問検査権が創設された。そこで、相手国との情報交換の一層の迅速化、効率化を促進するために、事務手続の整備を行ったものである。

第1章 定義及び全般的留意事項

  1. 1 定義

    この事務運営指針において、次に掲げる用語の意義は、それぞれ次に定めるところによる。

    • (1) 租税条約、租税条約等又は相手国等
       それぞれ、租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和44年法律第46号。以下「租税条約等実施特例法」という。)第2条第1号から第3号までに定める租税条約、租税条約等又は相手国等をいう。
    • (2) 要請に基づく情報交換
       租税条約等に基づき、その一方の締約国又は締約者(以下「締約国等」という。)が他方の締約国等に対して租税に関連した情報であって特定の者又は取引に関するものを提供することを要請し、その要請に基づき当該他方の締約国等が当該一方の締約国等に対して当該情報の提供を行うことをいう。
    • (3) グループリクエスト
       要請に基づく情報交換における情報の提供の要請であって、相手国等に対して、租税に関する調査の対象である納税者を特定することなく一定の条件を満たした納税者の集団に係る情報の提供を求めるものをいう。
    • (4) FATCAに基づく情報提供
       日米共同声明に基づいて、FATCA(アメリカ合衆国(以下「米国」という。)の外国口座税務コンプライアンス法(Foreign Account Tax Compliance Act)をいう。)の実施のため米国内国歳入庁から日本国内金融機関の不同意米国口座及び不参加金融機関へ支払われた外国報告対象金額に係る情報の提供の要請があった場合に、当該情報を収集し、米国内国歳入庁に対して提供することをいう。
    • (注) 上記の「日米共同声明」とは、国際的な税務コンプライアンスの向上及びFATCA実施の円滑化のための米国財務省と日本当局の間の相互協力及び理解に関する声明の一部を修正する追加的声明(平成25年12月18日)によって修正された国際的な税務コンプライアンスの向上及びFATCA実施の円滑化のための米国財務省と日本当局の間の相互協力及び理解に関する声明(平成25年6月11日)をいい、「日本国内金融機関」、「不同意米国口座」、「不参加金融機関」又は「外国報告対象金額」は、それぞれ日米共同声明第1節1.(n)、(v)、(r)又は(i)に規定するものをいう(以下同じ。)。
    • (5) 自発的情報交換
       租税条約等に基づき、その一方の締約国等が他方の締約国等に対してその事前の要請に基づかずに行う租税に関連した情報の提供であって、当該一方の締約国等が租税の賦課又は徴収に係る調査その他の活動において収集した情報で当該他方の締約国等における租税の賦課又は徴収において有益であると認めるものについて行うものをいう。
    • (6) 自動的情報交換
       租税条約等に基づき、その一方の締約国等が他方の締約国等に対してその事前の要請に基づかずに行う租税に関連した情報の提供であって、当該一方の締約国等がその法令に基づいて収集した租税に関連した情報のうち一定のものについて自動的に行うものをいう。
    • (7) 共通報告基準に係る自動的情報交換
       自動的情報交換のうち、租税条約等実施特例法第10条の6第1項の規定により、報告金融機関等から所轄税務署長に提供される報告事項に係る情報又は相手国等においてこれに相当する情報について行うものをいう。
    • (注) 上記の「報告金融機関等」又は「報告事項」は、それぞれ租税条約等実施特例法第10条の5第7項第1号又は第10条の6第1項に規定するものをいう(以下同じ。)。
    • (8) 国別報告書に係る自動的情報交換
       自動的情報交換のうち、租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第66条の4の4第1項の規定により、特定多国籍企業グループの最終親会社等若しくは代理親会社等に該当する内国法人から所轄税務署長に提供される国別報告事項に係る情報又は相手国等においてこれに相当する情報(以下「国別報告書」と総称する。)について行うものをいう。
    • (注) 上記の「特定多国籍企業グループ」、「最終親会社等」、「代理親会社等」又は「国別報告事項」は、それぞれ租税特別措置法第66条の4の4第4項第3号、第5号若しくは第6号又は第1項に規定するものをいう(以下同じ。)。
    • (9) 情報交換
      (2)、(5)及び(6)に掲げるものをいう。
    • (10) 送達共助
       租税条約等に基づき、その一方の締約国等が他方の締約国等の要請を受けて、当該他方の締約国等から発出される文書であって、当該租税条約等の対象となる租税に関するものを名宛人に送達することをいう。
    • (11) 庁国際業務課
       国税庁長官官房国際業務課をいう。
    • (12) 庁主管課
       情報交換又は送達共助に係る事案に関して、国税庁において当該事案を担当する課をいう。
    • (13) 局管理者
       国税局(沖縄国税事務所を含む。以下同じ。)において、情報交換又は送達共助に係る事案を担当する課の属する事務系統の主務課長又は庁主管課が、あらかじめ情報交換又は送達共助に係る事案を担当する者として定めたものをいう。
    • (14) 署管理者
       税務署において、情報交換又は送達共助に係る事案に係る事務系統の第一部門の統括国税調査官又は統括国税徴収官(第一部門の統括国税調査官又は統括国税徴収官が設置されていない署にあっては、これに相当する統括国税調査官、統括国税徴収官又は総務課長)をいう。
    • (15) 情報収集担当者
       要請に基づく情報交換における相手国等からの情報提供の要請を受けて、国税局又は税務署において当該要請に係る情報の収集を担当する者をいう。
    • (16) 税務当局
       租税に関する法令を執行する当局をいう。
  2. 2 守秘義務

    租税条約等実施特例法の規定に基づく情報提供のための調査又は相手国等の租税の徴収に関する事務に関して知ることができた秘密については、国税通則法(昭和37年法律第66号)第127条により守秘義務が課されていることに留意する。
     また、租税条約等の規定に基づいて入手した情報については、租税条約等の規定により守秘義務が課されていることに留意する。

  3. 3 相手国等との協議

    庁国際業務課は、相手国等との間で、必要に応じ、情報交換若しくは送達共助の実施方法又はこれらに係る重要な事案の取扱方法その他の事項について協議を行い、相手国等との情報交換又は送達共助の一層の迅速化及び効率化を促進するよう努めるべきことに留意する。

第2章 要請に基づく情報交換(相手国等への要請)に係る事務手続

  1. 1 情報提供の要請に係る進達

    国税の適正な賦課又は徴収のために必要な情報であって国内において入手することの困難なものがあるときは、要請に基づく情報交換により当該情報を提供することを相手国等に要請をすることができる。この要請をする場合には、局管理者又は署管理者(以下「局(署)管理者」という。)は、進達書を作成し、これを庁主管課に(署管理者にあっては局管理者を経由して)送付することにより進達を行う。
     当該進達書の作成又は送付に当たっては、以下に留意する。

    • (1) 当該進達書は、別紙様式1により作成する。ただし、各事務系統において別紙様式1と異なる様式を定めている場合には、各事務系統で定める様式を用いることとする。
    • (2) 当該進達書には、別紙様式1-付(1)により作成した添付文書を添付する。当該添付文書は、グループリクエストに係る進達の場合には、別紙様式1-付(2)により作成する。
    • (3) 相手国等による当該情報の収集について、その収集の際に我が国から要請があった旨の事実又は当該要請の内容を情報の収集先に開示すれば、我が国における調査その他の事務に支障を及ぼすおそれがあると認める場合には、進達書にその旨及びその理由(以下この項及び3において「開示支障事情」という。)の特記をする。

    庁主管課は、当該進達を受領したときは、進達書(添付文書を含む。)に租税条約等に定める要請に当たって記載すべき事項が適切に記載されていること、及び進達書に開示支障事情の特記がある場合には、それが事務運営上必要なものであることを確認した上で、これを庁国際業務課に回付する。

  2. 2 事前の相談

    局(署)管理者は、1の進達に先立ち、庁主管課を経由して、庁国際業務課に対して情報提供の要請に係る事前の相談の申出を行うことができる。なお、当該要請がグループリクエストに該当する場合には、事前の相談の申出を必ず行うものとする。
     庁国際業務課は、事前の相談の申出があった場合には常にこれに応じるものとし、必要に応じて庁主管課と協議の上、当該申出に係る情報提供の要請についてその適否を判断し、その結果を、庁主管課を経由して局(署)管理者に(署管理者には局管理者を経由して)伝達する。
     事前の相談の申出を行った局(署)管理者は、当該申出に係る情報提供の要請については、庁国際業務課が適当と判断した場合に限り1の進達を行うものとする。

  3. 3 相手国等への情報提供の要請

    庁国際業務課は、1の進達の回付を受けたときは、必要に応じて庁主管課と協議の上、次に掲げる事項、相手国等との情報交換の状況その他の事情を考慮し、当該進達に係る情報提供の要請の適否について検討を行う。

    • (1) 当該要請が租税条約等及び我が国の法令の規定に適合したものであること
    • (2) 当該要請に係る情報の内容及び収集先が適切に特定されていること
    • (3) 進達書に開示支障事情の特記がある場合には、その内容が国際慣行及び相手国等における情報の取扱いの状況その他の事情に照らして妥当なものと認められること

    庁国際業務課は、検討の結果、当該要請を適当と判断した場合には、当該要請に係る情報について、必要に応じて英訳を施した上で、速やかに相手国等に対して提供の要請を行う。この場合に、進達書に開示支障事情の特記があるときは、情報の収集の際に我が国から要請があった旨の事実又は当該要請の内容を情報の収集先に開示しないことの求め及び当該開示支障事情を併せて相手国等に伝達する。また、情報提供の要請について、争訟手続のために特別の回答期限を付す必要がある場合その他庁主管課から特に依頼を受けた場合には、当該要請を他に優先して行うこととし、要請の際に早急な対応を求める旨を併せて相手国等に伝達する。
     庁国際業務課は、当該要請を適当でないと判断した場合には、その旨及びその理由を、庁主管課を経由して局(署)管理者に(署管理者には局管理者を経由して)伝達する。

  4. 4 犯則調査での利用を目的とする情報の提供の要請

    庁国際業務課は、3により相手国等に対して情報の提供の要請を行う際に、当該情報が犯則調査における利用を目的とするものであるときは、その旨を併せて相手国等に伝達する。

  5. 5 相手国等から受領した情報の回付

    庁国際業務課は、情報の提供の要請をした相手国等から当該情報を受領した場合には、別紙様式2により回答書を作成し、速やかに庁主管課を経由して局(署)管理者に(署管理者には局管理者を経由して)送付する。

  6. 6 相手国等から受領した情報の納税者への開示

    国税局又は税務署の当該職員は、相手国等からその提供した情報を調査の対象者に開示しないことの求めがあった場合を除き、調査の対象である納税者に対して当該情報を開示することができる。

    • (注) 当該納税者に対して当該情報を開示するに当たっては、開示する範囲を必要最小限に限るととともに、原則として、当該情報の内容を記載した書面を提示する方法又は口頭で告知する方法により開示することとし、当該相手国等から入手した資料そのものを安易に提示しないことに留意する。
  7. 7 不開示の求めに係る相手国等への照会等

    相手国等からその提供した情報を調査の対象である納税者に開示しないことの求めがあった場合において、当該情報を当該納税者に対して開示することが必要であると認めるときは、局(署)管理者は、その旨及びその理由を付した上で、庁主管課に(署管理者にあっては局管理者を経由して)開示の可否に係る照会の進達を行い、庁主管課はこれを庁国際業務課に対して速やかに回付する。
     庁国際業務課は、当該進達の回付を受けたときは、必要に応じて庁主管課と協議の上、相手国等への照会の適否について検討を行い、適当と判断した場合には、当該相手国等に対し、当該情報を当該納税者に開示することが必要な理由を付した上で開示の可否の照会をする。
     当該照会を行った場合には、庁国際業務課は、その旨を庁主管課を経由して局(署)管理者に(署管理者には局管理者を経由して)伝達する。検討の結果、相手国等への照会は適当でないと判断した場合についても、同様とする。
     庁国際業務課は、当該照会を行った相手国等から回答を受領したときは、その内容に応じて当該情報を当該納税者に開示することの可否を、庁主管課を経由して局(署)管理者に(署管理者には局管理者を経由して)伝達する。

  8. 8 相手国等に行った情報提供の要請事案の管理

    署管理者、局管理者及び庁主管課は別紙様式3(1)により「管理簿」を、庁国際業務課は別紙様式4(1)により「整理簿」を、それぞれ作成することにより、相手国等に対して行った情報提供の要請に係る事案の管理を行う。
     庁国際業務課は、四半期ごとに、その整理簿と庁主管課の保有する管理簿との間の照合を行うことにより、当該要請に係る事案が適切に管理されているか否かの確認を行い、適切に管理が行われていない事実を把握した場合には、庁主管課に対して適切な管理を行うべき旨を要請する。庁主管課は、庁国際業務課から要請を受けた場合には、局(署)管理者に対して、適切な管理を行うよう指導する。

  9. 9 相手国等に対する進捗状況の照会等

    相手国等に対して情報提供の要請(7の照会を含む。)を行った場合において、相当の期間が経過したにもかかわらず当該相手国等から回答がないときは、特段の事情がある場合を除き、庁国際業務課は、必要に応じて庁主管課と協議の上、当該相手国等に対して回答に向けた進捗状況について照会を行うとともに、速やかな回答を督促する。

  10. 10 相手国等から受領した情報の活用事績の報告

    局(署)管理者は、相手国等から受領した情報を活用した場合には、当該情報を端緒として把握した増差所得、徴収した税額その他の成果の有無にかかわらず、当該情報を活用した月の翌月の末日までに当該情報の活用の事績について、別紙様式5により報告書を作成し、庁主管課に(署管理者は局管理者を経由して)提出するものとし、庁主管課はこれを庁国際業務課に対して速やかに回付する。

第3章 要請に基づく情報交換(相手国等からの要請)に係る事務手続

  1. 1 租税条約等による情報不提供事由に関する検討

    庁国際業務課は、相手国等から要請に基づく情報交換による情報提供の要請があった場合には、租税条約等実施特例法第8条の2第1項各号に定める場合又は租税条約等において情報の提供を拒否することが認められる事由(以下この章及び第5章において「租税条約等による情報不提供事由」という。)に該当する事情があるか否かを検討する。
     検討の結果、当該情報提供の要請について、租税条約等による情報不提供事由に該当する事情があると判断した場合には、庁国際業務課は、当該相手国等に対して、当該要請に応じることができない旨及びその理由を回答する。

    • (注)1  租税条約等実施特例法第8条の2第1項各号において、次の場合が定められていることに留意する。
      • (1) 当該相手国等の税務当局が、我が国が情報交換を通じて行う情報の提供に相当する情報の提供を我が国に対して行うことができないと認められるとき。
      • (2) 我が国が情報交換を通じて提供する情報について、当該相手国等において秘密の保持が担保されていないと認められるとき。
      • (3) 我が国が情報交換を通じて提供する情報が、当該相手国等の税務当局の職務の遂行に資する目的以外の目的で使用されるおそれがあると認められるとき。
      • (4) 情報交換を通じて情報の提供を行うことが、我が国の利益を害することとなるおそれがあると認められるとき。これには、例えば、我が国の外交上・安全保障上の利益に影響が及ぶと認められる場合又は治安の確保や犯罪捜査に支障を及ぼすと認められる場合が含まれることに留意する。
      • (5) 当該相手国等の税務当局が、当該要請に係る情報を入手するために通常用いるべき手段を用いなかったと認められるとき(当該手段を用いることが著しく困難であると認められるときを除く。)。
    •    2  租税条約等において、通常、情報の提供を拒否することが認められる事由として、次のものが定められていることに留意する。
      • (1) 当該要請に係る情報が、当該租税条約等に規定する情報交換の対象税目に係るものでないとき。
      • (2) 当該要請に係る情報が、当該租税条約等に規定する情報交換の対象期間に係るものでないとき。
      • (3) 当該要請に応じることにより、当該租税条約等の相手国等又は我が国の法令又は行政上の慣行に抵触するとき。
      • (4) 当該要請に応じることにより、当該租税条約等の相手国等又は我が国の法令の下において、又は行政の通常の運営において入手することのできない情報を提供することとなるとき。例えば、我が国の租税に関する法令の執行に支障を及ぼすおそれがあると認められるときをいい、これには要請に係る情報の収集に相当の事務量を要し他の調査その他の事務に支障が出る場合が含まれることに留意する。
      • (5) 当該要請に応じることにより、営業、事業、産業、商業若しくは職業上の秘密若しくは取引の過程を明らかにすることになる情報又は公開することが公の秩序に反することになる情報を提供することとなるとき。この場合において、「営業、事業、産業、商業……上の秘密」とは、秘密として管理され、又は公然と知られていない事業活動上の情報であり、かつ、秘密として保護に値するものをいう。これには、例えば、秘密として管理され、かつ、いまだ公にされていない特別の事業活動上の価値を有するノウハウ、機械設備等の設計、生産方式又が含まれることに留意する。また、「職業上の秘密」とは、例えば、医師、弁護士、公証人又はこれらの職にあった者が、その業務上知り得た情報であって、公然と知られておらず、かつ、秘密として保護に値するものが含まれること、「取引の過程を明らかにすることになる情報」とは、例えば、取引に関する交渉過程を明らかにするような情報であって、かつ、公然と知られておらず、秘密として保護に値するものが含まれること、「公開することが公の秩序に反することになる情報」とは、情報を提供する国又は地域の極めて重要な利益に関する秘密をいい、例えば、外交機密、安全保障上の秘密、治安の確保又は犯罪捜査に関する秘密が含まれることに留意する。
  2. 2 情報の収集先の特定に関する検討

    庁国際業務課は、1の検討の結果、相手国等からの情報提供の要請について、租税条約等による情報不提供事由に該当する事情がないと判断した場合には、当該要請に係る情報の収集先が適切に特定されているか否かを検討する。
     検討の結果、当該収集先が適切に特定されていないと判断した場合には、当該相手国等に対してその旨、その理由を伝達し、当該収集先を適切に特定することを依頼する。

  3. 3 必要犯則情報の提供の要請に係る必要書面の受領の確認

    相手国等から必要犯則情報の提供の要請があった場合には、庁国際業務課は、当該要請に係る情報が相手国等の税務当局が行う犯則事件の調査に欠くことのできないものであることを明らかにした当該相手国等の書面を受領したか否かを確認する。

    • (注)1  上記の「必要犯則情報」とは、相手国等の租税に関して当該相手国等の税務当局が行う犯則事件の調査に必要な情報をいう(4及び8において同じ。)。
    •    2  租税条約等実施特例法第10条の2は、相手国等から犯則事件の調査に必要な情報の提供の要請があった場合には、国税庁、国税局又は税務署の当該職員は、当該情報の提供を行うため、当該要請において特定された者について質問、検査又は領置をすることができるとする一方、同法第10条の3は、当該質問、検査又は領置をすることができる場合で、当該要請に係る情報が相手国等の税務当局が行う犯則事件の調査に欠くことのできないものであることを明らかにした当該相手国等の書面がある場合に限り、地方裁判所の裁判官の許可状により臨検、捜索又は差押え等をすることができると定めていることに留意する。また、同法第10条の3の2に定める郵便物等の差押えについても、当該書面がある場合に限り認められる一方、同法第10条の3の3に定める学識経験を有する者への鑑定等の嘱託は当該文書の有無によらずすることができることに留意する。
  4. 4 情報提供の要請の庁主管課への回付等

    庁国際業務課は、2の検討の結果、相手国等からの情報提供の要請に係る情報の収集先が適切に特定されていると判断した場合には、必要に応じて和訳を施した上で、別紙様式6により当該情報提供の要請を速やかに庁主管課に回付する。この際に、庁国際業務課は、次に掲げる場合には、それぞれ次の事項を庁主管課に伝達する。

    • (1) 当該相手国等から情報提供の要請があった旨の事実又は当該要請の内容について情報の収集先に開示しないことの求め(5、6及び8において「不開示の求め」という。)があった場合は、その旨
    • (2) 当該相手国等から当該要請について早急の対応を求める旨の伝達があった場合は、その旨
    • (3) 当該要請が必要犯則情報の提供に係るものである場合は、その旨及び3の書面の受領の有無
       当該情報提供の要請の回付を受けた庁主管課は、必要に応じて局管理者と協議の上、庁国際業務課による1の租税条約等による情報不提供事由及び2の情報の収集先の特定に関する検討の結果を確認し、当該結果に疑義が生じた場合には、庁国際業務課に照会し、協議する。
  5. 5 不開示の求めに係る相手国等への照会等

    庁主管課は、回付を受けた情報提供の要請に相手国等から不開示の求めがあった場合において、当該相手国等からの情報提供の要請に関して開示をしなければ、情報の収集先から情報を収集することが困難であると認めるときは、その旨及びその理由を庁国際業務課に伝達する。
     庁国際業務課は、伝達を受けた内容を当該要請に係る相手国等に対し伝達した上で、当該開示の可否について照会し、当該相手国等から回答を受領した場合には、その内容を庁主管課に対して伝達する。

  6. 6 情報の収集の可否に係る検討等

    庁主管課は、4の情報提供の要請の回付を受けたときは、必要に応じて局管理者と協議の上、当該要請に係る情報の収集を行うことができるか否かについて検討をする。この場合、相手国等から不開示の求めがある場合には、当該相手国等からの情報提供の要請に関して情報の収集先に開示をしないことを前提として、当該検討を行う。
     検討の結果、当該情報の収集を行うことができると認める場合は、庁主管課は、庁国際業務課から回付を受けた情報提供の要請を速やかに局(署)管理者に(署管理者には局管理者を経由して)回付する。
     検討の結果、当該情報の収集を行うことができないと認める場合は、庁主管課は、庁国際業務課に対してその旨及びその理由を伝達する。この場合、庁国際業務課は、当該理由について確認し、我が国の法令及び行政運営並びに国際慣行に照らして妥当と判断したときは、当該相手国等に対して当該情報提供の要請に応じることができない旨及びその理由を回答し、当該理由が妥当でないと判断したときは、庁主管課に再検討を求める。

  7. 7 情報の収集

    局(署)管理者は、6により庁主管課から情報提供の要請の回付を受けた場合には、情報収集担当者を指名する。
     情報収集担当者は、収集すべき情報が税務申告書その他の部内資料から把握できる場合には、部内資料を用いて当該情報の収集を行い、部内資料からでは把握できない場合には、速やかに外部の収集先に対して情報の収集を行う。

  8. 8 権限等の説明

    情報収集担当者は、相手国等からの情報提供の要請に係る情報の収集を外部の収集先に対して行うに当たっては、当該情報の収集が租税条約等実施特例法第9条の規定に基づく相手国等への情報提供のための質問検査権の行使である旨(当該情報が必要犯則情報である場合には、同法第10条の2の規定に基づく質問、検査若しくは領置の権限の行使である旨又は同法第10条の3から第10条の3の3までの規定に基づく相手国等への必要犯則情報の提供のための臨検、捜索若しくは差押えその他の権限の行使である旨)を当該収集先に対して説明する。
    加えて、情報の収集先から求めがあったときは、次に掲げる事項を説明する。ただし、当該相手国等から不開示の求めがあった場合には、その旨のみを説明する。

    • (1) 当該情報提供の要請を行った相手国等の名称
    • (2) 当該相手国等の租税に関する調査の対象者の氏名又は名称
    • (3) 情報の収集先が当該情報提供の要請において特定されている旨
    • (4) 当該相手国等から提供の要請を受けた情報の概要
    • (5) 当該情報提供の要請が、1の租税条約等による情報不提供事由に該当しない旨
      • (注)  要請に基づく情報交換を目的とした情報の収集のための質問検査権は、租税条約等実施特例法第9条に定められたものであり、国税通則法第7章の2の規定は適用されないことに留意する。
  9. 9 収集した情報の報告

    局(署)管理者は、情報収集担当者が収集した情報について別紙様式7により報告書を作成し、庁主管課に(署管理者にあっては局管理者を経由して)送付する。
     当該収集した情報について、その提供の要請を行った相手国等がその調査の対象者に開示すれば、我が国における調査その他の事務に支障を及ぼすおそれがあると認める場合には、報告書にその旨及びその理由(以下この項及び10において「開示支障事情」という。)の特記をする。
     庁主管課は、局(署)管理者から当該報告書を受領したときは、次に掲げる事項について確認をした上で、これを速やかに庁国際業務課に回付する。

    • (1) 当該報告書に記載された情報が相手国等からの情報提供の要請に応じたものであること
    • (2) 当該報告書に開示支障事情の特記がある場合には、それが事務運営上必要なものであること
  10. 10 相手国等への情報の提供

    庁国際業務課は、庁主管課から9の報告書の回付を受けた場合には、必要に応じて庁主管課と協議の上、次の事項について確認を行う。

    • (1) 当該報告書に記載された情報が相手国等からの情報提供の要請に応じたものであること
    • (2) 当該情報の提供について、租税条約等による情報不提供事由に該当する事情がないこと
    • (3) 当該報告書に開示支障事情の特記がある場合には、その内容が国際慣行及び相手国等における情報の取扱いの状況その他の事情に照らして妥当なものと認められること

    庁国際業務課は、確認の結果、当該情報の提供が適当であると認めるときは、当該報告書に記載された情報を、必要に応じて英訳を施した上で、速やかに当該要請を行った相手国等に提供する。この場合に、報告書に開示支障事情の特記があるときは、我が国が情報の提供を行った旨の事実又は当該情報の内容を調査の対象者に開示しないことの求め及び当該開示支障事情を併せて相手国等に伝達する。

  11. 11 相手国等から受けた情報提供の要請事案の管理

    署管理者、局管理者及び庁主管課は別紙様式3(2)により「管理簿」を、庁国際業務課は別紙様式4(2)により「整理簿」を、それぞれ作成することにより、相手国等からの情報提供の要請に係る事案の管理を行う。
     庁国際業務課は、四半期ごとに、その整理簿と庁主管課の保有する管理簿との間の照合を行うことにより、当該要請に係る事案が適切に管理されているか否かの確認を行い、適切に管理が行われていない事実を把握した場合には、庁主管課に対して適切な管理を行うべき旨を要請する。庁主管課は、庁国際業務課から要請を受けた場合には、局(署)管理者に対して、適切な管理を行うよう指導する。
     なお、相手国等からの情報提供の要請に係る事案の管理に当たっては、「税の透明性及び情報交換に関するグローバルフォーラム」の国際基準において、相手国等から情報提供の要請を受けた日から90日以内に相手国等に対し要請を受けた情報の提供又は進捗状況の通知をしなくてはならないとされていることを踏まえ、適切な事案の進行管理を行うべきことに留意する。

  12. 12 相手国等からの進捗状況の照会等

    庁国際業務課は、相手国等から、その情報提供の要請に係る情報の収集の進捗状況について照会を受けた場合には、速やかにその旨を庁主管課に伝達する。
     庁主管課は、必要に応じて局管理者に確認した上で、速やかに当該情報の収集の進捗状況を庁国際業務課に伝達する。
     庁国際業務課は、庁主管課からの伝達の内容に基づいて当該情報の収集の進捗状況に関し説明を作成し、速やかに当該相手国等に回答する。

第4章 FATCAに基づく情報提供に係る事務手続

  1. 1 FATCAに基づく情報提供の要請

    庁国際業務課は、米国内国歳入庁からFATCAに基づく情報提供の要請があった場合には、別紙様式16により作成した依頼文書により庁主管課に対して当該情報提供の要請があった旨を伝達するとともに、当該情報提供の要請において特定された日本国内金融機関(以下この章において「特定金融機関」という。)に宛てた不同意米国口座及び不参加金融機関に支払われた外国報告対象金額に関する照会文書を作成し、局FATCA事務取扱者に対して、次に掲げる事項を依頼する。

    • (1) 当該照会文書の発出に係る決裁を行うこと
    • (2) 決裁を了した場合に、その旨を庁国際業務課に通知をすること
      • (注)1  照会文書には、照会に対する回答は、e-TaxホームページのFATCAコーナーを通じて提出するよう求める旨を記載することに留意する。
      •    2  上記の「局FATCA事務取扱者」とは、FATCAに基づく情報提供の要請があった場合に、国税局において当該要請に係る特定金融機関に宛てた照会文書の発出に係る事務を担当する者であって、次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に定める者をいう(以下同じ。)。
        • (1) 特定金融機関が調査部所管法人(調査査察部等の所掌事務の範囲を定める省令(昭和24年大蔵省令第49号)によりその調査又は検査を調査課がつかさどるとされている法人をいう。)である場合 国税局(沖縄国税事務所を除く。)の調査管理課総務係長又は沖縄国税事務所の調査課総務係長
        • (2) 特定金融機関が(1)の調査部所管法人以外の法人である場合 国税局(沖縄国税事務所を除く。)の法人課税課総務係長又は沖縄国税事務所の法人課税課法人第一係長
  2. 2 特定金融機関に対する照会文書の発出

    庁国際業務課は、局FATCA事務取扱者から1(2)の通知を受領した後に、1の照会文書を特定金融機関に対して発出する。

    • (注) 照会文書には、照会に対する回答は、e-TaxホームページのFATCAコーナーを通じて提出するよう求める旨を記載することに留意する。
  3. 3 特定金融機関に対する進捗状況の照会

    特定金融機関に対して1の照会文書を発出した後、回答期限までに回答がないときは、庁国際業務課は、当該特定金融機関に対してその進捗状況の照会を行い、必要に応じて回答を催促する。

  4. 4 米国内国歳入庁への情報の提供

    庁国際業務課は、特定金融機関から1の照会文書に対する回答を受領した場合には、当該回答に基づき、当該特定金融機関の不同意米国口座及び不参加金融機関に支払われた外国報告対象金額に関する情報を米国内国歳入庁に提供する。

    • (注) FATCAに基づく情報提供の提供は、米国内国歳入庁から要請を受けた日から6か月以内に行うべきことに留意する。
  5. 5 FATCAに基づく情報提供の要請に係る事案の管理

    FATCAに基づく情報提供の要請に係る事案の管理は、庁国際業務課が行う。

  6. 6 要請に基づく情報交換に係る規定の適用関係

    FATCAに基づく情報提供は、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の条約(平成16年条約第2号)に基づいた要請に基づく情報交換として実施されるものであるが、第3章に定める手続は適用しないことに留意する。

第5章 自発的情報交換に係る事務手続

I 自発的情報交換による情報の提供

  1. 1 自発的情報交換の対象となる情報

    自発的情報交換により相手国等(当該相手国等との間で締結されている租税条約等において自発的情報交換に関する規定が定められていない場合における当該相手国等を除く。以下この章において同じ。)に提供するべき情報は、当該相手国等の納税者に関する情報であって、当該相手国等における租税の賦課又は徴収において有益であると認めるものである。
     なお、平成27年10月に経済協力開発機構(OECD)が公表した税源浸食と利益移転(BEPS)行動計画5最終報告書において、税務当局による特定の納税者の課税関係に関する決定、伝達その他の行為で他の国の租税収入に影響を及ぼしうるもの(II4において「ルーリング」という。)に関し、当該行為を行った税務当局は、それにより影響を受けうる国の税務当局に対して自発的情報交換により当該行為に係る情報を提供するべきとされたことを踏まえ、相互協議(租税条約の規定に基づく我が国の権限ある当局と外国の権限ある当局との間の協議をいう。)を伴わない事前確認(税務署長又は国税局長が、国外関連取引に係る独立企業間価格の算定方法及びその具体的内容等について確認を行うことをいう。)の事案に関する情報については、自発的情報交換により当該事案に関係がある相手国等に提供する必要があることに留意する。

  2. 2 自発的な情報提供に係る進達

    国税局又は税務署における租税の賦課又は徴収に係る調査その他の事務において、相手国等に提供するべき情報を収集した場合には、局(署)管理者は、当該情報に関する進達書を作成し、これを庁主管課に(署管理者にあっては局管理者を経由して)送付することにより進達を行う。
     当該進達書の作成又は送付に当たっては、以下に留意する。

    • (1) 当該進達書は、別紙様式8により作成する。ただし、各事務系統において別紙様式8と異なる様式を定めている場合には、各事務系統で定める様式を用いることとする。
    • (2) 当該収集した情報について、その提供を受けた相手国等がその調査の対象者に開示すれば、我が国における調査その他の事務に支障を及ぼすおそれがあると認める場合には、進達書にその旨及びその理由(以下この項及び3において「開示支障事情」という。)の特記をする。

    庁主管課は、当該進達を受領したときは、当該進達に係る情報が当該相手国等における租税の賦課又は徴収において有益と認められるものであること、及び進達書に開示支障事情の特記がある場合には、それが事務運営上必要なものであることを確認した上で、これを庁国際業務課に回付する。

  3. 3 相手国等への情報の提供

    庁国際業務課は、庁主管課から2の進達の回付を受けた場合には、必要に応じて庁主管課と協議の上、次の事項について確認を行う。

    • (1) 当該情報の提供について、第3章1の租税条約等による情報不提供事由に該当する事情がないこと
    • (2) 進達書に開示支障事情の特記がある場合には、その内容が国際慣行及び相手国等における情報の取扱いの状況その他の事情に照らして妥当なものと認められること

    庁国際業務課は、確認の結果、当該情報の提供が適当であると認めるときは、当該進達書に記載された情報を、必要に応じて英訳を施した上で、当該情報に係る納税者の居住地である相手国等に提供する。この場合に、進達書に開示支障事情の特記があるときは、我が国が情報の提供を行った旨の事実又は当該情報の内容を調査の対象者に開示しないことの求め及び当該開示支障事情を併せて相手国等に伝達する。

  4. 4 自発的な情報提供に係る事案の管理

    署管理者、局管理者及び庁主管課は別紙様式3(2)により「管理簿」を、庁国際業務課は別紙様式4(2)により「整理簿」を、それぞれ作成することにより、自発的情報交換による相手国等への情報提供に係る事案の管理を行う。

II 自発的情報交換による情報の受領

  1. 1 相手国等からの自発的な情報提供の受領

    庁国際業務課は、相手国等から自発的情報交換による情報を受領した場合には、別紙様式9により情報箋を作成し、速やかに庁主管課を経由して当該情報に係る納税者の納税地を所轄する国税局又は税務署の局(署)管理者に(署管理者には局管理者を経由して)送付する。

  2. 2 相手国等から受領した情報の納税者への開示

    国税局又は税務署の当該職員は、相手国等からその提供した情報を調査の対象者に開示しないことの求めがあった場合を除き、調査の対象である納税者に対して当該情報を開示することができる。

    • (注) 当該納税者に対して当該情報を開示するに当たっては、開示する範囲を必要最小限に限るととともに、原則として、当該情報の内容を記載した書面を提示する方法又は口頭で告知する方法により開示することとし、当該相手国等から入手した資料そのものを安易に提示しないことに留意する。
  3. 3 相手国等からの自発的な情報提供に係る事案の管理

    署管理者、局管理者及び庁主管課は別紙様式3(1)により「管理簿」を、庁国際業務課は別紙様式4(1)により「整理簿」を、それぞれ作成することにより、自発的情報交換による相手国等からの情報の受領に係る事案の管理を行う。

  4. 4 相手国等から受領した情報の活用事績の報告

    局(署)管理者は、相手国等から受領した情報を活用した場合には、当該情報を端緒として把握した増差所得、徴収した税額その他の成果の有無にかかわらず、当該情報を活用した月の翌月の末日までに当該情報の活用の事績について、別紙様式5により報告書を作成し、庁主管課に(署管理者は局管理者を経由して)提出するものとし、庁主管課はこれを庁国際業務課に対して速やかに回付する。ただし、活用した当該情報が1のルーリングに係るものであり、その成果がなかった場合は、この限りでない。

第6章 自動的情報交換に係る事務手続

I 共通報告基準に係る自動的情報交換

  1. 1 共通報告基準に係る情報の提供

    報告金融機関等の本店又は主たる事務所の所在地(当該報告金融機関等が国内に本店又は主たる事務所を有しない場合その他の租税条約等実施特例法施行令第6条の12第2項で定める場合には、同項で定める場所)の所轄税務署長は、租税条約等実施特例法第10条の6の規定に基づき報告金融機関等から報告事項の提供を受けた場合には、庁管理運営課(国税庁徴収部管理運営課をいう。IIIにおいて同じ。)が定める手続により、それを庁国際業務課に対して回付する。
     庁国際業務課は、回付を受けた報告事項の内容に誤り又は不備があると認めるときは、当該報告事項を提出した報告金融機関等に対して速やかに訂正又は補正を求める。
     庁国際業務課は、当該報告事項を9月末日までに、当該報告事項に係る非居住者の居住地である相手国等の税務当局に対して提供する。

  2. 2 共通報告基準に係る情報の受領

    庁国際業務課は、相手国等の税務当局から当該相手国等に所在する金融機関等から提供された我が国の居住者の報告事項に相当する事項について提供を受けた場合において、当該報告事項に相当する事項に誤り又は不備があると認めるときは、その旨を当該相手国等の税務当局に伝達し、速やかに確認することを求める。

II 国別報告書に係る自動的情報交換

  1. 1 国別報告書の提供

    庁国際業務課は、特定多国籍企業グループの最終親会社等又は代理親会社等から提出された国別報告書を当該特定多国籍企業グループの各最終親会計年度終了の日の翌日から15か月以内(最初の最終親会計年度に限り18か月以内)に、当該特定多国籍企業グループの構成会社等の居住地国等の税務当局に提供する。

    • (注) 上記の「最終親会計年度」、「構成会社等」又は「居住地国等」は、それぞれ、租税特別措置法第66条の4の4第4項第7号若しくは第4号又は租税特別措置法施行規則第22条の10の4第1項第1号に定めるものをいう(2において同じ。)。
  2. 2 国別報告書の受領

    庁国際業務課は、特定多国籍企業グループの最終親会社等又は代理親会社等の居住地国等の税務当局から、国別報告書を受領した場合において、その内容に誤り又は不備があると認めるときは、その旨を当該居住地国等の税務当局に伝達し、速やかに確認することを求める。

III その他の自動的情報交換

  1. 1 自動的な情報の提供

    国税局資料センター(国税局(沖縄国税事務所を除く。)徴収部管理運営課又は沖縄国税事務所徴収課が運営する資料センターをいう。)は、非居住者への金銭の支払、物品の譲渡その他の取引(以下2において「金銭の支払等」という。)について、税務署長に提出された支払調書を基に情報を作成し、庁管理運営課に対して進達を行う。庁管理運営課は、進達を受けた情報を庁国際業務課に回付する。
     庁国際業務課は回付を受けた情報を、自動的情報交換として、当該情報に係る非居住者の居住地である相手国等(当該相手国等との間で締結されている租税条約等において自動的情報交換に関する規定が定められていない場合における当該相手国等を除く。2において同じ。)に提供する。

  2. 2 自動的な情報の受領

    庁国際業務課は、相手国等から自動的情報交換として我が国の居住者への金銭の支払等に関する情報を受領した場合には、これを速やかに庁管理運営課を経由して当該情報に係る納税者の納税地を所轄する国税局及び税務署に回付する。

第7章 情報の二次利用に関する同意の要請に係る事務手続

I 相手国等からの情報の二次利用に関する同意の要請

  1. 1 二次利用に関する同意に係る検討

    庁国際業務課は、租税条約等に定めるところにより、当該租税条約等に基づく情報交換により相手国等に提供した情報の二次利用(当該情報をその提供を受けた国等の刑事事件(当該国等の租税に関する刑事事件その他の当該国等の税務当局が調査を行う犯則事件を除く。)の捜査又は審判(以下この章において「捜査等」という。)に使用することをいう。以下同じ。)をすることについて、当該相手国等の税務当局から同意の要請があったときは、二次利用非適格事由に該当するか否かを検討する。この場合において、「二次利用非適格事由」とは、租税条約等実施特例法第8条の2第2項各号に定める次の場合であることに留意する。

    • (1) 当該要請に係る刑事事件の捜査等の対象とされている犯罪が政治犯罪であるとき、又は当該要請が政治犯罪について捜査等を行う目的で行われたものと認められるとき。
    • (2) 当該要請に係る刑事事件の捜査等の対象とされている犯罪に係る行為が日本国内において行われた場合において、その行為が日本国の法令によれば罪に当たるものではないとき。
    • (3) 当該同意をすることが我が国の租税に関する法令の執行に支障を及ぼすおそれがあると認められるとき。
      • (注) 例えば、次のような場合が、我が国の租税に関する法令の執行に支障を及ぼすおそれがあると認められるときに該当することに留意する。
        • イ 相手国等から軽微な犯罪に係る要請が膨大に寄せられ、これに対応するとなると我が国税務当局の他の事務の遂行が著しく困難又は不可能になる場合
        • ロ 同意をすることにより、我が国税務当局の調査事務に支障を及ぼすおそれがある場合
        • ハ 同意をすることにより、納税者との協力関係を損ね、円滑な税務行政の執行に支障を及ぼすおそれがある場合

    庁国際業務課は、(3)の事由に該当するか否かを検討するに当たっては、庁主管課の意見を聴取するとともに、必要に応じて当該情報を収集した情報収集担当者の所属する国税局又は税務署に対して、庁主管課を経由して(税務署には局管理者を経由して)意見を求めるものとする。

  2. 2 法務省刑事局の確認

    庁国際業務課は、1の検討の結果、二次利用非適格事由に該当する事情がないと認める場合には、租税条約等実施特例法第8条の2第3項により、法務省刑事局国際刑事管理官に対して1(1)及び(2)に該当しないことについての確認を依頼することに留意する。

  3. 3 相手国等への回答

    庁国際業務課は、1の検討の結果、二次利用非適格事由に該当する事情がないと認め、かつ、2の法務省刑事局の確認を受けた場合には、相手国等の税務当局に対して当該検討に係る情報の二次利用に同意をする旨を書面により通知し、それ以外の場合には、当該同意をしない旨を書面により通知する。

II 相手国等への情報の二次利用に関する同意の要請

  1. 1 二次利用に関する同意の要請に係る進達

    国税局又は税務署は、我が国の他の行政機関から刑事事件における捜査等に使用するためにその所管する納税地に居住する者(以下1において「居住納税者」という。)に関する情報の二次利用の要請を受けた場合には、局総務課(国税局(沖縄国税事務所を除く。)総務部総務課及び沖縄国税事務所総務課をいう。以下この章において同じ。)を経由して庁国際業務課に対して当該要請を受けた旨及びその内容を進達する。ただし、局査察部(国税局(沖縄国税事務所を除く。)査察部及び調査査察部(調査事務に従事している課及び部門を除く。)並びに沖縄国税事務所査察課をいう。)が二次利用の要請を受けた場合の庁国際業務課に対する進達は、庁査察課(国税庁調査査察部査察課をいう。以下この章において同じ。)を経由して行う。

    • (注) この場合の「情報の二次利用の要請を受けた場合」には、他の行政機関から国税庁、国税局又は税務署に対してその保有する居住納税者に関する情報について照会があり、当該照会の対象となる情報の中に情報交換に基づいて相手国等から提供を受けた情報が含まれている場合を含むことに留意する。
  2. 2 二次利用に関する同意の要請に係る検討

    庁国際業務課は、1の進達を受けたときは、必要に応じて庁主管課と協議の上、当該進達に係る情報の二次利用の同意の要請が租税条約等及び我が国の法令の規定に適合したものであること、当該情報を提供した相手国等との情報交換の状況その他の事情を考慮し、当該要請を当該相手国等の税務当局に対して行うことの適否を検討する。
     検討の結果、当該要請を行うことが適当であると判断した場合には、当該相手国等の税務当局に対して書面により当該情報の二次利用の同意の要請を行い、当該要請を行うことが適当でないと判断した場合には、局総務課又は庁査察課を経由して当該進達をした国税局又は税務署に対して、当該情報の二次利用は認められない旨を書面により伝達する。

  3. 3 相手国等からの回答の伝達

    庁国際業務課は、2の情報の二次利用の同意の要請をした相手国等の税務当局から回答を受領した場合には、当該回答が二次利用の同意をする旨のものであるときにはその旨を、同意をしない旨のものであるときには当該情報の二次利用は認められない旨を、それぞれ局総務課又は庁査察課を経由して当該要請に係る進達をした国税局又は税務署に対して書面により伝達する。

  4. 4 二次利用を要請した行政機関への対応

    1の進達をした国税局又は税務署は、3により二次利用の同意をする旨の相手国等の税務当局の回答の伝達を受けたときは、第1章2に掲げる守秘義務を踏まえた適切な方法により、当該二次利用の要請をした他の行政機関に対応するべきことに留意する。

第8章 相手国等税務職員等に対する顕彰

  1. 1 顕彰

    庁国際業務課は、租税条約等に基づく情報交換により相手国等から受領した情報のうち、その活用により顕著な事績を挙げることができたもの、事後の調査の進展に重要な貢献をしたものその他の顕彰に値する功績を挙げたものについて、当該情報を収集した相手国等の税務当局の職員その他の者に対し感謝状を贈呈することにより顕彰を行う。

  2. 2 顕彰の対象者の選定

    1の顕彰の対象者は、局(署)管理者から提出を受けた情報の活用事績の報告(第2章10及び第5章II4を参照)に記載された情報の活用事績を基に検討し、その中で特に顕彰に値すると認めるものを、必要に応じて庁主管課と協議の上、庁国際業務課において選定する。

第9章 送達共助に係る事務手続

I 相手国等への送達共助の要請

  1. 1 送達共助の要請に係る進達及び回付

    国税に関する法律の規定に基づいて税務署長その他の行政機関の長又はその職員が発する文書について相手国等に対して送達共助の要請をする必要がある場合において、税務署長その他の行政機関からその旨の連絡を受けた局(署)管理者は、当該要請について別紙様式10により庁主管課に(署管理者にあっては局管理者を経由して)進達を行い、庁主管課は、当該要請の内容を確認の上、これを庁国際業務課に対して回付する。

    • (注) 送達共助の要請を検討するに当たり、相手国等の領域内の者に対し、送達共助の要請の方法によらず、郵便により直接に文書の送達を実施することが可能であることに留意する。ただし、租税に関する相互行政支援に関する条約(平成25年条約第4号。以下「税務執行共助条約」という。)第30条第1項eに規定する郵便による文書の送達を認めない権利を留保している相手国等については、郵便により直接に文書を送達することが認められないことに留意する。
  2. 2 送達共助の要請に係る検討

    庁国際業務課は、1の進達を受けたときは、当該進達に係る送達共助の要請について、次に掲げる事項を充足しているか否かの検討を行う。

    • (1) 文書の送達を受けるべき者が特定されていること。
    • (2) 送達共助に係る規定がある租税条約等に係る相手国等への要請であること。
    • (3) 租税条約等の規定により送達共助の対象となる文書であること。
    • (4) 相手国等において、租税条約等により送達共助を実施する義務を負わないこととされている場合に該当しないこと。

    検討の結果、上に掲げる事項のいずれかが充足されていないと判断した場合には、庁国際業務課は、送達共助の要請を行うことができない旨を、庁主管課を経由して局(署)管理者に(署管理者には局管理者を経由して)伝達する。

    • (注) 送達の要請の対象となる文書は、「要請国から発出される文書(司法上の決定に関する文書を含む。)であって、この条約の対象となる租税に関するもの」(税務執行共助条約第17条第1項)であり、かつ、「国税に関する法律の規定に基づいて税務署長その他の行政機関の長又はその職員が発する書類」(租税条約等実施特例法第11条の3第2項)と規定されていることに留意する。
  3. 3 相手国等への送達共助の要請

    庁国際業務課は、2の検討の結果、2(1)から(4)までに掲げる事項のいずれも充足していると判断した場合には、必要に応じて送達共助の要請に係る文書に翻訳を施し、又は当該文書の内容の概要を付した上で、速やかに相手国等の権限ある当局に対して当該文書の送達を要請する。

  4. 4 送達完了の連絡

    相手国等に対して送達共助の要請を行った場合において当該相手国等から送達を完了した旨の連絡があったときは、庁国際業務課は、別紙様式15により当該送達が完了した旨の連絡箋を作成し、これを庁主管課に対して送付する。当該連絡箋の送付を受けた庁主管課は、それを局(署)管理者に(署管理者には局管理者を経由して)回付する。

  5. 5 送達共助の要請に係る事案の管理

    署管理者、局管理者及び庁主管課は別紙様式11(1)により「管理簿」を、庁国際業務課は別紙様式12(1)により「整理簿」を、それぞれ作成することにより、相手国等に対して行った送達共助の要請に係る事案の管理を行う。
     庁国際業務課は、四半期ごとに、その整理簿と庁主管課の保有する管理簿との間の照合を行うことにより、当該要請に係る事案が適切に管理されているか否かの確認を行い、適切に管理が行われていない事実を把握した場合には、庁主管課に対して適切な管理を行うべき旨を要請する。庁主管課は、庁国際業務課から要請を受けた場合には、局(署)管理者に対して、適切な管理を行うよう指導する。

II 相手国等からの送達共助の要請

  1. 1 相手国等からの送達共助の要請に係る検討

    庁国際業務課は、相手国等から送達共助の要請を受けたときは、当該要請について、次に掲げる事項を充足しているか否かの検討を行う。

    • (1) 文書の送達を受けるべき者が特定されていること。
    • (2) 送達共助に係る規定がある租税条約等に係る相手国等からの要請であること。
    • (3) 租税条約等の規定により送達共助の対象となる文書であること。
    • (4) 我が国において、租税条約等により送達共助を実施する義務を負わないこととされている場合に該当しないこと。

    検討の結果、上に掲げる事項のいずれかが充足されていないと判断した場合には、庁国際業務課は、送達を行うことができない旨及びその理由を、当該相手国等に対して伝達する。

    • (注) 送達共助の要請の対象となる文書は、「要請国から発出される文書(司法上の決定に関する文書を含む。)であって、この条約の対象となる租税に関するもの」(税務執行共助条約第17条第1項)と規定されていることに留意する。
  2. 2 送達共助の要請の回付

    庁国際業務課は、1の検討の結果、1(1)から(4)までに掲げる事項のいずれも充足していると判断した場合には、相手国等から送達共助の要請を受けた文書を別紙様式13により作成した依頼書と併せて速やかに庁主管課に対して回付する。
     庁主管課は、庁国際業務課から回付を受けた当該文書及び依頼書を、局管理者を経由して、当該文書の名宛人の納税地を所轄する税務署の署管理者に回付する。

  3. 3 送達共助の要請に係る文書の送達

    署管理者は、2により送達共助の要請に係る文書及び依頼書の回付を受けたときは、国税通則法第12条及び第14条の規定に準じて当該文書の送達を実施する。

    • (注) 具体的には、郵便若しくは信書便による送達又は交付送達により、原則として、その送達を受けるべき者の住所又は居所(事務所及び事業所を含む。以下同じ。)に送達し、その送達を受けるべき者の住所又は居所が明らかでない場合には、その送達に代えて公示送達をすることに留意する。
  4. 4 送付完了の報告

    署管理者は、相手国等からの要請に係る文書の送達を完了したときは、別紙様式14により報告を作成し、それを局管理者を経由して庁主管課に送付する。当該報告の送付を受けた庁主管課は、それを庁国際業務課に回付する。

  5. 5 送達共助の要請をした相手国等への通知

    庁国際業務課は、4の送達完了の報告の回付を受けたときは、相手国等からの要請に係る文書の送達を完了した旨及び当該送達の方法を当該相手国等に伝達する。

  6. 6 相手国等からの送達共助の要請に係る事案の管理

    署管理者、局管理者及び庁主管課は別紙様式11(2)により「管理簿」を、庁国際業務課は別紙様式12(2)により「整理簿」を、それぞれ作成することにより、相手国等から受けた送達共助の要請に係る事案の管理を行う。
     庁国際業務課は、四半期ごとに、その整理簿と庁主管課の保有する管理簿との間の照合を行うことにより、当該要請に係る事案が適切に管理されているか否かの確認を行い、適切に管理が行われていない事実を把握した場合には、庁主管課に対して適切な管理を行うべき旨を要請する。庁主管課は、庁国際業務課から要請を受けた場合には、局(署)管理者に対して、適切な管理を行うよう指導する。

【別紙1】相手国等へ情報の提供の要請(フロー図は、税務署が進達する場合)

相手国等へ情報の提供の要請

【別紙2】相手国等から情報の提供の要請(フロー図は、税務署が情報を収集する場合)

相手国等から情報の提供の要請

【別紙3】相手国等への自発的な情報提供(フロー図は、税務署が進達する場合)

相手国等への自発的な情報提供

【別紙4】相手国等からの自発的な情報提供(フロー図は、税務署への情報が提供された場合)

相手国等からの自発的な情報提供

【別紙5】相手国等への一般的自動的情報交換に基づく情報の提供

相手国等への一般的自動的情報交換に基づく情報の提供

【別紙6】相手国等からの一般的自動的情報交換に基づく情報の受領

相手国等からの一般的自動的情報交換に基づく情報の受領

【別紙7】相手国等へ送達共助の要請(フロー図は、税務署が進達する場合)

相手国等へ送達共助の要請

【別紙8】相手国等から送達共助の要請

相手国等から送達共助の要請