(1) 相互協議の申立ては、租税条約の規定に基づき、租税条約等実施特例省令第12条第1項《租税条約の規定に適合しない課税に関する申立て等の手続》若しくは第13条《双方居住者の取扱いに係る協議に関する申立ての手続》又は相続税条約実施特例省令第3条第1項《二重課税に関する申立ての手続》の規定に従って、例えば、次に掲げる場合に行うことができる。
(2) (1)の定めにかかわらず、移転価格事務運営要領6-2、恒久的施設帰属所得に係る所得に関する調査等に係る事務運営要領7-1又は個人の恒久的施設帰属所得に係る各種所得に関する調査等に係る事務運営要領6-1に定める事前確認の申出(以下(2)において「事前確認の申出」という。)を行うとともに、相互協議を求める場合には、当該事前確認に係る相互協議の申立てを行うことができる。
租税条約によっては、相互協議の申立ての期間制限があることに留意する。
(1) 庁相互協議室は、個人又は法人から相互協議の申立て前に相互協議に係る事項についての相談(当該個人又は法人の代理人を通じた匿名の相談を含む。以下「事前相談」という。)の要請を受けた場合には、これに応じ、必要な助言を行う等、適切に対応する。
(2) (1)の事前相談が事前確認に係るものである場合には、庁相互協議室からの連絡を受け、庁主管課又は局担当課(移転価格事務運営要領1-1(43)若しくは恒久的施設帰属所得に係る所得に関する調査等に係る事務運営要領1-1(25)に定める局担当課又は個人の恒久的施設帰属所得に係る各種所得に関する調査等に係る事務運営要領1-1(22)に定める局個人課税課をいう。)は、必要に応じこれに加わる。
(注) 事前確認については、局担当課においても事前確認の申出前の相談に応じていることから(移転価格事務運営要領6-10、恒久的施設帰属所得に係る所得に関する調査等に係る事務運営要領6-9若しくは7-9又は個人の恒久的施設帰属所得に係る各種所得に関する調査等に係る事務運営要領5-9若しくは6-9参照)、相互協議を求める事前確認については、庁相互協議室と局担当課のいずれもが相談窓口となり得ることに留意する。
(3) 庁相互協議室は、(1)の事前相談に応じた場合には、必要に応じ、庁主管課に、相互協議の実施又は相互協議により合意した内容(以下「合意内容」という。)に沿った処理の実施に当たり必要となる確定申告書、更正決議書、源泉所得税調査簿、一件別徴収カード等の書類(以下「確定申告書等」という。)の保存措置を講じることを求める。
(4) 庁相互協議室は、(1)の事前相談に応じた場合において、当該事前相談の要請をした者が納税の猶予の申請の意思を有していることを把握したときは、必要に応じ、その旨を庁主管課及び庁徴収課に連絡する。
(5) 庁主管課は、庁相互協議室から(3)により確定申告書等の保存措置を講じることを求められた場合には、国税庁行政文書管理規則(平成23年国税庁訓令第1号)に定める保存期限を経過しても当該確定申告書等を廃棄しないよう局関係課に指示する。
(6) 庁主管課及び庁徴収課は、庁相互協議室から(4)により納税の猶予の申請の意思の連絡を受けた場合には、必要に応じ、局関係課及び局特別整理部門に必要な指示を行う。
(7) 局関係課は、庁主管課及び庁徴収課から(5)又は(6)の指示を受けた場合には、所轄税務署長に必要な指示を行う。
(1) 相互協議の申立ては、「相互協議申立書」(別紙様式1)及び次に掲げる資料(以下「添付資料」という。)を、庁相互協議室に提出することにより行われるものとする。
(2) 相互協議の申立てが事前確認に係るものである場合には、関係資料は、確認申出書に添付され、確認申出法人、確認申出内国法人又は確認申出居住者の納税地の所轄税務署長(確認申出法人又は確認申出内国法人が調査課所管法人である場合には、所轄国税局長又は沖縄国税事務所長)から庁主管課経由で庁相互協議室に回付されることに留意する(移転価格事務運営要領6-2から6-6まで、恒久的施設帰属所得に係る所得に関する調査等に係る事務運営要領7-1から7-5まで又は個人の恒久的施設帰属所得に係る各種所得に関する調査等に係る事務運営要領6-1から6-5まで参照)。
(1) 庁相互協議室は、6(1)により申立者から相互協議申立書及び添付資料の提出を受けた場合には、相互協議の申立てがあった旨を当該相互協議申立書の写しを添付して庁主管課に通知するとともに、当該申立者の確定申告書等の保存措置を講じることを求める。
(2) 庁主管課は、庁相互協議室から(1)により確定申告書等の保存措置を講じることを求められた場合には、5(5)に定めるところにより局関係課に指示する。
(3) 局関係課は、庁主管課から(2)の指示を受けた場合には、申立者の納税地の所轄税務署長に必要な指示を行う。
(1) 庁相互協議室は、申立者が提出した相互協議申立書の記載事項又は添付資料に不備があるときは、当該申立者に補正を求める。
(2) 庁相互協議室は、申立者に、当該申立者が行った相互協議の申立てに理由があるか否かを判断するために必要と認められる資料の提出を求める。
(3) 庁相互協議室は、申立者に(1)の補正又は(2)の資料の提出を求めた場合には、その事実及びその後の補正又は資料の提出の状況を記録する。
(4) 庁相互協議室は、相互協議の申立てが我が国において租税条約の規定に適合しない課税を受けたと認められることを理由として行われたものである場合には、庁主管課に、当該課税の内容(相互協議の申立てが我が国において租税条約の規定に適合しない課税を受けるに至ると認められることを理由として行われたものである場合には、当該課税に係る事実関係の概要)を記載した書類の提出を求める。
(1) 庁相互協議室は、申立者に、相互協議の実施のために必要と認められる資料の提出を求める。
(2) 庁相互協議室は、申立者に(1)の資料の提出を求めた場合には、その事実及びその後の提出の状況を記録する。
庁相互協議室は、必要に応じ、申立者に、当該申立者が提出した添付資料その他の提出資料のうち外国語で記載された資料について、日本語訳を添付するよう求める。
庁相互協議室は、必要に応じ、申立者に、添付資料その他の提出資料についての説明を求める。
(1) 庁相互協議室は、申立者に、当該申立者が提出した相互協議申立書又は添付資料その他の提出資料に誤り又は重要な変更があった場合には遅滞なく連絡するよう求める。
(2) 庁相互協議室は、申立者に、相手国等における課税処分、不服審査又は事前確認審査の進ちょく状況等について遅滞なく連絡するよう求める。
(1) 庁相互協議室は、6(1)により申立者から相互協議申立書及び添付資料の提出を受けた場合(当該申立者に8(1)の補正又は8(2)の資料の提出を求めた場合には、当該申立者がこれらを行った場合に限る。)において、その相互協議の申立てに理由があると認めるとき(相互協議の申立てが事前確認に係るものである場合にあっては、移転価格事務運営要領6-13(2)、恒久的施設帰属所得に係る所得に関する調査等に係る事務運営要領7-12(2)又は個人の恒久的施設帰属所得に係る各種所得に関する調査等に係る事務運営要領6-12(2)に定めるところにより連絡を受けたとき。)には、相手国等の権限ある当局に相互協議を申し入れる。ただし、当該相互協議の申立てに係る課税、事前確認等について既に相手国等の権限ある当局から相互協議の申入れが行われている場合は、相互協議の申入れは行わない。
(2) 庁相互協議室は、次の場合に該当することにより相手国等の権限ある当局に相互協議を申し入れないときには、(3)に該当するときを除き、その旨を当該相手国等の権限ある当局に通知する。この通知により相互協議手続を終了することについて当該相手国等の権限ある当局から異なる意見が示されなかった場合には、その後の手続は17(2)に定めるところによる。
(3) 庁相互協議室は、次の場合(相互協議の申立てが事前確認に係るものである場合に限る。)に該当することにより相手国等の権限ある当局に相互協議を申し入れないときには、その旨を申立者に通知する。
(4) 庁相互協議室は、申立者に(3)の通知を行った場合には、その旨を庁主管課に通知する。
(5) 庁主管課は、庁相互協議室から(4)の通知を受けた場合には、その旨を局関係課に通知する。
庁相互協議室は、申立者からの求めにより、又は必要に応じ、相互協議の実施に支障のない範囲において、相互協議の進ちょく状況を当該申立者に説明する。
(1) 庁相互協議室は、相手国等の権限ある当局と合意に至ると認められる状況となった場合には、合意に先立ち、合意案の内容を文書で申立者に通知するとともに、当該申立者が当該合意案の内容に同意するかどうかを当該申立者に確認する。
(注) 庁相互協議室は、申立者に対し、合意案の内容に基づき計算された本税の額に連動して、国税通則法第2条第4号《定義》に規定する附帯税の額が変更される可能性があることを、必要に応じ、説明する。
(2) 庁相互協議室は、(1)により申立者が合意案の内容に同意することを確認した後に、相手国等の権限ある当局と合意する。
(1) 庁相互協議室は、相互協議において合意に至った場合には、申立者に、「相互協議の合意について(通知)」(別紙様式2)(2)において「合意通知書」という。)により、合意に至った年月日(以下「合意日」という。)及び合意内容を通知する。
(2) 庁相互協議室は、申立者に(1)の通知を行った場合には、その旨を当該通知に係る合意通知書の写しを添付して庁主管課に通知する(当該通知に係る相互協議の対象となっている所得税、法人税又は地方法人税が納税の猶予に係るものである場合には、庁徴収課にも併せて通知する。)。
(3) 庁主管課及び庁徴収課は、庁相互協議室から(2)の通知を受けた場合には、租税条約及び法令等の規定に基づき、相互協議の合意内容に沿った処理及び納税の猶予に係る処理を行うよう局関係課及び局特別整理部門に指示する。
(4) 局関係課は、庁主管課から(3)の指示を受けた場合には、申立者の納税地の所轄税務署長に、相互協議の合意内容に沿った処理を行うために必要な指示を行う。
(1) 庁相互協議室は、相互協議の開始後において次に掲げる場合に該当するときは、相手国等の権限ある当局に、相互協議の終了を申し入れる。
(2) 庁相互協議室は、(1)の相互協議終了の申入れについて相手国等の権限ある当局の同意が得られた場合、13(2)の通知により相互協議手続を終了することについて相手国等の権限ある当局から異なる意見が示されなかった場合又は相手国等の権限ある当局からの相互協議終了の申入れについて同意した場合には、相互協議手続を終了した旨を「相互協議手続の終了について(通知)」(別紙様式3)により申立者に通知する。
(3) 庁相互協議室は、申立者に(2)の通知を行った場合には、その旨を庁主管課に通知する(当該通知に係る相互協議の対象となっている所得税、法人税又は地方法人税が納税の猶予に係るものである場合には、庁徴収課にも併せて通知する。)。
(4) 庁徴収課は、庁相互協議室から(3)の通知を受けた場合には、法令等の規定に基づき、納税の猶予に係る処理を行うよう局特別整理部門に指示する。
(1) 相互協議申立書の提出後、13(3)の通知(相互協議を申し入れない旨の通知)、16(1)の通知(相互協議の合意の通知)又は17(2)の通知(相互協議手続の終了の通知)を受けるまでは、申立者は相互協議の申立てを取り下げることができるものとして取り扱う。
(2) 相互協議申立ての取下げは、「相互協議申立ての取下書」(別紙様式4)を、庁相互協議室に提出することにより行われるものとする。
(注) 税務署に相互協議申立ての取下書が誤って提出された場合には、管理運営担当部門は、速やかにこれを庁相互協議室に送付し、その旨を当該取下書を提出した者に通知する。
(3) 庁相互協議室は、(2)により相互協議申立ての取下書の提出を受けた場合には、相手国等の権限ある当局に、相互協議の申立てが取り下げられたために相互協議を終了する旨を通知するとともに、庁主管課に、相互協議の申立てが取り下げられた旨を当該取下書の写しを添付して通知する。この場合において、当該取下書に係る相互協議の対象となっている所得税、法人税又は地方法人税が納税の猶予に係るものであるときは、相互協議の申立てが取り下げられた旨を当該取下書の写しを添付して庁徴収課に通知する。
(4) 庁徴収課は、庁相互協議室から(3)の通知を受けた場合には、その旨を当該取下書の写しを添付して局特別整理部門に通知する。
(1) 庁相互協議室は、5(3)又は7(1)により庁主管課に確定申告書等の保存措置を講じることを求めた後、相互協議の申立てが行われなかったこと、相手国等の権限ある当局に相互協議の申入れを行わなかったこと、相互協議において合意に至ったこと、相互協議が合意に至らずに相互協議手続が終了したこと(13(2)の通知により相互協議手続を終了することについて相手国等の権限ある当局から異なる意見が示されなかった場合を含む。29において同じ。)又は相互協議の申立てが取り下げられたことにより当該確定申告書等の保存措置が必要でなくなった場合には、その旨を庁主管課に通知する。
(2) 庁主管課は、庁相互協議室から(1)の通知を受けたときは、当該保存措置を解除するよう局関係課に指示する。
(3) 局関係課は、庁主管課から(2)の指示を受けたときは、申立者の納税地の所轄税務署長に必要な指示を行う。