(定義)

第二条 (省略)

2〜5 (省略)

6 この法律において「算定割当量」とは、次に掲げる数量で、二酸化炭素一トンを表す単位により表記されるものをいう。

  • 一 気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書(以下「京都議定書」という。)第三条7に規定する割当量
  • 二 京都議定書第三条3に規定する純変化に相当する量の割当量
  • 三 京都議定書第六条1に規定する排出削減単位
  • 四 京都議定書第十二条3(b)に規定する認証された排出削減量
  • 五 前各号に掲げるもののほか、京都議定書第三条の規定に基づく約束を履行する場合において同条1の算定される割当量として認められるものの数量

(京都議定書目標達成計画)

第八条 政府は、京都議定書第三条の規定に基づく約束を履行するために必要な目標の達成に関する計画(以下「京都議定書目標達成計画」という。)を定めなければならない。

2 京都議定書目標達成計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

  • 一 地球温暖化対策の推進に関する基本的方向
  • 二 国、地方公共団体、事業者及び国民のそれぞれが講ずべき温室効果ガスの排出の抑制等のための措置に関する基本的事項
  • 三 温室効果ガスである物質の種類その他の区分ごとの温室効果ガスの排出の抑制及び吸収の量に関する目標
  • 四 前号の目標を達成するために必要な措置の実施に関する目標
  • 五 前号の目標を達成するために必要な国及び地方公共団体の施策に関する事項
  • 六 第二十条の二第一項に規定する政府実行計画及び第二十条の三第一項に規定する地方公共団体実行計画に関する基本的事項
  • 七 温室効果ガス総排出量が相当程度多い事業者について温室効果ガスの排出の抑制等のための措置(他の者の温室効果ガスの排出の抑制等に寄与するための措置を含む。)に関し策定及び公表に努めるべき計画に関する基本的事項
  • 八 第三条第四項に規定する措置に関する基本的事項
  • 九 前各号に掲げるもののほか、地球温暖化対策に関する重要事項

3 内閣総理大臣は、京都議定書目標達成計画の案につき閣議の決定を求めなければならない。

4 内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、京都議定書目標達成計画を公表しなければならない。

(割当量口座簿の作成等)

第二十九条 環境大臣及び経済産業大臣は、京都議定書第七条4に基づく割当量の計算方法に関する国際的な決定(以下「割当量の計算方法に関する国際的な決定」という。)に従い、割当量口座簿を作成し、算定割当量の取得、保有及び移転(以下「算定割当量の管理」という。)を行うための口座(以下「管理口座」という。)を開設するものとする。

2 (省略)

(算定割当量の帰属)

第三十条 算定割当量の帰属は、この章の規定による割当量口座簿の記録により定まるものとする。

(割当量口座簿の記録事項)

第三十一条 割当量口座簿は、次に掲げる口座に区分する。

  • 一 国の管理口座
  • 二 国内に本店又は主たる事務所(以下「本店等」という。)を有する法人(以下「内国法人」という。)の管理口座

2 前項第二号の管理口座は、当該管理口座の名義人(当該管理口座の開設を受けた者をいう。以下「口座名義人」という。)ごとに区分する。

3 第一項第二号の管理口座には、次に掲げる事項を記録する。

  • 一 口座名義人の名称、代表者の氏名、本店等の所在地その他環境省令・経済産業省令で定める事項
  • 二 保有する算定割当量の種別(第二条第六項各号の種別をいう。以下同じ。)ごとの数量及び識別番号(算定割当量を一単位ごとに識別するために京都議定書の締約国又は気候変動に関する国際連合枠組条約の事務局(以下「事務局」という。)により付された文字及び数字をいう。以下同じ。)
  • 三 前号の算定割当量の全部又は一部が信託財産であるときは、その旨
  • 四 その他政令で定める事項

(管理口座の開設)

第三十二条 算定割当量の管理を行おうとする内国法人は、環境大臣及び経済産業大臣による管理口座の開設を受けなければならない。

2 管理口座は、一の内国法人につき一に限り開設を受けることができるものとする。

3 管理口座の開設を受けようとする内国法人は、その名称、代表者の氏名、本店等の所在地その他環境省令・経済産業省令で定める事項を記載した申請書を環境大臣及び経済産業大臣に提出しなければならない。

4〜6 (省略)

(振替手続)

第三十四条 算定割当量の取得及び移転(以下「振替」という。)は、この条に定めるところにより、環境大臣及び経済産業大臣が、割当量口座簿において、当該算定割当量についての減少又は増加の記録をすることにより行うものとする。

2 算定割当量の振替の申請は、振替によりその管理口座において減少の記録がされる口座名義人が、環境大臣及び経済産業大臣に対して行うものとする。

3 前項の申請をする口座名義人(以下「申請人」という。)は、当該申請において、次に掲げる事項を示さなければならない。

  • 一 当該振替において減少又は増加の記録がされるべき算定割当量の種別ごとの数量及び識別番号
  • 二 当該振替により増加の記録がされるべき管理口座(第四号に規定する場合を除く。以下「振替先口座」という。)
  • 三 振替先口座が国の管理口座である場合には、当該振替の目的が次の各号のいずれに該当するかの別
    • イ 取消し(割当量の計算方法に関する国際的な決定に基づき、算定割当量を京都議定書第三条の規定に基づく約束の履行に用いることができない状態にすることをいう。)
    • ロ 償却(割当量の計算方法に関する国際的な決定に基づき、国が算定割当量を京都議定書第三条の規定に基づく約束の履行に用いることをいう。)
    • ハ 次条第二項の義務を履行する目的
    • ニ イからハまでに掲げる目的以外の目的
  • 四 京都議定書の他の締約国(以下「他の締約国」という。)に存在する口座への算定割当量の振替を申請する場合には、当該他の締約国名及び当該振替により増加の記録がされるべき口座

4 第二項の申請があった場合には、前項第四号に規定する場合その他環境省令・経済産業省令で定める場合を除き、環境大臣及び経済産業大臣は、遅滞なく、次に掲げる措置をとらなければならない。

  • 一 申請人の管理口座の前項第一号の算定割当量についての減少の記録
  • 二 振替先口座の前項第一号の算定割当量についての増加の記録

5 申請人から第三項第四号に掲げる事項を示す申請があった場合には、環境省令・経済産業省令で定める場合を除き、割当量の計算方法に関する国際的な決定に基づき、環境大臣及び経済産業大臣は、当該他の締約国及び事務局に対し当該振替に係る通知を発するとともに、当該他の締約国及び事務局から当該振替の完了の通知を受けた後に、当該申請人の管理口座の同項第一号の算定割当量についての減少の記録をするものとする。

6 他の締約国又は事務局から割当量口座簿における管理口座への算定割当量の振替を行う旨の通知があった場合には、割当量の計算方法に関する国際的な決定に基づき、環境大臣及び経済産業大臣は、当該管理口座の当該算定割当量についての増加の記録をするものとする。

7 算定割当量の振替は、第二項から前項までの規定によるもののほか、環境省令・経済産業省令で定めるところにより、環境大臣及び経済産業大臣に対する官庁又は公署の嘱託により行うことができる。

(算定割当量の譲渡の効力発生要件)

第三十五条 算定割当量の譲渡は、第三十四条の規定に基づく振替により、譲受人がその管理口座に当該譲渡に係る算定割当量の増加の記録を受けなければ、その効力を生じない。

2 他の締約国に存在する口座への算定割当量の振替に関する前項の規定の適用については、当該他の締約国及び事務局からの当該振替の完了の通知を受けたことをもって、同項の増加の記録を受けたものとみなす。

(保有の推定)

第三十八条 国又は口座名義人は、その管理口座における記録がされた算定割当量を適法に保有するものと推定する。

(善意取得)

第三十九条 第三十四条(第六項を除く。)の規定に基づく振替によりその管理口座において算定割当量の増加の記録を受けた国又は口座名義人は、当該算定割当量を取得する。ただし、国又は当該口座名義人に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。