※ 令和元年6月28日付課法2-13ほか2課共同「法人税基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)」(以下「改正通達」といいます。)の発遣により、本文書回答による保険料の取扱いは、令和元年6月28日をもって廃止されています。
 ただし、改正通達の取扱いは令和元年7月8日以後の契約に係る定期保険又は第三分野保険(法人税基本通達9-3-5及び連結納税基本通達8-3-5に定める解約返戻金相当額のない短期払の定期保険又は第三分野保険を除く。)の保険料及び令和元年10月8日以後の契約に係る定期保険又は第三分野保険(法人税基本通達9-3-5及び連結納税基本通達8-3-5に定める解約返戻金相当額のない短期払の定期保険又は第三分野保険に限る。)の保険料について適用し、それぞれの日前の契約に係る定期保険又は第三分野保険の保険料については、改正通達による改正前の取扱い並びに改正通達による廃止前の本文書回答の取扱いの例によることとされています。

(別紙1)

企第458号
平成18年3月31日

国税庁
課税部長 竹田 正樹殿

社団法人生命保険協会
専務理事 諏訪 茂

 当協会の加盟会社の中には、下記内容の長期傷害保険(終身保障タイプ)を販売している会社があります。
 つきましては、法人が自己を契約者とし、役員又は使用人(これらの者の親族を含む。)を被保険者として長期傷害保険(終身保障タイプ)に加入した場合の保険料の取扱いについては、以下のとおり取扱って差し支えないか、貴庁の御意見をお伺いしたく御照会申し上げます。

<長期傷害保険(終身保障タイプ)の概要>

  1. 1. 主たる保険事故及び保険金
    • 保険事故 保険金
    • 災害による死亡 災害死亡保険金(保険期間を通じて定額)
    • 災害による障害 障害給付金
    • 病気による死亡 保険金はないが、保険料の払込期間に応じた所定の払戻金が保険契約者に払い戻される。
    • (注) 保険期間の終了(保険事故の発生による終了を除く)に際して支払う保険金はない。
  2. 2. 保険期間 終身
  3. 3. 保険料払込方法 一時払、年払、半年払、月払
  4. 4. 保険料払込期間 終身払込、有期払込
  5. 5. 保険金受取人 法人、役員又は使用人(これらの者の親族を含む。)
  6. 6. 払戻金
     この保険は、保険料は掛け捨てでいわゆる満期保険金はないが、病気による死亡、保険契約の失効、告知義務違反による解除及び解約等の場合には、保険料の払込期間に応じた所定の払戻金が保険契約者に払い戻される。これは、保険期間が長期にわたるため、高齢化するにつれて高まる災害死亡率等に対して、平準化した保険料を算出しているためである。(その結果、ピーク時の解約返戻率は50%を大きく超えている。)

<保険料の税務上の取扱いについて>

 法人が長期傷害保険(終身保障タイプ)に加入してその保険料を支払った場合(役員又は部課長その他特定の使用人(これらの者の親族を含む。)のみを被保険者とし、災害死亡保険金受取人を被保険者の遺族としているため、その保険料の額が当該役員又は使用人に対する給与となる場合を除く)には、次のとおり取扱う。

  1. (1) 生保標準生命表の最終の年齢「男性106歳、女性109歳」を参考に「105歳」を「計算上の保険期間満了時の年齢」とし、保険期間の開始の時から当該保険期間の70%に相当する期間(前払期間)を経過するまでの期間にあっては、各年の支払保険料の額のうち4分の3に相当する金額を前払金等として資産に計上し、残額については損金の額に算入する。
  2. (2) 保険期間のうち前払期間を経過した後の期間にあっては、各年の支払保険料の額を損金の額に算入するとともに、(1)による資産計上額の累計額(既にこの(2)の処理により取り崩したものを除く。)につき、次の算式により計算した金額を取り崩して損金の額に算入する。
    資産計上額の累計額×(1÷(105ー前払期間経過年齢))=損金算入額(年額)
    前払期間経過年齢:前払期間が経過したときにおける被保険者の年齢をいう。
  1. 注1) 解約返戻率とは、仮に保険契約を解約した場合における解約返戻金を当該解約時における支払保険料の累計額で除した割合をいい、ピーク時の解約返戻率とは当該割合が最も高い時点におけるその割合をいう。
  2. 注2) 前払期間に1年未満の端数がある場合には、その端数を切り捨てた期間を前払期間とする。
  3. 注3) 保険料払込方法が有期払込(一時払を含む)の場合には、次の算式により計算した金額を当期分保険料として上記(1)、(2)の経理処理を行う。
    支払保険料×(保険料払込期間÷(105-加入時年齢))=当期分保険料(年額)
    支払保険料から当期分保険料を差し引いた残余の金額については、前払金等として資産に計上し、払込期間が終了した後は毎年当期分保険料と同額を取り崩し、「各年の支払保険料」を「当期分保険料」に読み替えて、上記(1)、(2)の経理処理を行う。
  4. 注4) 終身保険等に付された長期傷害保険特約(特約の内容が長期傷害保険(終身保障タイプ)と同様のものをいう。)に係る保険料が主契約たる当該終身保険等に係る保険料と区分されている場合には、当該特約に係る保険料について、同様の取扱いとする。なお、長期傷害保険特約が付された養老保険、終身保険及び年金保険から同種類の払済保険に変更した場合には法人税基本通達9-3-7の2の原則に従い、その変更時における解約返戻金相当額とその保険契約により資産計上している保険料の額との差額を、その変更した日の属する事業年度の益金の額又は損金の額に算入することを要する。

以上