ホーム>活動報告・発表・統計>報道発表資料(プレスリリース)目次>報道発表資料(プレスリリース)目次(平成20事務年度)>平成20年度査察(マルサ)の概要
脱税はいわば社会公共の敵というべきものであり、大口・悪質な脱税者の刑事責任を追及することなどを目的として、厳正な査察調査を実施しています。
平成20年度(平成20年4月〜平成21年3月)においては、従来からの所得税・法人税事案に加え、社会・経済状況の変化を踏まえつつ、国際取引事案、無申告事案をはじめとする社会的に意義のある波及効果の高い事案の摘発に取り組んできました。
今般、平成20年度の査察調査の結果がまとまりましたので、その概要を報告します。
【主要ポイント】
○ 平成20年度に査察に着手した件数は211件です。
○ 平成20年度以前に着手した査察事案について、平成20年度中に処理(検察庁への告発の可否を最終的に判断)した件数は208件、そのうち検察庁に告発した件数は153件であり、その結果、告発率は73.6%となっています。
年度
項目 |
平成
16 |
17 | 18 | 19 | 20 |
|---|---|---|---|---|---|
| 着手件数 | 件 210 |
件 217 |
件 231 |
件 220 |
件 211 |
| 処理件数(A) | 213 | 214 | 221 | 218 | 208 |
| 告発件数(B) | 152 | 150 | 166 | 158 | 153 |
| 告発率(B/A) | % 71.4 |
% 70.1 |
% 75.1 |
% 72.5 |
% 73.6 |

【主要ポイント】
○ 平成20年度に処理した事件に係る脱税額は、総額で351億円、そのうち告発分は249億円です。
○ 告発した事件1件当たりの脱税額は、平均で1億6,300万円となっています。
年度
項目 |
平成
16 |
17 | 18 | 19 | 20 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 脱 税 額 |
総額 | 百万円 28,224 |
百万円 27,416 |
百万円 30,398 |
百万円 35,340 |
百万円 35,070 |
| 同上1件当たり | 133 | 128 | 138 | 162 | 169 | |
| 告発分 | 24,680 | 22,960 | 27,755 | 30,888 | 24,942 | |
| 同上1件当たり | 162 | 153 | 167 | 195 | 163 | |
(注)脱税額には、加算税額を含む。

年度
項目 |
平成
16 |
17 |
18 |
19 |
20 |
|---|---|---|---|---|---|
| 告発件数 | 件 152 |
件 150 |
件 166 |
件 158 |
件 153 |
| うち脱税額が3億円以上 | 17 | 16 | 17 | 20 | 14 |
| うち脱税額が5億円以上 | 6 | 5 | 8 | 7 | 7 |
(注)脱税額には、加算税額を含む。
【主要ポイント】
○ 平成20年度の税目別の告発事件数及び脱税額は、近年に見られた鉱物・金属資源の価格高騰や都市部の不動産取引の活発化等を背景として、平成19年度まで減少傾向にあった法人税事件が大幅に増加しました。一方、消費税事件については、不正還付の未然防止に取り組んでいることもあり、平成19年度に比べ減少しましたが、依然として悪質な事案がみられます。
| 年度 区分 |
平成16 | 17 | 18 | 19 | 20 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 件数 | 割合 | 件数 | 割合 | 件数 | 割合 | 件数 | 割合 | 件数 | 割合 | |
| 所得税 | 件 43 |
% 28 |
件 47 |
% 31 |
件 59 |
% 35 |
件 57 |
% 36 |
件 40 |
% 26 |
| 法人税 | 98 | 65 | 86 | 57 | 78 | 47 | 62 | 39 | 97 | 63 |
| 相続税 | 5 | 3 | 4 | 3 | 5 | 3 | 4 | 3 | 4 | 3 |
| 消費税 | 6 | 4 | 10 | 7 | 23 | 14 | 30 | 19 | 12 | 8 |
| 源泉所得税 | − | − | 3 | 2 | 1 | 1 | 5 | 3 | − | − |
| 合計 | 152 | 100 | 150 | 100 | 166 | 100 | 158 | 100 | 153 | 100 |

| 年度 区分 |
平成16 | 17 | 18 | 19 | 20 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 脱税額 | 割合 | 脱税額 | 割合 | 脱税額 | 割合 | 脱税額 | 割合 | 脱税額 | 割合 | |
| 所得税 | 百万円 5,456 |
% 22 |
百万円 6,156 |
% 27 |
百万円 10,842 |
% 39 |
百万円 9,353 |
% 30 |
百万円 3,983 |
% 16 |
| 法人税 | 15,490 | 63 | 10,196 | 44 | 11,849 | 43 | 8,054 | 26 | 18,628 | 75 |
| 相続税 | 2,735 | 11 | 5,004 | 22 | 2,849 | 10 | 8,217 | 27 | 1,054 | 4 |
| 消費税 | 999 | 4 | 1,120 | 5 | 2,088 | 7 | 4,369 | 14 | 1,277 | 5 |
| 源泉所得税 | − | − | 484 | 2 | 127 | 1 | 895 | 3 | − | − |
| 合計 | 24,680 | 100 | 22,960 | 100 | 27,755 | 100 | 30,888 | 100 | 24,942 | 100 |
(注) 脱税額には、加算税額を含む。

【主要ポイント】
○ 近年、国際取引事案、無申告事案、金融・証券関連事案など、最近の社会・経済状況を反映した事案について適切に処理を進めています。
| 年度 | 平成18 | 19 | 20 |
|---|---|---|---|
| 告発件数 | 19 | 34 | 24 |
| 年度 | 平成18 | 19 | 20 |
|---|---|---|---|
| 告発件数 | 18 | 13 | 18 |
(注) 告発対象期(年分)のすべてが無申告の事案について1件としてカウントしている。
| 年度 | 平成18 | 19 | 20 |
|---|---|---|---|
| 告発件数 | 13 | 29 | 15 |
【主要ポイント】
○ 平成20年度においては、鉱物・金属材料卸、不動産業、人材派遣業、商品・株式取引が上位を占めています。鉱物・金属材料卸では、鉄くず関連の所得税・法人税事案が大宗を占めるとともに、商品・株式取引では、平成19年度に多かったFX取引が減少しました。
| 平成18 | 19 | 20 | |||
|---|---|---|---|---|---|
| 業種 | 者数 | 業種 | 者数 | 業種 | 者数 |
| 人材派遣業 | 13 | 商品・株式取引 | 21 | 鉱物・金属材料卸 | 14 |
| キャバレー・飲食店 | 12 | 鉱物・金属材料卸 | 15 | 不動産業 | 14 |
| 建設業 | 12 | 人材派遣業 | 14 | 人材派遣業 | 11 |
| 商品・株式取引 | 9 | 不動産業 | 10 | 商品・株式取引 | 11 |
| 鉱物・金属材料卸 | 8 | 機械器具製造 | 7 | パチンコ | 8 |
| パチンコ | 6 | 運送 | 7 | 建設業 | 6 |
| − | − | 建設業 | 5 | 電気機械器具製造 | 6 |
| − | − | キャバレー・飲食店 | 5 | コンサルタント | 5 |
(注) 同一の納税者が複数の税目で告発されている場合は、1者としてカウントしている。
告発の多かった業種・取引で見られた脱税の手口としては、鉱物・金属材料卸では売上除外、不動産業では無申告、人材派遣業では従業員から徴した寮費等の雑収入除外により所得税や法人税を免れたものが多く見られ、さらに、人材派遣業では本来課税仕入に該当しない人件費を課税仕入となる外注費に科目仮装する消費税の脱税も多く見られました。
このほか、昨年に引き続き、架空原価や架空経費の計上及び実際の収支に基づかないいい加減な所得金額での申告による脱税が見られました。
【主要ポイント】
○ 脱税によって得た利益の多くは、国内で、現金、預貯金又は有価証券として所有・管理されていましたが、近年、海外の預金や有価証券等による留保が増加傾向にあります。
○ 脱税により取得した簿外資産の特異な隠匿場所としては、畑の土中や居宅エレベータの床下にある機械装置内などがありました。
(1) 脱税によって得た利益の多くは、現金、預貯金又は有価証券として所有・管理されていたほか、高級外車、金地金、不動産、ブランド品の購入に充てられているものも見受けられました。また、海外の預金や有価証券等で留保されているケースも見受けられました。
(2) 脱税により取得した簿外資産等の隠匿場所は様々でしたが、
に隠していたケースなどがありました。
【主要ポイント】
○ 平成20年度中に一審判決が言い渡された件数は154件であり、すべてについて有罪判決が出され、実刑判決が9人に出されました。
項目 年度 |
[1] 判決 件数 |
[2] 有罪 件数 |
|
実刑判決 人数 |
[3] 1件当たり 犯則税額 |
[4] 1人当たり 懲役月数 |
[5] 1人 (社)当 たり罰金額 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
平成
18 |
件 160 |
件 160 |
% 100.0 |
人 14 |
百万円 107 |
月 16.4 |
百万円 27 |
| 19 | 189 | 189 | 100.0 | 22 | 127 | 16.1 | 31 |
| 20 | 154 | 154 | 100.0 | 9 | 79 | 16.1 | 22 |
(注) 実刑判決人数及び[3]〜[5]は、他の犯罪との併合事件を除いてカウントしている。