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第8回 国税審議会 議事録 (2)

徴収部長
 それでは、徴収部長の谷口でございますが、お手元の資料3に沿いまして、滞納関係の国税の現状と課題について御説明したいと思います。
 まず、1ページ目を開いていただきますと、国税全体、全税目の滞納状況の推移がございまして、折れ線グラフがいわゆる滞納残高のグラフでございます。私ども、実は、「滞納残高」と言わないで「滞納整理中のもの」というふうに申し上げているのですが、これは滞納残高と言いますと、取りっぱぐれているような印象があるのですが、私どもその後差押えとか捜索とかを実際にやっておりまして、本当に徴収しておるものですから、言ってみれば、よく言えば売掛金みたいなものだと、後でちゃんと回収しているので、滞納整理中のものというふうに申し上げております。
 いずれにせよ、いわゆるその残高が平成10年から11年ごろがピークで3兆円近くまで上がってしまいました。税収全体が40兆円という状況でございましたので、滞納が3兆円になるというのは大変なことだということで、国税庁としても滞納圧縮を税務行政の最重要課題の一つとして懸命に取り組んでまいりまして、また、関係者にもいろいろ御協力いただきまして、おかげさまで、その後6年ぐらいたっているわけですが、残高ベースで約1兆円の縮減に成功しました。引き続き今後とも頑張っていきたいというのが、まず1点目でございます。
 それから、2ページ目を御覧いただきますと、先ほど税目全体と申し上げましたが、その中で特に国民の皆様に御関心の高いのが消費税の滞納でございます。消費税は平成元年に導入されまして、その後税収も伸びましたが、当然、滞納も残念ながら伸びております。これも平成11年ごろまでがピークになっているわけでございますが、消費税の場合、このグラフでぜひ御説明したいことは、平成9年に消費税の税率が上がっております。これは国税だけの統計でございますので、3%から4%に上がったということで計算されております。そうしますと、当然のことながら、税率が上がりましたので滞納も増えてしまったわけなのですが、ここでぜひ皆様にわかっていただきたいことは、その後、やはり消費税の滞納についてもいろいろな努力を重ねた結果、今、滞納残高は減っております。それで、実はこの黒い棒線が新規の発生額、滞納が実際に発生した額を意味しております。この発生額を見ていただきますと、まさに平成10年、3%から4%になった直後に滞納発生がはね上がっているということがわかると思います。ただし、ここは3%から4%に税率は上がりましたけれども、課税事業者の数は変わっておりません。要するに、従来の200万人ぐらいの課税事業者の方、平成元年から10年近く消費税を納められていた方でも、3%から4%になるとこのように滞納が発生する、と。
 他方で、その後、税率が変わったわけではありませんが、各方面の努力、私どもも及ばずながらいろいろ努力をいたしまして、そういたしますと、消費税というのは預り金的性格がありますので、各事業者がそれなりに備蓄をしたり、資金繰りについて前もって準備をされると、滞納発生も減っていくということが見てとれます。現在では税率は、例えば平成8年と比べると3%から4%に増えているのは同じなのですけれども、税率引き上げ前の水準まで滞納発生が落ちているということで、私どもこれも一つの努力の成果ではないかと、ひそかに自負しているところでございます。
 ただし、問題はこれからでございます。先ほど課税部長が説明いたしましたように、平成17年度においては、今度は法人・個人あわせて180万人の新規の課税事業者、今、このグラフにあらわれていない新規の課税事業者の方が新たに納税をします。この180万人にとってみれば、ゼロから4%に上がるわけでございます。今まで200万人で3%から4%でやってきたこのグラフに、ゼロから4%の人が180万人加わると、このグラフは一体どうなってしまうのかというのが私どもの大変な心配でございまして、それをなるべく滞納残高が増えないように、あるいは発生が増えないように、今、一生懸命、各方面の御協力をいただきながら努力をしているというところでございます。
 先ほど、消費税の滞納残高の言葉でちょっと御説明いたしましたが、それをグラフで説明したものが3ページ目のグラフでございます。
 ここでグラフ全体を納めるべき税額100%といたしますと、おかげさまで、実は95%ぐらいの税額は、督促状を出さない、要するに、滞納になる前に自主的に納めていただいているということでございます。しかも、そうしますと5%ぐらいの滞納が発生したわけですが、この5%の滞納に対しても、直ちに滞納整理に取りかかる、あるいは、年を越えてもさらに引き続き接触を図る、場合によっては差押えをしたりするというような方策によりまして、結果的に2年以内に99.2%の納めるべき税額が国庫に納まっているということになりまして、これも、ぜひ、国民の方々に御理解いただきたい点でございます。
 それから、先ほど滞納未然防止の話を簡単に申し上げましたが、消費税については、実はこの新規の方々は備蓄をするのも初めて、もちろん納税するのも初めてと、こういう方々でございますので、いかにその滞納を発生させないかということで、口座振替のお願いを積極的に進めております。これは4ページ目にグラフがございますが、個人の新規事業者につきまして、昨年の6月から12月にかけて一生懸命キャンペーンを張ったおかげさまで、約30%ポイントの振替利用の促進が図られました。ちなみに所得税については、もう何十年も前から振替のお願いをしているわけですが、過去のことになりますが、ちょうど振替の利用率を30%ポイント増やすのに6年かかっております。所得税で6年かかったことを消費税で6カ月でやったということで、皆様に、特に納税貯蓄組合でありますとか税理士会、青申会、いろいろな法人会、いろいろな団体にも御協力いただいておりますので、感謝いたしたいところでございます。
 それから、そうはいっても180万人の新規課税事業者の方が出て、場合によっては特に小口の滞納が非常に数多く発生する可能性があります。そういう場合にどうしたらいいかということが非常に重要な問題になってくるわけですが、この問題に関しては、今でも、既に、そういう小口の滞納というのは事務的には課題が非常に多いところでございますので、これに対しまして数年前から納税コールセンター、特に、小口の滞納者に対して電話で集中的に催告を行うということを始めております。
 ここに写真を、これは東京国税局の納税コールセンターの例を、ちょっとイメージをおわかりいただくために載せております。このような形で、コンピュータを使って滞納者の名簿を管理し、滞納者の画面がこの個人個人のオペレーターの画面に出て、そして電話をつなげて催告をする、という仕組みでやっております。
 この仕組みがどのような成果を生んだかというのが次のページにございます。6ページ目でございますが、実はコールセンターは、東京国税局では4年前ぐらいから始まっているのですが、全国展開は16年からでございました。昨年1年間の実績がここにございますけれども、催告対象者約30万人弱のうち、55%の方についてこの電話だけで納めていただくということができたわけでございまして、これは効率的な滞納整理において非常に重要な施策であると考えております。今後ともこのコールセンターの活用を進めていきたいというふうに思っております。
 私からの説明は、以上でございます。

会長
 ありがとうございました。
それでは、岡本審議官、よろしくお願いいたします。

岡本審議官
 岡本でございます。それでは、引き続き私の方から、資料4に沿いまして、「酒類行政を巡る最近の動き」ということで説明させていただきたいと思います。
先ほど酒類分科会長の小林委員から、詳しい表示基準の改正についての御紹介をいただきました。そのフォローを含めて御説明をさせていただきたいと思いますが、資料では、まず大きな見開きで「酒類産業の現状と今後のあり方」というのを付けております。これはすべてこの時間に説明するつもりはございませんが、二つの表示基準の改正というのは、位置付けとしまして、この真ん中ほどの対策のところの、一つは品質水準の確保・向上策への対応策というこの2番目に、地域ブランドの確立のための地理的表示の活用、というふうに書いてございますが、それに係る表示基準の改正をお願いしたということでございます。
 それから、もう一つの未成年の飲酒防止に係る表示基準につきましては、同じ対策の欄の三つ目の箱の販売業の課題への対応策という、販売業全体というところに社会的要請への的確な対応と書いてございますが、その中に年齢確認を徹底するための表示基準の改正を入れさせていただいております。その関係での表示基準の改正を分科会でお諮りして、お願いしたという位置付けになっております。
 具体的に、次の資料で一つずつ簡単に、その後の状況について御説明いたします。
 一つは酒類の陳列場所における表示の改正という資料ですが、従来は「未成年者の飲酒は法律で禁止されています」という形で、酒類販売店、お酒のコーナーに表示が義務付けられていましたが、これを基本的に年齢確認をきちんとしていただくという前提で、「20歳以上の年齢であることを確認できない場合には酒類を販売いたしません」という形の表示に変えていただくということにしたわけでございます。
 下にございますが、この改正は、酒類分科会での手続、それから審議会での最終答申を踏まえて、昨年の10月1日から適用されることになりました。ただ、現場におきましては、経過期間ということで、従来の既存の業者ないしは新規参入業者の区分に応じて、ことしの3月ないしは来年の9月というような形で、若干の経過期間は設けております。いずれはこういう形で、今まで以上に未成年者の酒類へのアクセスを防止するための、より実効性のある表示基準に変えていただくことになったわけであります。
 1枚めくっていただきますと、もう一つの表示基準の改正は、ちょっと横長で、「地理的表示に関する表示基準」の改正という形で説明をさせていただいております。従来から、このお酒の原産地表示といいましょうか、地理的表示につきましては、WTO加盟国の間で協定がございまして、それに従って一定の、日本でいいますとワイン――ぶどう酒なり蒸留酒については国税庁長官が産地指定をし、それについて地理的な表示についての保護を受ける、一たんそういう表示をした場合にはほかの地域では同様の表示ができないという規定が、国際的なスタンダードとして認められていたわけであります。
 代表的な例で言いますと、フランスワインのボルドー産フランスワインとか、ウィスキーでいってもスコッチ、スコットランドのスコッチと言うとスコットランド産のウィスキーというような例も、他国ではございました。
 昨年の6月に酒類分科会でお諮りをいたしましたのは、それに加えて、日本独自の施策ではございますが、国税庁長官が産地指定をすれば、ぶどう酒や蒸留酒に認められているものと同じような保護の効果を、少なくとも国内においては清酒についても付加できるようにということで、表示基準の見直しをお願いしたわけであります。その結果、清酒というものがつけ加えられまして、ここに例として白山というのが挙がっております。この12月、これも表示基準の改正自体は昨年の10月に行いましたが、早速その追加した清酒のこの基準を活用したいということで、石川県白山市の酒造組合から申請が出まして、一定の基準に沿った地元白山の清酒については「白山清酒」という名前を地理的表示として付けられるということで、我が国独自の施策ではありますが、地理的表示の第1号として、清酒についても適用の事例が出てまいりました。これは昨年末12月22日に改正がなされて、この白山が第1号の事例となったわけであります。
 次のページに、条文を挙げて恐縮なんですが、国税庁の告示ということで、清酒も含めた規定をしましたところ、この石川県白山市が対象として、清酒の第1号として挙がってまいりました。
 それから、これは既にあった制度ではありますが、しょうちゅうについては、既に従来から産地指定をする酒類の対象として認められておりました。このしょうちゅう、どれも乙類の本格しょうちゅうの方ですが、長崎県の壱岐、それから熊本県の人吉、沖縄県の琉球泡盛、この三つについては、従来こうしたスキームを活用した地理的表示の対象として、既に認定をして指定をされていたのですが、同じ昨年末に、たまたまですが、今、しょうちゅうについてはかなりの乙類ブーム、中でも、さつまいもを使った「いもしょうちゅう」がここ数年ブームになっていたところなのですが、鹿児島県からも、地元のさつまいもを使ったしょうちゅうについて、薩摩のしょうちゅうということで産地指定の申請がございまして、これもあわせて、昨年末12月に指定をしたところであります。
 こういった形で、消費者に対しても、どこでできたお酒、どこでつくられたお酒、というのがきちっと消費者に対する情報として提供されるということは好ましいことだと思いますし、そういうことを通じて、それぞれ酒類について品質向上が図られるということを我々としても支援していきたいと考えているところであります。
 以上の二つが表示基準についての酒類分科会での昨年の答申を踏まえたフォローアップといいますか、執行サイドでの実施状況の御報告でございますが、あわせて2点ほど、最近の酒類行政についてのトピックスとして、御紹介をさせていただきたいと思います。
 一つは、しょうちゅう乙類の、先ほどの薩摩のしょうちゅうとも関係しますが、しょうちゅう乙類の免許の要件緩和ということでございます。先ほども紹介申し上げましたように、しょうちゅう乙類、特にさつまいもを中心としたものが中でも人気があるのですが、米しょうちゅう、いもしょうちゅう、そばしょうちゅう、それぞれございますが、最近数年間、かなり人気が出て需要が増加いたしました。今では、全国的に見ても、しょうちゅう甲類・乙類あわせますと清酒を上回る消費量・出荷量になっているところでございます。こうした中で、一部の業者からは、新たにそういったしょうちゅう乙類を製造する免許を付与してもらいたいという要望が出てまいりました。そういうニーズにある程度こたえつつ、全体的な需給バランスも勘案して、今回、1月23日になりますが、地域の特産品である米や麦、さつまいも、そばを原料とする場合に、一定の要件で新規の製造免許の付与を認めるということで、従来、原則として認められなかったこの分野への新規参入の一部を認め、緩和をしていくという方針を決定したところでございます。
 詳しくは述べませんが、地元の産品を使ったしょうちゅうをつくる場合について、それも、もう既に業者が相当数出ている主産地を除くところで消費量の方がむしろ上回るような地域には、地元の地域の状況を勘案して、一定の要件、一定のキロリットルの限度はございますが、しょうちゅうの製造免許を、新規に認めていこうということでございます。既に、これに対する申請の動きが幾つか出てきているところでございます。これが1点。
 それから、次の資料は、「勧告の方向性」を踏まえた「酒類総合研究所の見直しの概要」と書いてございますが、これは、従来、国税庁の附属機関でございました旧醸造試験場が平成7年には東広島に移り、醸造研究所、平成13年に独立行政法人になり、酒類総合研究所として独立していたわけなのですが、昨年、一昨年来の行政改革なり独立行政法人の組織・業務の見直しの中で、以下のような見直しを行っていくということが決められましたので、御紹介をさせていただくものです。
 酒類総合研究所は、酒税の分析・鑑定を主とした業務の一つとしていまして、あと清酒を初めとする鑑評会を実施したり、それから、従来も国立大学その他研究機関との共同研究で、醸造発酵学についての研究成果を業界に対して広く普及させるような活動も行ってまいりました。けれども、全体の行政改革の見直しの中で、ここにありますように研究・調査業務をより重点的・効率化していこう、体制もなるべく弾力的な研究体制にしていこう、民間と共同でできる部分は、なるべくそういう形で民間の資金も導入していこう、従来、単独で行っていた鑑評会などについても、むしろ、業界団体と共催化をしていくとか、業界団体にシフトしていくというようなことも検討していこう、と民間でできることはなるべく民間でという発想ではございますが、そういったことも含め、なるべく、効率化、コスト削減を図っていこうということが、見直しの骨子として最終的に決められました。
 5カ年の中期計画で、この4月からまた新しい中期計画が始まるわけですが、それまでにまた、この法人の新たな任務・役割も明確化していくための中期計画・中期目標を設定していくことになり、今、検討中でございます。
 3番目にある点が、非公務員化による事務事業の実施ということです。従来、独立行政法人とはいいましても、特定独立行政法人という形で公務員型の独立行政法人でございましたが、先ほど申し上げたような民間との共同化ということに弾みをつけるためにも、この際、非公務員化に踏み切るということで、ちょうど明日、提出が予定されておりますが、今国会に改正法案、この独立行政法人酒類総合研究所法の一部を改正する法律案を提出することを予定しているところでございます。
 以上、幾つかのトピックも含めて、御紹介させていただきました。

会長
 ありがとうございました。
それでは、青山審議官、続けてお願いいたします。

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