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【第26回酒類販売業等に関する懇談会】議事録(2)

矢島氏
 先ほども申し上げましたとおり、私は結論としましては、未成年者自身の罰則といったようなことに関しては、反対いたします。罰則を設けることだけでなく、検討すべきであるということも反対いたします。それからその下の改正だけじゃなくて、改正の検討ということも反対いたします。
 その理由として、確かに議論の中には出てきましたけれども、それは特定のメンバーが言っていたことであって、その特定のメンバーの言っていたことを何でも取り上げるとしたら、それこそ意見は大量になってしまうのに、その中で何か行政にとって都合の良いところだけ取り上げるという、そういうことはあってはならないわけです。もし取り上げるのでしたらもう少しきちんと議論して取り上げていただきたいと思います。
 ただ、これについて私としては不良行為ということで十分対応できると、このように思っております。

奥村座長
 ほかの御意見はいかがですか。

田中氏
 確かに、この未成年者に何か罰を与えることはできないのかという質問は、警察の方からのヒアリングのときに私がしまして、そのときに警察では、福祉犯というふうな考え方の論理があるのだというお話でした。それで海外に調査に行きましたら、イギリスでは未成年者に処罰を与えているというふうなことでしたので、その方法をお伺いしたところ、いきなり未成年者本人を罰するのではなくて、親に再三にわたる注意処分をして、それでもどうしても手に負えないような場合については、本人を処罰するということでした。今の日本の現状を考えた場合、親が十分に子供の教育をし得る環境にないというふうなことであれば、処罰の軽重は別として、何らかの自覚なり責任なりをきちんと警察が与えることができれば、それは一つの効果を生むのではないかなというふうに考えております。もちろんこれを全部にやれというわけではなく、そういう意見があるということを全体の結論として持つかどうかは別として、そういう考え方は一つあるのではないかなと思います。

奥村座長
 ありがとうございました。

小宮氏
 言葉が非常に難しいと思います。「処罰」というと確かに一般的には、例えば、刑務所に送られるのではないかとか、少年院に送られるのではないかというふうに思わせる。要するにそれしか方法がないのではないかというふうに考えられているわけですけれども、では、例えば、イギリスではどうやっているかというと、処罰というよりは、行為規制みたいなニュアンスでとらえていて、例えば公園かなんかで大騒ぎしながらお酒をみんなで飲んでいたら、そのお酒のボトルを没収する権限を与えるとか、あるいはお酒をしょっちゅう飲んでいるような子供がいたら、まずはいきなり裁判で処罰というのではなくて、子供と行政当局とで、もうお酒は飲みませんというような契約書を交わして、それをしばらくフォローしていって、それでもまたちょいちょいお酒を飲んでいるようであったら、そこで初めて罰を加える可能性がありますよというような段取りでやっていきます。矢島先生が不良行為で片付けられるというのは、そういうニュアンスもあるのかもしれませんけれども、確かに「処罰」というと、いきなりそれはということもありまして、実際にイギリスも「処罰」というよりはもう少しソフトなところから入っていって、本人の同意を得ながらやっていく。ただし、物理的なものについてはきちんと没収権限、あるいは行為規制、あるいは解散命令とか、そういうものを与えているという形、行政命令的なので法律論で言えばやはり刑罰とまではいかない、行政命令でやっているという形なので、「処罰」という言葉は確かに適切ではないかもしれないという感じはします。

矢島氏
 よろしいでしょうか。今のような内容でしたら、私も別に違和感はありません。それがこのような文言になってくると、この文言が一人歩きしますので、そのような内容を盛り込むということに対しては、反対はないのですが、この文言にはやはり反対させていただくということなのです。この文言の検討をお願いします。

奥村座長
 ほかの先生方もぜひ加わっていただきたいし、こういう文言がいいという具体案を出していただければと思います。一番やわらかいのは実効性を高める方策を検討しろという言葉にしておくということですかね。それだとだれでも言いそうなことだということになってきたら、ではもっとこういう意見もあります、こういう意見もありますというように、併記しておくかということですかね。

本間氏
 確かに自分たちで飲んで騒いでいる、健康を自ら害しているということに対して、処罰も何もないとは思います。騒いでいることで被害が周囲に及ぶということが問題なのです。例えば、運転免許は日本では18歳から取得できるわけですが、もし、未成年者が飲んだ挙句の果てに、交通事故を起こしたとしたら、それは周囲に被害を及ぼすことになるわけですが、処罰はされますけれども、それは飲酒に対する処罰ではありません。他に被害を与えるような可能性があるものに対しては、「処罰」という言葉ではなくて、「罰則の方法を検討する」というのはいかがでしょうか。

奥村座長
 皆さんの机の上に水谷先生がお電話で事務局の方に、今日出席できないということで、寄せられた御意見のメモがあるかと思いますので、御参照ください。
 今、罰則は全くないわけですよね。

亀井酒税企画官
 未成年者に対する罰則はありません。

奥村座長
 罰則がないものを強化しろという具合には行かないですね。罰則を入れようとすると、法改正になってくるのですか。それはこの未成年者飲酒禁止法の改正、あるいはその他の法律の改正になりますか。

亀井酒税企画官
 未成年者飲酒禁止法の改正になるのではないかと思います。

奥村座長
 そういう事情がございまして、現状では罰則は全くないので、強化という具合には行かないという弁が、本間先生、あるのですよ。どうしたらいいですか。

本間氏
 強化ではなくて、罰則の方法を検討する。

奥村座長
 いや、いずれにしても入れろということになると、法改正を伴うのですよね。

須磨氏
 行為規制とあるわけですから、「方法の検討」という言葉では駄目なのですか。

奥村座長
 それで読まれる方に伝わるでしょうか。私たちが読むわけではなくて、国民が読むためのものを考えているということなので、行為規制の事例として、括弧して具体論を書いておけばいいかもしれませんね。

岡本氏
 「未成年者自身への処遇を含めて検討する」というのはいかがでしょう。

奥村座長
 「処遇」というのは、どういう意味合いですか。

岡本氏
 罰則も含まれるし、それからそうではなくてもう少しやわらかい、さっき例に出されたような対応というものも含まれるでしょう。

矢島氏
 もしくは、「法律」という言葉を出すとしたら、未成年者自身への法的対応だとか、そんな言葉はいかかですか。

奥村座長
 法的対応はよろしいですね。具体的に法律の名前ではなくて、法的に何か対応する。そうしますと、大体ニュアンスはこういうことでいいですか。厳密な言葉遣いは実際におやりいただいている行政当局の方に少し考えていただかなきゃいけないですが、ニュアンスとしては「現在、未成年者飲酒禁止法の違反は福祉犯と位置付けられているので、未成年者自身の処罰は困難であるという事情はあるが」としてよろしいですか。そこまでは事実の確認だけです。「処罰は困難であるという事情はあるが、未成年者飲酒防止の実効性を高める方策の検討が必要である。」そこまでよろしいでしょうか。
 さてその後に、今、矢島先生からおっしゃっていただいたこととか、処遇とかについては「検討が必要である。この方策には」としますかね。小宮先生、処遇の変わりにもう一声何かないですかね。要するにそんな処罰なんて固いことではなくて、善導しろということですよね。

小宮氏
 今の法的対応でいいのではないかと思います。

奥村座長
 一言でいいですか。

小宮氏
 ええ。つまり、要するに今は、例えば、補導員が町を歩きながら、お酒を飲んでいる子供がいても、そこでやめなさいとか、駄目ですよとかと言ったところで、これは事実行為に過ぎないし、何の効果もそこから発生しませんから、それで少年に、どういう権限があっておまえらがやっているのかと言われても、何の反応もできないという状況ですけれども、そういうものは多少改善していくという意味で、法的対応というふうに、十分読めますから、処罰ではなくて法的対応でよろしいのではないでしょうか。そのときに、前回の議論にもかかわりますけれども、どういう根拠でそういう法的対応まで提言するのだとなると、やはりそこにはここで上にあります地域社会の平穏等を守るということでの法益と、これがやはりかなり重要で、むしろイギリスなんかはこれを重視して、そういうふうに規制を張りめぐらしたので、これはやはり落とせないのではないかと思います。

奥村座長
 ではこういうことでいいですか。先ほど「実効性を高める方策の検討が必要である」と申し上げましたが、「実効性を高める方策が必要である」としまして、「この検討に当たっては法的改正も対象となり得る」とすると強いですかね。

岡本氏
 「改正も含める」というような文言を間に入れて、「検討する」というふうにしたらどうですか。

奥村座長
 では、この前の文章を一つにしてしまって、「実効性を高める方策が、法的検討も含めて必要である。」というふうにしますか。

矢島氏
 お任せします。

奥村座長
 いえいえ、ここは微妙なところなので、できれば皆さんもいらっしゃるときに決めてしまった方がいいでしょう。「未成年者飲酒防止の実効性を高める方策が、法的改正も含めて検討されるべきである。」これでいいですか。

小宮氏
 それだと、地域社会の平穏に関する記述が落ちてしまいます。

奥村座長
 そこまで入れるのをやめようと思っているのですが、どうしても「この地域社会の平穏等を守る」ということを掲げておいて、だから改正しろというふうに持っていく必要がありますか。

小宮氏
 むしろそうしないと弱いのではないでしょうかね。

奥村座長
 そうですか。

小宮氏
 ええ。要するに、では何で飲酒防止をやらなければならないのか、要するに社会的な要請というのはそういう意味だと思うのです。個人が好き勝手に飲んでいるのを、どうせいこうせいというようにモラル的に予防するのではなくて、実社会の地域住民がそれに不安感を覚えていると、何とかしなさいというのが社会的要請ですから、それへの対応なのだということを入れるのであれば、やはりこの言葉は落とせないと思います。この流れで、この文章を活かして、最後の「未成年者自身の処罰」というところを、「未成年者自身への法的対応も検討すべきである」というのでいかがでしょうか。

矢島氏
 私もそれに賛成です。座長がいろいろとこの文言を考えてくださったのですけれども、非常にシンプルにこれを修文するのだったら、「処罰」という言葉を「未成年者自身への法的対応も検討すべきである」という、これだけの修正で私はいいと思います。

奥村座長
 ほかの文章はこれでよろしいですか。

矢島氏
 ええ。ほかの文章については何も文句はございません。それからその下の「未成年者飲酒禁止法」という具体的な法律が出てくるのが、表現として気になるので、「未成年者飲酒に関連する法令の改正」というふうにするのでしたら、それこそ幅広いですから、小宮先生のおっしゃっていた、子供たちがグループになって酒を飲んで、どんちゃん騒ぎをしているときでも、少年補導員という人たちが、法的な権限を持って対処し得るといったようなものまで含めて、改正の検討ができるということになります。

奥村座長
 法的改正も検討すべきであるというところと、次の未成年者飲酒禁止法の改正というのは重複してはいませんか。

岡本審議官
 まず、一番下の未成年者飲酒禁止法の改正の検討というのは、本人確認義務とか、それからそのほかについての改正の可否について検討を行うべきであるという内容であり、最後の部分については、未成年者本人に対する処罰に関する内容でありますから、内容の重複はありません。ですが、ここでは未成年者飲酒禁止法以外の部分での改正の検討の可否について触れているので、なければないで話はつながります。

矢島氏
 そうですね。

奥村座長
 今の処罰以外のこともやろうとすると、未成年者飲酒禁止法は、いずれにしても改正せざるを得ないということになりますね。

岡本審議官
 年齢確認については、以前から随分議論があって、罰則がないために、きちんとした指導にも至っていないという内容だったと思います。そういう話も受けて、この未成年者飲酒禁止法の改正のほか、当面の対応策を検討するべきであるというようにまとめました。  

奥村座長
 でもこの未成年者飲酒禁止法の改正は、年齢確認などをきちんとやろうとすると、いずれにしても欠かせないわけですよね。

岡本審議官
 そうです。ですから、このような文脈の方が読んでいて分かり易いと思うのです。  

奥村座長
 そうしましたら、先ほどの処罰はいずれにしても「未成年者自身への法的対応も検討すべきである」これで一応意見は一致ということでいいですか。処罰のところはそれで終わりまして、次の文章を入れるかどうかというところですが、ここは矢島先生、これで御了解いただけますか。

矢島氏
 入れないのだったら入れないですっきりします。

奥村座長
 検討せざるを得ないので、それを受けて「未成年者飲酒禁止法の改正の検討のほか」というのは、生かしておくということです。

矢島氏
 生かすわけですか。今のお話だと別に「ほか」というのが大事 なのですから、入れる必要性もないと思います。

岡本審議官
 この最初の文章をこういうふうに書いた理由は先ほど御説明したとおりですので、先生方に御議論いただいてお決めいただければ、それに基づいてまとめさせていただきます。  

田中氏
 いずれにしても、罰則規定の創設とか、そういうことをすると改正せざるを得ないわけですよね。未成年者の処罰は別問題として、法的対応とかほかにもいろいろ現状のもので考えられるというのもあるでしょう。ですが、年齢確認に関する罰則規定を創設するなら、未成年者飲酒禁止法の改正はやらざるを得ないわけですから、「改正の検討のほか」の部分を残しても、未成年者自身の処罰ということには、直接繋がらないと思います。

矢島氏
 未成年者飲酒禁止法の改正というのが、その処罰だけじゃなくて全部にかかってくるというのは理解しました。しかしそれと同時に、未成年者自身への法的対応といったようなものも、未成年者飲酒禁止法の改正だけに焦点が絞られるというのはやはり問題でしょう。

奥村座長
 それ以外の法律の改正も必要だということですか。

矢島氏
 それ以外の改正というより、それ以外の検討も必要なわけです。

奥村座長
 そうしたら、「未成年者飲酒禁止法等の改正」とすればいいですか。

矢島氏
 ですから、「上記のほか」でいいのではないですか。「上記のほか、当懇談会においては」という表現ではどうですか。ここまでの文章の中で、未成年者飲酒禁止法というものが全く出てきてないですよね。でも、実際には未成年者飲酒禁止法の改正が必要だということは分かりましたけれども、文章からすると極めて唐突に出てくるわけです。そうすると、未成年者飲酒禁止法改正のために、上の文言を言っているという行政的なメッセージが含まれているように、思われますよね。だからもし「ほか」の方が重要であるのだったら、「上記のほか」で別に構わないのではないかと思います。

奥村座長
 いや、「ほか」が重要であると言っているわけじゃなくて、24ページから具体的に1、2、3、4と言っていますのは、今まで言ってきたこととはちょっと別ですよね。

小宮氏
 この後ろに「等」を入れるので、よろしいのではないですか。

奥村座長
 「未成年者飲酒禁止法等」としてということで、よろしいですか。しかし、矢島先生は、「未成年者飲酒禁止法」という単語は唐突に出てくるという御判断ですから、「未成年者自身への法的対応も検討すべきである。」の次に、「このために必要な法改正の検討のほか」としますか。そうすれば、当然その法律も含まれるだろうということは、ニュアンスとして伝わりますよね。
 それでは、「法的対応も検討すべきである」の次に段落を置きまして、「このために必要な法改正の検討のほか」ということで、まとめていいですか。ではそういうことで「このために必要な法改正の検討のほか」これで次へ行きましょう。
 先ほどの「処罰は困難であるとの説明を受けたが」というところは、だれが説明を受けたのだとなるといけないので、私たちが判断したということでもいいですよね。「未成年者自身の処罰は困難であるという事情はあるが」ということでいいですね。
 それでは24ページの方で、1のところをお願いいたします。

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