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【第20回 酒類販売業等に関する懇談会】 議事録(1)

日時: 平成16年7月5日 15:00〜17:00

場所: 国税庁第一会議室

出席者:

懇談会メンバー   奥村 洋彦 座長
    田中 利見 座長代理
    井岸 松根
    小宮 信夫
    田嶼 尚子
    寺沢 利雄
    本間千枝子
    水谷 研治
説明者 国税庁   村上次長
    岡本審議官
    小鞠酒税課長
    濱田鑑定企画官
    若尾酒税企画官
    初谷酒税課課長補佐
    小森酒税課課長補佐
    本宮酒税課課長補佐
    前田酒税課課長補佐
    土屋酒税課課長補佐

奥村座長
 それでは、開会させていただきます。
 本日は第20回目の懇談会でございます。このところ非常に回数多く行っておりますが、たくさんの方に御出席いただきまして、大変ありがとうございます。それから、議事録のことでも頻度多く御点検いただきまして、感謝申し上げます。
 本日は、これまで7回に渡って続けてまいりましたヒアリングのまとめを事務局でしていただいておりますので、ポイントにつきまして御説明いただいて、議論を進めていきたいと思います。
 議事に入ります前に、国税庁の人事異動がございましたので、事務局から御紹介いただきたいと思います。

初谷課長補佐
 それでは、7月2日付で国税庁の職員の人事異動がありましたので、ご紹介させていただきます。
 まず、審議官でございますが、大西前審議官が税務大学校に異動となりまして、新しく岡本審議官が着任しております。

岡本審議官
 岡本でございます。よろしくお願いいたします。前1年間は酒どころの広島で、いろいろ勉強をさせていただいておりましたけれども、また本庁に戻りました。昔、酒税課長をさせていただいたこともありますけれども、大分時間も経過していますので、またゼロから勉強をさせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

初谷課長補佐
 それから、酒税課長でございますが、寺内前酒税課長は東京国税局へ異動となりました。後ほど御挨拶をさせていただきたいと思います。寺内前酒税課長の後任でございますが、小鞠酒税課長でございます。

小鞠酒税課長
 どうも小鞠でございます。よろしくお願い申し上げます。前職は経済産業省の中小企業庁に出向しており、中小企業の経営支援をしておりました。酒税課の仕事は初めてでございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

初谷課長補佐
 以上でございます。

奥村座長
 ありがとうございました。
 それでは、本題に入って参りたいと思いますが、先ほど申し上げましたように、今までのヒアリングの概要を取りまとめていただいておりますので、事務局の方から適当に区切って御説明いただいて、そして議論をさせていただくということを繰り返して1時間半強進めて参りたいと思います。その後、海外へ、アメリカやヨーロッパへ行っていただく先生方にお願いしていることもございますので、実態調査につきまして、いくらか御報告を事務局からいただくということで進めたいと思います。
 では、よろしくお願いいたします。

若尾酒税企画官
 それでは、資料としてこれまでのヒアリング等のポイントというものを用意させていただきました。これは議事録を基に事務局でまとめさせていただいたものでございます。第5回以降はまだ先生方のチェックをいただいていないものも使わせていただいていますので、また不都合なところは直していきたいと思います。ポイントの線で囲ってある部分は、事務局から説明した事項、あるいはヒアリングの際の専門家、行政の説明事項です。
 3月24日の再開後、第1回、通算では第11回の会合及び第12回会合で事務局から懇談会再開の趣旨や酒類業界の現状等について説明させていただきました。時間的な制約もあるため、少し今回のヒアリングは欲張ったところもありまして、座長を初めメンバーの皆様方には大変ご迷惑をおかけしたところでございます。今回は各界ヒアリング後のメンバーの意見交換が十分行えなかった部分や、あるいは欠席になられた方もおりますので、この資料に基づきまして一通り説明をしながら御意見をいただければと思います。
 まず、1ページの第11回の会合を開いていただきたいと思います。
 第11回におきましては、懇談会再開の趣旨及び経緯等について、事務局から説明いたしました。前回の懇談会の取りまとめ、私どもの方でさまざまな手当てを講じた後も、各界からさまざまな要望等があります。例えば緊急措置法の附則第3条には「酒類の特性、青少年の健全な育成の重要性、地域社会における酒類小売業者の役割等を勘案し、酒類販売業免許の制度の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる」とあります。また、昨年末の与党の税制改正大綱にも一文が検討事項として盛り込まれました。業界からは全国小売酒販組合中央会から「酒税の保全のみならず、公共の福祉の面や酒類の社会的管理の観点からの酒類販売業免許制度の再構築」「酒類産業の健全な発達のため国際的整合性のある制度の運用基準の整備」、それから、酒類業中央団体連絡協議会からも同様の趣旨の要望、全国卸売酒販組合中央会からは酒類事業法の制定等が提言されております。酒類業を取り巻く環境につきましては、酒類業の制度にも関係してくるいろいろな変化がこの1年余の間に生じてきています。まず、製造たばこの販売規制です。これは後で詳細に説明をいたしますけれども、お酒とたばことは違う面もありますが、課税物資であり、かつ依存性を有する嗜好品という共通の特性もあって、今後はWHOの場で酒類に関しても健康問題を中心にいろいろな議論が本格化する可能性もあるというふうな説明をしております。
 2ページを御覧ください。酒、たばこ以上に販売管理の必要性が高いと考えられます医薬品に関してもいろいろな動きが見られます。これも後でまた説明します。
 一方、未成年者飲酒の現状を見てみますと、渋谷の繁華街における深夜の未成年者飲酒の実態等について、テレビ報道が相次いでされたということもありました。そのような中、東京都では青少年健全育成条例の改正等が行われました。こうした社会環境の中で、酒類に関しても現行の酒税法あるいは酒類業組合法の体系の下においても、もう少し直接的な措置・規制というものが取り得るかどうか検討の余地があるのではないかという説明をしております。酒類の自販機の問題についても同様でございます。
 「諸外国の酒類販売制度」と題する資料を説明させていただきましたけれども、これは日本とカリフォルニア州、それからイギリスの3カ国のいわばイントロダクションとも言うべきものでございました。
 3ページになりますけれども、自販機に関しては、イギリスではこれを禁止する法律上の明文規定があり、カリフォルニア州法では個別の明文規定はありませんが、一般条項を適用して制限を行っているようでございます。広告に関する制限規定、販売時間に関する制限、こういったものを設けている国もあります。これらの規制は、それぞれの国における歴史的・文化的背景の上に成り立っているものと考えられますが、他方でたばこの動きを見ますと、こうした歴史的・文化的背景を最大公約数化したような形で国際的規制に向けた取組が行われてきています。
 このような現状説明を受けたメンバーの方々からは、意見交換のときに、根本的な対策が必要との声も含めて、以下のような意見がございました。まず、酒類を巡る場は毎日刻々と変わっており、更なる検討も意味があるという意見。それから、酒という商品は、儲かればいい、あるいは便利ならばいいと考えられていますけれども、致酔性を有する商品はどうあるべきかをもう一度根本的に、基本的に考えるべきだという意見もございました。供給過剰の問題が青少年の問題とも関連しているという意見もございます。これから特にクローズアップされてくるのは、お酒によって青少年の暴力への扉を開かせないようにすること、そして健康面の要件だと思う。それから、産業面以上にこれからは社会的な要請が高まってくると思うという意見もございました。
 4ページです。三つ目のところを見ていただきますと、お酒とは何か、消費者の利便性というのは一体何かということの検討も必要だという御意見もございました。飲酒に関する教育の問題、文化を含めた広い意味の教育に焦点を当てることが非常に重要だという意見もありました。このような意見を踏まえまして、今後、新たなメンバーに参加を願いまして、酒類業における社会的要請等への更なる対応のあり方をテーマにしまして、ヒアリングを充実し、あるいは外国の実態調査も実施して検討を進めていくことで了承されました。
 5ページでございます。第12回では事務局から酒類業界・行政の現状と前回の取りまとめの対応状況について、説明をいたしました。
 まず、酒類業界・酒類行政の現状等では、酒類需要は減少傾向にある中で、供給側、メーカー、販売業者の競争は大変激しく、また、専門店というよりは酒も置いてある店が増えてきており、様々な取組にもかかわらず、未成年者飲酒禁止法による検挙人員は、平成15年には170人に増加。昨年の飲酒による少年の補導人員は3万6,000人余りと増加。飲酒により補導された不良行為少年は11歳、12歳の若年層の増加も目立っているという説明をいたしました。
 次に、下の方になりますけれども、前回の取りまとめの対応状況、事務局としての問題意識を説明いたしました。例えば、酒類の容器等における警告表示については、もう少し効果を上げる工夫が必要なこと、それから、一番下のところになりますけれども、酒類の広告についても業界の自主規制が行われているが、自主的な取組ということもあって、次のページに入っております、法的規制も含めて、どのように広告の問題を考えていくべきか、なお検討が必要であること。第11回で青少年の問題とも関連しているとの指摘がありました。また、公正取引の確保の問題、あるいは酒の深夜販売を巡っては、諸外国と同様、一定の制限をすべきとの意見もある一方、過度に広範な規制はいかがなものかという意見もございました。それから、酒類販売時における身分証明書の提示の義務付けですけれども、これも含めまして年齢確認のあり方について、もう少し検討していく必要があること。学校等の施設周辺における酒販店の出店の制限、あるいは自販機の撤廃のための法的規制のあり方についての検討などについても説明いたしました。四角の一番下になりますけれども、免許とは何なのかを改めて考える必要があるという提言は非常に重要な提言と認識しているが、引き続き検討が必要なことだということを事務局から説明をいたしました。
 意見交換では、警告表示やコマーシャルについて、ただ単純にやっていけばいいというものではなく、業界の責任回避のようなことにつながるおそれがあるとの指摘がございました。7ページでございますが、身分証の提示につきましては、心配するほど抵抗感がないようで、若い世代はそれも馴染んでくれるのではないかという意見もございました。一方、免許の目的を見直す方向としては、より簡素な格好にして国民が自己責任でやっていく方向性で進めていくべきであるという意見もございました。地方自治体レベルで消費者、PTAの代表などと広く教育そのものについて考えた方がいいのではないか、また酒類販売管理研修を通じた酒販店の役割の発揮に期待する意見もございました。
 次に、8ページでございます。
 第13回からは各界の専門家や行政等からのヒアリングを実施しました。第13回は「酒類の特性」「青少年の健全な育成」の観点からの「酒類と青少年問題」に関するヒアリングでございます。
 まず、「青少年問題」に対する取組の現状と課題を内閣府の有松参事官から説明していただきました。昨年末に決定された青少年育成施策大綱は、基本理念として「青少年の健全な育成は、社会全体の責任であることを踏まえて、家庭、学校はもとより、職場、地域、民間団体等の社会を構成するすべての組織と個人が、それぞれの役割や責任を果たしながら、相互に協力しながら取り組む」ことを掲げています。大綱は、各担当省庁がそれぞれの施策を実施するという方針に基づいて、お酒の関係では、例えば、10代の飲酒をなくすための施策を国税庁等が実施する仕組みになっておりまして、未成年者が酒類やたばこを容易に入手できるような環境をなくすため、関係業界への働きかけを強化する旨の内容が大綱に盛り込まれております。
 質疑応答では「能動性を重視した青少年観への転換」は大変良いことだと思うとの意見がございました。また、9ページになりますけれども、自主的だけで本当にやっていただけるのかという疑問があるとの意見もございました。親世代の意識あるいは教育の問題、お祭りなどの地域活動の活用、こういったことが必要だという意見が述べられまして、有松参事官からは、全体としてはお酒が非常に手に入りやすい状況になっている中での難しい取組だと思っているが、非常に厳しい形で規制をするというところまで決めつけているわけではなく、現在進められている取組の一層の充実を図るということもあろうかと思う、という意見もございました。
 次に、新しくメンバーに加わっていただきました矢島先生から、青少年問題と飲酒についてお話がありました。飲酒に対する健康意識では、害があるといくら大人が言っても、子供たちは「うるさい」と言うだけで、そのような注意はほとんど無意味という結論を導くこととなり、規範意識につきましては、法律で禁止されているということも、酒に関しては抑止力としては効力が非常に弱く、その有効性はほぼないという、きつい指摘がございました。10ページになりますけれども、未成年者の酒の購入場所についてですが、自販機規制の効果ははっきりと出てきてはおりますが、しかし、子供たちは自販機で買えなくても、スーパー、コンビニで買うことが可能。酒に関しては、喫煙以上に親も含めた世の中のインフォーマルな統制が弱く、性的な逸脱行為、マナー行動、人様を無視するような行動においても飲酒経験とは相関関係があり、飲酒に対しての寛容な文化は、大人だけでなくて青少年にも浸透してきているという説明がございました。下から二つ目のポツですけれども、日本の飲酒文化は、欧米各国と比べてみると、飲酒に非常に寛容な文化、酔うことにも寛容な文化であり、これに加えて以前は酒の飲み方にうるさい文化というのがあって、青年期にこの酒の飲み方について学習する文化があったけれども、これが異年齢集団ではなく、同年齢集団で飲むようになってきて、我が国の学習文化が崩壊しつつある。今後、酒の無秩序化、逸脱化が明確に出てくるようになるであろう。ただし、飲み方にうるさい文化だけを復活させることができるかというと、それは無理で、ある程度トータルに規制していくことが必要。飲み方の分からない者に対しては、やはり厳しく扱わなくてはならないとの説明がございました。
 質疑応答では、青少年でお酒を飲んでいる人たちは、ほとんど自覚症状がないというか、そこを責めても仕方がない部分があるとの意見がございました。しかし、販売する側、家で飲んでしまう分は仕方ないけれども、外で飲むまたは買う場合、自販機での購入も含めて販売する側に何かを働きかけることが一番効果的だという意見がございました。一方で、その方向には疑問を呈する意見もございました。また、業者を厳しく取り締まることによって、世の中の大人も含めて、もちろん子供たちに対して、酒に関しては近ごろ厳しくなったのだ、やかましくなったのだという警告を発することができるようになり、これは非常に効果的であるという意見もございました。11ページ下から二つ目のマルですけれども、あるいは「俺たちの自由だ、少しぐらいなら許されるだろう」といった考え方は通用しないことをきちんと指導していく必要があり、また一方で、未成年者イコール20歳未満だということをしっかりと子供たちにも浸透させていく必要があるという意見がございました。
 次に、警察庁生活安全局の少年保護対策室保住室長から、未成年者飲酒防止に関する取組の状況について説明がありました。未成年者の飲酒は、重大な非行の前兆ともなり得る不良行為であると共に、未成年者に酒類を提供する行為は、その健全育成を阻害する悪質な行為でもある。全刑法犯の検挙人員のうち、約38%を少年が占めており、成人が検挙される率よりも8倍高いという状況にある。未成年者飲酒禁止法に基づく検挙人員は従前の2倍に増加しており、都市部では違反のあった販売業態はコンビニが多く、次いでカラオケ、居酒屋ということでした。売ってしまった理由はいろいろあるようですけれども、店の売り上げが優先ということも11ページに出ております。昨年1年間で約130万人の少年が補導されていますが、飲酒は全体の中で見ると2.8%のシェアとなっているようです。しかし増加率は高いという話がありました。12ページ下から二つ目のポツのとこですけれども、少年の規範意識の希薄化は大人にも原因がある。不良行為をしている少年を発見しても、大人の2人に1人は見て見ぬふりをしているのが現状のようです。まとめとしまして、未成年者の飲酒あるいはその対策の実態を見ると、残念ながらその改善状況を示す指標は一つもなく、未成年者の飲酒防止対策において、少年の健全な育成を促す上で、酒類の販売事業者とか関係機関が果たすべき役割は非常に大きいと思うということでございました。
 質疑応答では、大人自身の規範意識の喪失は酒だけではないんだという意見。このメンバーの中でも疑問が呈されていましたけれども、未成年者飲酒禁止法違反者は「福祉犯」に分類され、子供は被害者という認識で、被害者たる子供を処罰することは基本的に困難という法律の仕組みになっているという説明もありました。また、子供が親の犠牲になっている、親がどうしようもないとなれば、やはり販売者が販売する時点において厳格な運用をしていかざるを得ないとの意見もございました。

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