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【第19回 酒類販売業等に関する懇談会】 議事録(2)

奥村座長
 どうも皆さんありがとうございました。
 それでは、ここまでの御報告に対し、委員の方々から御意見、あるいは御質問いただくということで、しばらく進めさせていただきたいと思います。
 本間先生どうぞ。

本間氏
 かねがねビールの税率は非常に高いということを聞いておりましたが、今日この表を拝見して愕然といたしました。ビールの税率をこれほど高くさせている、その根拠はどこであるのかという御説明を伺いたいと思います。

本宮課長補佐
 ビールの税率水準につきましては、税制の企画立案は主税局の方で担当されておりますので、仔細には承知しておりませんけれども、酒税の場合には、分類差等課税を採用し、酒類の原料であるとか、製造方法であるとかの違いによりいろいろな税率水準を定めております。現時点では、これまでの過去の税制改正の結果として、今のような税率水準になっているということになります。ただ、税制調査会の答申等を見ますと、消費形態などの類似性を踏まえて税率の水準の見直しをする必要があるというふうに答申にも記述されておりますので、今後、税率水準の見直しというものが行われていくであろうというふうに理解しております。

奥村座長
 ビール酒造組合の方から何か追加コメントはございますか。

淺見副会長
 よろしゅうございますか。
 酒類業界に身を置く者として申し上げれば、日清日露戦争はお酒の税で勝ったと言われるぐらい、酒税というのは、かつては国家財政を支える大変重要な税源であったと思います。酒税は、最終的には飲む人、消費者が負担をする間接税でございますから、それだけの負担が可能かどうかということで税率が決まってきます。逆に言えば、酒税というのは取れるところから取るという税制でございまして、ビールというのは国民から長い間非常に愛飲され、4社の寡占体制であるということから、蔵出し税であり、企業が払って、あと消費者の方へそれを転嫁していくという考え方でできているわけです。ビールにはそれだけの負担力があったということで、これまで長い間酒税の中心をなしてきたということだと思うのですが、私が今あえてここで口を開かせていただいたのは、清酒についても一言言いたかったからであります。合成清酒はお米がなかった時代には大変立派な日本国家のための発明だったわけですけれど、今御承知のように、お米は余っているような状態です。それにもかかわらず、私どもはこの合成清酒よりもはるかに高い、倍近いと言っていい税金を払っているように、酒税というのはそういう歴史の産物でございます。

奥村座長
 ありがとうございました。
 ほかのテーマででも結構ですがいかがでしょうか。

中村専務理事
 淺見副会長がおっしゃっておられましたが、やはり税収不足を補うために、取りやすいところから取ってきた、あるいは需要が伸びているところから税を取られたという歴史の中で、昭和50年代には10年間で3回か4回増税があったと伺っております。そういう歴史があって、現在では大瓶1本の中には、消費税も合わせると46.5%税金が入っているというぐらい高いものになっているということでございます。
 最近では需要が減少しておりますので、ビールの税金を上げるという話は全然出てまいりませんが、今日の問題としては、ビールに似ているものとして発泡酒があり、発泡酒とビールの税金は、やはり同種同等で同一であるべきだという財務省のお考えがちらちらとしております。業界としては、ビールと発泡酒は違うもので、それは別の観点から生まれて、それはそれとして消費者に認知されている製品であり、同額の税金を課せられるということは少し乱暴ではないかという運動をしているという現状でございます。

奥村座長
 ありがとうございました。
 いかがですか。

矢島氏
 私どもの業界では、アウトサイダーがいろいろと問題になっていろいろと努力しているのでございますけれども、私どもの業界に入らない、委員にならない方々が云々かんかんというのがカラオケ業界等いろいろな業界でもささやかれているわけでございます。お話を伺っておりますと、焼酎乙類、それから地ビール、それから泡盛、この辺のところは未組織のような感じがいたしますが、いかがでございましょうか。

淺見副会長
 先ほど冒頭で、日本酒造組合中央会が御説明申し上げましたように、私どもの組合員は清酒製造業が1,928、焼酎乙類製造業(泡盛と本格焼酎)が269いらっしゃいます。清酒と焼酎乙類両方の製造を行っているという場合には清酒製造業としてカウントし、乙類専担、または乙類が主という場合を焼酎乙類製造業としてカウントしておりますが、資料に掲げましたように組織率はおおむね98%で、焼酎乙類製造業だけで言いますと、99%ぐらいになっております。したがいまして、未組織ではございません。と言いましても、現在苦しい状況にありますので入会していてもメリットがないといってやめる人も皆無ではございませんが、一応組織率としてはおおむねすべてということでございます。

矢島氏
 焼酎乙類の製造業者は日本酒造組合に入っていたのですね。ちょっと勘違いしておりまして申しわけございませんでした。

淺見副会長
 日本酒造組合中央会というのは、よく日本酒酒造組合と間違われるのですが、日本酒造組合は日本の伝統的なお酒を造っている地場産業を統合した組合というふうに御理解賜れれば大変ありがたく思います。

矢島氏
 今のところ組織性がないのは地ビールですね。地ビールは最近新しくなされたもので、まだ組織化されていないというふうに解釈してよろしいでしょうか。

本宮課長補佐
 地ビールにつきましては、ビール酒造組合は、大手の業者ですが、地ビールの小さい業者においても、いろいろなことをやっていこうということで、任意団体ではございますが、全国地ビール醸造者協議会というものを組織しております。この協議会におきましてもやはり、行政に対する税制改正の要望であるとか、いろいろな支援に対する要望であるとか、業界の意見等をまとめまして、私どもの方に提言なり要望をしてきております。そういう意味では、協議会として組織をしているという状況でございます。

矢島氏
 地ビール業界は地ビール業界で、また別の組織があるということですね。

本宮課長補佐
 そのとおりです。

矢島氏
 分かりました。

奥村座長
 ほかにいかがですか。
 先ほど辰馬会長から御紹介のあった資料6ページの宣言が平成16年6月9日になされておりますが、こういう宣言をこういう形でお出しになるのは珍しいことですか。あるいは何年に1回かは必ずおやりになっていることですか。

辰馬会長
 50年に2回だけやっております。

奥村座長
 そうすると、今回歴史的な宣言ということですか。

辰馬会長
 今回と昨年と2度だけです。

淺見副会長
 今までにも陳情的なことを採択したことはございますけれども、こういう宣言という形で前向きに持っていったのは大変珍しいことです。

奥村座長
 それには、何か理由、背景がおありだと思うのですが、やはり売れ行きに伴う危機感のようなものを反映してということですか。

淺見副会長
 先ほど御覧いただいたとおりの状況で、日本文化を背負っているのに申しわけないというお詫びの気持ちでございます。
 我々の努力不足のために、日本文化の一部を台なしにしつつあり、将来の日本国民に対するお詫びの証を作っておこうということで出しました。

水谷氏
 業界の御意見を伺いますと、何とかしてもう少し需要を開拓したいというのが共通して出てまいります。例外は発泡酒とリキュールぐらいでしょうか。発泡酒も少々頭打ちだという話も先ほど伺いました。こういった状況は、各企業にとって大変なことだろうと思うのです。どちらかといえば零細企業が非常に多いのですけれども、巨大企業から零細企業まで、それぞれの企業に特殊性はあると思います。落ちそうになっている状態からどうやって生き延びていくのか、役所的に考えれば合併させて大きくして何とかさせようということでしょうが、そんな簡単なものではないと思いますし、それぞれに特殊性をお持ちになって生き延びようとなさっているのですが、果たして可能なのでしょうか。これは日本酒だけではなくて、各業界において共通した問題であると思うのですが、大体の方向付けがもしあれば教えていただきたいと思います。業界ごとにいかがでしょうか。

淺見副会長
 当懇談会は、一昨年のリポートの中でお酒というものの特性として、文化性、伝統性ということをうたわれました。そして、今後は販売業、小売業だけではなくて、製造業等についても、酒類産業の将来展望と個々の事業のあり方、行政へのかかわり方について関係者が引き続き検討することを望むという御提言をお出しいただいているわけであります。私はその点が一番大事なポイントだと思っておりまして、先ほどの説明資料の社会的要請ということの中に書いてございますので、辰馬会長は御説明申し上げませんでしたけれども、8ページをお開きいただきたいと存じます。
 酒類産業にかかわっている以上は、この酒類というものの持つ特性に由来する社会的責務というのは、内在的に我々に課せられる要請であり、これをきちっとやらなければいけないという問題意識から書いたものでございます。8ページの上の方に書いておりますアルコール飲料の特性、つまりアルコールであるという面と飲料であるという面、これにつきましては後ほどの社会的要請に譲るといたします。アルコール飲料の特性として第2に、当懇談会で言われた文化性、伝統性に支えられた嗜好品であるということがいえます。これは2つの特性を私がくっつけたわけなんですけれども、この特性から、アルコール飲料は食文化や伝承されるべき国民文化とかかわった商品だというふうに思います。したがって、酒類も一つの商品ではございますが、いわゆる商品経済、市場原則といったものにゆだねた場合には、この文化性とか伝統性が維持されなくなり、いわゆる価格競争が生じます。大量生産できるところ、原料が安いところが強いため、結果的には大企業が勝つ、あるいは地方の文化性、地場性、伝統性を守っているような酒類メーカーは倒れていかざるを得ない、合併させても何の解決にもならない、こういうことだと私は思っております。商品経済や市場競争の原理のみからは、本来守るべき酒類産業の文化性、伝統性が守られないので、産業行政をうたわれるのであれば、こういう側面こそ一番大事だというふうに考えております。フランスのワインが世界中で飲まれておりますけれども、フランスという国は、法令その他でフランスのワインを守るために、例えば畑に植えるブドウの植える距離、剪定の仕方、こういったことまで厳しく規制をして、ワインの文化を守っているわけでございます。酒類産業があり、酒類産業行政について財務省設置法でもうたわれた以上は、これからの酒類産業行政というのはまさにそういうところを守っていくべきであります。価格競争にゆだねておけばすべて解決するという考えに基づいた規制改革、これのみで成り立つ産業とそうでない産業を峻別し、そうでない産業を所管する役所はその産業を行政の中心に据えることが必要だろうと思っております。私ども業界団体といたしましても努力はしないといけませんが、そういった点についてはやはり国家の役目だろうと思いまして資料に思いの一端を書かせていただいているわけでございます。
 水谷先生の御質問のお答えにはならないかもしれませんが、個々の企業努力、業界団体としての努力に勝る本質的な制約があるということだけは、ぜひ業界人としてこの機会に申し上げたかったわけでございます。これは何も私どもだけではございません。各酒類、ここに並んでおります全員に共通の問題意識だと思いますけれども、特に中小、零細企業を多く抱えている私の立場といたしましては、何としても御理解をいただきたい点でございます。

奥村座長
 ありがとうございました。
 非常に重要な点ですが、経済学的にも扱うのがなかなか難しい複雑なところですので、跡田先生何かコメントいただけますか。

跡田氏
 お話の内容はよく分かりました。私自身もそういう文化伝統というものを重視していくことは、市場経済の中でも十分に考えていかなければいけないことだと思っております。
 ただ、競争というものをなくしてしまうということは、国民にとってマイナスになりますから、やはり次元の高い競争をしていただきたいんです。ですから単なる価格競争、過当競争とか弱肉強食といった言い方をするのは経済学が考えている競争とは全然違う次元なんです。やはり価格で競争すること自体は重要なファクターです。しかし、相手をただ全部ブルドーザーでひき殺していくような競争をするのではなくて、やはりお酒というものを大事にするという気持ちを持ってそれぞれの業界で競争していただくという、もう少しレベルの高い競争をしていっていただきたいですし、今ちょっと気になったのですけれども、それを守っていくのが政府の仕事だというふうにおっしゃられましたが、これはむしろそれぞれの業界で考えていっていただいて、皆さんの組織自身がそういうものを守るべきではないかと思います。そういう民間でできることをもっと考えていただきたいのです。
 政府が介入すれば必ず余計なことをし始めるというのが、近年行っている構造改革の考え方です。ですからちょっと厳しい言い方をしましたけれども、その辺はよくよく考えていただいて、やはり守るべきものを守っていっていただきたい。私も日本酒が好きで、でも体のために余り飲まないというのは確かにあるのですけれども、その辺をよくお考えいただきたいというのが業界に対するお願いです。

淺見副会長
 ありがとうございました。大変愛情ある御指摘で、先生のおっしゃるとおりだと思いますが、私が思いのたけを短い時間に言ったために、政府に期待しているとか、規制緩和反対というふうに聞こえた部分があったとしますと、私の本意ではございません。十数年前に中央酒類審議会等でいろいろ御議論いただいたとき、私は行政担当責任者をしておりましたが、競争原理こそ我々の業界にも必要だということを私が一番強く言ったという自負心を持っております。競争原理は最重要な原点だと思っておりますが、今ここで、私があえて国家的なかかわりということを申し上げましたのは、資料8ページの一番下の1行に書かせていただきましたが、「“酒造法”等の新しい法的枠組が将来的には必要と考える」ということが私の思いだからでございます。先ほどの発泡酒とビールの例にもありますように、私どもの業界に深くかかわっているのは、「酒類には税を課する」という1行で始まる酒税法、つまり税を課するための法律でございます。先ほど本宮補佐もおっしゃっておりましたように、酒税は分類差等課税ですから、お酒を分類し、定義し、それに税率を張りつけるということになり、当然分類及び定義をしないといけないということで、その定義において、その造り方などがかかわってきます。原料もかかわってまいりますので、“酒造法”というような性格もあり、酒税法は税金だけの法律だと言ってしまうのは乱暴なんですけれども、ただ視点がそういうところにあるものですから、日本の文化を守るとか日本の食文化としての酒をどういうふうに育てるかとかという視点はございません。ただ分類をし、税を課しております。文化性・伝統性ということを当懇談会が、酒類の特性としてうたわれたということを私は非常にうれしく思っておりまして、はっきり懇談会のリポートで言っていただいたというのは日本の歴史上これまでなかったことではないかなと思います。そういう意味で、文化性・伝統性とうたう以上は、今後の酒類産業的な法体系を作るときには、「このお酒はこういうものでなければいけない」というようなことを国民的コンセンサスとしてうたうという意味で、国家的かかわりというものが文化を育て、文化を守るために必要だろうということでございます。業界としては市場競争を最優先で考えておりますし、競争なくして進歩はございません。ただ、価格とか量の競争ではなくて質の競争をしようという観点でおります。私も会長もそういう思想の持ち主であり、冒頭に御説明させていただいたように文化力ということを盛んに標榜しているわけでございます。我々の友好団体である某組合中央会がここで多分に述べられたのは、競争制限的な感じがあったし、当懇談会もそういったことで行政が御苦労されているわけですから、私が申し上げたかったのは決してそうではないということを恐縮でございますが、付け加えさせていただきました。

本間氏
 文化性、それから伝統性というのは、確かに私どもが提言の中に申し上げたことでございます。食文化の中で、酒を淺見さんがおっしゃったように位置付けないと、酒というのはどうしようもないというようなことを考えながら現在の食文化を眺めますと、現在の日本の食文化においては、魚食文化がもう凋落していまして、どこかから肉を買え、肉を買えばかり言われているために、国民の食生活がおかしくなってしまっているのです。魚食文化を守るということと、何か連携をしないと、両方がとても残念なことになるのではないかと思っています。
 魚食文化というのは日本酒とともに、日本の食文化の最たるピークをなすものであって、フランスのゴンクールは「魚を好む人というのは非常に繊細なのだ」ということを言っていたように、やはり日本人の繊細な味覚、それからすぐれた食文化というのは、魚食ということが根底にあるのではないかと思っております。両方が、その頂点をなしていると言えますので、何か食品、食文化と、食関係の企業との連係プレーということを考えてはいただけないでしょうか。

奥村座長
 それでは、次の社会的要請のセッションに移らせていただきますが、一言だけ簡単にお答えいただきたいのですが、あの80年代後半、バブルの時代にも、ウイスキーの消費量は減っていたのかと思ってびっくりしたのですが、このウイスキーがこれだけ激減してきたのはどういう理由かお教えいただけますでしょうか。

下村専務理事
 一言で言うのは難しく、主要なウイスキーメーカーによる分析が提出されているわけでもありません。ウイスキーの本場であるイギリス、アメリカでも国内の需要は減っています。ただ、例えば、スコッチの統計などを見ていると、スコッチのイギリスからの輸出は増えているので、東南アジアを中心とした発展途上国へ輸出されていっているのではないでしょうか。そんな傾向が見られます。要するに、ハードな酒の需要というのは、いわゆる発展途上国以外の先進国ではかなり減ってきているというのが、世界的趨勢だというふうに聞いております。そんなことで説明ができたのかどうかよく分かりませんが、ウイスキーの代表的企業の方もおられますので、そういう方から御意見がありましたらまたその機会に発表させていただきます。

奥村座長
 ありがとうございました。

跡田氏
 国産のウイスキーの量が減っているということですが、輸入のウイスキーの量は減っていないということなのでしょうか。

下村専務理事
 それは先ほどの資料を見ていただきたいのですが、やはり輸入の方も減っております。

淺見副会長
 国税庁の統計であれば国税局分と税関分の合計量で書いておりますから、輸入分も入っております。

本宮課長補佐
 税関分もやはり平成15年度においては、前年比でマイナスになっています。

下村専務理事
 例えば先ほどの私どもの資料には、8万7,000キロリットルとしか書いてありませんが、輸入を含んだところでは11万キロリットルでして、その差が輸入、これが2万3,000キロリットルという数字になるわけです。つまり、輸入も含めまして、全体的にウイスキーの需要は落ちてきている傾向にあります。そこがワインと全く違う様相を呈しているところであります。

若尾酒税企画官
 データで、前に用意しました参考資料の中に入っているんですけれども、今日は時間がありませんので読み上げます。平成元年度に6万4千7百キロリットル、ウイスキー類の輸入がありました。それが平成14年度では2万7千7百キロリットルまで、4割ぐらいまでに落ちたということでございます。

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