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【第12回 酒類販売業等に関する懇談会】 議事録(2)

小森課長補佐
 29ページの「酒類販売業等に関する懇談会の取りまとめ」というところから御説明いたします。
 早速1枚めくっていただきまして、30ページの3というところに、酒類小売業にかかわる今後必要な手当てといたしまして、具体的に先生方から御提言いただいた事項をまとめてあります。
 前回の懇談会におきまして、先生方からいただいた御提言に対して私ども行政として具体的にどのような措置を講じてきたのか、講じた措置の実施状況、あるいはその効果というものをよくよくフォローアップしていくことが重要であるというような御指摘をいただきまして、何分効果というところまで現時点ではなかなか御説明が難しい部分がございますが、これらいただいた御提言に対する措置状況というものを、お手元のA3の大きな紙に、『「懇談会取りまとめ」における「今後必要な手当て等」への対応状況』として、整理しております。ここからは、こちらの紙に基づきまして、私どもが講じた措置のうち、主なものについて簡潔に御説明させていただくとともに、この紙の中に盛り込めなかったような点、私ども行政として引き続き課題として考えている点についても適宜付け加えながら御説明させていただきたいと考えております。
 まず、いただいた御提言でございますが、大きく分けて6つの観点から御提言をいただいております。
 1点目が、消費者の利便性の確保等の観点。それから2点目として、消費者ニーズ、情報の提供、飲酒教育等の観点。それから、公正取引の観点及び酒税確保の観点。それから、まさに社会的要請に応えるといったことになると思いますが、販売管理等の観点。それからさらに酒類小売業の業としての健全な発達のために必要な取組といった観点。主にこれら6つの観点から御提言をいただいております。
 恐縮でございますが、1枚目に戻っていただきまして、まず1点目の消費者の利便性の確保等の観点でございますが、これにつきましては、大きな方向性、大原則といたしまして、やはり消費者重視の観点から、規制緩和については着実に進展をさせていくことが重要であるというような御提言をいただきました。
 これに対しまして、行政といたしましては、酒類小売業免許に係る「人口基準」、これは需給調整としてこれまで機能してきた基準でございますが、これにつきまして「規制緩和推進3か年計画」に基づき、過去5年間に渡って段階的緩和を行なった後、平成15年9月1日をもって完全廃止とし、いわゆる数の規制、参入枠の規制というものは当面行わないという形で一連の規制緩和を完了いたしました。
 これに伴いまして、先ほどの説明にもありましたが、現在約2万件、これはこれまでの年度の最高の数字を約6千件上回る数字でございますが、約2万件の一般酒類小売業免許に係る申請が出されてきており、これについて現在、厳正・的確な審査を行っているところでございますが、その多くについて付与が見込まれるといったような状況にございます。
 他方、こうした規制緩和の進展に際しましては、やはり地域ごとの状況、実情といったものを考慮することが重要であるという御提言もいただいております。これに対しましては、平成14年7月に議員立法として国会に提案され、第9回の懇談会でも簡単に説明させていただいた「酒類小売業者の経営の改善等に関する緊急措置法」が平成15年4月に成立しております。これは、規制緩和の進展に伴い、多数の酒類小売業者の経営が困難となる等の急激な社会経済状況の変化が生じている地域、そういった地域につきまして「緊急調整地域」といったものに指定し、酒類小売業免許の付与を制限するといった内容の法律であります。これに基づきまして、「地域において酒類の需要に対して供給能力が著しく過剰」、あるいは「経営の困難な販売場が著しく多い」といったような法律上の指定要件に該当する地域、具体的には市町村を基礎とする全国約3,400地域のうち922の地域を緊急調整地域に指定し免許の付与を制限するといったことを行っているところでございます。
 各地域の指定状況につきましては、説明資料の41ページ以降、42ページに細かい表でございますが「緊急調整地域の指定及び一般酒類小売業免許申請等の状況」に、全都道府県の地域指定、あるいは指定されなかったところに係る申請の状況について整理しております。
 後ほど詳しく御覧いただければと思いますが、例えば東京については、地域指定の割合が約3割と、全国平均的な形になっておりますが、例えば名古屋局におきますように4割を超えているような地域もあり、かなりこれまでの参入状況によって指定割合が異なるといった状況になってきております。
 他方、その横の申請件数というところを見ますと、特に14年度と比較しておりますと、地方の申請の増加というのがかなり目立った形になってきております。これまでの規制によっても参入がなかなか進んでこなかった地域については、今回の規制緩和によってやはり参入促進効果が生じている。他方、これまでの人口基準の緩和等による規制緩和が相当進んでいた地域については、激変緩和効果が生じているといったようなことが数字に現れているのではないかというふうに考えております。
 続きまして、2点目の消費者ニーズ、情報の提供等の観点でございますが、大きく分けて3つの観点から御提言をいただいたというふうに考えております。
 1つ目は、消費者の商品選択に資するための情報と申しましょうか、そういった商品情報の提供をどうやったらうまくやっていけるかというような観点。それから2つ目といたしまして、もう少し広い意味での消費者、消費者一般と申しましょうか、そういった者も含めたところで、マナーの向上、飲酒環境をどのように向上させていくかというような観点。それから3つ目といたしまして、こういった一般的なマナーにとどまらず、未成年者飲酒の弊害ですとか、あるいは酒類の依存性の問題ですとか、具体的な弊害に関する情報をどのように提供していくのかという観点。大きく分けてこれら3つの観点から御提言いただいたというふうに考えております。
 まず1つ目の商品情報の提供についてですが、パンフレットの作成等、あるいは研修の実施等、いろいろな取組を行っておりますが、1つ御紹介をさせていただきますと、特に清酒につきまして、これまで吟醸酒、大吟醸酒、あるいは純米吟醸酒、さらには「生一本」、「山廃」と、いろいろな名称があって消費者から見ると非常に分かりにくいというような御指摘をいただいておりまして、特にその中でも、店頭で「純米酒」と「米だけのお酒」と称するようなお酒が並存しているといったような状況が問題となってございました。
 こういった状況に対しまして、醸造技術の発展というものも見据えつつ、「米だけのお酒」と称しているお酒の中でも、相当部分品質が担保されるようなものについては、この純米酒に取り込んでいく。大まかに申しましてそのような形で純米酒の定義を見直すということで、「清酒の製法品質表示基準」、国税庁の長官告示で定めているものでございますが、その改正を行っております。
 それから2つ目のマナー広告につきましては、現在ビール酒造組合におきまして、ビール缶を散乱させるようなことはしないでくださいといった内容の教養広告を週刊誌上で行っているところでございますが、より効果が見込まれるテレビコマーシャルなどでも、こういったことを実施できないかというような働きかけを業界に対して行っているところでございます。
 特にたばこの関係につきましては、JTが今月かなり大きなキャンペーンを行っているようでございまして、新聞では「これまでマナーが悪くてごめんなさい」といったような一面の大見出し広告、あるいはテレビコマーシャルでは「子供の目線にありました」というような広告までやっているようです。
 たばことお酒、違う部分は当然あるわけですが、お酒についても何かもう1つ効果のあるマナーの啓発というのはできないかということで、今業界と一緒に検討を進めているところでございます。
 それから3つ目、飲酒の弊害に関する情報の提供ということで、一番深刻な問題であろうかと思いますが、未成年者飲酒の問題ですとか、アルコール依存症、アルコール関連疾病に関する情報をどのように提供していくのかということでございます。
 国税庁では、様々なメディアを通じた情報の提供という形で、一般的な広報活動に取り組んでおりますが、こういった警告情報といいますか、そういった情報を伝えていくことを考えますと、こういった一般的な広報だけでなくて、やはりもう少しターゲットを絞った形で、より直接的に、例えば酒類の容器等に必要な警告表示をやっていくといったようなことも必要ではないかというふうに考えております。
 これにつきましては、説明資料の35ページを御覧いただきたいと思いますが、この中に、国税庁長官告示として定めております「未成年者飲酒防止に関する表示基準」というのがございまして、この中の一番上、「酒類の容器等に対する表示」というところで、「未成年者の飲酒は法律で禁止されている」旨表示しなさいというふうに義務付けているわけでございます。しかし、「飲んではいけません」といった禁圧、抑圧的な表示を行うこと、これは重要ではありますが、どれだけの効果があるのかについては、はっきり分かっておりません。むしろ未成年者も含めて、本人にとって、特に本人の健康にとってそれがどれだけ害があるのかということを伝えていくことがより効果があるのではないかというふうにも考えているところでございます。
 例えば、たばこに関しましては、もともとたばこ事業法の中に、たばこのパッケージには財務省令で定める文言を表示しなければならないといったような規定がございまして、これまでは「吸い過ぎに注意しましょう」といったような表示を行うに止まっていたわけでございますが、昨年の秋、11月にこの省令は改正されまして、具体的に肺がん・心筋梗塞・脳卒中・肺気腫等については、喫煙に伴い発症リスクが高まるといった内容の表示を行うことが義務付けられ、これから適用されていくということになっております。酒類についても、こうした例を参考として何か検討していくことができないかというふうに考えられるわけでございます。
 さらに、こうした警告的な表示をいかに強化したといたしましても、例えばテレビコマーシャル等の広告が四六時中大量に反復して流されるというようなことになりますと、やはり未成年者、あるいはアルコール依存症の者等にとって問題があるのではないか、弊害を防止することが困難ではないかというふうにも考えております。
 実は、酒類の広告につきましても、資料の中につけておりますとおり、業界が自主的な基準を定めておりまして、恐縮でございますが、分厚い参考資料の方の23ページを御覧いただきたいと思います。参考資料の23ページの一番下でございますが、業界の自主的な取組といたしまして、アルコール問題の配慮から一定の時間にはテレビコマーシャルを流さないといった取組、これを既に自主規制として行っているところでございます。ただ、そこが何分自主的な取組ということもあり、完全に守っていただくことはなかなか難しいというような状況が現実に存在しております。他方、多くの方は守っていらっしゃるというような状況が酒類業界の現状です。
 これに対しまして、たばこにつきましては、先ほど警告表示を義務付けているというふうに申し上げましたが、広告につきましても、「財務大臣が広告の指針を定めることができる」といった規定がたばこ事業法の中にございまして、これを受けまして、「過度にわたらないように努める」というような形でこれまでは規制してきたわけです。しかし、皆様新聞等で御高承のところと思いますが、テレビ・ラジオ・映画等におけるたばこ広告につきましては、本年の10月より、「全面的に禁止する」という内容に規制が強化されたところであります。
 ただ、何分こういった規制に関しましては、当然営業の自由にもかかわるものでありますし、また広告については表現の自由との関係にも配慮する必要があるというふうに、様々な観点から考える必要もあるところでございまして、今後自主規制をさらに進めていくのか、あるいは法的規制も含めてどのように広告の問題を考えていくべきか、なお検討する必要があるのかなというふうに考えているところでございます。
 それから、3つ目の公正取引の観点でございますが、これにつきましては、先ほどもお話ししましたけれど、緊急措置法の中にある「緊急調整地域の指定」以外のもう1つの措置といたしまして「公正取引委員会への措置請求」という規定が設けられております。これは、国税当局が不公正な取引があると考えたときは、適当な措置を取るよう公正取引委員会に請求することができるという規定であります。
 これを受けまして、私ども国税当局におきましては現在「措置請求マニュアル」というものを定めまして、不公正な取引にも様々な形態があるわけでございますが、その中でも特に「不当廉売」、「差別対価」というものを重点的に取り上げて、具体的には国税局と公正取引委員会の地方事務所との間で協議するという取組を行っているところでございまして、実際に措置請求の実績についても既に出てきているところでございます。
 他方、この公正取引の観点につきましては、独禁法以外でのペナルティのあり方についても検討すべきでないかということを御提言いただいているところでございますが、現在の法体系の中で、独禁法とは別にそれぞれの業法でペナルティを課すといったような例が余り見当たらないこと、あるいはそのペナルティを課すといった場合に、独禁法の場合には営業の継続を前提としており、これからはきちんとした取引をしてくださいというような形で、様々な警告等を行うという形式をとっているということ等を考えますと、例えば免許の取消しといった、営業の継続を前提としないペナルティが馴染むのかどうか。いろいろな悩みというか、問題が生じてくるところでございまして、まずは先ほどの措置請求のような公取委への働きかけといったものを一生懸命やっていくという形で努力しているところでございますが、この点についても引き続き御意見を伺って考えていかなければいけないというふうに考えております。
 それから、酒税確保の観点でございますが、まず、人口基準がなくなるという中で、やはり人的要件についてはしっかりと整備することが必要であり、要件を満たす者についてのみ免許を付与することが適当だという御意見をいただきました。これを受けまして、私どもでは、酒税法の人的要件の中に、「未成年者飲酒禁止法」ですとか、「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」、こういった法律に違反した者には免許を付与しないという拒否要件を追加いたしまして、現在これについても該当するところがないかどうか、厳正な審査に努めているところでございます。
 それから、事後的是正のための臨時の需給調整措置ということにつきましては、先ほど御説明いたしました緊急措置法に基づく緊急調整地域の指定といったものが現在実質的にその機能を果たしているところでございます。
 いよいよ中心的な課題として御提言いただきました販売管理等の観点でございます。
 まず1点目といたしまして、売場における酒類と他の商品との完全な分離陳列という御提言をいただきました。これにつきましては、私どもはまず完全な分離陳列といったものを達成するということに向けて、いろいろ考え、進めてきたわけでございますが、中小零細業者まで含めた完全な分離陳列ということを図ることはなかなか難しいといった問題も正直ございまして、説明資料の36ページに「酒類の陳列場所における表示の概要」というものがございますが、皆様も既にスーパー等いろいろなお店、酒屋さんで御覧になられたかもしれませんが、店内にこのような「酒コーナー」といった表示、「未成年者の飲酒は法律で禁止されている」という旨の表示をまずはしてくださいというふうに、制度を創設いたしまして、その遵守に向けた指導に現在努めているところでございます。
 それから2点目として、お店に適切に酒類の販売管理を行える者を配置することについても御提言をいただきました。これにつきましては、酒類販売管理者という者を販売場ごとに置いてください、さらに、その酒類販売管理者については、酒税法や酒類業組合法、あるいは未成年者の飲酒防止といった様々な事項について、その重要性を認識していただくために研修を受けてくださいという内容の「酒類販売管理研修制度」という制度を創設いたしました。これにつきましては、34ページに簡潔な表がございます。
 なお、一般のお酒屋さんは約15万店ほどございますが、既に10万人を超える方がこの研修を受講しておりまして、その上で実際に店頭に立っておられるという状況になってきております。
 この酒類販売管理者制度は、小さなお店も含めて1店舗に必ず1人は酒類販売管理者を配置してくださいという内容の制度でございます。したがって、販売管理者に夜間を含め24時間常にお店に張りついてくださいということになりますと、これは正直どうしても難しいという点もございまして、特に夜間等において販売管理者が不在の場合には、販売管理者に代わり得る責任ある者を置いてくださいといった行政指導についても行っているところでございます。
 他方で、前回の懇談会でも少し御紹介いたしましたが、青少年の深夜徘徊といったことが社会問題化し、東京都などその他の自治体においても条例改正等の動きがあるということを踏まえますと、やはり単に人を配置しなさいというだけでは足りない、そもそもお酒という商品を、深夜を含め24時間いつでも販売するということはいかがなものかという観点から、深夜における販売については、諸外国と同様、むしろ一定の制限をすべきではないかといったような御意見もあろうかと思います。
 しかしながら、未成年者に対してだけではなく、深夜まで残業して今日は疲れたといって買いに来るような大人まで含めて、一切夜間の販売を制限するといったようなことになりますと、やはり過度に広範な規制だという意見も当然出てくるのではないかといったことから、ここは先ほど申し上げた営業の自由の観点ですとか、そういったものも踏まえながら、なお慎重に考えていく必要があるのかなというふうに考えております。
 他方、このようにあれもできない、これもできないというふうに言うだけではなく、もう少し何かできることはないのかといったことも当然考えていかなければいけないという中で、1つ出てくるのが、酒類の引き渡しに際して身分証明書の提示を義務付けるといったようなこと、これは現在既に行政指導を行なっているところですが、もう一段進めて、法的に位置付けていくというようなことも考えられるわけでございます。
 ただ、こういった年齢確認の法的な整備につきましては、現在、未成年者飲酒禁止法の中に「具体的に必要な措置を講ずる」というふうに書かれていることとの関係を整理する必要があるものとは考えております。また、証明書の提示を法律で義務付けるといったことに対する国民感情といったようなものもあろうかと思います。こういったことも含めまして、年齢確認のあり方についてももう少し検討していく余地があるのではないかなというふうに行政として考えているところでございます。
 それから、ガソリンスタンド・大学構内における酒類販売につきましては、これも現在行政指導の形で、ガソリンスタンドでは、運転者ではないことの確認をお願いしておりますし、また大学構内・生協等では、学生証を皆さんお持ちですので、学生証の提示をなるべく求めてくださいといったようなことをお願いしているところであります。ただ、これらの指導につきましても、業界からの様々な御意見の中には、学校等の施設周辺におけるお酒の販売といったものについては、そもそも出店を制限すべきではないかといったようなものも現にあるところでございます。ただ、これにつきましても、未成年者、学生、あるいは患者さん、そういった方だけでなくて、すべての方に対して一切販売しないというようなことや、こうした文教施設というのは住宅街にあるようなことも多いものですから、そういった地域に1軒もお酒屋さんが無いといったようなことになると、なかなか過度に広範な規制ではないかといった、様々な御意見、異なる見解というのもあろうかと思います。これについても、やはりまず憲法の下での営業の自由、それから様々な国民的合意の形成可能性といったようなものも含めて、慎重に考えていく必要があるのかなと、引き続きいろいろな御意見を伺う必要があるのではないかなというふうに考えております。
 そうなると、せめてここだけはという形で出てくるであろう、自動販売機の問題でございます。
 自販機につきましては、先ほど19ページで御説明いたしましたように、その設置台数は着実に減ってきてはおります。減ってきてはおりますが、どうも最近の傾向としては下げ止まりといった感も出てきているのかなと考えられるところでございます。今、約6万8千台残っているわけでございますが、これらについては、撤廃に係る指導になかなか応じていただけないような方であるという状況もございます。こうした中で、一緒に取組を進めてきていただいた小売酒販組合の方からも、これ以上撤廃を進めるには法的措置まで必要ではないかといった御意見、声も出始めている状況でございまして、こういった点からも法的規制のあり方について検討を加えていかなければいけないのではないかと考えているところでございます。
 また、販売管理研修の実施につきましては、既に10万人を超える方々に積極的に受講していただいているという状況でございます。
 1枚めくっていただきまして、販売管理等の観点について引き続きの説明でございますが、人的要件の整備につきましては、先ほどありましたように幾つかの法律の違反者、これを拒否要件に加えまして、関係行政機関の協力も得ながら、現在厳正な審査、処理に努めているところでございます。
 それから大きな課題として免許の目的の見直しについて御提言頂いたほか、更新制の導入、条件規定の整備等についても課題として御提言をいただいております。
 こうした免許の目的の見直しといったことにつきましては、私どもでは第一弾の措置として、まず、酒類の売り場に配置する酒類販売管理者の選任の義務付け、あるいは表示基準の創設、といったような販売方法に関するもの、これを整備することとしており、さらにはこれに違反した者については命令・罰金を経て免許の取消しにまで至る経路を確保するといった形で、社会規制からの免許制と実質的に同等の効果を確保できないかというような観点から取り組んでいるところであります。
 更新制につきましても、既存の法律の規定に違反した者については免許を取り消すといったことで更新制と類似の機能を確保する、といった取組を進めているところでございます。
 それからまた、関係規定の整備につきましても、既存業者も新規参入業者も含めて酒類業者全員に守っていただくような表示基準を定める、あるいは販売管理者の選任を義務付けるといったことを通じて、実際に条件の追加といったようなことを行ってきておりますが、ただ、ここら辺でもう一度免許のそもそもの目的についても考えてみるべきではないかという、より高次な観点からの御提言をいただいたものであることも承知しております。
 これにつきましては、これは更新制の問題も含めてでございますが、仮に免許の目的を見直すということにいたしますと、酒類小売業免許のみならず、酒類製造免許、あるいは卸売業免許にも必然的に影響が及ぶものであります。「小売業のみならず、製造業、卸売業についても引き続き検討を行なう」というふうに前回の懇談会で御提言いただきましたが、免許の目的の見直しに際しては、まさにこの製造業、卸売業についても幅広い観点からまず検討する必要があると考えられるということに加え、これまで警察目的という、安全あるいは生命に対しての危険を防止するという社会規制の必要性から行なってきた許可制、免許制等の参入規制につきましては、今まで最高裁は非常に厳しい態度をとってきているということもあります。本当に規制が必要なのか、規制の手段も合理的か、といったことを厳格に判断しなければいけないというわけです。従って、税の確保という目的以上に厳格な姿勢をとってきたようなものについては慎重に考慮する必要があるのではないかという考えから、まずは先ほど申し上げましたような、きちんと販売してくださいといったような行為基準を整備する、あるいは、これに違反したらお引き取り願う、すなわち免許を取り消すといったようなことによって、免許の目的や更新制の実効性を確保するということに努めてきたわけでございます。
 しかし、やはりここら辺でもう一度、免許とは何なのかといったことを考える必要があるという御提言は、私ども現時点においても非常に重要な御提言であると認識しておりまして、行政としても引き続き検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
 それから、こういった行為規制でもってやっていくのだということになりますと、なおのこと、実際にしっかりやっていただいているかどうかをモニタリングしていくことが重要になってくるわけでございます。これにつきましては、これは酒税系統の職員、国税職員5万7千名の中で約1千名でございますが、こういった職員のみならず、いわゆる法人・個人系統職員、調査等で外に出る職員全員に対して、店頭での表示価格について、あるいは未成年者の飲酒防止に係る表示の状況等についても見てくださいねという形で、国税組織を挙げて情報の収集に現在努めているところでございます。
 また警察その他関係当局との連携の強化にも努めているところでございます。
 それから、こういったモニタリング調査、社会的規制の実効性の確保ということになりますと、私ども行政だけではなかなか担えるものではないという側面もございまして、特にモニタリングについては、目的は正しいけれども、それに係るコストというものについても考える必要が当然あるわけでございます。コストと効果、その見合いをとにかく考える必要があるということは前回の懇談会でも再三にわたって御提言いただいております。
 それにつきましては、やはり小売酒販組合と連携して取り組んでいくということが実効性の面でもコストの面でも非常に重要であるというふうに考えておりまして、この組合との連携強化のための具体的手段といたしまして、全署に酒類業連絡担当者、組合の窓口となるような者を配置する、あるいは署と組合幹部との意見交換の機会を設けるといったように、あらゆる機会を通じて組合との連携強化に努めているところでございます。
 現在取組を進めている概略につきまして御説明させていただきました。以上でございます。

奥村座長
 皆様のお手元に何百ページにもわたる膨大な参考資料もございますとおり、情報はもう非常に豊富ですが、時間の関係もございます。今事務局から、このA3のペーパーを使って、前回の懇談会で御提言申し上げたことに対してどういう対応をしているか、それから市場ではどういうことが起きているかという点についてまとめていただきましたので、主としてこのペーパーに基づいて、皆様方の意見を交換する時間を20分ぐらい御用意させていただきたいと思います。
 だいぶ多岐にわたっておりますので、順序良く進めてまいりたいと思いますが、まず1つ目、「消費者の利便性の確保等の観点」について、「人口基準の廃止」、「緊急調整地域の指定」といった対応をしているところですが、この点について、何か御意見等ございましたらお願い申し上げます。

田中氏
 前回欠席したので話は伺っていないのですけれども、緊急措置として全国3,383の小売販売地域のうち922地域、約27%を緊急調整地域に指定し、1年間の付与ということですから、今年の9月に1年たつわけですけれども、その後の見通しはどういうふうな状況になるのでしょうか。

小森課長補佐
 この緊急措置法につきましては、時限立法でございまして、法律自体の失効期限というのが「平成17年の8月31日限り」というふうに定められております。ただ、その法律の最も主要なツールになります「緊急調整地域の指定」ということにつきましては、「指定期間は1年とする」といった規定がございます。昨年の9月1日をもって指定をいたしましたので、今年の9月にもう一度その再判定作業を行いまして、2回目の指定を行うといったような形になっております。

水谷氏
 その指定ですけれど、約3割。多いという感じなのですけれど、行政側の認識としてはいかがですか。大体そんなものだという感じだったのですか。何かその辺ございましたら。

寺内酒税課長
 多いか少ないかというのは、立場によって異なるかと思います。昨年9月にこの緊急調整地域の指定割合が発表されたときに、マスコミの論調の中には、多いのではないかといった感じのものもありましたし、「逆特区」というような表現をされたこともございます。
 しかし、同時に業界等からは、緊急措置法という法律が規制緩和の進展により、今まで存在した「人口1,100人につき1件」といった人口基準のような需給調整要件が、全くなくなってしまうことに対応するための、いわば踊り場的なものを設けるための法律であるという観点から言えば、指定割合は極めて低いのではないかという意見もございました。
 私どもとしましては、政省令に定められた要件に従って適正に指定を行なった結果ということになりますので、指定割合が高いか低いかということは、何とも申しかねるところです。

奥村座長
 この27%というのは、地域ベースの指定割合ですよね。例えば人口ウェートのようなことを考えるとどうなのですか。人口の多いところは比較的自由で、過疎地のようなところでは指定割合が高いということであれば、人口ウェートで考えるともっと、10%だとか15%みたいな指定割合になってきますよね。

寺内酒税課長
 人口の絶対数というよりはむしろ、人口の増加率が高い地域、人口が増え続けている地域というのは、人口基準による免許の枠が多く出る一方、既存のお店の数は比較的限られているため、この人口基準の緩和により、過去5年間で免許が既に多く付与されてきています。こうした結果、ある程度飽和状態というか、参入がある程度のところまでいった地域については、お店の数の増加により平均販売数量が年々減ってきていますので、緊急調整地域に指定されやすくなっているというのは定性的に言えると思います。
 逆に人口が余り増えていないところでは、人口基準を緩和しても新規参入が少なく、経営も余り悪化していないというところもあり、一概に人口密度、絶対数との関係で言えるというところはないのかなと思います。

小森課長補佐
 特に人口との関係ということで申し上げますと、都市部にも昔から人口が稠密だった下町のような地域と、足元での増加が著しい周辺地域があると思います。
 傾向として申し上げますと、足元で人口が伸びてきた、それに伴って過去数年間で市場参入が急激に進んできたというような都市近郊エリアの指定割合が比較的高いのかなというふうに考えております。

奥村座長
 分かりました。ありがとうございました。
 ほかに。どうぞ。

須磨氏
 時限立法ということなのですけれども、その2年間の間に小売業者はどういうような形で変化していって、この時限立法の効力がなくなったときにどういう状況になるのかということについて、どのように予測されているのでしょうか。

寺内酒税課長
 この法律の趣旨がここに書いてございますが、規制緩和の進展に伴って多数の酒類小売業者の経営が困難となっているという現状にかんがみて設けたのだと。いわゆる小売業者の経営の改善というものをこの期間内に行うということが目的の一つとなっております。
 それで、小売業者はそれぞれ経営改善計画というものを提出するわけですが、実はこの「経営改善計画の提出」というのが、この指定要件の一部を法律上構成しております。具体的には、経営改善計画が当該地域に存する小売販売場の過半数から提出されていることというのが指定要件となってございます。したがって、そういう経営状態の厳しい販売場の多い地域については、提出した経営改善計画を一生懸命実行していく、それを行政が支援していくということになります。市場参入の急激な増加に対して、バタッと倒産してしまうこと等が無いように、2年間をいわば踊り場として経営の改善に取り組む期間にあて、次の、この法律が切れる時期までにきちんと環境の変化に対応しなさいと、そういう趣旨でございます。
 説明資料にもございますが、先ほどの説明にもありました「酒ローン」の話のように、私どもの方で様々な経営支援策を講じて、そういった小売業者の経営改善の取組を支援していく、と同時に自助努力も勿論必要なわけですから、そういう意味で、単に経営が苦しい業者がたくさんいるということだけが指定の要件になっているわけではなくて、経営改善計画の提出要件を設けることで、自助努力でやるのだよということも法律の趣旨に含んでいるわけであります。つまり、この期間中そういう自主的取組を行うことが小売業者に期待されているということでございます。

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