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【第 11 回  酒類販売業等に関する懇談会 】 議事録(2)

初谷課長補佐
それでは、続きましてただいまの懇談会再開の趣旨・経緯の中で触れました内容とその他の事実関係につきまして、事務局より 若干の補足説明をさせていただければと思います。

若尾酒税企画官
 私の方から、説明資料に基づいて簡単に御説明をしたいと思い ます。
 2枚めくっていただいて、1ページでございますが、資料1は、「酒類販売業等に関する懇談会」の取りまとめの要約版でございます。
 次の1ページをまためくっていただきますと、3というのがあります。「酒類小売業に関わる今後必要な手当て」というところがございますけれども、ここにありますように、「酒税の確保に加え適切な販売管理のため」などの要請に対応する必要があるとして様々な御提言をいただいております。
 次をまた開いていただきますと3ページの資料2でございますが、懇談会取りまとめ以降の動きを時系列で整理しております。当懇談会の取りまとめの公表後、国税庁におきましては財務省主税局や内閣法制局、その他関係省庁等の間で具体的な対応策の検討に入りました。
 平成14年12月13日になりますが、平成15年度与党税制改正大綱が取りまとめられ、「平成15年9月をもって酒類小売販売業免許における人口基準が廃止されることに伴い、酒税の保全及び酒類の適正な販売管理の確保等の観点から、酒類業免許の付与基準の整備、酒類小売販売場における酒類の適正な販売管理の確保及び研修の実施体制の整備、酒類と他の商品との区分陳列の表示に関する基準の整備等について法改正等所要の措置を講ずる」とされております。
 また、同19日には同様の内容の政府税制改正大綱がとりまとめられています。これを受けまして、財務省では、翌平成15年3月7日、税制改正大綱の内容を盛り込みました「酒税法及び酒類業組合法の一部を改正する法律案」を衆議院に提出しました。4月2日には、既にその前年の平成14年通常国会に与党議員により提出されておりました緊急措置法と一括しまして、衆議院財務金融委員会で審議が行われ、全会一致で可決されております。23日には、参議院の本会議でも全会一致で両法が可決成立しまして、5月1日に公布されています。
 なお、税制改正大綱にありました酒類と他の商品との区分陳列の表示に関する基準の整備につきましては、平成15年6月30日の国税庁告示「未成年者の飲酒防止に関する表示基準の一部改正」で手当てが行われています。緊急措置法につきましては、真ん中の欄を見ていただきますと、7月7日に施行されまして、また酒税法及び酒類業組合法の改正及び改正告示につきましては9月1日に施行されています。
 これらの、法律や告示の改正による手当てばかりでなく、当庁におきましては、平成15年7月1日及び11月7日にそれぞれ事務運営指針という、いわゆる通達でございますけれども、この発遣によりまして業界に対する指導・啓発等を行っているところでございます。もちろん、この事務運営指針は公開されております。また、真ん中の欄を見ていただきますと、平成15年9月1日には、緊急措置法に基づく緊急調整地域の指定、平成15免許年度の酒類小売業免許の申請受付が開始されまして、10月には各地で免許の審査順位決定のための公開抽選が行われております。
 右端の方、「その他」の欄を見ていただきますと、15年4月1日には、発泡酒などの酒税の増税を内容とする改正酒税法が施行されまして、5月1日には、通常は納税義務の発生しない、酒類の販売業者、卸売店や小売店、料飲店等のうち、一定量の販売用酒類を所持する店に対して、税負担の公平を図るための手持品課税が行われています。
 毎年7月には国税庁の一般職員の人事異動が行われておりますけれども、酒類行政事務の重要性が高まってきていることから、昨年は、これらの事務を主として担当する酒類業調整官を全国に42名、県庁所在地署に派遣して配置する機構改革を行っています。これは、人員を増員したということではなくて、それまで酒税担当職員は、ほとんどの職員が酒税の調査事務だとか賦課事務及び酒類行政事務のすべてを担当しておりましたけれども、それを分業制にしたということで理解していただければと思います。
 また、平成15年10月1日には農家民宿における、酒税法上の雑酒、いわゆる「どぶろく」と呼ばれておりますが、その少量生産を認める改正特区法が施行されています。
 10月31日ですが、清酒については国税庁告示により、製法品質表示基準というものが定められておりますが、その表示基準について、特定名称酒における精米歩合制限の撤廃と、すべての純米酒に精米歩合表示を義務付けるという内容の改正が行われています。
 12月19日には、「未成年者の飲酒防止に関する表示基準」や「清酒の製法品質表示基準」などの表示基準におけます「重要基準」の制定というものが告示されています。「重要基準」につきましては、また後ほど説明させていただきます。
 次のページ、資料3でございますが、これは当懇談会の座長取りまとめの提言にかかわる対応をごく簡単にまとめたものでございます。1枚目が法的手当てを講じたもの、(1)が酒税法の一部改正、(2)が酒類業組合法の一部改正の内容でございます。それから、2枚目の上段が「未成年者の飲酒防止に関する表示基準」の改正ということで、これは国税庁告示の改正でございます。中段の「3 その他の取組」以下は、行政による指導及び業界の自主的な取組による対応をまとめております。
 これらの措置につきましては、恐れ入りますが2ページに戻っていただきまして、ここで御提言をいただいた事項と対比しながら簡単に御説明をしたいと思います。
 まず、(1)の「規制緩和の着実な推進」ということにつきましては、閣議決定に基づく酒類小売業免許に係る人口基準の廃止が昨年9月に計画通り完了しております。
 それから(2)の「安全な商品の提供、情報提供」につきましては、酒類業者に対するさらなる啓発のほか、清酒の製法品質表示基準の改正を行い、また、酒類販売管理研修におきましてお酒の商品知識、これは基本的な事項ではありますけれども、その普及に努めているところでございます。
 (3)の公正な取引の観点につきましては、緊急措置法に「国税局及び税務署から公正取引委員会に対して措置請求ができる」旨の規定、「独禁法上の不公正な取引方法があると思慮される場合に行うことができる措置請求」の規定が設けられています。また、酒類の取引条件等の策定及び取引先への提示義務の規定が設けられております。これに基づきまして、当庁におきましては、公正取引遵守宣言の発出や自己点検評価の実施及びその結果の自主的公表に努めるよう酒類の関係業界を指導・啓発しているところでございます。
 (4)の「酒税の確保の観点」についても、緊急措置法により、酒類小売業免許の付与等を1年間制限する緊急調整地域を指定できる規定が設けられております。なお、緊急措置法は2年間の時限立法ということになっております。
 (5)は「酒類の適正な販売管理」関係でございます。1の分離陳列等につきましては、国税庁の告示である「未成年者の飲酒防止に関する表示基準」を改正しまして、酒類の陳列場所における表示義務等を課しています。また、酒類業組合法を改正して小売販売場ごとに酒類販売管理者の選任義務を課しております。2の自動販売機のところでございますが、引き続き、従来型の自販機の撤廃、改良型自販機による販売の適切な管理を指導するとともに、新たなアクションプログラムの作成の検討につきまして、全国小売酒販組合中央会に申し入れを行っているところでございます。3の小売業者に対する研修の実施につきましては、酒類業組合法を改正し、酒類小売業者に対し、酒類販売管理者に酒類販売管理研修を受講させるよう努めなければならないという努力義務を課しております。5の人的要件につきましては、酒税法を改正し、人的要件の追加をしております。6の免許の目的の見直しについてでございますが、これは酒類製造者、酒類卸売業者にも及ぶ免許制度の根幹にかかわるものであるということから、長期的な検討課題として整理しております。7のモニタリングにつきましては、申請時の酒類の販売見込数量が少量の者については、特に酒類販売管理者の選任、酒類の陳列場所における表示等の法令遵守が確実に行われるかどうかを十分確認することとしまして、その後また、これらのことを含め法令等の遵守が確実に行われているかどうかを我々の方でモニタリングを行うこととしております。8の小売酒販組合の役割の発揮につきましては、これは一つの例になりますけれども、全国で400を超える小売酒販組合あるいは連合会というのがありますが、ここが申請によりまして酒類販売管理研修の実施団体に指定されております。そのほか、関係行政機関等との連携による飲酒教育及び飲酒防止教育の充実や、大学構内、ガソリンスタンド等における販売場に対する指導についても積極的に行うようにしております。
 6ページ、資料4をお開きいただきたいと思います。以上、説明したもののうち、法律及び告示の改正事項について少し詳しく説明したいと思います。上段が免許の人的要件の追加でございます。酒類小売業免許を付与するのにふさわしくない者として、未成年者飲酒禁止法、風適法、暴対法など5つの法律により罰金刑に処され、その執行を終わった日等から3年を経過するまでの者が免許の拒否要件及び取消要件に追加されました。これは酒税法の一部改正によるものでございます。
 それから、中段が組合法の一部改正でございます。大きく2つありまして、1つは酒類の表示基準に関する命令規定の改正でございます。「清酒の製法品質表示基準」や「未成年者の飲酒防止に関する表示基準」が国税庁告示により定められているわけですが、これらの表示基準のうち、「特に酒類の表示の適正化を図る必要があると認められるもの」を財務大臣が「重要基準」として定め、この表示基準に違反していると認められる個別の業者に対して、表示基準を遵守するよう直接命令を発することができるようになりました。遵守命令に従わない者には罰金が科され、罰金を科された者については免許を取り消すことができるということになっております。
 この改正とともに「未成年者の飲酒防止に関する表示基準」を改正しまして、酒類の陳列場所における表示の基準、通信販売における表示の基準を新たに定めております。具体的にはパンフレットにもございますけれども、「酒類の陳列場所である」、「未成年者の飲酒は法律で禁止されています」という旨の表示の義務化でございます。これらの表示は重要基準とされております。
 2つ目が酒類販売管理者の選任、酒類販売管理研修の受講制度の新設でございます。酒類小売業者は、販売場ごとに酒類販売管理者を選任しなければならず、酒類販売管理者を選任したときは3カ月以内に酒類販売管理研修を受講するよう努めなければならないこととされました。研修は、財務大臣が申請により指定する小売酒販組合等の団体が実施します。この酒類販売管理者を選任しないと罰金刑に処され、免許取消につながるということになっております。
 この改正法の施行された平成15年9月1日より前に免許を受けていた者が最初に選任した酒類販売管理者につきましては、経過措置が設けられておりまして、平成16年8月31日までに研修を受講すればよいということになっております。また、研修のモデルテキストにつきましては、机上にお配りしてあります色のついた本になりますけれども、これは独立行政法人酒類総合研究所が当庁をはじめ、関係省庁と協力して作成しております。改正後の両法及び告示はそれぞれ9月1日から施行されておりまして、平成15年末までに全国で約10万人の方々が、この研修を既に受講しております。
 法律の改正あるいは国税庁告示の改正により手当てを講じたものについては、この「あらまし」という、今、御説明した資料と、それから昨年夏、皆様に御送付申し上げましたこのパンフレットで一般に周知をしております。それから、また、一般の消費者に向けては、昨年の秋に、これもお配りしてありますけれども、朝日新聞とサンケイ新聞に掲載した政府広報等により、周知に努めているところでございます。
 以下の説明は小森補佐の方からさせていただきます。

小森課長補佐
小森でございます。前回、懇談会第9回と10回、2回の会合 に出席させていただきました。また、引き続き御指導、御意見を賜りたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
7ページの資料5、「酒類小売業者の経営の改善等に関する緊急措置法のあらまし」、こちらから御説明いたします。先ほど来、御説明申し上げましたように、私ども財務省・国税庁では、人口基準の廃止に伴い、多くの方々の酒類小売業への参入が見込まれる中で、未成年者の飲酒防止をはじめとして、酒類の適正な販売管理をいかに確保していくかと、社会的要請への対応の観点から、当懇談会の御提言も踏まえまして、人的要件の追加ですとか、販売管理者の選任、研修受講といった措置を盛り込んだ法律案を国会に提出いたしまして、成立させていただいたわけでございますが、これらは、いわば規制緩和の完了後に生じる怖れのある社会的弊害と申しましょうか、広い意味で消費者、需要サイドをどのように守っていくかという観点から喫緊の措置として講じたものでございます。
 他方、こちらにあります緊急措置法、平成14年7月に既に議員立法により国会に提出されております。たしか前々回の第9回会合でも簡単に御説明させていただきましたが、この法律は平成15年4月に、先ほど申し上げましたように私どもの酒税法等の改正案と同時に国会で御審議いただき成立いたしまして、こちらについては平成15年7月7日に施行されております。
 この法律の目的でございますが、第1条にうたわれておりまして、「酒類小売業免許に係る規制緩和の進展に伴い、多数の酒類小売業者の経営の維持が困難となる等の急激な社会経済状況の変化が生じている現状にかんがみ、緊急の措置として緊急調整地域における酒類小売業免許の付与を制限するとともに、酒類小売業者の経営の改善及び転廃業の円滑化のための措置、その他の措置をとることにより、規制緩和の円滑な推進に資することを目的とする。」とされております。そのための最も主要なツール、第一の措置が、今、目的の中にもありました緊急調整地域における免許の付与等の制限であります。
 7ページの上段のところ、「○ 緊急調整地域の指定」というところがございます。その下にイ、ロとございますが、これが具体的な緊急調整地域の指定要件となっておりまして、まず、イの「当該地域において酒類の需要に対してその供給能力が著しく過剰であり、当該地域に存する酒類小売販売場のうち、酒類の販売数量の減少が著しいこと等により、酒類の販売業の継続が困難な酒類小売販売場が占める割合が著しく高い場合として、政令で定める要件に該当する」とともに、このロにありますような、「当該地域に存する酒類小売販売場の過半数について、財務省令で定めるところにより、経営の改善のための計画が酒類小売業者から税務署長に提出されている」地域を、一番上の2行にありますが、1年間を有効期間といたしまして緊急調整地域に指定し、その地域における免許の付与等を制限するといったものがその内容でございます。
 また、このイにおきましては、太字で書いてあるところが2カ所に分かれていると思いますが、まず「当該地域において酒類の需要に対して、その供給能力が著しく過剰」と、いわば供給過剰要件とでも申しましょうか、そういったものが1つと、それから「当該地域に存する酒類小売販売場のうち、販売数量の減少が著しいこと等により、酒類の販売業の継続が困難な小売販売場が占める割合が著しく高い」と、いわばミクロで見ました経営困難的な要件、その2つが成り立っている必要がございまして、つまるところ、緊急調整地域の指定に当たりましては、「供給過剰要件」及び「経営困難的な要件」それから「計画提出要件」、これら3つの要件すべてに該当することが必要とされております。
 これは議員立法により全会一致で成立したものでございますが、若干そんたく忖度いたしますと、規制緩和の進展そのものは是としつつ、一層の規制緩和がこれから進展していくに際しまして、やはりここは消費者、需要サイドのみならず、供給サイドである酒類小売業者にも一定の激変緩和措置が必要ではないかと。他方、皆様御承知のとおり、規制緩和推進3カ年計画、その中で人口基準の廃止に5カ年という段階的期間が設けられてきたことも考慮いたしますと、全国すべての地域についてさらに激変緩和というのもなかなか問題があろうと。そこで、既に著しい需給の不均衡等、規制緩和の影響が顕著にあらわれているとともに、こうした影響に対しましていわば自助努力と申しましょうか、そういったことに立ち向かおうと業者自身がしている地域について、1年間の免許の付与制限という激変緩和措置を講じるというものが本法というふうに言えようかと考えております。
 こうした緊急調整地域の、先ほど供給過剰等々申しましたが、具体的な内容につきましては、政令で定めるというふうにされていることを受けまして、国税庁では酒類小売業の実態あるいは他法令の規定ぶり等も参考といたしまして、例えば、供給過剰要件につきましては、新規に免許の付与等が行われており、前年度の当該地域における1販売場当たりの平均販売数量が前3年間の平均値に比べ90%以下に減少している、すなわち10%以上減少している、これをもって供給過剰とみましょうと。あるいは、経営困難要件につきましては、当該地域に存する酒類小売販売場のうち、同じく10%以上減少しているような販売場が占める割合が2分の1超となっているといったようなことを政令及び省令で具体的に定めまして、平成15年7月7日に法律と同時に施行しております。
 この辺の具体的な資料については、また次回以降また適宜御説明申し上げたいと思いますが、こうした法律、政令、省令の施行を受けまして、国税局・税務署では全国約15万の酒類小売販売場から提出いただきました販売数量等報告書に基づく膨大な集計分析作業を行いまして、平成15年8月8日には、手続きの透明性を確保するために、途中集計の状況について中間公表も行った上で、9月1日の人口基準の廃止に先立つ平成15年8月27日に市区町村を基礎とする全国3,383小売販売地域のうち約27%に相当いたします922地域を平成15年9月1日から平成16年8月31日までの1年間、緊急調整地域に指定する旨の公告を行い、同9月1日から適用しております。
 この法律につきましては、平成17年8月31日までという時限立法となっておりますが、他方で指定の有効期間につきましては1年間となっておりますので、1年ごとに再判定をする、洗い替えを行うといったような形になっておりまして、本年8月にはもう一度判定を行うことになっております。
 この地域別の指定の状況等、詳細につきましては、まさに地域の実状とかかわる部分でございます。次回以降改めて御説明申し上げたいと考えておりますが、一般的にはやはりこれまで規制緩和の中で参入が比較的活発であった都市部の指定割合が傾向として高くなっております。
 他方、緊急調整地域以外の地域につきましては、先ほど酒税課長から御説明ありましたように、例年同様9月1日から同月30日までを抽選対象申請期間として、一般酒類小売業免許の申請を受け付けましたところ、全国でその期間に1万9,970件の申請が提出されました。もちろん、この抽選対象申請期間といいますのは、大量の申請を適正・公平に処理していくために一定の期間を区切って抽選を行うという、いわば事務手続上の必要性から設けたもので、その期間でなければ申請ができないというものではございませんので、その後も若干の追加提出もありまして、現在までに合計2万件を少し超える程度の申請が提出されたというのが状況であります。
 これらの申請につきましては、審査順位を決定するための公開の抽選会を10月に実施いたしました後、11月以降、順次審査を行っているところでありまして、免許の付与あるいは拒否あるいは取下げといったような処分等を行っているところであります。なお、審査に当たりましては、先ほど若尾酒税企画官から御説明申し上げましたような、酒税法に新たに追加されました人的要件、すなわち、未成年者飲酒禁止法、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律等々、こういった法律に対する違反の有無等ですとか、あるいは、今般、通達改正により取扱いを明確にいたしました滞納の有無ですとか、欠損状況といった経営の基礎に係る要件につきまして、厳正・適格な審査に努めているところであります。
 このように人的要件ですとか、消費者・需要サイドを念頭に置いた措置、それから緊急措置法にありますような供給サイドを念頭に置いた措置、それぞれ喫緊の措置として講じたわけでございますけれども、酒税課長から御説明申し上げましたように、その後も各方面から一層の検討、対応が求められております。
 そういった対応を求められている内容を簡単にまとめましたものが、次の8ページ、「免許制度のあり方等に関する各界からの要望」であります。
 まず、緊急措置法の附則の中で、検討事項といたしまして、「政府は、この法律の施行の状況、酒類の特性、青少年の健全な育成の重要性、地域社会における酒類小売業者の役割等々を勘案し、酒類販売業免許の制度のあり方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講じるものとする」と規定されております。まず法律でこういった要請がされているわけでございます。
 それから、昨年12月の与党の税制改正大綱におきまして、「未成年者飲酒防止等の重要性、酒類業の健全な発達の観点を踏まえ、免許の基準について幅広い観点から検討する」ということが検討事項とされたところであります。
 さらに、3番以下でありますが、この税制改正大綱の取りまとめの過程におきまして、業界から様々な要望が寄せられているわけでございます。まず、例えば小売酒販組合中央会から、この3番にありますように、「酒税の保全のみならず、公共の福祉の面や酒類の社会的管理の観点からの酒類販売業免許制度の再構築」、それから、「酒類産業の健全な発達のため国際的整合性のある制度の運用基準の整備」と、こういった要望が寄せられているところであります。
 実は、こういった、酒類小売業免許の目的に酒税の保全に加え、社会的規制の観点を加えるなどの免許の目的の見直しにつきましては、前回の懇談会におきましても、「適切な酒類の販売管理体制を求めるため、その要請を踏まえた免許の目的の見直し」として御提言をいただいているところであります。こうした免許の目的の見直しにつきましては、酒類製造業免許及び酒類卸売業免許にも影響を及ぼすものであり、まずもって製造業それから卸売業のあり方について検討が必要というように考えられましたことや、あるいは警察的措置として許可制を採用するといった場合には、「他のより緩やかな制限である規制によっては、その目的を達することができないと認められることを要する」、いわゆる「LRAの基準」といったような、山下先生の御専門かと思いますが、そういった過去の最高裁判例等々も踏まえる必要があると考えられましたことから、先ほど説明いたしましたような今回の酒税法等の改正には含み得なかったものでございます。
 もちろん、こうした免許の目的の検討が重要であることは、現在も、私どもでは重々認識しておるところでございますが、他方で、現在の各界からの要望ですとか、あるいは現実の、足元の社会の動きといったものを踏まえますと、未成年者飲酒の防止等の社会的要請への対応につきまして、免許の目的の見直しに係る検討が終わるまで措置をしない、製造業・卸売業に係る検討が終わるまで措置をしないという対応もまたなかなかとり得ないのではないかというふうに考えております。
 例えば、御覧になられた方も恐らくいらっしゃると思うのですが、昨年末から年明けにかけまして、渋谷の繁華街における深夜の未成年者飲酒の実態につきまして、潜入レポートといいますか、未成年者の店舗での購入であるとか、あるいは路上で酒を飲んで騒ぐ、年越しのカウントダウンで酒を飲んで騒ぐ、といったような相当実録的な生々しいテレビ報道が相次いでされるといったようなことがございました。
 また、こうした渋谷のような繁華街をお膝元にかかえる東京都では、昨年の10月、不健全図書の効果的な規制のあり方のほか、青少年の深夜外出の防止策、こういったものについて検討するようにとの東京都知事の諮問を受けまして、青少年問題協議会におきまして都の青少年健全育成条例の改正について審議が行われ、今年1月に答申が出されております。この中では、これは自販機と申しましてもあくまで有害図書ですとか、アダルトビデオの自販機のようでございますが、年齢確認機能を有しないこうした図書・ビデオ自販機の、条例による設置制限あるいは学校周辺への図書・ビデオ自販機の新増設の制限に向けた、自主規制より一歩踏み込んだ措置の検討といった事項ですとか、あるいは条例により子供を深夜外出させない努力義務を親に課すことや、大人、とりわけコンビニエンスストア、スーパーマーケットなどの深夜に営業する事業者に、深夜徘徊する青少年に帰宅を促すよう要請するといったようなこと、さらには、カラオケボックス・漫画喫茶・インターネットカフェ等への深夜立入り制限、条例による青少年への刃物等の販売制限及び年齢確認の義務付け等々が提言されております。
 さらに報道によりますと、既に県の条例で、保護者は青少年を深夜に外出させないように努めなければいけないという努力規定を置いている神奈川県、その中の横浜市では、保護者への罰則規定まで県条例に盛り込むよう働きかける動きもあるようでございます。
 こうした青少年の深夜徘徊ですとか、あるいは有害図書、刃物、こういったものに関する問題を、すべて直ちに酒類の販売管理の問題と同列に論じるといったことにはかなり無理な点もあろうかと思いますが、他方でやはり現在の青少年を取り巻く環境というものがいかに危機的な状況にまで立ち入っているかということが、こういったことにもあらわれているのではないかというふうに考えております。こうした社会環境の中で、酒類に関しましても、現行の酒税法・酒類業組合法との体系の下におきましても、区分陳列、表示あるいは販売管理者の選任といった比較的間接的なアプローチだけでなくて、もう少し直接的な措置・規制というものがとり得るのではないかというふうにも考えておるところでございます。
 例えば、先ほども図書・アダルトビデオのところで申し上げた自販機でございますが、酒類の自販機ということで申しましても、実は、現在、酒類小売業界自身から、法的措置を求める声も上がっております。こうした自販機あるいは広告の問題等については、前回の懇談会の取りまとめにおいて、やはり段階的整備が重要である、あるいは安易に法的規制によるべきでなく、自主的に進めるべきであろうといった形で御提言をいただきまして、私どもでも酒類業界の自主的取組に現在のところゆだねている事項でございます。しかし、こういった社会情勢を踏まえますと、現在のような自主的取組で十分か、あるいは法的措置も含め一層の対応が必要か、こういった、社会情勢、それから先ほど酒税課長から説明のありましたたばこの動き、こういったものも踏まえつつ、不断に検討していくことが必要ではないかと考えておるわけでございます。
 また、国際的整合性を求めるといったようなことが小売酒販組合中央会からの要望にもございますが、9ページに「諸外国の酒類販売制度」と題する資料をつけております。実は、諸外国の資料の関係につきましては、前回懇談会でも若干お配りし、しかも、今お手元にお配りしております資料、「諸外国」と題しておりますが、日本、アメリカ、イギリスという3カ国のいわばイントロダクションとでも言うべきものであります。次回以降、対象を各国にもう少し広げるとともに、深堀りした形でいろいろ御説明をさせていただきたい、あるいは御意見を伺いたいというふうに考えております。
 最初の9ページのところにつきましては、一般的に免許の要件といったものをまとめております。大きく分けまして、「人的要件」、「場所的要件」、「需給調整要件」というふうに区分ができるわけでございますが、この免許の要件に関しまして、人的要件というのは日本、アメリカ、イギリスいずれにもございますし、需給調整要件というのは、当然アメリカにもイギリスにもあり、現在の日本には、需給調整と同等の機能を営むものとして先ほどの緊急措置法という法律があるわけで、比較的似通った形になっております。ただ、この表の中では、唯一場所的要件というところで、カリフォルニア州だけが教会、病院等、公共施設から一定の距離の出店制限を設けていることが、比較的目立つ程度であります。
 しかし、もう1枚めくっていただきまして10ページの方では、免許を付与された後の販売規制、行為規制といった観点で、未成年者飲酒防止ですとか広告、自販機等に関する規制等を整理しておりますが、例えば自販機に関しましては、我が国には法律上の規定・制限はございませんが、イギリスではこれを禁止する法律上の明文規定がおかれているようでございまして、またカリフォルニア州法では、自販機を禁止する個別の明文規定は無いようでございますけれども、社会秩序の維持及び酒類の消費節制という一般条項を適用し制限を行っているようでございます。また、広告に関しましても、カリフォルニア州法では制限規定を設けているほか、州当局に具体的な基準の策定に関する権限を与えているようでございます。それから、販売時間に関する制限につきましては、この表にありますようにイギリス、アメリカにもございますし、またドイツ、フランス等大陸諸国でも制限を設けている例がむしろ一般的なようでございます。
 もちろん、こうした規制に関しましては、むろんそれぞれの国における歴史的、文化的背景の上に成り立っているものではありますけれども、他方で先ほど酒税課長からも説明いたしましたたばこの動きといったものを見ますと、こうした歴史的、文化的背景を捨象とまでは申しませんが、最大公約数化したような形で国際的規制に向けた取組が行われております。さらに、今後酒類についてもこうした国際的な取組が行われる可能性があるといったようなことを考慮いたしますと、やはり私どもといたしましても、こうした諸外国の制度、それからそうした制度が実際にどのように、あるいはどの程度執行されているのかといった制度の運用面、さらにこうした制度・運用について各国国民がどのように受け止めているのかといった受け止め方につきましても詳細に検討していく必要があるのでないかというふうに考えておるところでございます。
 以上、私どもが現時点で持っております問題意識と申しましょうか、そういったものを説明させていただきました。
 私からは以上でございます。

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