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【第8回 酒類販売業等に関する懇談会】 議事録(1)

日時: 平成14年6月18日 10:20〜12:02

場所: 国税不服審判所会議室

出席者:

懇談会メンバー 奥村座長
  跡田直澄 宇賀克也
水谷研治 御船美智子
山下友信  
説明者 国税庁
大西審議官
戸田酒税課長
若尾酒税企画官
工藤課長補佐
大柳課長補佐
前田企画専門官

 

奥村座長
  定刻になりましたので、遅れて見える方もいらっしゃると思いますが始めたいと思います。
 最初に、メンバーの方々から前回までの報告書案に対していろんなコメントをいただきましてありがとうございました。事務局の方でいただきましたコメントを踏まえて、さらに懇談会の報告書の案を修正したという経緯がございますので、本日は最初に事務局の方からどういった点を直しているかということと、さらに加えたり深めたりしたところもございますので、そういったことを踏まえて最初にご案内いただいて、その後ディスカッションを続けてまいりたいと思います。
 では、事務局の方からお願いいたします。

若尾酒税企画官
 では、私の方から説明させていただきます。今、座長からもお話がありましたように、メンバーの方々から懇談会の場だけではなくてメール等でいろいろとご意見をいただいております。特に、誰のために取りまとめを行っているのかとか、懇談会が目指すところを明記した方が良いとか、そういうふうな意見もありました。そういうことも踏まえまして、「はじめに」ということでこの点を整理しています。お手元には2つの資料が配られていますが、最初に厚い方の資料、酒類販売業等に関する懇談会とりまとめ(骨子)というものから入っていきまして、途中で薄い方に変わっていくというような形で行きたいと思います。
 酒類は代表的な嗜好品だということで、ここ数年は毎年1,000万キロリットル、500ミリリットルの容器入りに換算しても200億本が生産され、流通し、そして消費されています。国民生活に大変関係の深い飲料だと言えます。小売業免許の規制緩和によりまして、毎年酒販店数が増加し、それもコンビニエンスストアやスーパーマーケット、酒類専門のディスカウントストアに加えまして家庭電化製品やホーム用品等の量販店までも酒類を販売するようになっています。テレビや新聞、電車の中や町の至るところにビールや発泡酒、チューハイなどの酒類のコマーシャルが目につきますし、特にビールや発泡酒につきましては毎月各メーカーの売り上げの動向が、各メーカーのシェアの動向なんかを中心にマスコミに取り上げられています。自動販売機もありますし、至るところで酒が売られ、また、ジュース以下の値段で売られているものも出てきて、大変お酒を求めやすくなったこともありまして、未成年者の飲酒問題や飲酒に起因した事件、事故、トラブルの発生、あるいは健康の問題が世の中をにぎわすことが多くなってきているように感じられます。
 このような変化は我々の生活のごく身近に起こっているところであり、お酒の世界が変わってきていることは関係者ばかりでなく国民の多くが認識、又はそれとなく感じているものと思われます。この懇談会におきましては、このような認識のもと、皆様方にお願いしまして、酒類業の将来像を考え、そして酒類の販売管理などの社会的要請への取り組み手法について検討していただき、その検討結果のとりまとめを参考にして、酒類行政に反映させていくということを考えたものであります。このことを「はじめに」、それから最後の「終わりに」に整理したらいいのかなと考えています。
 順に行きますと、まず1の環境の変化、それから、2のこれまでの規制緩和の評価につきましては、完成版をイメージした書き方になっています。環境の変化につきましては、前回お示ししたものを(1)酒類の4つの特性とその変化とは、(2)酒類をめぐる消費面・供給面・市場面での変化、(3)として酒類業の特性、それから(4)として酒類業のあるべき姿を項立てしています。(1)の酒類の特性は、嗜好品であるということがまず一つ挙げられます。2つ目としては、文化・伝統性を有する。3つ目としてはアルコール飲料である。それから、4つ目は課税物資であること。この特性を見ていく上で、やはり何と言っても一般商品化が進んでいるということが、酒類が特別の商品との意識が売る側にも、それから造る側にも消費する側にも希薄化してきている、商品自体もそうなってきているということが問題になっているのではないかと思います。
 2ページのハの最後にありますように、「過度の飲酒が問題視されるのは、飲酒した本人にとどまらず、その周辺の者や全く関係のない第三者にまで影響を与えることにある」と整理しています。我が国のアルコール関連問題の社会的費用は約6兆6,000億円と言われています。
 3ページから数字の方は新しいものに変えてあります。大きな変化はありません。
 5ページのニの4つ目の・でございますが、若者向けの低アルコールかつ低価格の発泡酒、こういったお酒類が未成年者の飲酒を助長しているという指摘につきまして、これは商品開発という問題ではなくて、販売提供の管理の問題ではないかというふうな整理にしています。
 それから、6ページのロでは、中小企業が多いということで整理してあるわけですけれども、酒類業者におきましても独創性、機動性を生かした企業としての個々の取り組みが求められていることを明記しております。
 それから、同じ6ページの(4)では、前回は酒類を扱う業者としての社会的責任及び酒類業のあるべき姿という形で、酒類業の特性の中に別々に入れておきましたが、これを一緒にしまして、酒類業のあるべき姿というふうにまとめた上、本文に合わせて酒類業に対する社会的要請、ここに7つ、前と同じですが入れてあります。それと、それを受けました酒類業のあるべき姿、8つの課題として整理しています。この7ページの8つの課題は、大変私どもこのとりまとめに当たりまして大事なことだと考えておりますので、ちょっと読み上げさせてもらいますと、まず1として、市場の活性化を通じた消費者の利便性のさらなる確保、それから、2消費者ニーズに応えた商品、安全で品質の高い酒類の供給と、表示の適正化、消費者にわかりやすい表示を含めた情報の消費者への積極的な提供、3公正な競争の確保のための後述の指針や不当廉売、差別対価等への対応についての酒類ガイドラインの遵守等による自由かつ公正な競争の確保、4生産の効率化、流通コストの縮減等、効率的な事業経営と酒税の確保への貢献、5未成年者の飲酒防止、ここには飲食店の問題もありますので、この酒類の販売管理のあり方を考える際におきましては、行政の所管の関係で対応に温度差が生じないよう両方を視野に入れる必要があるというふうに整理してあります。6飲酒に起因する各種の事件、事故、トラブル、健康障害の発生防止、それから7マナー広告の実施など、飲酒教育、啓発、8リサイクルに関する責任の遂行となります。1の上に書いてあります販売管理体制の整備、それが可能となるよう、上記の7つの社会的要請に応えて消費者利便も含めたこの8つの課題を果たし得るシステム作りについて検討する必要があるというふうな整理になっております。
 それから、(5)については、前回は項立てだけだったんですけれども、これにつきましてもメンバーの方々から酒類及び酒類業に関しては国税庁が各省庁の先頭に立って諸施策に取り組んでいくべきというふうな強いご意見を踏まえまして書き込んでいます。国税庁においてはこれまでの酒税確保を中心とした事務運営から消費者利益の確保及び酒類業の健全な発達のため、酒類産業行政を広くとらえて、その運営体制の一層の整備を進める必要がある、その際、関係各省庁との任務分担を明確にするとともに、現在の連絡協調体制を見直して、政府全体での行政運営の機動性、実効性を確保するよう努めるべきというふうな整理にしてあります。
 次に8ページからは、小売販売業免許等のあり方について整理しています。ここからは酒類小売業を中心に論じていただきましたが、関係する部分につきましては、必要に応じ酒類卸売業及び酒類製造業についても言及していただいています。
 規制緩和の効果はかなり上がっており、酒類市場はかつてなく活性化しているということは多くの人が認めることだと思います。市場の活性化により、酒類の低価格がコスト削減で実現されているとしたら評価すべきことですけれども、9ページにありますように、過度の競争でコストの引き下げや売上高の増大ばかりを目指す余り、酒類の商品特性に配慮した実効性のある販売管理体制がとられなくなることを懸念する意見が多くありました。
 公正市場問題への取り組みにつきましては関係者がいろいろと取り組んできています。過度の競争は事業者ばかりか消費者にとっても不幸です。9ページの(2)のように、一番下のところでございますが、価格・販売・商品開発競争は市場原理に任せるとしても、取引自体は公正であるべきであり、一層の実効性ある対応が競争政策当局に求められています。
 10ページですが、未成年者飲酒対策への取り組みということですが、未成年者の飲酒問題はかなり深刻で、飲酒年齢の低年齢化が進んでいるとの指摘があります。未成年者飲酒防止の実効性確保に向けた取り組みは近年めざましいものがあります。その一方で、飲酒ぐらい大目に見てもいいという社会的風潮や販売管理面でのルーズさもあり、国民的に問題喚起が十分にできているとは言いがたいという意見が多くありました。10ページの下の方にあります(ハ)の4のところです。
 (3)で評価と今後の課題について整理しています。評価は消費者利便は確実に拡充し、市場の活性化も進んでいるとしています。今後の課題としては、規制緩和の着実な実施と酒類販売についての社会的要請が高まりを見せる中、これまで経済的規制の側面に重心を置いてとらえられてきました小売販売業免許について、これらの社会的要請に応えられるような運用が求められてきているというふうにしています。
 恐縮ですが、8ページの方に戻っていただきまして、真ん中ぐらいイのところの6行目、なお書きですが、昨年12月には与党の税制改正大綱など閣議決定後の小売販売業免許制度の運用のあり方につきましての検討が各方面から求められていることを書き込んでおります。
 12ページ以降につきましては、前回の懇談会までは2つに分けまして、3.今後の手当の必要性と、4.今後の酒類販売業行政のフレームワークとしておりましたけれども、この整理の仕方がちょっと分かりにくいというふうなメンバーの方々のご指摘もありまして、これを一緒にまとめまして整理しています。
 それで、これは今日の公式な資料としてお配りしたのですけれども、この3につきましては、お手元にお配りしてあります薄い方の資料をご覧になっていただきたいと思います。メンバーの方々から大変きついご意見をいただきまして、もっと行政側の意見を示すべきではないかというふうなことがありまして、これを受けまして、当方でできるだけ具体性のある記述でこの骨子の中に整理しようとしたわけですけれども、部内にもいろいろな意見がありまして、法的な詰めもあるということで行きつ戻りついたすものですから、正式に提案するのはまだ不十分というふうに考えまして、本来なら口頭で説明すべきものと考えたところですが、やはりたたき台があった方が議論しやすいのではないかというふうに考えまして、2つのペーパーを提示させていただきました。ですので、きょうの場では3につきましてはこの薄い方でご議論をいただければと思います。
 それでは薄い方のこの3についてご説明をさせていただきます。
 先ほど1のところで整理しましたように、酒類業に対する社会的要請というのがございます。まず、その社会的要請の順に沿ってこの3の項立てはしてあります。まず、消費者の利便性の確保等の観点でございますが、当懇談会におきましてメンバーの方からいろいろご意見がありましたように、大きく経済社会といっても地域差というものがありますから、規制緩和、新規参入を考える上では「地域」の状況を踏まえる必要があります。また、販売管理について考える際にも地域の視点が重要と考えられます。懇談会におきましても、地域商店街がさびれて物騒になってきたというふうな指摘がありました。地域に密着した酒販店が退出することは、その地域の消費者の利益を損なうことにもなるのではないかというふうに整理しています。
 2つ目は消費者ニーズ、それから情報の提供等の観点でございます。事業者としては消費者ニーズに的確に対応していくことは当然のことでございます。消費者はいろんな情報を必要としています。酒類の情報の提供は一義的には製造者の役割だとは思うのですが、消費者とのコミュニケーションの手だてとしても充実されるべきであります。広告につきましては、酒類業界においても生産、流通の団体が一緒になって自主基準で対応してきています。例えば、一定の時間帯のTVコマーシャルは放映しないとか、必ず未成年者の飲酒は法律で禁止されている旨のテロップを流すとか、そういうことをやってきているわけですけれども、メンバーの方からは単に義務的に未成年者の飲酒は法律で禁止されている旨のテロップなどを入れるだけでは効果がないのではないかという強い指摘があります。
 3つ目は、公正取引の観点でございます。製造者、卸売業者は酒類業組合などの要請を踏まえ、各社ごとに値引きリベートに関する社内基準を定め、これを取引先に提示して公正な取引を執行しているところでございます。しかし、相手のあることですから、なかなかうまくいかない部分もあるようで、まだ結果的に差別的な取り扱いが生じてきているようなことも聞こえてきています。これでは今までと全く変わりがないということで、実効性を上げるためのいろんな手だてが考えられるのではないかということですが、各企業ごとにそのような差別的な取り扱いを行わない旨を公式に表明するとか、毎年その結果をあるいは評価を自主的に公表することなどが求められてもいいのではないかというふうに考えられます。また、酒税法には販売業免許の取消し規定があるわけですけれども、これに独占禁止法違反で罰則を受けた者に対する免許取消規定を追加するということも考えられるのではないかということで、考えられることを書いてあります。いろいろとご意見をいただければと思います。
 4つ目は、酒税確保の観点からでございます。製造から小売までの免許制度が機能していることにより、現状では酒税の保全に顕著な悪い状況にはなっていません。しかし、酒類業者の倒産がかなり生じてきており、ぎりぎりの状態にある社も多いと言われています。酒税法の規定では税務署長は酒税の保全上、酒類の需給の均衡を維持する必要があるときは販売業免許を与えないことができるとされています。ここに書いてあります緊急例外的な、臨時的な需給調整措置の発動につきましては、過度に競争状態になっている地域につきまして、臨時的に行うことが必要ではないかということです。当然、その際には客観的基準に基づく透明性の確保が必要だというふうには考えているところでございます。
 5つ目は、販売管理等の観点でございます。ここで言う販売管理等は前の方で8つの項目がありましたけれども、未成年者の飲酒防止、健康障害等の発生防止、飲酒教育の実施等、それからリサイクル社会への貢献など、社会的な規制にかかわるものをまとめて論じています。今までも行政当局において行政指導でやってきている事柄が多くあるわけですけれども、なかなか円滑に行かない部分も出てきています。実効性を上げる手段が必要な時期に来ていると我々としては認識しています。
 まず最初に、自動販売機の件ですけれども、酒類の自動販売機は、昨年の3月末現在で約8万9,000台、そのうちに免許証とかIDカードで年齢を確認して販売する、いわゆる改良型といわれるものが9,600台あります。自動販売機は、その5年前の平成8年の3月には18万6,000台ありましたから、この5年間で約10万台が減少してきています。たばこについては今JTが改良型を開発中というふうに聞いておりまして、2008年ごろには全国展開が予定されているというふうに聞いています。この自動販売機につきまして、目標時期を明確にした従来型自動販売機の完全撤廃、改良型自動販売機への移行、より長期的には自動販売機そのものを撤廃するアクションプログラムが必要ではないかというふうに整理しています。
 2つ目は、酒類売り場の完全分離・陳列について整理しています。お酒を未成年が物色するということは、酒の売り場の前に立っているということは大変プレッシャーがかかるというふうなこともこの懇談会で話がありました。酒売り場の完全分離、店員を常駐させた限られた場所で売るとか、専用レジを常備したスーパーの売り場などが考えられますけれども、例えば、コンビニなんかでは完全分離陳列というようなことで、店員の目が行き届くところ、あるいはお客さんの目も行き届くところに酒売り場を設ける、陳列するというふうなことも1つの考え方かとも考えています。
 それから、適切に販売管理を行える者の配置、例えば、夜間販売におけます販売責任者の設置ですとか、酒類の販売従事者から未成年者を排除するというふうな手当てができるのかどうか。その辺のところもご議論いただければと思います。
 それから、現在販売責任者につきましては、国税庁の方でも行政指導という形で税務署に各小売業者から販売責任者を設置して、それの届けをしてもらうというふうなことになっているわけですけれども、これもあくまで行政指導という形でやっていますし、実態を見ると、未成年者の飲酒等の摘発事案がかなり多いというふうなことを考えると、実効性が伴っていないという指摘もあるところでございます。
 3つ目が、免許の人的要件の整備です。資格要件の適正化といいますか、未成年者の飲酒防止等に配意した資格要件を整備できないかと。例えば、そこで酒販店主が未成年者に酒を飲ました、その未成年者が事故を起こしてというふうなこと、そういった者に対して免許を付与しないというふうなことができないのかなというふうなことも検討いただければと思います。
 それから、地域の特殊性を踏まえた自治体の出店禁止禁止区域指定が可能となるような措置の整備と書いてあります。これは風営法、風俗営業法でございますけれども、キャバレーにつきましては政令に定める基準に従って、都道府県の条例に定める地域にないことということがありまして、これを受けまして東京都条例では、住居の集合地域だとか学校、図書館、病院等の敷地の周辺100メートル以内の地域はキャバレーの出店は禁止というふうな法律があります。こういったことが酒類小売業免許に適用が考えられるのかどうか、その辺についても意見をいただきたいなと思います。
 なお、いろいろ意見が出ていましたガソリンスタンドや大学などの校内の物販施設等での酒類の販売規制についても検討をしていただきたいというふうに思います。
 それから、免許の目的等の見直しです。何度も説明しましたように、現行は酒税法による免許制度ですので、免許制度の目的というのは酒税法には明記していないんですけれども、酒税の徴収確保のための制度ということになります。いろいろ販売管理等の面から実効性の上がる対応を図っていくためには、酒税法を改正し、免許制度の目的を酒税法に書き込むとか、あるいは酒類業組合法を改正して酒税法から移行するとか、はたまた新法で対応するとか、いろいろ考え方はあるんですけれども、そういった免許の目的等の見直しにつきましてまたご議論いただければと思います。免許の条件についても同じでございます。現在は、酒税法の規定によりまして酒税の保全上、酒類の需給の均衡を維持するため、必要があると認められるときは条件を付すことができるというふうな規定になっています。販売管理等を実効あらしめるために条件規定の見直しについても何か手当てが必要なのかなというふうに考えられるところでございます。
 それから、ここの議論でも大変出てきました更新制でございますけれども、今の規定では一度免許を付与されますと、法に定める免許の取消し事由に該当しない限り、免許の取消しだとか営業停止等の処分は全く行えないということになっています。販売管理等の面で不適格者があればそれを事後的に排除するための免許の更新制について検討すべきというふうな意見がかなりあったというふうに受けとめています。
 それから、5番目は販売管理のモニターでございますが、販売管理の適切性を効率よくモニターできるための体制整備が必要というふうに考えられます。これはあくまで当分の間の措置ということになると思いますが、これから今の酒税法に基づく人口基準がなくなり、それからその人的要件だけになりますと、さらにどこでも酒を置くようになるんじゃないかと。要は販売量の少ない店でも気軽に酒を置くというふうなことも考えられるわけです。売れる量は限られているわけですから、いろいろまた販売競争が激しくなると。さらに値段が安くなる等によって今の環境がさらに悪くなることも考えられます。また一方、行政側とすれば、先ほど言ってきましたようなモニターをすることも考えているわけですが、行政のモニターも、数が多くなり過ぎて不可能になるというふうなことも考えられます。こういったことがありますので、販売設備の確保とか販売量の最低基準の要求なども考えていく必要があるんじゃないかなというふうに考えています。
 それから、販売時間の制限等に関する規制につきましては、やはり深夜時間帯にいろいろ問題が発生しやすいということでございます。自動販売機も現在11時から5時までは販売をとめているというふうな状況ですので、この辺についても何らかの手当てが必要かなというふうに考えられるところです。
 なお、モニターを実施するに当たりましては、こういった中央だけではなくて、例えば国税局単位で、そのブロックでの有識者を交えた評価委員会などの設置も考えられるんではないかというふうに考えております。
 それから、6つ目は飲酒教育の充実でございます。ここでは独立行政法人酒類総合研究所とか酒類業組合が役割を発揮して、適正な飲酒のための教育をやっていく、研修等をやっていく、そういった役割を発揮していくことが好ましいのではないかというふうに考えています。もちろん、お酒を売ることについて、その研修を受けることが資格付与的なものということでは、これは好ましくないのではないかというふうに考えています。
 それから、7つ目はリターナブル容器の回収体制の一層の強化でございます。お酒についてはビール瓶、それから清酒の一升瓶などリサイクルの優等生として、昔から流通していたものがありますけれども、今、缶製品などへの移行等によって、その回収にもいろいろ意見が出されているところであります。リターナブル容器の回収体制を確保するような、こういった手当ても考えていかなくちゃいけないんではないかというふうに考えています。
 それから、小売酒販組合の役割でございますが、小売酒販組合は全国にありまして、組合員数は約12万人おります。毎年税務広報などにも協力していただいていますし、それから、組合として地域活動等にも取り組んでいます。これだけの団体をやはり活性化を図っていくことが大事じゃないかなというふうに考えておりまして、これに対しても懇談会として何か意見をいただければと考えています。
 今まで述べてきたいろんな手当てについて、規制の導入につきましては規制の内容とその効果が十分バランスのとれたものにする必要がある、また、安易に法的規制によることなく、できるだけ酒類業界の自主的な規制による必要があることに留意すべきであるということを3の一番最後で整理してあります。
 次は大きな4ですけれども、酒類(小売)業の健全な発達のための取り組みにつきまして、前にお示ししたところを書いてあります。ここには幾つか例を挙げてあるわけですけれども、行政においてもここに4つある以外、いろんな支援サポート策を講じていく必要があるんじゃないかというふうなことでございます。
 「終わりに」につきましては、ここの真ん中ぐらいにありますけれども、新しい時代に社会的要請に応える酒類業のフレームづくりが喫近の課題ということで、今回ご議論いただいているわけですけれども、ここは中心が小売販売業になりましたので、最後に卸売、製造業についても引き続き関係者の検討を望むというふうなまとめ方で整理をさせていただいています。以上、ちょっと長くなりましたが。

奥村座長
 ありがとうございました。3番目の今後必要な手当て、具体的な案が出てまいりましたので、多分いろんなご意見が、あるいは意見が一致しないところもあろうかと思いますが、本日はこの3を中心にしてご議論いただきたいと思います。ただ、報告書の全体の目次としては1と2というのが前段でありますので、1の環境の変化と、それから2のこれまでの規制緩和の評価につきまして、特に何か強いご意見あるいは新しい観点からのご意見がございましたら最初に承って、それから3に入りたいと思いますが、大きな柱の1と2についてはいかがでしょうか。
 規制緩和の評価というのが重要なトピックになっているんですけれども、経済的な側面からは規制緩和に一定の評価を与えるということと、自由化が進んでまいりましたことにつれて社会的な問題も懸念されるので、社会的な規制については新しい観点から見ていく必要があるという立て方になっているかと思いますが、これまでのご意見などを踏まえてこういったまとめ方をいたしておりますけれども、よろしいでしょうか。
 もし、強いご意見がございませんようでしたら3の今後必要な手当てというところで具体的な項目などについてご議論いただきたいと思います。最初の(1)の消費者の利便性の確保等の観点というところはいかがでしょうか。
 多分、ポイントはコミュニティの問題について、金融の自由化などの経緯を見ましても、自由化をして地域の金融については一定の配慮が必要であるというのはアメリカとかヨーロッパ等で見られている動きでありますので、金融においてもそうなので、より地域性の強い酒の業界についてもコミュニティの問題というのが1つ出てくるということですが、ここで5行ぐらい書いてありますことは、エクスプリシットに書いてありますので、表現の仕方とかでいろんな問題があり得るかと思います。先程の国税庁の説明の中でもいろんな意見があるというご紹介があったんですけれども、ここの地域への対応というのは、移行過程において調整の速度について配慮しようということか、それともその移行後においてもそもそもゴールが違うんだというふうにとらえるのか、どちらで考えたらいいでしょうか。

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