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第7回酒類販売業等に関する懇談会 資料(2)

[小売販売業免許等のあり方は]

2. これまでの規制緩和の評価

(1) 新規参入による消費者アクセスの増加、市場の活性化

  1. イ.消費者の利便性の増大
    • ・ 平成10年度以降規制緩和推進3か年計画(閣議決定)に基づき、5年間で需給調整要件である人口基準の段階的緩和を実施中。また、距離基準を廃止した(平成13年1月)。更に、みりん特殊小売免許も手当てした。
    • ・ スーパーマーケット及びコンビニエンスストアの半数以上が、また、ドラッグストア、家電量販店、ホームセンター等の一部も一般免許を取得している。これらの店舗を含め、一般酒販免許を受け酒類を販売している店は約14万店になる。
       一方、食品取扱スーパーマーケットが新規に出店をしても免許枠がないとして酒販免許を受けられない場合があり、消費者利便に資するため、希望する店全てに早急に一般免許を付与すべきとの意見がある。
    • ・ このような消費者の利便性の増大、売り場の変化等に伴い、酒類を酒類として正しく認識できるようにすることが改めて必要になってきている。
  2. ロ.市場の活性化
    • ・ 小売市場への新規参入、特に新業態店の大幅な参入増加により、激しい販売競争が繰り広げられており、市場は競争に参加する者を中心にかってなく活性化している。
    • ・ 小売業者によるチラシ利用の価格訴求
    • ・ 製造業者による多量のTVコマーシャル、景品等を使った販促活動
       低価格、若者向け商品等など多くの新商品の開発
    • ・ 製造・卸売・小売業者間における多額で不透明な値引き・リベート等
    • ・ 酒販店の一部においては、宅配、品揃え、ITの活用等により商品や地域性での個性化を活かし、消費者サービスの向上が図られている。
    • ・ 競争に敗れ、あるいは競争に参加もできずに退出する一般酒販店が増大する等、小売事業者の経営状況からみて急激・過度の参入による競争の弊害(乱売・倒産)が目立ってきているとの意見がある。
    • ・ 他方、あくまでも競争は制限すべきではなく、規制緩和は未だ不十分との意見がある。

(2) 未成年者対策、公正市場問題への取り組みの推進

  1. イ.未成年者対策への取り組み
    1. (イ) 未成年者飲酒問題の現状
       厚生省(現厚生労働省)による平成12年度の「未成年者の喫煙および飲酒行動に関する全国調査」によれば、高校3年生男子の56.2%がコンビニエンスストア及びス−パーマーケットで酒類を購入している。また、未成年に酒類を売ってはいけないということは知っていても、注意した反動が怖くて断れないという酒販店主がいる。かなりの子供が酒を飲んでいるという現状を認識すべき。
       また、飲酒の実態、社会の仕組み、身体への影響等を勘案して、飲酒できる年齢を現在の20歳以上を18歳以上とすることも考えられるのではないかとの意見もある。
    2. (ロ) 未成年者の飲酒防止のため、政府、行政においては、以下の取組等を行ってきている。
      1. 1 未成年者飲酒禁止法の改正
         罰則の強化及び年齢確認その他の義務規定の追加
      2. 2 酒税法の改正
         未成年者飲酒禁止法違反者の免許取消事由への追加
      3. 3 酒類業組合法に基づく酒類の自動販売機及び容器に対する表示の基準の制定(告示)
      4. 4 酒類小売業界の酒類の自動販売機撤廃への取り組み支援
      5. 5 未成年者飲酒防止への7項目の推進
    3. (ハ) また、酒類業界においても以下の取組等を行ってきている。
      1. 1 酒類の自動販売機の撤廃(酒類小売業界)
      2. 2 酒類の広告に関する自主基準の制定(酒類業界)
      3. 3 低アルコールリキュール類の「酒」マークの自主基準の制定(日本洋酒酒造組合)
      4. 4 未成年者飲酒防止への7項目への取組
  2. ロ.公正市場問題への取り組み
    1. (イ) 酒類市場における取引上の問題の現状
      • ・ 国税庁は、平成4事務年度以降酒類の取引に問題があると考えられた販売場を中心に取引実態調査を実施しているが、平成12事務年度においては1,393場に対し調査を行い、その結果、調査した取引の中のいずれかに、総販売原価を下回る価格で販売するなど、合理的な価格の設定がなされていないと考えられた販売場は1,277場(調査実施場数に対する割合91.7%)である。
      • ・ 公正取引の問題は、規制緩和も原因の一つと考えられるが、モータリゼーション、食生活の変化、コミュニティの喪失なども影響している。
    2. (ロ) 公正な市場の確保のため、政府、行政においては、以下の取組を行ってきている。
      1. 1 公正な競争による健全な酒類産業の発展のための指針 (国税庁の指針)の発出
      2. 2 独占禁止法の改正
         独占禁止法違反行為に対する私人による差止め訴訟制度の創設
      3. 3 酒類流通における不当廉売、差別対価等への対応について(公取委の酒類ガイドライン)の発出
      4. 4 酒類の取引実態調査の実施及び結果の公表(国税庁)
    3. (ハ) また、酒類業界においても以下の取組を行ってきている。
      1. 1 酒類業組合による「リベート供与基準など社内基準の整備」の啓発
      2. 2 大手メーカーを中心として、リベートの社内基準の整備及び取引先等に対する社内基準に基づくリベートの見直し等

(3) 今後の課題

  [利便性が前面に出ている反面、販売の管理などがルーズとの指摘など]

  数次の規制緩和により、消費者利便は確実に拡充してきていると評価できる。なお、未だ新規参入希望者は多く、また、特殊免許者の条件緩和を希望する声も高い。
 しかし他方で、酒類へのアクセス機会の増加に伴い、「未成年者の喫煙および飲酒行動に関する全国調査」で指摘されているように、未成年者飲酒が増加の傾向にあり、また、アルコールの健康に対する影響に関しては、政府の「健康日本21」運動において、「節度ある適度な飲酒」の知識の普及を図るなど、適切な酒類販売についての社会的要請が高まっており、同時に、経済的規制である販売業免許の社会的規制目的での運用も求められてきているとの指摘がある。
 また、新規参入の増加により、競争が加速しており、酒税確保の見地からも、不当、過剰な競争を防止し、健全な市場を形成すべきとの要請も高まってきているとの指摘がある。

3.今後の手当ての必要性について

(1) 社会的観点からの手当てについて

  1. イ.販売管理体制の整備
     酒税法の規定に基づく現在の免許制度は酒税の確保が中心であって、未成年者飲酒防止等の社会的要請については指導に止まっており、実効性の確保の点で不十分ではないか。社会的要請を実現するためには、酒類という飲料の特性に鑑み、必要最小限の規制を導入することが効果的・効率的ではないか。その場合、安易に法的規制によることなくできるだけ自主規制による必要があることに留意すべきである。
     整備が必要な販売管理体制として、例えば以下の手当てが考えられないか。
    1. 1 目標時期を明確にした従来型自販機の完全撤廃、改良型自販機への移行
    2. 2 酒類の完全分離陳列、適切な販売責任者の設置等、販売管理設備の確保の要求
    3. 3 販売管理の適切性をモニターする体制整備及び実効性を担保するための法的整備
    4. 4 ガソリンスタンドや学校内の物販施設等での酒類の販売規制
    5. 5 飲酒教育・啓発の向上(消費者、料飲店主、従業員教育の強化、組合の役割の見直し、独立行政法人酒類総合研究所の活用)
  2. ロ.環境保全の見地からの設備
     リターナブル容器の回収体制の確保

(2) 酒税確保について

  消費者利便の更なる向上等の見地から、今後も原則としては、人的・設備要件を満たせば参入を認めることが必要である。その際、急激・過度の退出により、酒税の回収確保上発生するリスクに対処する必要がないか。
 そのためには、酒類市場を継続的にモニタリングした上、過度に競争状態になっている地域に限り、臨時的な需給調整の発動が行えるような仕組みを導入することはどうか。

(3) 消費者の観点からの手当てについて

  1. イ.小売業免許の規制緩和により酒販店は大幅に増加しており、現在でも免許枠が残存していて小売店が飽和状態と考えられる地域も存在する。一方で、新規参入希望が依然として多い地域もある。この点は消費者の利便性の確保の観点から地域ごとに判断するべきではないか。
     また、特殊免許者の条件緩和希望も多いがこの点は、社会的要請を満たした上で一層の緩和と制度の簡素合理化を進める必要があるのではないか。
  2. ロ.透明性の確保等
    消費者利益の確保の観点に加えて酒類の商品特性から、消費者に対する情報の積極的な提供が求められる。
     なお、消費者に対する情報の提供については、酒類製造業においては、TVコマーシャル等の広告宣伝や酒類容器への表示の適正化及び販売業者への情報の適切な提供等について、十分な配慮が求められる。
  3. ハ.販売管理
     販売管理は品質の維持、安心の観点から消費者利益を増進するものでなくてはならない。規制緩和により酒類へのアクセス機会が増加してきていることに伴い、未成年者飲酒防止等の社会的要請が増大してきている。酒類については、適正な形で販売されるべきものであり、業界の自主規制に加えて、必要な販売管理体制を整備する必要があるのではないか。

(4) 公正取引の観点からの手当てについて

 [現在の「指針」や「酒類ガイドライン」に沿った公正取引への取り組みに加えてさらに何が求められるか。]

  不当廉売・差別的取扱いのおそれがある思われる取引の存在と、そのことが酒類業界全体ひいては消費者利益にも反することとなることを認識し、公正取引への取組の必要性をより啓発するとともに、実効性を担保するための必要な手立て等を講ずべきではないか。
 また、事業者及び行政は、消費者に対しても公正取引の観点からの必要な情報を提供すべきではないか。

4.今後の酒類販売業行政のフレームワーク

(1) 酒類販売業免許等公的規制のあり方

  1. イ.社会的規制について
     社会的要請を効率的かつ効果的に実現するためには規制の内容(社会的コスト)とその効果(消費者のメリット)が十分バランスするものである必要がある。
     なお、社会的規制の導入については、安易に法的規制によることなくできるだけ自主規制による必要があることに留意すべき。
    1. (イ) 免許の人的要件の整備
      • ・ 資格要件の強化
         未成年者飲酒防止等社会的要請に配意した資格要件の整備
         自治体の出店禁止区域指定が可能な法的整備
         ガソリンスタンドや学校内の物販施設等での酒類の販売規制
    2. (ロ) 販売体制のミニマムリクエスト
      • ・ 酒類売場の完全分離・陳列
      • ・ 適切に販売管理を行える者の配置
         消費者、酒販店(従業員を含む。)に対する飲酒教育の充実
    3. (ハ)  未成年者飲酒防止等の社会的要請を踏まえた免許の目的や条件付与の目的の見直し
       更新制の導入
    4. (ニ) 現在、商品価格や売り場などの市場環境が大きく変化しており、行政として、設備の確保等販売管理の適切性を効率よくモニターする必要
    5. (ホ) 過剰な競争が行われている地域の事後的な是正のための臨時の需給調整措置の検討
  2. ロ.その他
    • ・ 酒類販売業者による消費者に対する情報の積極的な提供

(2)  酒類(販売)業の健全な発達のための取り組み

 酒類業の健全な発達とは、個々の企業においては、消費者ニーズや社会的要請に適切に対応することにより、適正利潤を確保し、もって酒類業全体として効率化・高度化が図られることをいう。
 酒類販売業においては、消費者ニーズや社会的要請に的確に対応するとともに、公正な取引環境の整備に努める必要がある。
 一方、行政においては、酒類販売業の健全な発達を図るため、業界サポート策を講ずる必要があるのではないか。

  1. イ.消費者ニーズへの対応
     酒類販売業者は、商品及び品質知識を身につけ、これらの情報を消費者に的確に提供することが必要である。消費者の求めるサービスは、価格を始め、品揃え、配達、情報、開業時間と様々である。酒類販売業者においては自己の商圏の消費者のニーズを的確に把握し、これに応えていく必要がある。
     製造者業においては、酒類の飲料としての安全性に万全を期することは当然であるが、表示等により消費者のニーズに適切に応え得るような商品の品質・特色などの情報を、直接又は酒類販売業者を通じ積極的に消費者へ公開することにより、消費者の的確な商品選択に資することが重要である。
  2. ロ.社会的要請への対応
     未成年者の飲酒及び飲酒運転の防止、リサイクルへの貢献等の社会的要請へ対応するための実施主体として、小売酒販組合などの活性化が必要ではないか。また、アウトサイダーに対しては小売酒販組合への加入促進を図る他、会員外への事業を実施するなどの小売酒販組合が中心となった取り組みを推進することが効率的かつ効果的ではないか。
  3. ハ.公正な取引環境の整備
     酒類販売業が健全に発達するためには、自由かつ公正な取引の実現が不可欠であるので、酒類販売業においては、独占禁止法、酒類ガイドライン及び国税庁の指針の遵守に一層の取り組みを行うべきではないか。
  4. ニ.業界サポート策
     行政においては、業界の酒類(販売)業の健全な発達のための取組に対し、酒類業組合、独立行政法人酒類総合研究所等と協力して、以下のサポートが求められる。
    1. 1 酒類の飲み方の提案、飲酒教育啓発についての情報発進
    2. 2 未成年者飲酒防止策についての指導
    3. 3 活性化事業(情報ネットワーク化等)の推進
    4. 4 専門知識、販売サービスの研修

(3) 平成15年9月以降の酒類販売業免許制度の運営について

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