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第12回 酒類分科会 議事録

日時: 平成24年3月14日 13時25分〜14時45分

場所: 国税庁第一会議室

出席者:

酒類分科会委員 飯村分科会長 田嶼会長代理
  青山委員 さき委員
  潮田委員 河村委員
  こう津委員 須磨委員
  辰馬委員  
説明者 国税庁 百嶋審議官
  源新酒税課長
  福田鑑定企画官
  本宮酒税企画官
  武藤鑑定企画官補佐
  山本酒税課長補佐
  笠酒税課長補佐
  萩原酒税課長補佐
  齋藤酒税課長補佐
  小杉酒税課長補佐
  遠山酒税課企画専門官
  大江鑑定企画官付企画専門官
関係者 ビール酒造組合 市本専務理事
  吉田審議役

分科会長
 それでは、定刻になりましたので、ただ今から第12回酒類分科会を開催いたします。
 私、酒類分科会の会長の飯村でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 委員の皆様方には、大変お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 本日はすべての委員の皆様に御出席をいただいておりまして、国税審議会令8条第1項の規定に基づき、本会は有効に成立しております。
 国税庁の出席者につきましては、お手元の配席図にあるとおりでございます。
 それでは早速でございますが、ここで百嶋国税庁審議官にご挨拶をお願いいたします。

百嶋審議官
 審議官の百嶋でございます。委員の皆様方におかれましては、御多用中にかかわらず御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。また、日頃から酒税行政はもとより、税務行政全般につきまして、多大なる御理解、御協力を賜っておりますことに厚く御礼を、申し上げます。
 酒類業を取り巻く環境は、国民の健康、安全性志向の高まりや、生活習慣の変化などに伴い、大きく変化をいたしております。そのため、国税庁はこのような酒類業を取り巻く環境の変化を踏まえつつ、消費者や酒類産業全体を展望した総合的な観点から、「酒類の安全性の確保と品質水準の向上への対応」、「酒類販売管理に対する社会的要請への対応」、「酒類の公正な取引環境の整備」、「中小酒類業者の経営改善等に対する支援」などの取組みを行っております。
 また、東日本大震災から1年が経ちましたけれども、国税庁といたしましては、前回分科会でも御説明申し上げた酒類の安全性の確保に関する施策や、酒類業者の皆様の復興支援策を講じているところでございます。引き続き、酒類行政面において震災からの復興支援に尽くしますとともに、酒類業の健全な発達に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 さて、本日の分科会は昨年10月以来の開催でございますが、議題が4つございます。このうち、議題1及び議題2につきましては法定審議事項となりますが、国税庁で定めている4つの表示に関する基準のうち、本日は、「酒類における有機等の表示基準」及び「地理的表示に関する表示基準」に関しまして、改正の審議をお願いすることといたしております。
 昨今、酒類の品質や安全性に対する消費者の方々の関心は非常に高いものがございます。また、酒類の表示の基準は、消費者の方々が適正に商品を選択する上でとても重要なものであると考えております。委員の皆様方におかれましては、よろしく御審議のほど、お願いを申し上げます。
 議題3につきましては、「地球温暖化対策に係るビール製造業の自主行動計画について」でございます。これまでも、この分科会におきまして、自主行動計画の定期的なフォローアップをお願いしているところでございますが、本日も、昨年同様、ビール酒造組合から自主行動計画の実施状況につきまして御説明を受けました上で、委員の皆様から御質問、御意見を承りたいと考えております。
 最後に議題4、報告事項といたしまして、昨年10月の酒類分科会でも御説明させていただきましたが、「規制・制度改革への対応」、「独立行政法人酒類総合研究所の現状」等につきまして、その後の動きや検討の進展もございましたので、最近の状況を御説明させていただきます。
 以上、多岐にわたる議題となっておりますが、よろしく御審議のほど、お願い申し上げまして、簡単ではございますが、ご挨拶とさせていただきます。

分科会長
 ありがとうございました。
 それでは議題に入りたいと思います。議題1については先ほどお話がございましたように、法定審議事項でございます。事務局から両議題を一括して御説明いただきまして、その後、委員の皆様から御質問、御意見をいただきたいと思います。
 それでは、両議題の内容につきまして、事務局のほうから御説明をお願いいたします。

酒税課長
 それでは、審議の前に私から「酒類における有機等の表示基準」の制定の背景及び概要について、説明させていただきます。
 まず、資料5-2をご覧ください。食品の「有機」や「遺伝子組換え」の表示については、消費者の食品の安全、健康に対する関心の高まりなどを背景として、平成12年に農林水産省において、いわゆる「JAS法」に基づき、それぞれの表示のルールが定められました。酒類はJAS法の対象外ですが、酒類についても有機米使用清酒、オーガニックビールなどといった「有機」等の表示を行っている酒類が市場に流通しておりまして、表示のルールを定めることが必要と考えられたことから、平成12年にいわゆる「有機JAS規格」に準拠した内容で「酒類における有機等の表示基準」を制定し、平成13年4月から適用しております。
 また、遺伝子組換え表示については、農林水産省が、いわゆる「遺伝子組換えに関する表示基準」を策定し、平成13年4月から遺伝子組み換え農産物及びその加工食品について、遺伝子組換えである旨の表示を義務付けております。酒類においても、この農林水産省の規定を準用し、「酒類における有機等の表示基準」において、遺伝子組換えに関する表示のルールを定めております。
 次に、表示基準の概要を説明させていただきます。大きく3つの内容に分かれております。
 まず1つ目は、資料の中ほどですが、酒類の容器に「有機」または「オーガニック」と表示する場合の基準です。記載されている3つの要件、具体的には、原材料及び使用割合、製造その他の工程に関する管理、品目の表示の3つを満たした場合に「有機」または「オーガニック」と表示できることとしております。
 2つ目は、有機農畜産物等を酒類の原材料に使用した際の表示に関する基準です。1の3要件を満たさない場合でも有機農畜産物等を原材料に使用した酒類については、その旨の表示のみを認めることとしております。ただし、表示する文字の大きさ等に制限を課しております。
 3つ目は、次のページになりますが、遺伝子組換え農産物を酒類の原材料に使用した際の表示の基準です。遺伝子が組換えられた大豆などの7品目を酒類の原材料に使用した場合で、そのDNAまたはこれによって生じたたんぱく質が残存する場合などには、その原材料名とあわせて、「遺伝子組換え」などの表示を義務づけるという内容になっております。
 以上が、現行の表示基準の概要でございます。
 それでは次に、本日、御審議いただく議題1、「酒類における有機等の表示基準の一部改正」の事務局案について説明いたします。資料は2-1をご覧ください。
 まず、1点目は遺伝子組換えに関する表示の改正です。遺伝子組換え食品については、食品衛生法により、安全性審査の手続を経なければ、その製造、流通等が認められないこととされております。この度、ハワイ産の遺伝子組換えパパイヤの安全性が食品安全委員会によって確認され、昨年12月に輸入が解禁されました。現在、パパイヤを原料とした酒類はほとんど流通しておりませんが、今後、遺伝子組換えパパイヤを原料とした酒類が製造される可能性もあることから、遺伝子組み換え表示の対象農産物にパパイヤを追加することとするものです。
 続いて2点目は、酒類に「有機」等と表示する場合の基準の改正でございます。「酒類における有機等の表示基準」が準拠しております有機JAS規格の改正案が本年1月末の農林水産省の審議会において了承されております。この改正内容のうち、酒類に関連する部分について、今回、有機JAS規格に準拠する形で改正を行うこととするものでございます。
 改正事項の1つ目は、「原材料として使用する有機以外の農畜産物等について、有機農畜産物等の入手が困難な場合に限り使用できる」こととするものであります。有機農畜産物加工酒類の条件の1つとして、「JAS法に基づいた格付がされた有機農畜産物等の使用割合が95%以上であること」という要件が定められておりますが、現行では残りの原材料については、使用が認められている物品であれば、他に条件は付されておりませんでした。これを、今回、同一の種類の有機農畜産物等の「入手が困難な場合」に限り使用を認めるよう、基準を厳格化するものです。これは、国際食品規格であるコーデックス・ガイドラインでも同様の条件が付されておりまして、このたび有機JAS規格と同様に酒類についても基準を改正するものであります。
 2つ目の改正事項です。表示基準では、有機農畜産物加工酒類に使用できる食品添加物を別表1に掲げており、その中で「一般飲食物添加物」の使用を認めております。これは例えば、オレンジジュースを着色の目的で使用する場合などが該当します。添加物は一般には有機食品に分類されませんが、このような使い方をする場合であっても、その食品が有機加工食品として格付されたものであれば、有機原料として取り扱って問題ないと考えられることから、原材料の使用割合の計算の際に有機原料に含めて計算することとするものであります。
 3つ目、4つ目は、有害動植物の防除のために使用する薬剤に関する改正です。有害動植物の防除に使用する薬剤については、別表2に掲げるもののみ使用を認めておりますが、その中でも組換えDNA技術を用いて製造されたものについては、これまでは使用できないこととしておりました。しかし、別表2の薬剤については、直接食品に触れるものでなく、食品等への混入のおそれがないことから、有機JAS規格の改正にあわせ、今般、この要件を廃止するものです。
 また、別表2に掲げる薬剤だけでは効果が不十分な場合には、有機農畜産物加工酒類を製造・保管していない期間に限り、別表2以外の薬剤を使用できることといたします。なお、この際にも、有機農畜産物加工酒類の製造を開始するまでには確実に除去していただくことが必要となります。
 最後に3点目の改正事項について説明いたします。有機JAS規格の改正において、有機加工食品の製造において使用できる食品添加物及び薬剤について、生産の実態、国際的な規格等を勘案いたしまして見直しが行われたところでございます。酒類につきましても、酒類に必要と思われる部分について見直しを行い、添加物2品目、薬剤11品目の削除と薬剤1品目の追加を行うこととするものでございます。
 以上が、「酒類における有機等の表示基準を定める件の一部改正」の事務局案の内容でございます。
 具体的な改正は、資料2-2の改正案のとおりでございます。
 続きまして、議題2、「地理的表示に関する表示基準を定める件の一部改正」について説明させていただきます。まず、「地理的表示に関する表示基準」の制定の背景及び概要について説明いたしますので、恐縮ですが資料5-9をご覧ください。
 酒類の地理的表示につきましては、WTOのTRIPS協定において、加盟国でのぶどう酒又は蒸留酒の地理的表示についての保護が求められたことから、我が国は酒類業組合法に基づき、平成6年に「地理的表示に関する表示基準」を定め、保護を図ってきたところでございます。
 地理的表示とは、その酒類に与えられた品質、評判等が本質的に地理的原産地に起因するものと考えられる場合において、その原産地であることを特定する表示のことであります。26ページから27ページにかけて記載のとおりですが、地理的表示として国税庁長官が指定したもの又はWTO加盟国において地理的表示として保護されているものについては、その原産地以外の地域を産地とするぶどう酒又は蒸留酒について使用することができないこととなります。
 さらに、真正の原産地が表示される場合や「種類」「型」「様式」「模造品」等の表現を伴う場合においても使用が禁止されます。例えば、大分県で製造された単式蒸留焼酎に「大分産薩摩焼酎」とか「薩摩風焼酎」などと表示することはできません。
 続いて、資料5-10をご覧いただきたいと思います。我が国における地理的表示としては、平成7年に単式蒸留焼酎の産地として、麦焼酎の産地である「壱岐」、米焼酎の産地である「球磨」、琉球泡盛の産地である「琉球」の3カ所を国税庁長官が指定しており、平成17年には芋焼酎の産地である「薩摩」を指定しております。また、清酒の産地についても、同年に「白山」を指定しております。
 それでは、今回の改正内容について説明いたします。資料3-1をご覧ください。
 今回の改正は、我が国が受託予定である「偽造品の取引の防止に関する協定」、通称ACTA(アクタ)において、知的財産権を侵害している物品が国内市場へ出回ることの防止及び知的財産権を侵害している物品の国外の輸出防止が求められることとなりました。このACTAは、模倣品・海賊版対策のために知的財産権の執行を強化するための新しい国際的な法的枠組みです。平成17年6月のG8グレンイーグルズ・サミットにおいて我が国がその必要性を述べて、平成20年から交渉を進めてまいりました。
 平成23年4月に交渉国間においてACTA条文が採択されたことから、現在、各国で受託等を行うための国内手続が進められております。酒類の地理的表示基準においては、地理的表示として保護の対象となる「使用」の範囲に国外への輸出行為が含まれるか規定上明確になっていないことから、ACTAに対応するために必要な国内措置として輸出が含まれることを明確化するための改正を行うものであります。
 具体的な改正は、資料3-2の改正案のとおりでございます。
 以上、議題1及び議題2の内容でございました。御審議のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

分科会長
 ありがとうございました。ただいま御説明いただきました議題1、及び議題2の事項につきまして、何か御質問、御意見がございましたらお出しいただきたいと存じます。

青山委員
 初歩的なことで申しわけないのですが、酒類における有機等の表示基準のところで、2の(1)について、「有機農畜産物等の入手が困難な場合に限り使用できるよう厳格化する」、この「困難な場合に限り」というところは、どのような場合が考えられるのか、お教えいただければありがたいです。

分科会長
 事務局お願いいたします。

酒税課長
 この「入手が困難な場合」でございますけれども、例えば有機原材料の販売数量が著しく少ない場合ですとか、価格が著しく高い場合などが該当するということでございます。
 それから、製品の仕様として特定の産地等の原材料を使用する必要があって、当該原材料で有機のものの入手が困難な場合も含むという、こういった見解が農林水産省から示されているところでございます。

分科会長
 青山委員、よろしゅうございますか。他にございますか。

こう津委員
 これも初歩的なことなのですが、今の質問に関連してですが、95%以上使用しているという規定があり、その残りの5%の部分を厳格化するというふうに御説明がありましたけれども、これは日本農林規格の改正に伴って酒類もそうなるということですが、この5%の部分に関しても厳格化するという、もとの農林水産省の農林規格の決まった背景というのは何があったのでしょうか。やはり、その5%部分を厳格化するということに何か意味合いがあったのでしょうか。

企画専門官
 遠山といいます、よろしくお願いいたします。
 これは消費者の方等から、5%であっても有機のものを使うのはどうだろう、という意見があったようでして、それと、コーデックスのほうでも同様の基準を設けておりますので、これを踏まえて農水省の方で改正するということにしております。
 補足させていただきますと、お酒の場合、例えば清酒ですと原材料がお米や米麹、あとは水くらいになりますので、有機のものを使うとすると使用割合で言ってほぼ99%くらいは有機原材料になると思います。また、ワインの場合も、原材料のほとんどがぶどうですので、ほとんどが有機原材料を使ったものになっているかと思います。

分科会長
 こう津委員よろしゅうございますか。他にございますか。どうぞ、辰馬委員。

辰馬委員
 清酒・焼酎をはじめ各酒類ともこれからの事業計画として海外戦略活動の強化を打ち出し、輸出環境の整備をはかっているところでありまして、地理的表示に関する表示基準の指定を受け、使用の範囲に輸出が含まれることを明確化することは、酒類の地域文化力の周知をはかる上からも肝要なことと思考し、賛同いたします。
 尚、各地域の蔵元グループや酒造組合などがこのような取り組みを行うにあたっては、地元の税務署や国税局にきめ細かいご支援・ご指導いただけるよう、国税庁のお導きを望みます。

分科会長
 辰馬委員どうもありがとうございました。他にございますか。どうぞ、青山委員。

青山委員
 辰馬委員に応援ではないですが、やはり輸出が今までここに規定されていなかったというのはバランスを欠くというか、一般的に消費者も輸出入という形でとらえることが多いものですから、そういう意味では、輸出という部分も加えられるということはきちんと整合性がとれて、よろしいのではないかなという気がいたしました。
 以上です。

分科会長
 青山委員、どうもありがとうございました。他にございますか。
 それではほかに御意見もないようでございますので、議題1の「酒類における有機等の表示基準を定める件の一部改正」について、及び議題2の「地理的表示に関する表示基準を定める件の一部改正」につきましては、事務局案を了承するということでよろしゅうございますか。

(「異議なし」の声あり)

分科会長
 どうもありがとうございました。
 それでは私のほうから、今後の手続について説明いたしたいと思います。
 まず議題1につきましては、この事務局案についてパブリックコメント、それからWTO通報の手続を進めることとなります。WTO通報の結果やパブリックコメントの結果を踏まえて、大幅な改正の必要がないようであれば改めて審議を行わず、今回の了承をもって当分科会の議決とさせていただきたいと思いますが、それでよろしゅうございますか。

(「異議なし」の声あり)

分科会長
 どうもありがとうございました。
 その後の手続についても説明申し上げますと、酒類分科会における議決につきましては、国税審議会会長に報告いたします。なお、国税審議会は国税審議会令第6条7項の規定により、国税審議会会長が適当を認めた場合に限り、分科会の議決をもって国税審議会の議決とするということができることになっております。したがって、報告にあわせて、議題1の議決についても、そのように取り扱ってよろしいか、国税審議会の会長に御判断をいただくことになります。そこで、よろしいというお答えをいただきますと、国税審議会の答申としまして体裁を整えた上で、国税庁長官にお出しすることとなります。
 それから議題2についてですが、この改正はACTAを受託するにあたり、国内において表示基準が適用される範囲を明らかにするものであり、比較的軽微な変更であるために、WTO通報やパブリックコメントの手続は要しないということから、本日、御了承いただきました案をもちまして本分科会の議決とさせていただき、国税審議会会長に報告させていただきたいと思います。
 以上でございます。どうもありがとうございました。
 議題1及び議題2については以上でございますが、次に移りたいと思います。
 それでは、3つ目の議題でございます。3つ目の議題は、「地球温暖化対策に係るビール製造業の自主行動計画について」でございます。本件につきましては、本日、ビール酒造組合から自主行動計画について御説明をいただくことになっております。それでは、ビール酒造組合の方にお入りいただきたいと思います。

(説明者 入室)

分科会長 
 お二方を、御紹介させていただきます。市本専務理事でございます。
 それから、吉田審議役でございます。
 御説明を伺った後、委員の皆様から御質問、また御意見をお伺いしたいと思います。
 それでは、ビール酒造組合から御説明の前に、事務局から自主行動計画の背景等につきまして御説明をお願いいたします。

酒税課長
 それでは、初めに「地球温暖化対策に係るビール製造業の自主行動計画」につきまして、酒類分科会にフォローアップをお願いした背景、法令的な枠組みを改めて簡単に説明させていただきます。お手元の資料5-15でございます。
 「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づき策定された「京都議定書目標達成計画」にもありますとおり、我が国は、京都議定書におきまして、2008年から2012年までの期間に温室効果ガスの総排出量を基準年である1990年対比で6%削減することとしております。また、産業界の「自主行動計画」では、「産業界が自主的に策定した自主行動計画の目標、内容については、その自主性に委ねられるべきもの」とされると同時に、その目標達成などの「蓋然性が向上されるよう、引き続き関係審議会等において定期的にフォローアップを行う」とされております。
 次のページをごらんください。「京都議定書目標達成計画の見直しに向けた基本方針」では、既に自主行動計画における目標達成をした業種であるビール酒造につきましても、「政府による厳格なフォローアップ」を求められましたので、平成20年3月に開催された酒類分科会から御審議いただいているところでございます。
 次のページをごらんください。20年3月に「京都議定書目標達成計画」の全部改定が閣議決定されました。この丸4の部分では、「目標水準を現時点で超過している業種については、目標の引き上げ」を行うよう促すとされており、ビール酒造がその業種の一つに掲げられました。
 最後のページでは、御参考までに2010年度までにおける我が国の温室効果ガスの排出量のグラフをつけてございます。2010年度の我が国の排出量は、基準年である1990年より0.4%の減少となっております。今回は、ビール製造業の自主行動計画に対する2010年度分のフォローアップを行っていただくものでございます。
 私からは、以上でございます。

分科会長
 背景等の説明を事務局からしていただきました。どうもありがとうございました。
 続きまして、ビール酒造組合の自主行動計画の実施状況について御説明をいただきたいと思います。それでは、よろしくお願いいたします。

ビール酒造組合(市本専務理事)
 市本でございます。本日は、このような機会をいただきまして、ありがとうございます。
 それでは、私どもビール業界におけるCO2の排出量削減の取り組みにつきまして、御報告を申し上げます。
 まず私ども、ビール酒造組合といいますのは、昭和28年に酒類業組合法、いわゆる酒団法に基づきまして設立され認可された法人でございます。加盟社は5社でございまして、キリン、サントリー、サッポロ、アサヒと沖縄のオリオン社でございます。
 ということで、概要を御説明申し上げますが、お手元の資料の4-1の概要の資料に基づきまして御報告を申し上げます。資料4-2は、詳細版でございますが、適宜引用しながら資料4-1の概要を中心に御説明申し上げます。
 それでは、資料4-1の概要をごらんいただきたいと思います。もともとビールといいますのは、原料が大麦とホップと水というのが基本でございまして、自然由来の産物からでき上がっておりますので、ビール業界といいますのは、自然の恵みに感謝するというようなこともございまして、この環境問題には熱心に取り組んできたところでございます。日本経団連の環境自主行動計画には、1996年の開始と同時に参画しておりますので、ビール各社とも、環境関連への設備投資を前倒しで実施する等、温暖化対策に向けた省エネルギー及びCO2排出量削減の施策、活動に積極的に取り組んできたところでございます。
 排出量でございますが、1990年度112.5万トンでありましたビール業界のCO2排出量実績は1997年度の121.3万トンをピークに、その後連続して減少いたしまして、2009年度は56万トン。対90年度比で50.2%の削減というところまで来ております。2010年度では52.2万トン、90年対比で53.6%削減というところまで来ております。なお、2011年につきましても、見通しとましては、前年並みということになろうかと思っております。
 次にビール業界のCO2排出量削減活動における目標でございますが、現在の目標は、2008年から2012年度のビール工場における発泡性酒類―これは、ビール類(ビールと発泡酒といわゆる第三のビールという類)というふうに我々は言っておりますが、ビール類生産時のCO2排出量を1990年度比で10%削減するという目標でございます。これは、それまでの削減目標を2008年に6%から10%に上方修正して設定したものでございます。
 4番目でございますが、目標値の設定に当たりまして、鋭意懸命なCO2削減方策展開によって、該当5年間―2008年から12年の平均として、ビール5社すべてが達成することが可能な削減率ということで、この10%削減という目標を立てております。ビール業界は、CO2削減、省エネルギーへの設備投資を可能な限り前倒しで積極的に実施し、CO2排出量原単位指数を1990年度を1とすると、2010年度には0.51まで改善しております。
 その排出原単位指数の推移につきましては、そこに書いてございます表のとおりでございます。1990年度を1.0としまして、それから徐々に減ってまいりまして、2010年度では0.51というところまで改善したということでございます。
 また、その前のCO2削減、省エネルギーへの設備投資の状況につきましては、資料4-2の4ページ目をごらんいただきたいと思います。表2でございますが、ビール業界内における1990年度から2010年度までの環境関係施策ということで幾つかの例を出させていただいております。ボイラー、冷凍機等のユーティリティー工程での取り組みとしましては、都市ガスへ燃料転換するとか、コ・ジェネレーションを導入するとか、冷凍氷蓄熱システムを導入するとか等々の導入をやってきたところでございます。あとは、ちょっとお読みいただきたいと思いますけれども、そういったいろいろな施策及び設備の導入を前倒しでやってきたということでございます。
 また、5ページ目の図2をごらんいただきたいと思います。設備投資の状況について説明したグラフでございます。1990年以降、最大で投資したのは2001年度で、124億200万円の投資を行っており、この図は、設備投資を前倒しで実施してきた状況について御説明した資料でございます。
 それから、CO2排出量原単位指数でございますけれども、資料4-1の表にございますのは、これは全体の表でございます。各社別には、資料4-2の2ページ目に資料を添付してございます。2ページ目の表1aでございます。社名は伏せてございますが、12345と5社ございまして、それぞれの原単位の推移を書いてございます。ということで、各社別の原単位の推移も表示させていただいております。
 次に、今後についてでございますが、今後に向けましては、ビールの需要喚起施策による販売数量の増加に伴う生産量の変動、震災による産業構造への影響等を見込みつつも、2008年から12年度の平均目標をビール5社ともに確実に達成するとともに、2013年から始まる日本経団連低炭素社会実行計画に参加し、CO2削減、省エネルギーの取り組みを今後も継続してまいりたいというふうに思っております。なお、低炭素社会実行計画には、既にビール酒造組合として参画するということで表明させていただいております。
 以上でございます。

分科会長
 どうもありがとうございました。ただいまの御説明につきまして、何か御質問、御意見がございましたら、どうぞご自由にお願いしたいと思います。
 いかがでございましょうか。青山委員、どうぞ。

青山委員
 着実にCO2の排出削減をされていて、非常に業界全体としての御努力については敬意を表したいというふうに思うのですけれども、製造量はどのような状況なのでしょうか。製造量がきちんと右肩上がりになっていて、かつ、CO2が削減されているのか、あるいは、製造量が下がっているから同時に下がっているという状況なのか、教えていただければと思います。

ビール酒造組合(市本専務理事)
 残念ながら、ビール業界というのは右肩下がりの業界でございます。
 御指摘の点は、資料4-2の3ページ目のグラフがございます。ビール類の製造数量というのがございまして、ごらんのとおり、右肩下がりでかなり減ってきている業界ではございます。
 ただ、ビール製造といいますのは、CO2削減との関連でいいますと、やはり製造数量とリンクするところがございますけれども、その分、先ほどいいました原単位をどんどん落としてきていますので、それ以上の削減を実施してきているということでございます。

ビール酒造組合(吉田審議役)
 資料4-2の最後のページに原単位の推移が、これは指数になっておりますが、1990年度比でいきますと、半分ぐらいの原単位まで企業努力で下がっています。これは電力排出係数の改善も込みですけれども、ここまで来ております。

分科会長
 どうぞ。こう津委員。

こう津委員
 大震災のあとで大分、工場なんかでもダメージを受けたところがあるかと思いまして、いろいろな設備投資をなさった後にそういう状態になって大変なところも多いのではないかと思うのですが、そのあたりについて、簡単にダメージぐあいを御説明していただきたいのと、あと、個々の会社について、どれをというわけではないのですが、排出量の原単位を見ていますと、優秀なところとそうでもないところがありますが、その差というのは一体どこにあるのでしょうか。工場の規模等によるものなのか、というところを教えていただけますか。

ビール酒造組合(市本専務理事)
 まず、私どもビール業界が震災で受けたダメージでございますが、東北地方に数社、ビール工場を持っておりまして、1社はビールの貯蔵タンクというのがございますけれども、これが倒壊いたしまして、それから津波で浸水いたしまして、倉庫にあった製品が全部流れてしまうといった大変な被害を受けた工場もございます。
 それから、千葉にある工場は、液状化現象によりまして、最近の倉庫といいますのは自動化倉庫といいまして、非常にコンピューター化されておりまして、背の高いところにコンピューター管理でやっているんですが、それがずれまして全然使えなくなってしまったといったこともございます。
 それから、福島の原発に近い工場もございまして、こちらは、余り風評被害というのは大したものではないと思うんですが、地震そのものによる被害がかなりありました。
 昨年12月末の、ビール業界は12月末決算なんですけれども、一社は別にしまして、4社の合計で特損の計上額は496億円ぐらいのダメージを受けました。ただ、おかげさまで、大体全部の工場で昨年11月初めには通常どおりの出荷ができるような状況まで回復したということでございます。
 それから、震災のCO2排出に対する影響という意味では、やはり、これは電力業界のCO2の電力排出係数、これが変わってくるというのが若干あるかと思います。
 それから、昨年、御承知のとおり計画停電等ございましたので、各社とも、もともと自家発電設備を持っていた工場もございます。それをフル回転させるとか、それから、新たに自家発電を導入した会社もございますので、そこで、やはり電力を食うとかCO2の排出につながるとか若干の影響は出てくるかというふうに思っております。
 それから、2点目の御指摘でございますが、お手元の資料でいきますと、資料4-2の2ページ目の表をごらんになっておっしゃっているかと思いますが、一番下の会社が係数でいきますと、原単位が2009年の146.4トンから160.4トンに若干悪化をしてございますけれども、こちらのほうで原単位を下げていくために廃食油混合装置というものを導入いたしまして、食廃油を導入するということで原単位を削減したところがございます。
 食廃油というのは、植物由来の油でございますので、一応カーボンニュートラルということになっております。ただ、この廃食油の購入量が予定量より減少したと。というのは、その地域内で需要が増してしまったというようなことがございまして、目標どおり廃食油が使用できなかったというようなことがございます。
 それから、製造量が前年に比べまして減少したということがございまして、そうすると、固定エネルギーの比率が増加するというような事情がございまして、若干のアップになってしまったというような事情がございます。

ビール酒造組合(吉田審議役)
 あと、各社の違いがないですかという御質問だったと思いますけれども、最後に説明した一番下の5社目は、燃やしている燃料がA重油とさっき言った食廃油を使っているので、その分でちょっとハンデがあって高くなっています。あとの社では、一番上はちょっと遅れているように見えますけれども、各社、ビール業界で何か全く新たな技術を開発するというのではなくて、世の中にある技術をいろいろ組み合わせて削減するという形で活動をおこなっております。その技術導入のタイミングについては、各工場の該当設備の更新時期等の違いで若干ずれていっていますけれども、各社とも同様な活動を進めております。

分科会長
 御質問された委員、よろしゅうございますか。どうぞ、須磨委員。

須磨委員
 恐れ入ります。CO2削減についてはかなり優良業界だなと思って感心してグラフを見ておりましたが、排出する目標に対して、今は達成していますが、今後達成するためには新たな手段というのは考えられておられるのでしょうか。それとももうCO2削減についての努力はかなり進んでいるため、これ以上は難しい状況にあるのかどうか、伺いたいと思います。

ビール酒造組合(市本専務理事)
 簡単ではないというふうに思っております。といいますのは、この原単位を下げていくというのは我々の活動成果が一番現れるところなんですが、先ほどもございましたように、かなり下げるところまで下げてきてしまっているということでございますので、どちらかというと、これからは乾いた雑巾を絞るみたいなところがございます。
 もう一つは、御承知のとおり、今、ビール類の製品というのはいろいろございまして、各社ともたくさんの商品をつくっていますので、少量とはいいませんが多品種をつくるということになりますと、いろいろ製造のときにそれだけコストがかかってくる――コストといいますか、燃料もかかってくるというようなことがございまして、若干難しくなってきているなというのが正直なところでございます。
 ただ、今後、革新的な技術が出てくるとか、そういうことになれば、どんどん新しい技術を導入していくということで、何とか改善はしていきたいなというふうに思っております。

須磨委員
 今後のCO2削減の目標値としては、発泡酒ではなくてビールでどのぐらいを考えていらっしゃるのでしょうか。

ビール酒造組合(市本専務理事)
 今の目標というのはここにございますような10%削減、もう達成しているんですけれども、ということでやっておりますので、新たな目標値というのは、今後、経団連の低炭素社会実行計画ですか、こちらのほうで新たな目標値を設定するかどうかにつきまして、今検討中でございます。

ビール酒造組合(吉田審議役)
 おっしゃるとおり、かなり先に到達してしまったので、さらに大幅に下げるということはないんですけれども、省エネ法で年1%のエネルギー消費原単位を下げましょうというのがありますので、できればそれは実現したい、少なくとも現状は維持するというようなところを今検討しております。

分科会長
 よろしゅうございますか。ほかにございますか。
 それでは御質問がないようでございますので、この議題につきましては以上とさせていただきます。どうも御説明ありがとうございました。

(説明者 退室)

分科会長
 続きまして、4つ目の議題に移りたいと思います。「報告事項」でございます。議事次第に掲げられております事項の内容につきまして、事務局から御説明をいただいた後、御質問、御意見を伺いたいと思います。では、事務局から御説明お願いします。

酒税課長
 それでは議題4、「報告事項」について御説明いたします。資料6のシリーズでございます。
 まず、「規制・制度改革への対応」について説明いたします。資料は6-1になります。表紙をおめくりいただきまして、2ページを開けていただきたいと思います。
 この2ページ左のとおり、昨年4月の閣議決定で、酒類卸売業への新規参入ニーズを踏まえた上で、需給調整要件の緩和などを平成23年度中に検討し、結論を得ることとされました。これは地域活性化と日本再生の観点から盛り込まれたものでございます。
 この閣議決定を踏まえ、新規参入ニーズ等を把握するため、関係業界団体や酒類事業者からのヒアリング等を実施してきました。把握した新規参入ニーズや、御意見、酒類取引の現状を踏まえまして、今般、右側にお示ししている見直しを行うこととしております。
 本件につきましては、具体的な見直し内容を盛り込んだ通達改正案に対しますパブリックコメント手続きを実施しているところでございます。今後、パブリックコメントで受け取った御意見も踏まえて、法令解釈通達を改正し、周知期間、準備期間を経て、本年9月1日から適用開始することを予定しております。
 改正内容を説明いたします。1枚おめくりいただきまして3ページをご覧ください。閣議決定の丸1に対応して、経営基礎要件の一つである卸売基準数量を廃止、又は引き下げることといたします。
 この背景としては、近年、農家が自ら生産した農産物などを原料とした酒類を酒造メーカーに製造委託するようなケースがございますが、こうした場合、農家がその酒類を、例えば近隣の土産物屋さんなどに販売するためには、卸売業免許が必要となります。しかしながら、地域資源を原料とした酒類の製造は総じて少量であるため、これまでの取扱いでは、販売基準数量を満たすことができず、新規参入が困難という状況にあります。
 今般の改正によって、これまで新規参入が困難であった者が、酒類卸売業へ参入することが可能になりまして、地域活性化にもつながると考えております。
 続きまして、4ページをご覧ください。酒類卸売業免許は現在、左上のような免許区分となっているところでございますが、今般の見直しにおいて、需給調整要件について免許枠方式を採用しております全酒類卸売業免許とビール卸売業免許については、計算方式を修正いたします。
 また、新規参入ニーズを踏まえて、新たに3つの免許区分を設けます。これらについては、免許を付与できる販売場数に上限は設定いたしませんので、新規参入を希望する者の申請が人的要件などを満たす場合には、免許が付与されることとなります。
 新設される3つの免許区分をそれぞれ説明いたします。おめくりいただきまして5ページをご覧ください。
 店頭販売酒類卸売業免許については、自己の会員である酒類販売業者に対して、店頭において酒類を直接引き渡す方法である場合に、酒類の卸売を可能とするものであります。これは新たな卸売形態による参入要望も踏まえて免許区分を新設するものであります。
 次の6ページをご覧ください。協同組合員間酒類卸売免許については、自己が加入する事業協同組合の組合員に対して、酒類の卸売を可能とするものであります。小売業者などからは、既存の仕入れルートで入手できない酒類などについて、小売業者間で融通して販売できるようにしたいとの要望がございました。こうしたニーズについても、この免許区分の新設により満たされることになります。
 7ページをご覧ください。自己商標酒類卸売業免許については、自らが開発した商標、または銘柄の酒類の販売を可能とするものであります。先ほど、地場産の農産品などを用いた酒類を販売したいというニーズがあると申し上げましたが、この免許区分の取得により、地域の販売店などは自ら開発した銘柄のお酒を卸売りすることができるようになります。先ほど御説明いたしました「経営基礎要件としての卸売基準数量の引下げ・廃止」とあいまって、地域活性化にも資すると考えております。
 次の8ページをご覧ください。今般、直近の酒類取引の実態を踏まえて、昭和38年以来、約50年ぶりに全酒類卸売業免許の新規免許枠に関する計算方式を修正いたします。新しい計算方式によってもなお、新規免許枠が発生しない都道府県につきましては、要件緩和を求める閣議決定の趣旨を踏まえて、最低免許枠数1枠を設定いたします。なお、新規免許枠が急増する都道府県においては、激変緩和のため新規免許枠の上限を設定することとしております。
 今般の見直しにより、需給調整要件により免許枠を設けている免許については、従来の計算方式では免許枠が発生しにくかった地域も含めて、すべての都道府県において新規免許枠が発生することとなります。この結果、先ほど御説明した3つの新規免許区分とあいまって、酒類卸売業への参入が緩和されることになると考えているところでございます。
 次の9ページをご覧ください。今般の見直しにより、免許申請手続きの透明性を向上させます。具体的には、現在、各税務署で公告している新規免許枠数を国税庁ホームページで掲載するほか、卸売業免許の申請の手引きを作成して、情報提供の充実を図ります。また、免許申請者の負担軽減を図ります。これまでは、先着順に審査していたところでございますが、今後は、1カ月間の申請期間を設けます。書類についても、申請の段階では必要最低限の書類のみ添付されていれば、提出を受け付けることといたします。
 以上が、今回の卸売業免許の要件緩和の概要でありますが、今回の見直しが酒類業界に与える影響について、私どもとしては、次のように考えているところでございます。
 今般の見直しは、円滑な転嫁により酒税の保全を図るという現行制度の大枠を維持しつつ、酒類卸売業への新規参入を要望する事業者のニーズ、新たな卸売業のビジネスモデルにも対応するものでありまして、全体として、酒類卸売業の活性化に資するものと考えてございます。
 小売業者にとっては、新たな仕入れ先の拡大などによって、取り扱えるお酒の商品の品揃えが増える可能性があります。これはお酒を購入する消費者にとっても、商品選択の幅の拡大につながって、消費者利益の拡大に資するとも考えられます。さらに、酒類製造者にとっても、新たな販路の拡大につながり得るというメリットがあると考えられます。
 これらすべてが相まって、酒類業界全体の健全な発達に寄与して、地域経済の活性化にも貢献し得るものと考えているところでございます。
 以上、「規制・制度改革への対応」について、説明させていただきました。
 続きまして、報告事項の2つ目、「独立行政法人酒類総合研究所の現状」について説明いたします。資料6-2、10ページをごらんください。
 行政刷新会議におきまして、独立行政法人の制度、組織の見直しについて、昨年9月以来議論されてきたところでございますが、この議論を受けまして、本年1月20日に「独立行政法人の制度及び組織の見直しの基本方針」が閣議決定されまして、酒類総研は「本法人を廃止し、必要な定員・予算を確保した上で、その機能を一体として国に移管する」とされました。国への移管時期については、平成26年4月となっており、それに向けた所要の法案が今国会以降に提出される予定であります。
 具体的な国移管後の業務、及び組織形態については、閣議決定の前提となっております行政刷新会議の分科会報告、この点線の下のほうでございますけれども、こちらにおきまして、「本法人を廃止し、講習等の業務を民間による単独実施へと漸次移行していくことを前提に、必要な定員・予算を確保した上で、その機能一体として国に移管して実施すべきである(施設等機関化)」とされてところでありまして、具体的には今後、検討を進めることとしているところであります。
 いずれにいたしましても、酒類総研は「酒税の適正かつ公平な課税の実現」といった国税庁の任務達成のため、国税庁と密接に関連する組織でありまして、課税や酒類の安全性の確保に不可欠な高度な分析・鑑定、その理論的裏付けとなる研究などを実施しており、その業務の継続と必要な体制の確保に努めてまいりたいと思います。皆様方におかれましては、引き続き酒類総合研究所への御理解、御支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 最後に、「その他」といたしまして、「国民投票等の施行に伴う成人年齢を定める民法その他の法令の規定に係る検討状況」につきまして説明いたします。資料6-3、11ページでございます。
 報道等により御承知のことかと存じますが、平成19年5月に公布されました国民投票法附則第3条を受けまして、各府省事務次官等をメンバーとした、「年齢条項の見直しに関する検討委員会」が設置されまして、「20歳以上」などの規定を有する公職選挙法や民法をはじめとする法令の年齢条項につきまして、総合的な検討が行われているところであります。
 本年2月24日の検討委員会では、各府省において対象となる法令の検討状況等につきましてフォローアップが行われております。
 私ども国税庁酒税課が関係する法令では、次の12ページの酒税法第10条、酒類業組合法第86条の9と、同法施行令第8条の4におきまして、「成年者」又は「未成年者」の文言を含む規定がございますが、酒税法については民法の規定に、それから酒類業組合法については未成年者飲酒禁止法の規定に、それぞれ連動するものと整理しているところであります。なお、対象法令の中には含まれておりませんけれども、酒類業組合法第86条の6第1項に基づく「未成年者の飲酒防止に関する表示基準」におきましても、次の13ページのとおり、「未成年者」及び「20歳以上」の文言を含む規定がございます。この基準も、未成年者飲酒禁止法に連動するものと考えておりますが、基準を改正する場合には、当分科会にお諮りすることとなります。
 いずれにいたしましても、今後の国会審議及び政府の検討委員会での議論を注視しながら、その方向性等を踏まえる必要があるものですけれども、現在の検討状況につきまして、概要まで御報告させていただきました。
 議題4「報告事項」について、私からの説明は以上となります。

分科会長
 どうもありがとうございました。ただいま御説明いただきました3つの事項につきまして、何か御質問、御意見がございましたら出していただきたいと思います。
 どうぞ、田嶼委員。

田嶼委員
 今、御説明いただきました卸売業免許の見直しは、すばらしいことだと思います。多大な努力と法的整備をされて、ここまでこぎつけてこられたのではないかと拝察しております。やる気のある農家の方々の活性化になると思いますし、それが日本の近未来の産業に力を与えるのではないかという気がしております。
 でも、恐らく、それが現実になるまでには、また幾つかの障害があるのではないかと思います。具体的にはいつ頃から目に見えるものになるのかについてのお考え、あるいは、ご計画などはございますか。

酒税企画官
 今回の改正につきましては、今、パブリックコメント手続中ですが、9月1日から通達が施行されるということになりますので、9月1日以降に免許の申請をしていただいて、その審査によって免許を受ければ、事業を開始できるということになります。
 なお、農家の活性化や地域活性化の観点で言えば、まずは、自分の農産物でどういうお酒をつくるかということを酒造メーカーさんとよく御相談いただいて、商品設定を立てていただく必要があると思います。9月1日から施行ですので、これから商品設計を御相談していただければ、免許申請をするときには、新しい商品の開発もある程度めどが立っているということで、免許取得後、早期に販売することができるかと思います。

分科会長
 田嶼委員、よろしゅうございますか。

田嶼委員
 ありがとうございました。

分科会長
 他にございますか。須磨委員、どうぞ。

須磨委員
 今の質問に関連して、私も地域活性化にとても良い新たな制度だと思いますが、こういう新たな制度の場合、必ずリスクを伴うこともあるかと思いますが、どのようなリスクを想定していらっしゃって、それに対する対策はどのように立てていらっしゃるのかお聞かせいただければと思います。

酒税企画官
 活性化に関して言えば、自らが生産している農産物をどう活用するかということになります。この場合には、現在は市場を通じてメーカーさんに出荷されている農産物について、今後は酒造メーカーさんの協力により、農産物の加工品である酒類を販売するということになりますので、地域を前面に打ち出していくということになれば、地域の商店街などの関係する方々と十分にお話し合いをして、販売ルートも含めて計画を立てていただく。最初から大きな数量をねらわなければ、それほど大きな失敗はないのかなと思います。また、酒造メーカーさんとの十分な協力体制を整えてやっていただくことが必要ではないかと思います。
 リスクに関しては、リスクがないように、十分な計画を立ててやっていただきたいというふうに思います。

須磨委員
 その辺の法の目をくぐってじゃないんですけれども、新たな方が地域に入って農産物をつくり出して、その新たな制度に、何か自分の得のために動くようなことは考えられないのかなという危惧なんですけれども、そういうことは無いようになっているのかどうか。

酒税企画官
 農産物をお酒にするということになれば、お酒の製造には必ず酒造メーカーがかかわってきます。酒造メーカーさんについては、酒税をきちんと納めていただくという重要な役割を果たしておられる方ですし、また、地域の中心となる方々ですから、地域の活性化に逆方向になるようなことであれば、酒造メーカーさんの対応によりリスクは軽減されるのではないかと。自分としては、そういうふうに思っております。

須磨委員
 そうあってほしいと思っております。

酒税課長
 今のに関連して補足させていただきますけれども、恐らくこういったところに入って、新たにビジネスを開始される方々というのは、圧倒的に中小企業の方が多いんだと思います。そういった方々に対しまして、私どもは、各省庁で関連しております中小企業の施策について、随時情報を入手しておりまして、業界団体さんなどを通じまして情報提供させていただいております。例えば政策金融のツールですとか、そのほか、中小企業のビジネスを開始あるいは継続していかれるために活用可能と思われるものを情報提供させていただいておりますので、そういったものを組み合わせることによって、リスクの軽減に少しでもお役に立てるのかなというふうに期待しているところでございます。

分科会長
 田嶼委員、どうぞ。

田嶼委員
 リスクという面から考えますと、私はむしろ品質管理のほうが気になるのですが、それについてはきっと別の然るべき法律があると思いますので、その規制といいますか、それに準じたものではなくてはいけないということでございますね。
 今回のことは、すでにでき上がったルートの自由度をもう少し高めて、新規参入者にとっても可能性がある。そういうものをおつくりになったと考えてよろしいのですね。

酒税企画官
 そのとおりでございます。酒類については、既存のメーカーさんがおつくりになりますので、当然品質、あるいは安全性を確保されているメーカーさんがおつくりになったものを販売する新たなルートができるということになります。

田嶼委員
 どういうふうにとらえていらっしゃるのですか。メーカーさんとしては歓迎されているのですか。

辰馬委員
 やりがいがありますね。いろいろな技術が発揮できると。

田嶼委員
 そうですか。それも気になっておりました。日本酒はもっと世界に打って出ていただきたいと思いますし、そのおいしさをわかってもらいたいと思っていましたので、このようなルートが開発されたことで、若い人たちにも受け入れられて、ますます発展することを願っています。

辰馬委員
 ありがとうございます。

分科会長
 よろしゅうございますか。どうもありがとうございました。
 他にございますか。

こう津委員
 よろしいでしょうか。酒類総研のことなんですけれども、これ、イメージとして、どういう形になるというふうにとらえたらいいんでしょうか。今の段階でちょっと難しいかとも思うんですが。
 高度な分析とか鑑定とか酒税を担保するための能力、持っている能力というのを国と一体化するというふうな形で書いてありますが、どういうふうなイメージで持ったらよろしいのでしょうか。

酒税課長
 今回、ここの閣議決定に至るまでにさまざまな議論がなされたわけでございますけれども、酒類総研につきましては、国税庁が実施しております税務行政―具体的には適正な課税等に直結する分野に限定して、それで国に戻すという判断がなされたわけでございます。具体的には、分析・鑑定、それに密接に関連する調査研究に限定するという形で、現在よりはスリムになった形で国の一部として実施するという、そういった形態になるわけでございます。
 詳細、具体化につきましては、平成26年4月に向けて、これから詰めていくということでございます。

分科会長
 こう津委員、よろしゅうございますか。他にございますか。
 無いようでございますので、この議題につきましては、以上とさせていただきます。
 本日予定しておりました議題は、以上でございますが、委員の皆様方から何かございましたら、お出しいただきたいと思います。ございませんでしょうか。
 それでは本日の議事はこれで終了させていただきたいと思います。
 本日の議事要旨及び議事録の公開につきましては、国税審議会議事規則第5条第2項に則しまして、まずは簡潔な内容のものを議事要旨として公表し、議事録は完成次第、公表させていただきたいと思います。なお、議事録につきましては、公表前に皆様の御発言内容に誤りがないかを確認させていただきたいと思います。議事要旨の内容等につきましては、分科会会長一任ということでよろしゅうございますか。

(「異議なし」の声あり)

分科会長
 どうもありがとうございました。
 では、これをもちまして、第12回酒類分科会を閉会とさせていただきます。皆様、どうもありがとうございました。

―― 了 ――