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ホーム活動報告・発表・統計審議会・研究会等第10回 酒類分科会 議事録 目次>第10回 酒類分科会 議事録(後半)

第10回 酒類分科会 議事録(後半)

日時: 平成23年3月3日 14時45分〜15時34分

場所: 国税庁第一会議室

出席者:

酒類分科会委員 小林分科会長 飯村分科会長代理
  青山委員 さき委員
  潮田委員 河村委員
  須磨委員 田嶼委員
  辰馬委員  
説明者 国税庁 富屋審議官
  山名酒税課長
  福田鑑定企画官
  本宮酒税企画官
  武藤鑑定企画官補佐
  中川酒税課課長補佐
  鈴木酒税課課長補佐
  笠酒税課課長補佐
  齋藤酒税課課長補佐
  小杉酒税課企画専門官
  遠山酒税課企画専門官
関係者 ビール酒造組合 市本専務理事
  足利審議役

小林分科会長
 それでは、定刻には若干早いようですが、皆様おそろいですので、酒類分科会を再開させていただきます。
 休憩を挟んで出席者が少々変わりましたので、本日御出席していただいております委員の方々と、それから事務局の方々を御紹介するということにさせていただきたいと思います。
 私は、先ほど酒類分科会長に選任されました小林でございます。よろしくお願いいたします。
 まず、委員の方々につきまして、お名前だけを呼ばせていただきます。
 青山理恵子委員。
 飯村穰委員。
 岩ア政明委員。
 潮田道夫委員。
 河村小百合委員。
 須磨佳津江委員。
 田嶼尚子委員。
 辰馬章夫委員。
 なお、kou津十月委員におかれましては、御都合により、本日は御欠席でございます。
 続きまして、国税庁の出席者につきまして紹介させていただきます。
 富屋審議官。
 山名酒税課長。
 福田鑑定企画官。
 本宮酒税企画官。
 武藤鑑定企画官補佐。
 中川酒税課課長補佐。
 鈴木酒税課課長補佐。
 笠酒税課課長補佐。
 齋藤酒税課課長補佐。
 小杉酒税課企画専門官。
 遠山酒税課企画専門官。
 以上でございます。  それでは、富屋審議官からごあいさつをいただいた後、本日の議題に入りたいと思います。富屋審議官、よろしくお願いいたします。

富屋審議官
 審議官の富屋でございます。
 委員の皆様方におかれましては、御多用中にもかかわらず、御出席をいただきまして誠にありがとうございます。また、日ごろから酒類行政はもとより、税務行政全般につきまして、多大なる御理解、御協力を賜っておりますことを、厚く御礼申し上げます。
 今回の酒類分科会は、2年ぶりの開催となりますので、まずは酒類分科会の事務局の方から、酒類行政の現状について簡単に御説明をさせていただきます。その後、「地球温暖化対策に係るビール製造業の自主行動計画」について、御審議をお願いしたいと考えております。
 さて、「地球温暖化対策に係るビール製造業の自主行動計画」でございますけれども、これは御承知のように、ビール酒造組合が定めます二酸化炭素の排出量削減に向けた計画について、2009年度分のフォローアップをしていただくものでございます。具体的には、ビール酒造組合の方から、CO2排出量の削減に向けた2009年度の取組状況について御説明をいただいた上で、委員の皆様方から御質問、御意見を賜ることとしたいと考えております。
 なお、ちなみに昨年度でございますけれども、委員の皆様方に御審議をいただく事項がございませんでしたので、酒類分科会の開催もございませんでした。従いまして、2008年度分につきましては、私ども事務局の方でフォローアップを行わせていただくとともに、皆様には関係資料を送付させていただいて、御質問を賜ったところでございます。
 以上、本日の議題について概要を申し上げました。非常に簡単ではございますけれども、これで私のあいさつとさせていただきたいと思います。
 本日は、御審議のほど、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

小林分科会長
 ありがとうございました。
 富屋審議官からごあいさつがございましたように、本日の酒類分科会の議題は、「酒類行政の現状について」、それから「地球温暖化対策に係るビール製造業の自主行動計画について」となっております。本日予定しております議題に、酒類分科会の法定審議事項はございません。
 では、最初に「酒類行政の現状について」でございますが、本議題は酒類行政全般に対する一般的な説明ということでございますので、質疑応答については御説明の後にまとめて行いたいと思います。その点、御了解いただきたいと思います。
 それでは、まず事務局から御説明をお願いいたします。

山名酒税課長
 それでは、酒類行政の現状につきまして、御説明させていただきます。
 お手元の資料1「酒類行政の現状について」を御覧ください。
 資料の1ページ目を御覧ください。酒類課税数量と課税額の推移でございます。縦の棒グラフが課税数量でございまして、平成11年度にピークを迎え、足元の平成21年度はピーク時の約9割、1割減っているということでございます。また、横の折れ線グラフは課税額でございますが、ピーク時は2兆円強ございましたけれども、平成9年以降、2兆円を下回っておりまして、また消費者の低価格志向により税率の低い酒類へシフトした結果、課税数量の減少割合よりも課税額の減少割合の方が大きくなってございます。現在約1.4兆円の税収で、3割程度減っているということでございます。
 2ページ目を御覧ください。成人人口一人当たりの酒類消費数量等の推移でございます。御覧いただけますように、成人人口の方は右肩上がりでございますけれども、一人当たりのお酒の消費数量というのは右肩下がりとなっている状況でございます。
 3ページ目を御覧ください。これは各酒類の課税数量の構成比率の推移でございます。一番左側が清酒でございます。昭和40年代は3割強ございましたけれども、足元では6.8%ぐらいのウエイトでございます。真ん中の黄色い部分がビールでございますが、6割強ぐらいのウエイトがありましたところ、近年は発泡酒やその他の醸造酒、リキュールといった、いわゆる新ジャンルといわれているような新製品が出てまいりまして、そちらの方に移行している状況がうかがえます。また、左から二つ目がしょうちゅうでございますが、近年順調にシェアを伸ばしてまいりましたけれども、最近は横ばいの状況となってきております。他方、右側の方にウイスキーがございます。ウイスキーも昭和の終わりから平成の初めぐらいに5%前後のウエイトがございましたけれども、その後、どんどんウエイトを落として減少してまいりましたが、足元はハイボールブーム等で若干増加しております。その隣、果実酒、ワインでございますけれども、こちらはここ数年、横ばいで推移しております。
 4ページ目を御覧ください。酒類の輸出入数量の推移でございます。ともに増加傾向にございます。左側が輸出数量でございますけれども、特に清酒につきましては、米国やアジアなどを中心に輸出量が増えておりまして、5年前と比較しますと約1.5倍になっております。また、輸入につきましては、特に昨年は輸入数量が急増してございます。これはマスコミ等でも報道されましたけれども、韓国等から輸入されているビール風のお酒、いわゆる新ジャンルが大手スーパー等においてプライベートブランドとして大量に販売されていること等が影響しているものと考えられます。
 5ページ目を御覧ください。これは平成21年度の酒税の課税実績でございます。低アルコールのお酒が好まれていて、課税数量で全体の7割超、課税額では6割超を占めているということでございます。
 御参考までに、6ページ目は酒税率の一覧表でございます。
 次に7ページ目を御覧ください。WHOにおけるアルコール関連問題の取扱いでございます。世界保健機関(WHO)では、アルコールの不適切な摂取を健康に与える重大なリスクの一つであるととらえておりまして、昨年5月の第63回の世界保健総会で、「アルコールの有害な使用を減らすための世界戦略」が採択されました。この世界戦略は、たばこの場合にはその後、「枠組条約」というものが採択されたのですけれども、それと異なりまして、各国に一律に義務を負わせるものではなく、アルコールの有害な使用を減らすために各国が各国の事情に応じて採用し実行する、様々な政策案が列記されたものとなっております。国税庁といたしましては、酒類を巡る様々な状況を踏まえまして、厚生労働省などの関係省庁とも連携しながら、適切に対応してまいりたいと考えております。
 次に8ページを御覧ください。酒類の表示を巡る最近の動きについて、御説明させていただきます。まず、資料の左側でございます。米トレーサビリティ法の概要でございます。これは、酒類にも関係がありました事故米の不正規流通問題を契機に、平成21年に制定されたものでして、財務省、農林水産省、消費者庁の共管法令でございます。米トレーサビリティ法は大きく分けて、取引情報等の記録の記帳義務と産地情報の伝達、原料米の産地の表示の二つの内容から構成されておりまして、このうち、取引情報等の記録につきましては昨年10月から施行され、また産地情報の伝達等については本年7月から施行されることとなっております。
 対象品目につきましては、お酒の関係では清酒、単式蒸留しょうちゅう、みりんが対象となっております。ちなみに産地情報の伝達につきまして、純米酒を例に御説明いたしますと、現状、原材料名に「米、米麹」と書いてございますけれども、今後は、例えば「米(国産)、米麹(国産米)」と表示していただくことになります。同様に、米麹を使用した芋しょうちゅうの場合には、「芋、米麹(国産米)」と、泡盛の場合ですと、「米麹(タイ産米)」と表示していただくといったことになろうかと思います。国税庁におきましては、法成立後、酒類業者に対するこのトレーサビリティ法の説明会等を局署で開催して、酒類業者が適切に義務を履行するよう、周知・啓発に努めてきているところでございます。今後とも法の円滑な施行に向けて適時・適切に対応していくこととしております。
 続きまして右側でございます。消費者庁における食品表示の一元化に関する動きについて、御紹介いたします。消費者庁におきましては、消費者基本計画、これは昨年の3月末に閣議決定されたものでございますけれども、これに基づきまして、食品表示に関する一元的な法体系のあり方について検討を行うためのワーキングチームを設置いたしまして、平成23年度以降、検討結果を踏まえ、食品表示に関する一元的な法律の制定など必要な措置を講ずることとしております。このワーキングチームは、昨年4月に発足したのですが、現在のところ、まだ具体的な動きは出てきていないところでございます。しかしながら、消費者庁における検討の内容次第では、酒類の表示についても影響が生じてくることも想定されます。
 また、消費者庁における検討のほかに、酒類の表示につきましては、最近ですと、例えば清涼飲料等と誤認しやすい低アルコールリキュールの表示に関する問題ですとか、本格しょうちゅうと誤認しやすい甲乙混和しょうちゅうの表示に関する問題など、社会情勢に連動して検討が必要となっている事項が見受けられる状況にございます。国税庁としては、現在、各酒類業界に自主的かつ積極的な検討をお願いしているところでございます。酒類の表示基準に関する事項につきましては、酒類分科会の法定審議事項とされていることから、仮に表示基準の改正などを行う場合には御審議いただくこととなりますので、若干詳しく御紹介させていただきました。
 続きまして、9ページ目を御覧ください。「酒類に関する公正な取引のための指針」です。これは、酒類の公正な取引環境の整備に向けた酒類業者の自主的な取組が推進されますよう、平成18年に国税庁で定めたものでございます。これに基づきまして、国税庁は酒類の取引状況等実態調査を実施しておりまして、次のページにございますけれども、調査件数等を毎年公開しております。仮に指針のルールに則していないような取引が認められた場合には、改善指導を行うほか、調査において独占禁止法に違反する事実があると思料したような場合には、公正取引委員会にその事実を報告するなど、公正取引委員会と連携して、酒類の公正な取引環境の整備に努めているところでございます。
 最後に11ページ目を御覧ください。酒類総合研究所の最近の動向でございます。御案内のとおり、酒類総合研究所は、財務省所管の独立行政法人で、酒類に関する我が国唯一の総合的研究機関として、酒税の適正かつ公平な課税の実現のための高度な分析・鑑定などを行っております。各独立行政法人の事務・事業につきましては、昨年12月に閣議決定されました「独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針」により、今後講ずべき措置が示されております。酒類総合研究所につきましても、ここに掲げられておりますような事務・事業の見直し方針がございまして、これを踏まえまして、現在、本年4月から新たに開始されます第3期の中期計画、今後5年間の計画でございますが、その策定作業を行っているところでございます。
 駆け足でございましたが、以上でございます。

小林分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、先ほどもお話ししましたが、時間の関係もございますので、先に地球温暖化対策に係るビール製造業の自主行動計画の方に進めさせていただきます。
 本件につきましては、ビール酒造組合から自主行動計画について御説明をいただくことになっております。それでは、ビール酒造組合の方にお入りいただいてください。

(ビール酒造組合 入室)

小林分科会長
 本日は、お忙しいところお越しいただき、どうもありがとうございます。それでは御紹介させていただきます。
 市本専務理事でございます。
 足利審議役でございます。
 これから御説明いただきまして、その後で皆様方から御質問をいただくということにしたいと思っております。
 それでは、ビール酒造組合からの御説明の前に、酒税課長の方から、状況を御説明いただきたいと思います。

山名酒税課長
 それでは、「地球温暖化対策に係るビール製造業の自主行動計画」につきまして、最初に酒類分科会にフォローアップをお願いした背景、法令的な枠組を御説明させていただきます。
 委員の皆様方には平成20年、21年と御審議いただいておりますので、既に御承知かと思いますけれども、改めて御説明申し上げます。
 お手元の資料2を御覧いただきたいと存じます。1ページ目でございます。冒頭にあります「地球温暖化対策の推進に関する法律」におきまして、「政府は、京都議定書に基づく約束を履行するための計画を定めなければならない」と規定されております。
 我が国につきましては、京都議定書におきまして2008年から2012年までの約束期間において基準年度比、これは1990年対比でございますけれども、6%を削減するということとしております。
 資料の上から2番目の枠の部分、平成17年4月に閣議決定されました「京都議定書目標達成計画」の抜粋でございますけれども、その中に産業界の自主行動計画について記述がされております。こちらを御覧いただきますと、「産業界が自主的に策定した自主行動計画の目標・内容についてはその自主性にゆだねられるべきものである」とされると同時に、「その目標達成などの蓋然性が向上されるよう、引き続き関係審議会等において定期的にフォローアップを行う」とされております。
 産業界では、平成9年に経団連が所属業界団体の自主行動計画を取りまとめた「経団連環境自主行動計画」を策定・公表されておりまして、経団連加盟のビール酒造組合は当初からこの計画に参画して、自主行動計画を作成しているところでございます。
 次に2ページ目を御覧ください。平成17年の「京都議定書目標達成計画」策定後も、対策が十分に進捗しているとは言えない状況にあったことから、平成19年10月に「京都議定書目標達成計画の見直しに向けた基本方針」が決定されました。
 その中で自主行動計画における目標を達成した業種であるビール酒造につきましても、政府による厳格なフォローアップを行うことが求められましたため、平成20年3月に開催された第8回の酒類分科会から御審議いただいているところでございます。
 次に3ページ目でございます。平成20年3月に「京都議定書目標達成計画」の全部改定が閣議決定されました。この目標達成計画におきましては、4の部分でございますけれども、「目標水準を現時点で超過している業種については、目標の引き上げを行うよう促す」とされておりまして、ビール酒造がその業種の一つに掲げられたところでございます。
 4ページ目でございますけれども、ここでは御参考までに2009年度までにおける我が国の温室効果ガス排出量のグラフを付しております。2009年度の我が国の排出量は、基準年度である1990年度より4.1%の減少となっております。なお、基準年度比6%を削減した排出量は、一番右の棒グラフにおいて黒塗りの部分でございます。先ほど申し上げましたとおり、既に2008年4月から2012年度までを期間とした、京都議定書の約束期間の最中にありますので、目標達成に向けて引き続きの対応が求められているところです。
 今回は、ビール製造業の自主行動計画に対する2009年度分のフォローアップを行っていただきたいと考えております。
 以上でございます。

小林分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、ビール酒造組合の方の自主行動計画について、市本専務理事から御説明いただけますでしょうか。

市本専務理事
 市本でございます。本日はこのような機会をちょうだいいたしまして、ありがとうございます。
 それでは、私どもビール業界におけるCO2の排出量削減の取組につきまして、御説明を申し上げます。
 お手元の資料3の最初のページ、概要というページがございます。こちらは、その次のページ以降の内容を取りまとめたものでございます。基本的に、こちらの概要の方を御説明申し上げるということにさせていただきたいと思います。
 まず、本題に入ります前に、私どもビール酒造組合につきまして簡単に説明させていただきます。ビール酒造組合には二つの側面がございまして、一つ目は酒類業組合法に基づいて設立されました組合ということでございます。
 構成員といたしましては、大手のビール5社、キリン、サントリー、サッポロ、アサヒとそれから沖縄のオリオン社の5社でございます。
 それからもう一つの性格といたしまして、公正競争規約の組織体というような性格を持っております。昭和28年の酒類業組合法に基づきまして設立された団体でございます。
 それでは、ビール業界における取組について御説明を申し上げます。
 私どもが取り扱っておりますビールという製品は、原料の大麦にいたしましても、ホップ、それから水にいたしましても、自然由来のものでございますので、業界はもともと環境問題につきましては、大変熱心に取り組んできたところでございます。
 先ほども御紹介がございましたが、私どもは日本経団連の環境自主行動計画に1996年の開始と同時に参画をいたしております。
 ビール各社は環境関連への投資設備を前倒しで実施する等、温暖化対策に向けた省エネルギーおよびCO2の排出量削減の施策・活動に積極的に取り組んできたところでございます。
 それで、CO2の排出量がどうなっているかということでございますが、京都議定書の基準年でございます1990年度、ビール業界全体では112.5万トンのCO2の排出量でございました。実は1997年度に、121.3万トンというピークがございました。このグラフの中には、この97年度は載っておりませんが、このときが121.3万トンでございました。これがだんだんと減少してまいりまして、2008年度は59.9万トン、対1990年度比では46.8%の削減まで達成いたしております。2009年度でございますが56.0万トンということで、1990年度比で50.2%の削減というところまで来ております。
 ちなみに、そのグラフにございますとおり、2010年度の見通しとしましては、2009年度と同程度、あるいは若干少なくできるかなという状況でございます。
 次に、ビール業界のCO2の排出量削減活動につきましては、2007年度までの目標でございました2010年度のビール工場における発泡性酒類の、生産時のCO2排出量を1990年度比で6%削減する。この目標は2008年度から2012年度の5年間の平均値として達成するということを目標にしておりましたが、これを、先ほど御紹介がございましたとおり、2008年に上方修正をさせていただきまして、10%削減というところに新目標を設定したという経緯がございます。
 ということで、ご覧いただいている概要に四角に囲ってございます現在の新目標につきましては、2008年から2012年度のビール工場における発泡性酒類(ビール類)の生産時の平均CO2排出量を1990年度比で10%削減するという目標を掲げております。
 先ほど申し上げましたように、1990年度比でいきますと、既に目標をクリアしているわけでございますけれども、この新たな目標の設定にあたりましては、各会社が鋭意懸命な努力をして、加盟5社とも達成可能な最大の削減率という意味合いで、この10%という数字を設定させていただいたというような経緯がございます。
 取組の状況でございますが、CO2削減、あるいは省エネルギーへの設備投資というものを、可能な限り積極的に前倒しで実施してまいりました。これにつきましては、資料3の4ページ目を御覧いただきたいと思います。
 ここにビール業界内における1990年から2009年までの環境関係施策ということで、代表的なものを載せております。そこに書いてございます様々な施策、あるいは設備の導入ということによりまして、CO2の削減を達成してきたというような経緯がございます。
 その次の5ページ目に、ビール業界が環境関連設備に投資してまいりました金額の推移を載せてございます。2001年には124億200万円の設備投資を実行しております。その後、少しずつ減ってきておりますが、これは投資を前倒ししているということでございまして、その設備投資の効果は有効に効いているところで、設備投資の額としてはだんだんと減ってございますが、このように前倒しにしてきたというようなところを御理解いただきたいというふうに思っております。
 それから、そういった取組をいたしました結果、過去19年間にCO2の排出量原単位、つまり一つの製品を造るのにどれだけのCO2を使うかという1,000kl当たりの原単位でございますけれども、これも大幅に改善してきております。
 このあたりの経緯につきましては、2ページ目を御覧いただきたいと思います。一番下に「ビール業界内における個々の会社のCO2排出量原単位推移とCO2排出量の削減比率」という表がございます。そこの一番左に12345とございます。これはビール5社のことでございますが、御覧いただきますように、CO2の排出量原単位といたしましては、1,000klを造るためにどれだけのCO2を使っているかということにつきまして、例えば1番の会社は1990年には172.3トンのCO2を排出しておりましたが、2009年には117.2トンということで、率にしますと、大体32%ぐらいダウンしてきているといったところでございます。原単位といたしましても、かなりの削減を実施してきております。また、その横はそれぞれ会社ごとのCO2の排出量の削減の状況でございます。
 次に、CO2の排出量の原単位の指数、これがどうなっているかということでございますが、7ページを御覧いただきたいと思います。上の方に様々書いてございますように、燃料の転換でございますとか、新煮沸システム、あるいはコ・ジェネの設備の導入、それから廃熱回収ハイブリッド冷凍機というのがございまして、こういったものの導入、それから、煮沸・排熱回収装置でございますとか、ボイラーシステムの見直し等々の取組をやってまいりまして、図4の原単位の指数を見ましても、このように削減してきているという状況が御理解いただけるかと思います。1990年の原単位を1としますと、2009年の原単位は0.54、2010年の見通しといたしましては、0.53まで削減してきていると、こういうところでございます。
 ただ、こういう原単位というのはいろいろと努力し、あるいは設備導入をいたしまして削減してきてまいりましたが、最近ビール業界の商品というのが非常に多様化してございまして、1社で何十もの製品を造っているというようなところがございます。ということで、多品種化しているという状況でございますので、なかなかこの原単位を減らしていくというのは、非常に難しい状況になってきているということもまた事実でございます。
 今後に向けまして、ビールの需要喚起施策による販売数量の増加に伴う生産量の変動を見込みつつも、厳しい経済状況下におきまして、平均排出量削減への新目標をビール5社共に確実に達成していくことを目指して、今後も取組を継続していきたいというふうに思っております。
 私の方から、御説明は以上でございます。

小林分科会長
 ありがとうございました。
 ただ今の御説明につきまして、委員の方々から御質問があればお願いいたします。飯村委員、どうぞ。

飯村委員
 いろんな御努力によりまして、原単位を着実に減らしてこられているということで、大変良いことでございますけれども、それは主には、省エネなどの取組で原単位を下げていくというふうに今お聞きしたのですけれども、例えば4ページの表2の上から2番目にございますような「2仕込・発酵工程での取組み」という部分については、発酵に伴って二酸化炭素が出てくるということ、これはビール製造にとって避けられないことです。ここで出てまいりました二酸化炭素を有効に使うとか、あるいは固定化するというような取組はどういう状況なのか、そういうふうにおやりになっているのでしょうか。

足利審議役
 回収した二酸化炭素を固定するというところまでは、ビール業界独自ではまだ特に進んでいない状況ですけれども、ビール製造の中で、自然に発生した炭酸ガスを純度を上げて再生して使うということ、若しくは、もし清涼飲料工場が併設されている場合は、そちらの方に回して使うというようなこともやっております。

飯村委員
 省エネとかそういうことはもちろん結構なことなのですが、いずれそれでも限界が来てしまうと思うのですね。そうすると、この発酵に伴って必然的に出てまいりますCO2を何とかうまい具合に固定する、あるいは利用するとか、そういうことを考えていかないと、先行き限界が来てしまうと難しいのではないかと思って、そういう御質問をした次第です。

足利審議役
 今後、何か革新的なテクノロジーを利用できるかどうかは、また検討していきたいと思います。炭素貯留とかそういったところも、世の中に広がってきた際に、近くのエリアで一緒に何かコラボできないかどうかとか、また考えてみたいと思います。

飯村委員
 どうもありがとうございました。


小林分科会長
 ほかにございませんか。

河村委員
 御説明いただいた中の2ページの表1のところでお尋ねいたします。5社の原単位の数字であるとか、それから2007、2008、2009との比較での削減幅とかが出ておりますけれども、これを拝見すると、やはりそれなりにばらつきがあるようなのですが。原単位の方で見ても、また削減幅で見ても。これは、それぞれ5社の中の規模であるとか、それから造っていらっしゃる製品のラインナップであるとか、そういうようなものを反映しているということでよろしいのでしょうか。

市本専務理事
 おっしゃるとおりでございまして、それぞれ扱う製品も違いますし、規模的な事情もございます。それから地域によっては天然ガスを使用できないというような事情もあったと聞いております。ただ、最近はこのボイラーの燃料に廃食用油混合装置というのを導入いたしまして、安定的に廃食用油を利用できることで、これでかなりの重油使用の削減が進んでいると聞いております。

河村委員
 この排出量削減の取組というのは自主行動計画ということでやっていらっしゃると思うのですけれども、各社さんの御意向として、業界全体としての目標を掲げていらして、会社ごとにばらつきが出ることについては、それは各社の中で、もう理解が得られているというふうに見てよろしいでしょうか。

市本専務理事
 そうですね、それは各社とも、コストに結びつく話ですので、できるだけのことをしていくということで、今のところのビール酒造組合としての合意で進んでいるというところでございます。

河村委員
 わかりました。ありがとうございました。

小林分科会長
 ほかにございませんか。

青山委員
 大変な御努力で、目標を達成していらっしゃるということはすごく敬意を表したいというふうに思います。産業界全体の取組は一般的に乾いた雑巾を絞り取るようだというようなことを言われている中で、達成すればするほどまた課題も多くなってくる、すごく厳しい状況ではないかなという感じがしまして、非常に大変ですねというふうに申し上げたいのですけれども。
 この7ページの図4と、また概要のところももちろんリンクするのですけれども、2007年から2008年にかけてはポイントがかなり減っていますよね。これは設備投資や何かでこういうすごい達成をしたのか。
 それから、ここまでいくと、今後0.1ポイントも0.0数ポイント下げるのも、目標値があっても大変だろうという気がいたします。1社、2社だけだったらいいのですけれども、これを業界全体で達成しようというような横の連携というのでしょうか、共有化した努力というのはどのようになさろうとしていらっしゃるのか。教えていただける範囲で結構ですので。

足利審議役
 2007年から2008年ということで、もう一度2ページ目の表1を見ていただきたいのですが、原単位を見ますと、2社、3社、この2社のところがかなり減っています。

青山委員
 そこで引き上げたということですか。

足利審議役
 はい。一つは、燃料転換およびコ・ジェネレーションシステム等の省エネ設備導入により、CO2排出量原単位の削減を精力的に進めたことによります。そのほかに、工場の集約化ということで効率よく製造するということが、もう一つの原単位低下のポイントになっていると考えられます。

市本専務理事
 2点目の件でございますけれども、おっしゃるように、二酸化炭素の排出削減の取組は、かなり限界に近づいているかなという感じはいたします。しかしながら、技術的なところで、生産の省エネの設備についての情報の共有化、それから、これは社外秘のところもあるのですけれども、可能な範囲でお互い進んだ技術につきましては開示をして、共有化していこうというような取組はやっております。
 また、ビール酒造組合の中でいろいろと活動はございますけれども、技術関係の者の交流をしておりまして、一緒に講演会を聞いたり、各社が海外の学会で発表した内容等を、日本でもう一度講演をして、共有化していくというようなこともしておりますので、そういう意味ではお互いを見習いながらやっているところがあるかと思います。

小林分科会長
 以上の御説明でよろしゅうございますか。それでは、なおいろいろと御質問もあるかと思いますけれども、時間がまいりましたので、質疑応答をこの辺で終わらせていただきます。
 本日はお忙しいところをわざわざお越しいただき、御説明いただきありがとうございました。今後とも環境問題にしっかり取り組んでいただきたいと思います。ありがとうございました。

(ビール酒造組合 退室)

小林分科会長
 それでは、先ほど酒税課長の方から御説明がございました我が国の酒類行政につきまして、何か質問はございますか。もう二、三しか御質問していただく時間がございませんけれども。
 では、私の方から一つだけ。WHOの話がございましたけれども、これは、アルコール摂取と健康被害の関係について、世界的に問題とされている状況があるのだと思います。しかし、大きな問題だけに、国税庁だけで解決するわけにはいかないと思いますが、そのほかの省庁、例えば経済産業省や、厚生労働省がどんな動きをされているかということ、それから、省庁間で、お互いに協力しながらこの問題を解決していく、そういったシステムのようなものができているかどうか、御説明をしていただけると助かります。

山名酒税課長
 資料の7ページ目を御覧ください。政策分野、政策案と書いてございますけれども、項目の中に日本では実施していないような項目もいくつか含まれておりますが、大部分は我が国で何らかの形で対応しているような項目でございまして、そういう意味ではこの世界戦略を受けて、直ちに何か足りないところを新たに補わなければいけないといったような状況には、今のところはなっておりません。
 ただ、今後、お酒を巡るいろいろな動きが出てくることも予想されます。厚生労働省はもとより、未成年者飲酒防止というような観点では、警察庁ですとか、あるいは文部科学省とか、いろいろな官庁が関係してまいりますので、連携しながら適切に対応していきたいと考えております。
 ちなみに、毎年4月が未成年者飲酒防止強調月間でございまして、全国の小売酒販組合が未成年者飲酒防止のキャンペーンを行っておりまして、関係省庁が連携して、それをバックアップするといったようなことも行っております。
 以上でございます。

小林分科会長
 ありがとうございます。

青山委員
 すみません、お時間がないのに1点だけ。
 8ページのところですけれども、消費者庁が食品表示に関する一元ワーキングを4月に発足したまま動きがないというお話がありましたけれども、酒類に関しては清涼飲料と誤認しやすいものも出ているということですが、その消費者庁のワーキング待ちなのですか。あるいは国税庁としてこれを一歩進んで、表示の改正等を業界団体に指導するとか、そういうことはあるのですか。

山名酒税課長
 まず、消費者庁の方の状況について、私どもも全て正確にフォローアップしているわけではないのですけれども、具体的に何かこういうことを考えているといったところまでが出てきているとは承知しておりません。
 それはそれといたしまして、お酒につきましては、特に清涼飲料等と誤認しやすいような低アルコールのお酒に関する問題などが消費者の皆さんなどからも問題提起されておりますので、まずはそれぞれのお酒の業界の中でどういった対応が可能かということを、国税庁から検討をお願いしております。まずはそういった自主的な対応に取り組んでいただいて、その上でさらに検討していくというスタンスで、現在のところは対応しているところでございます。

小林分科会長
 ありがとうございました。ほかに、御質問などございませんか。

田嶼委員
 数年前に、未成年のアルコール飲酒を禁ずる、その年齢が日本では少し高いのではないか、諸外国のように18歳未満にする方が実質に合っているのではないか、という意見がこの会議で出たように記憶しております。
 また、資料7ページのWHOについても、別に飲んではいけないと言っているわけではなく、世界では、日本では考えられないようなアルコールの有害な使用があるからという、むしろそちらの方に視点があるのではないかと思います。
 ですから、だめだ、だめだと言う方ではなくて、例えば、現実に合った未成年の年齢について検討するなどというようなこともあってもいいのではないかと思うのですけれども、その点について、国のお考えはどういうふうになっているのでしょうか。

山名酒税課長
 資料の7ページ目に、アルコール飲料の購入・摂取についての適切な最低年齢の設定とあります。現在日本の場合には、成年、20歳を超えたところとされておりますけれども、これは成人の年齢をどうするかという全体の大きな議論の中で、検討がなされているところでございます。

本宮酒税企画官
 承知する限りでは、民法改正による成人年齢の引下げに連動して、飲酒年齢も、例えば18歳というように一律に引き下げていいものかどうかということについては、まだ明確な結論に至っておりません。いわゆるたばこ・酒については、年齢を下げない方がいいのではないかという意見も一方ではございます。そこは考え方がいろいろございまして、議論の方向性が明確に決まっていないという状況でございます。

小林分科会長
 以上の御説明でよろしゅうございますか。

田嶼委員
 はい、ありがとうございます。


小林分科会長
 若干予定をオーバーしてしまいまして、大変失礼いたしました。
 本日の議事要旨及び議事録の公開につきましては、国税審議会議事規則第5条第2項によりまして、まずは簡単な内容のものを議事要旨として公表し、議事録は完成次第、公表させていただきたいと存じます。なお、議事録につきましては、公表前に皆様の御発言内容に誤りがないかを確認させていただきたいと思います。
 また議事要旨の公表の件ですが、これにつきましては内容等につきまして、分科会長である私に御一任いただければと思います。よろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

小林分科会長
 ありがとうございます。
 では、長時間御苦労さまでございました。これをもちまして、第10回酒類分科会を閉会させていただきます。
 ありがとうございました。

―― 了 ――