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ホーム活動報告・発表・統計審議会・研究会等第4回 酒類分科会 説明資料>世界貿易機関を設立するマラケシュ協定附属書一―C知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(地理的表示に関する部分)〔平成六・一二・二八条約第一五号〕

世界貿易機関を設立するマラケシュ協定附属書一―C知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(地理的表示に関する部分)〔平成六・一二・二八条約第一五号〕

第二十二条 地理的表示の保護

  1. 1 この協定の適用上、「地理的表示」とは、ある商品に関し、その確立した品質、社会的評価その他の特性が当該商品の地理的原産地に主として帰せられる場合において、当該商品が加盟国の領域又はその領域内の地域若しくは地方を原産地とするものであることを特定する表示をいう。
  2. 2 地理的表示に関して、加盟国は、利害関係を有する者に対し次の行為を防止するための法的手段を確保する。
    1. (a) 商品の特定又は提示において、当該商品の地理的原産地について公衆を誤認させるような方法で、当該商品が真正の原産地以外の地理的区域を原産地とするものであることを表示し又は示唆する手段の使用
    2. (b) 千九百六十七年のパリ条約第十条の二に規定する不正競争行為を構成する使用
  3. 3 加盟国は、職権により(国内法令により認められる場合に限る。)又は利害関係を有する者の申立てにより、地理的表示を含むか又は地理的表示から構成される商標の登録であって、当該地理的表示に係る領域を原産地としない商品についてのものを拒絶し又は無効とする。ただし、当該加盟国において当該商品に係る商標中に当該地理的表示を使用することが、真正の原産地について公衆を誤認させるような場合に限る。
  4. 4 1から3までの規定に基づく保護は、地理的表示であって、商品の原産地である領域、地域又は地方を真正に示すが、当該商品が他の領域を原産地とするものであると公衆に誤解させて示すものについて適用することができるものとする。

第二十三条 ぶどう酒及び蒸留酒の地理的表示の追加的保護

  1. 1 加盟国は、利害関係を有する者に対し、真正の原産地が表示される場合又は地理的表示が翻訳された上で使用される場合若しくは「種類」、「型」、「様式」、「模造品」等の表現を伴う場合においても、ぶどう酒又は蒸留酒を特定する地理的表示が当該地理的表示によって表示されている場所を原産地としないぶどう酒又は蒸留酒に使用されることを防止するための法的手段を確保する。
    • (注) 加盟国は、これらの法的手段を確保する義務に関し、第四十二条第一段の規定にかかわらず、民事上の司法手続に代えて行政上の措置による実施を確保することができる。
  2. 2 一のぶどう酒又は蒸留酒を特定する地理的表示を含むか又は特定する地理的表示から構成される商標の登録であって、当該一のぶどう酒又は蒸留酒と原産地を異にするぶどう酒又は蒸留酒についてのものは、職権により(加盟国の国内法令により認められる場合に限る。)又は利害関係を有する者の申立てにより、拒絶し又は無効とする。
  3. 3 二以上のぶどう酒の地理的表示が同一の表示である場合には、前条4の規定に従うことを条件として、それぞれの地理的表示に保護を与える。各加盟国は、関係生産者の衡平な待遇及び消費者による誤認防止の確保の必要性を考慮し、同一である地理的表示が相互に区別されるような実際的条件を定める。
  4. 4 ぶどう酒の地理的表示の保護を促進するため、ぶどう酒の地理的表示の通報及び登録に関する多数国間の制度であって、当該制度に参加する加盟国において保護されるぶどう酒の地理的表示を対象とするものの設立について、貿易関連知的所有権理事会において交渉を行う。

第二十四条 国際交渉及び例外

  1. 1 加盟国は、前条の規定に基づく個々の地理的表示の保護の強化を目的とした交渉を行うことを合意する。4から8までの規定は、加盟国が交渉の実施又は二国間若しくは多数国間協定の締結を拒否するために用いてはならない。このような交渉において、加盟国は、当該交渉の対象となった使用に係る個々の地理的表示についてこれらの規定が継続して適用されることを考慮する意思を有するものとする。
  2. 2 貿易関連知的所有権理事会は、この節の規定の実施について検討する。一回目の検討は、世界貿易機関協定の効力発生の日から二年以内に行う。この節の規定に基づく義務の遵守に影響を及ぼすいかなる事項についても、同理事会の注意を喚起することができる。同理事会は、加盟国の要請に基づき、関係加盟国による二国間又は複数国間の協議により満足すべき解決が得られなかった事項について加盟国と協議を行う。同理事会は、この節の規定の実施を容易にし及びこの節に定める目的を達成するために合意される行動をとる。
  3. 3 この節の規定の実施に当たり、加盟国は、世界貿易機関協定の効力発生の日の直前に当該加盟国が与えていた地理的表示の保護を減じてはならない。
  4. 4 加盟国の国民又は居住者が、ぶどう酒又は蒸留酒を特定する他の加盟国の特定の地理的表示を、(a)千九百九十四年四月十五日前の少なくとも十年間又は(b)同日前に善意で、当該加盟国の領域内においてある商品又はサービスについて継続して使用してきた場合には、この節のいかなる規定も、当該加盟国に対し、当該国民又は居住者が当該地理的表示を同一の又は関連する商品又はサービスについて継続してかつ同様に使用することを防止することを要求するものではない。
  5. 5 次のいずれかの日の前に、商標が善意に出願され若しくは登録された場合又は商標の権利が善意の使用によって取得された場合には、この節の規定を実施するためにとられる措置は、これらの商標が地理的表示と同一又は類似であることを理由として、これらの商標の登録の適格性若しくは有効性又はこれらの商標を使用する権利を害するものであってはならない。
    1. (a) 第六部に定めるところに従い、加盟国においてこの節の規定を適用する日
    2. (b) 当該地理的表示がその原産国において保護される日
  6. 6 この節のいかなる規定も、加盟国に対し、商品又はサービスについての他の加盟国の地理的表示であって、該当する表示が当該商品又はサービスの一般名称として日常の言語の中で自国の領域において通例として用いられている用語と同一であるものについて、この節の規定の適用を要求するものではない。この節のいかなる規定も、加盟国に対し、ぶどう生産物についての他の加盟国の地理的表示であって、該当する表示が世界貿易機関協定の効力発生の日に自国の領域に存在するぶどうの品種の通例として用いられている名称と同一であるものについて、この節の規定の適用を要求するものではない。
  7. 7 加盟国は、商標の使用又は登録に関してこの節の規定に基づいてされる申立てが、保護されている地理的表示の不当な使用が自国において一般的に知られるようになった日の後又は、当該日よりも登録の日が早い場合には、商標が当該登録の日までに公告されることを条件として、当該登録の日の後五年以内にされなければならないことを定めることができる。ただし、当該地理的表示の使用又は登録が悪意で行われたものでないことを条件とする。
  8. 8 この節の規定は、自己の氏名若しくは名称又は事業の前任者の氏名若しくは名称が公衆を誤認させるように用いられる場合を除くほか、これらの氏名又は名称を商業上使用する者の権利にいかなる影響も及ぼすものではない。
  9. 9 加盟国は、原産国において保護されていない若しくは保護が終了した地理的表示又は当該原産国において使用されなくなった地理的表示を保護する義務をこの協定に基づいて負わない。