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未定稿

「申告手続の電子化等に関する研究会」第8回会合 議事要旨

1. 日時

平成12年2月23日(水)10:00〜12:00

2. 場所

国税庁第一会議室

3. 議題

  1. (1) 日本税理士会連合会からのヒアリング
  2. (2) 米国及びオーストラリアの電子申告の現況

4. 議事概要

  1. (1)  日本税理士会連合会(日税連)から、電子申告に対する日税連の考え方についてヒアリングが行われた。
     その後、事務局から、米国及びオーストラリアの電子申告の現況について説明が行われた。
  2. (2)  日税連からのヒアリング
    • ○ 申告納税制度の下では、納税者は自分の税金は自分で計算し、適正な申告書を作成し期限内に提出するのが原則である。しかしながら、全ての納税者が、複雑な税法を理解し正確な計算を行えるわけではない。そのため、税理士が納税者の信頼に応えつつ税務代理や税務書類の作成等を行うという税理士制度があり、税理士には専門的知識、守秘義務、専門家としての責任が求められている。
    • ○ 電子申告が導入されても、申告書の作成、提出という手続が電子的に行われるというだけである。納税者が自ら申告することが原則であり、必要に応じて税理士がサポートするということであって、基本的には書面の申告の場合と何ら変わることは無いと考えられる。
    • ○ 現在日税連では、確定申告期に、還付申告者や小規模事業者に対し無料で申告の相談を行うなどの税務援助活動を行っている。電子申告が導入された場合には、これまでの税務援助活動に加え、電子申告が納税者にスムーズに受け入れられるためにどのような支援ができるのかについて今後検討していきたい。
    • ○ 電子申告の導入により、申告書が電子データで提出されることに伴い、従来の署名・押印 に代えて電子署名が必要と考えられる。税理士の電子署名について、日税連が認証機関を設置するべく検討を進めている。
    • ○ 日税連としては、電子申告の導入は納税者の利便性の向上や税務行政の効率化に資するこ とから、これを積極的に受け入れていきたいと考えており、万全の体制をもって対応していく決意である。
  3. (3) 出席者からの主な意見
    • ○ 申告手続がコンピュータ・ネットワークを使って行われるようになると、税理士は、パソコンや通信に関する高度な知識が必要となる上、電子メールを使った納税者からの税務相談等に対処するシステムを作るなど、納税者が分かり易く電子申告できるような対応が必要となるのではないか。
    • ○ 実際に税理士が関与して電子申告する場合において、納税者と税理士が申告データをやり取りする場合のセキュリティや責任負担の問題、オンライン上での税理士の署名をどうするのかなどについて考えておく必要があるのではないか。
    • ○ 個人の確定申告の場合、パソコンを持っていない納税者が多いが、このような人々に対し税理士会としてどのようなことができるのか考えておく必要があるのではないか。
  4. (4) 米国の電子申告の現況
    • ○ 米国内国歳入庁(IRS)は、2007年までに、全ての申告及び情報申告の80%が電子的に提出されることを目標に掲げるなど、電子申告の普及拡大を大きな柱として、税務行政全般の電子化を積極的に推進している。
    • ○ 1999年の個人所得税の電子申告件数は、約29.3百万件となり、対前年比119.4%と大きく伸長し、電子申告利用割合は23.4%となった。
    • ○ 米国の電子申告においては、納税者の署名の付された宣誓書及び添付書類を別途郵送する事とされており、完全なペーパーレスとはなっていない。IRSは、1999年に、署名の代わりにPIN(Personal Identification Number)を用いることにより宣誓書の提出を不要とする、完全ペーパーレスの電子申告実現に向けた試行を実施し、2000年においても本試行を更に拡大実施中である。
    • ○ IRSは、電子申告や、インターネットを利用した納税者とIRSとの双方向の通信におけるデジタル署名の利用可能性について検証するため、IRS職員50名がデジタル署名を付して相互にE-mailを実施するなどデジタル署名の利用実験を実施している。
    • ○ IRSは、テレビコマーシャルを使った広報活動や、インターネットのWEBサイトを通じたサービスの拡充などにより、電子申告の普及拡大に向けた施策を積極的に展開している。
  5. (5)  オーストラリアの電子申告の現況
    • ○ オーストラリアにおいては、税務代理人経由の電子申告及びインターネット申告の二種類の電子申告を行っている。
    • ○ 税務代理人経由の電子申告は1990年より導入され、個人所得税、法人所得税などを対象としている。1999年の申告件数は、個人所得税670万件(利用割合68.4%)、法人所得税54万件(同90%)となっている。
    • ○ インターネット申告は、1997年に試行を行い、1999年に個人所得税を対象に導入され、3万人(利用割合0.3%)が申告した。インターネット申告の基本的仕組みは、納税者はオーストラリア国税庁のホームページから申告書作成ソフト及びセキュリティソフトをダウンロード(セキュリティソフトダウンロード時に個人識別番号が付与される)、一問一答式のソフトに従って申告書を作成、インターネット回線を通じて送信する(送信時に納税者番号・個人識別番号・生年月日を入力)というものである。

 以上

連絡先:国税庁長官官房企画課
電話:03−3581−4161(内:3685)



「申告手続の電子化等に関する研究会」第8回会合 出席者

(メンバー)

  • 座長 水野 忠恒 一橋大学法学部教授
  • 栗原 正明 東レ株式会社経理部主計課税務グループリーダー
  • 小室 裕一 自治省税務局企画課長
  • 篠原 滋子 株式会社現代情報研究所代表取締役所長
  • 田中 一志 日本税理士会連合会情報システム委員会副委員長
  • 利根川 政明 利根川印刷株式会社代表取締役社長
  • 本庄 資 国士舘大学政経学部教授
  • 松本 勉 横浜国立大学大学院工学研究科助教授
  • 山根 一眞 ノンフィクション作家

(当局側)

国税審議官、企画課長、事務管理課長、所得税課長、法人税課長