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第1回 地理的表示部会 議事要旨

1.日時

平成27年6月25日(木)13時50分から16時20分

2.場所

中央合同庁舎第4号館共用第三特別会議室

3.出席者

  • (委員)
    • 三村部会長、佐藤部会長代理、篠原委員、奥田臨時委員、鹿取臨時委員、後藤臨時委員、高橋臨時委員、松本臨時委員
  • (国税庁)
    • 上羅審議官、稲本酒税課長、笠酒税企画官、宇都宮鑑定企画官、近藤酒類国際技術情報分析官、松井酒税課課長補佐、田中酒税課課長補佐、山根鑑定企画官補佐、石渡鑑定企画官付企画専門官

4.議題

「酒類の地理的表示に関する表示基準」に関するガイドライン(通達)の内容について

5.議事内容等

「酒類の地理的表示に関する表示基準」に関するガイドライン(通達)の内容について事務局案を審議の上、了承した。

6.審議等の概要

「酒類の地理的表示に関する表示基準」に関するガイドライン(通達)の内容について

  • (総論)
    • ○ ガイドラインでは、産地の特性と産地との関係はしっかり捉えるという思想や、地理的表示は産地の関係者の共通の財産であるという考え方が出ており、地域の振興や日本ワインの振興にとって非常にいいことである。
    • ○ 制度自体を作ることは喜ばしいことと思うが、あまり地域ブランド化のために、行政主導になって生産者が追い付いていかない形で捉えられてしまうことを危惧している。排他的な制度だということを生産者自体が、あまり理解していないという問題もある。
      • → 少なくとも制度の趣旨を理解した上で、域内の酒類業者間で合意することは非常に重要であると考えている。
  • (ぶどう酒の特性について)
    • ○ 地理的表示においては、ぶどうの品種がその土地にどう結びついているかが大切であるが、山梨の場合はヴィニフェラ種として幅広く登録されており、少し疑問に思う。
    • ○ 品種まで絞れる地域もあるかと思うが、実際はいろいろな品種が栽培されていて、そこが涼しい地域だとか温暖な地域だとかということが影響を及ぼしていることが多いので、少し広めでも可能と考えており、それは地域の特性によるのではないかと思う。
    • ○ フランスのように細かく規定して品種の中の特性を規定するよりは、もう少し広い範囲で産地の特性というのを考えた方がよいのではないか。
  • (清酒の特性について)
    • ○ 清酒は原料に関して高度に精米をすることもあり、収穫したぶどうをそのまま使って仕込むワインとは、かなり状況が違う。清酒の特性に関して、他のお酒と違うのは、伝統や歴史という要素、いわば社会的な要因である。人的な要素など、成分とは異なる一般的に認知されている要素に、重きを置くべきではないか。
    • ○ 清酒の場合は、気候風土や社会的な認知の問題もある。また、飲み方からも、酒質に地域的特性が出ているという非常に複雑な要素がたくさんある。評価の仕方を県単位でおおらかにやるのか、厳しくやるのかというのを二通り考えてほしい。
  • (産地の範囲について)
    • ○ フランスのように、地理的表示の中に重層的に地理的表示があるという形も、今後、発展していくときに検討していただきたい。
    • ○ 長野県が地理的表示をとって、高山村がまだ地理的表示をとっていない場合、長野県の中に入っており、高山村のぶどうを長野県で醸造しなくても、高山村は自由に名乗れるのか。
      • → ワインの表示ルールに従っている限り、長野が地理的表示に指定されていたとしても、高山村のぶどうを85%以上使っていれば、高山村と名乗れる。ヨーロッパ等では地理的表示しか表示できないという形になっているが、日本の現状を考えるとそこまで縛っていくのは現実的ではないと考えている。
    • ○ 産地の範囲は、基本的に市町村の行政区画と書いているが、例えば、余市平野や長野盆地という形での申立てもありえるのか。
      • → 一般の行政区画上の名称でなくても指定するということは、十分にあり得る。ただし、明確にどこまでが地理的表示の範囲であるかについては、線引きはしなければならない。表示方法をどうするかはブランド価値等も考えながら、産地で考えていかれることと考えている。
  • (ぶどう酒の原料・製法等について)
    • ○ 産地が補糖や補酸を自主的に決めるようになった場合、過去何年かのデータでこのぐらいが適当だろうということを示してもらう必要があると思う。あまりに緩くては、せっかく地理的表示をつけるのに意味がないので、申立ての前に、産地との相談に応じてもらえるといいのではないか。
    • ○ 補酸や除酸はワインの味わい自体を変えてしまうので、それが無制限に行われてしまうことは危惧する。基本的には、ガイドラインの案に賛成だが、申立ての時に、地域が適切な範囲で、データを揃えて検証した上で提出するような手続になればよいと考える。
    • ○ 基準が厳しくなると、これはやらなくてもいい、自分たちは地理的表示はいらない、ということになってしまいかねない。いろいろな基準を地域に判断してもらい決めていくのが一番良いと思う。
    • ○ 地理的表示ワインが消費者から見た場合にいいワインなのかどうかが重要だと思う。例えば原料として水を使用していないこと、ブランデーやアルコール等を加えていないこと、揮発酸についてのレベルを決めること、といったことが含まれているので、きちんとしたワインであるということの証明となる。
  • (ぶどう酒の官能検査について)
    • ○ 官能検査は、評価する人の経験値に左右されてしまう。日本で審査する人たちが、海外の今の動きについていっているかというと、疑問を感じる。そのような状況で最低限のネガティブ・チェックをどこまで徹底できるのかという不安があり、官能検査はできれば避けていただきたい。
    • ○ ワインは非常にデリケートなお酒で、特に酸化や微生物汚染が起こりやすいお酒でもあるので、最低限のネガティブ・チェックは、地理的表示の名前を汚さないためにも必要ではないかと思う。
    • ○ 官能検査は絶対に必要である。日本の場合は、今からワインを造ろうという人は経験が浅く、そのような人たちが本当にいいワインを造っているかどうかを審査しないと、地理的表示は将来無くなっていってしまうのではないか。
  • (清酒の官能検査について)
    • ○ 清酒の場合は熟成しすぎると好ましくない香りが出てくるということがあり、清酒の場合もほとんど官能検査をやって出荷しているので、これはやるべきである。
    • ○ 清酒のカビ臭は、通常の機械だと検出が難しいものであっても、人間の鼻は非常に敏感にそれを感じ取ることができる。品質のチェックという意味で官能審査は意味がある。

(注) ○は委員の発言であり、→は事務局の回答である。

(以上)