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平成20事務年度における法人税及び源泉所得税の課税の状況について

1法人税の課税の状況

1 法人数の状況

法人数は 6万7千法人、0.8%減少

平成21年6月30日現在(平成20事務年度末)の法人数は67,108法人で、前事務年度末の67,665法人に比べて557法人減少(対前年比 0.8%減)している。

「事務年度」とは
 法人税、消費税及び源泉所得税の事務を実施するために設けた年度のことであり、その期間は毎年7月1日から翌年6月30日までである。

表1 法人数の状況
事務年度

県別
19 20  
対前年比
  法人 法人
富山県 21,829 21,687 99.3
石川県 26,443 26,193 99.1
福井県 19,393 19,228 99.1
合計 67,665 67,108 99.2

(注)法人数は、清算中のものを除く。

「清算中法人」とは
 本来の目的である営業活動を止め、所有財産関係を整理し、組織を廃止する手続中である法人のことである。

2 申告の状況

平成20年4月1日〜平成21年3月31日(平成20会計年度)中に事業年度が終了した法人のうち、平成21年7月末までに申告書の提出があった法人の申告状況は、次のとおりである。

(1)申告件数等

黒字申告割合は29.5%、3.9ポイント減少

申告があった件数は65,902件で、前会計年度の66,384件に比べて482件減少(対前年比0.7%減)している。
 また、黒字申告法人の割合は29.5%で、前会計年度の33.4%に比べて3.9ポイント減少している。

「黒字申告法人」とは
 申告所得金額が黒字(有所得)の法人のことである。

(2)申告所得金額

申告所得金額は4,442億円、26.0%減少

黒字申告した法人の申告所得金額は4,441億74百万円で、前会計年度の6,002億9千万円に比べて1,561億16百万円減少(対前年比26.0%減)している。
 また、黒字申告1件当たりの申告所得金額は 2,286万5千円で、前会計年度の2,706万3千円に比べて419万8千円減少(対前年比15.5%減)している。

(3)申告税額

申告税額は1,197億円、27.1%減少

法人税の申告税額は1,196億92百万円で、前会計年度の1,642億98百万円に比べて446億6百万円減少(対前年比27.1%減)している。

表2 県別の申告の状況
会計年度
項目
19 20  
対前年比
富山県 申告件数 21,564 21,527 99.8%
黒字申告割合 36.0 32.0 ▲4.0ポイント
申告所得金額 212,167 百万円 167,050 百万円 78.7%
黒字申告1件当たり所得金額 27,320 千円 24,284 千円 88.9%
申告税額 57,645 百万円 44,162 百万円 76.6%
石川県 申告件数 25,635 25,459 99.3%
黒字申告割合 31.4 27.3 ▲4.1ポイント
申告所得金額 241,907 百万円 160,057 百万円 66.2%
黒字申告1件当たり所得金額 30,095 千円 23,013 千円 76.5%
申告税額 66,524 百万円 43,611 百万円 65.6%
福井県 申告件数 19,185 18,916 98.6%
黒字申告割合 33.2 29.6 ▲3.6ポイント
申告所得金額 146,216 百万円 117,067 百万円 80.1%
黒字申告1件当たり所得金額 22,929 千円 20,935 千円 91.3%
申告税額 40,129 百万円 31,919 百万円 79.5%
合計 申告件数 66,384 65,902 99.3%
黒字申告割合 33.4 29.5 ▲3.9ポイント
申告所得金額 600,290 百万円 444,174 百万円 74.0%
黒字申告1件当たり所得金額 27,063 千円 22,865 千円 84.5%
申告税額 164,298 百万円 119,692 百万円 72.9%

3 実地調査の状況

(1)調査結果

 申告漏れ所得金額は187億円
 不正脱漏所得金額は57億円
 1件当たり不正脱漏所得金額は825万円

〔法人税の実地調査の状況 表3〕

イ 平成20事務年度において、申告漏れが想定されるなど調査必要度の高い法人3,049件について実地調査を行った結果、申告漏れのあったものは2,231件で、その申告漏れ所得金額は186億86百万円と前事務年度の247億75百万円に比べて60億89百万円減少(対前年比24.6%減)している。

ロ 申告漏れのあった法人のうち、仮装又は隠ぺいにより所得を脱漏していたいわゆる不正計算のあった法人は694件で、その不正脱漏所得金額は57億24百万円と前事務年度の58億69百万円に比べて1億45百万円減少(対前年比2.5%減)している。

ハ 調査した法人1件当たりの申告漏れ所得金額は612万9千円で、前事務年度の786万5千円に比べて173万6千円減少(対前年比22.1%減)している。
 また、不正計算のあった法人1件当たりの不正脱漏所得金額は824万8千円で、前事務年度の724万6千円に比べて100万2千円増加(対前年比13.8%増)している。

ニ 実地調査により追徴した税額は、本税額39億5百万円、加算税額7億68百万円の合計46億73百万円で、前事務年度の合計額52億93百万円に比べて6億2千万円減少(対前年比11.7%減)している。

〔法人事業者に対する消費税の調査状況 表4〕

ホ 平成20事務年度に行った法人事業者に対する消費税の調査件数は2,940件で、このうち1,563件に計算誤りがあり、その追徴税額は8億24百万円で、前事務年度9億5千万円に比べて1億26百万円減少(対前年比13.3%減)している。

「仮装又は隠ぺい」とは
 故意に帳簿の改ざんを行ったり、帳簿書類の作成をせずに売上げその他の収入を除外するなど、意図的に課税所得金額の計算の基礎となるべき真の事実や法律関係と異なる経理処理を行うことである。

表3 法人税の実地調査の状況
事務年度
項目
19 20  
対前年比
実地調査件数1 3,150 3,049 96.8%
申告漏れのあった件数 2,379 2,231 93.8%
同上のうち不正計算のあった件数2 810 694 85.7%
申告漏れ所得金額3 24,775 百万円 18,686 百万円 75.4%
同上のうち不正脱漏所得金額4 5,869 百万円 5,724 百万円 97.5%
調査1件当たりの申告漏れ所得金額(31 7,865 千円 6,129 千円 77.9%
不正申告1件当たりの不正脱漏所得金額(42 7,246 千円 8,248 千円 113.8%
追徴税額 本税額 4,482 百万円 3,905 百万円 87.1%
加算税額 811 百万円 768 百万円 94.7%
追徴税額合計 5,293 百万円 4,673 百万円 88.3%
表4 法人事業者に対する消費税の調査状況
事務年度
項目
19 20  
対前年比
調査件数1 3,003 2,940 97.9%
同上のうち誤りのあった件数 1,599 1,563 97.7%
調査による追徴税額2 950 百万円 824 百万円 86.7%
調査1件当たりの追徴税額(2/1 316 千円 280 千円 88.6%

(注)調査による追徴税額には地方消費税(譲渡割額)を含む。

(2)調査事務の取組事例

稼働無申告法人に対する取組

事業を行っているにもかかわらず申告していない法人は、最低限の義務さえも履行しておらず、国民の公平感を著しく損なうものであることから、こうしたいわゆる稼働無申告法人に対する指導や調査に重点的に取り組んでいます。

《調査事例》
申告義務があることを知りながら、意図的に無申告!!

小売業を営むA社は、帳簿書類を作成せず、売上代金を借名預金口座に振り込ませるなどし、所得を隠ぺいするほか、申告義務があることを知りながら、意図的に申告を怠っていた。

税務署への申告図

仮装赤字申告法人に対する取組

本来、黒字でありながら赤字を装って申告することにより納税を免れている法人は、国民の公平感を著しく損なうものであるため、こうしたいわゆる仮装赤字法人に対して、重点的な調査に取り組んでいます。

《調査事例》
売上げ及び仕入れを除外!!

小売業を営むB社は、利益が出ているにもかかわらず、取引の一部である売上げ及び仕入れを除外し、納税を行っていなかった。

税務署への申告図

海外取引法人に対する取組

経済社会のボーダーレス化が一層進んでいることにより、海外取引を行う法人は、年々増加しています。こうしたいわゆる海外取引法人に対する指導や調査に重点的に取り組んでいます。

《調査事例》
海外で発生した副次的収入を除外!!

製造業を営むC社は、海外において発生した金属屑を現地で売却し、その売却代金を除外するほか、架空の有価証券売却損を計上し、利益調整を行っていた。なお、除外した資金は交際費に使用していた。

IT化に対する取組

パソコンをはじめとするIT環境の利用が不可欠な現在の経済社会において、IT環境を利用した法人申告に対する指導や調査に重点的に取り組んでいます。

《調査事例》
表計算ソフトを利用して棚卸を除外!!

製造業を営むD社は、期末における棚卸資産について、表計算ソフトを利用して集計していたが、集計に当たり、演算式を組み込んで、一定数量の棚卸資産を除外し、利益調整を行っていた。

消費税の不正計算に対する取組

消費税は、主要な税目の一つであり、預り金的性格を有するため、国民の関心が極めて高く、税収等の面でもその位置付けが高まってきています。
 このような状況の下、消費税について虚偽の申告により、納税額を圧縮するケースや、不正に還付金を得るケースも見受けられるため、こうした不正計算を行う悪質な納税者に対しては厳正な姿勢で対応し、適正・公平な課税の実現に努めています。

《調査事例》
人件費を外注費に仮装し、消費税を回避!!

人材派遣業を営むE社は、自社で雇用する従業員を架空の事業者Fから派遣を受けたように仮装し、外注費として計上することにより、消費税を免れていた。

税務署への申告図

(3)不正計算の手口

棚卸しの除外による不正計算がトップ

平成20事務年度において、不正脱漏所得金額が1千万円以上あった126法人について、不正脱漏所得金額を不正の形態別で見ると、棚卸を除外していたものが12億72百万円(29.0%)と最も多く、次いで架空の外注費を計上していたものが8億8百万円(18.4%)、架空の経費を計上していたものが7億2百万円(16.0%)の順となっている。

表5 不正の形態
項目
不正の形態
不正脱漏所得金額 延法人数
  構成割合   構成割合
  百万円
棚卸除外 1,272 29.0 25 10.6
架空外注費 808 18.4 18 7.7
架空経費 702 16.0 61 26.0
売上(収入金)除外 649 14.8 40 17.0
雑収入除外
架空雑損失
471 10.8 64 27.2
架空仕入 344 7.9 12 5.1
架空労務費 92 2.1 12 5.1
その他 43 1.0 3 1.3
4,381 100.0 235 100.0
(実法人数は126件)