令和3年6月
国税庁

○ 国税に関する法律に基づく処分についての納税者の救済制度には、処分庁(税務署長など)に対する再調査の請求や国税不服審判所長に対する審査請求という行政上の救済制度(不服申立制度)と、裁判所に対して訴訟を提起して処分の是正を求める司法上の救済制度があります。

○ このうち、「再調査の請求」は、税務署長などが更正・決定や差押えなどの処分をした場合に、その処分に不服がある納税者が税務署長などに対してその処分の取消しや変更を求める手続です。

○ 国税庁においては、納税者の権利利益の救済及び行政の適正な運営の確保という制度の趣旨を踏まえた適切な不服申立事務の遂行に努めています。

1 再調査の請求の発生状況(表1)

=再調査の請求の発生件数は1,000件で、前年度より26.4%減少=

(表1)
異議申立ての状況のグラフ

○ 令和2年度における再調査の請求の発生件数は1,000件であり、前年度と比べ26.4%の減少となっています。

2 再調査の請求の処理状況(表2)

=再調査の請求における認容割合は10.0%=

(表2)
異議申立ての処理状況のグラフ

○ 令和2年度における再調査の請求の処理件数は999件となっています。

○ 簡易迅速な手続により納税者の権利利益の救済を図るため、再調査の請求については、迅速な処理に努めており、標準審理期間を3か月と定めています。なお、処理件数のうち、3か月以内の処理件数割合は99.9%※となっています(割合は、相互協議事案、公訴関連事案及び国際課税事案のほか、令和2年度は、災害等による調査の中断や納税者の都合によって再調査の請求を3か月以内に処理できなかった事案(A)を除いて算出しています。)。
※ Aの事案を含めた場合の3か月以内の処理件数割合は87.9%となっています。

○ 処理件数のうち、納税者の主張が何らかの形で受け入れられた件数(認容件数)は100件(一部認容96件、全部認容4件)で、その割合は10.0%となっています。

(参考計表)

1 再調査の請求の発生状況

(単位:件、%)
区分 課税関係 徴収関係 合計
申告所得税等 源泉所得税等 法人税等 相続税
贈与税
消費税等 その他
令和元年度 内 258 内 14 内 84 50 内 199 0 1,237 122 1,359
547 28 214 398
令和2年度 内 168 内 10 内 89 45 内 150 0 968 32 1,000
391 22 210 300
前年度比 内 65.1 内 71.4 内 106.0 90.0 内 75.4 78.3 26.2 73.6
71.5 78.6 98.1 75.4

(注)

  1. 1 再調査の請求の発生件数は、税目・年分ごとにカウントしており、例えば、申告所得税及び復興特別所得税について、2年分の再調査の請求がされた場合は、4件となります。
  2. 2 「申告所得税等」は、申告所得税及び復興特別所得税の件数であり、内書きは復興特別所得税の件数です。
  3. 3 「源泉所得税等」は、源泉所得税及び復興特別所得税の件数であり、内書きは復興特別所得税の件数です。
  4. 4 「法人税等」は、法人税、復興特別法人税及び地方法人税の件数であり、内書きは復興特別法人税及び地方法人税の件数です。
  5. 5 「消費税等」は、消費税及び地方消費税の件数であり、内書きは地方消費税の件数です。

2 再調査の請求の処理状況

(単位:件、%)
区分 要処理件数 再調査の請求の処理状況 未済 3か月以内処理件数割合
取下げ等 却下 棄却 認容 合計
  一部 全部
 
令和元年度
                337 91.1
(構成比) 1,850 187 125 1,014 187 141 46 1,513
    (12.4) (8.3) (67.0) (12.4)      
  課税関係 1,711 170 72 962 185 140 45 1,389 322 90.3
徴収関係 139 17 53 52 2 1 1 124 15 100.0
 
令和2年度
              338 99.9
(構成比) 1,337 125 95 679 100 96 4 999
    (12.5) (9.5) (68.0) (10.0)      
  課税関係 1,290 119 80 658 100 96 4 957 333 99.9
徴収関係 47 6 15 21 0 0 0 42 5 100.0

(注)

  1. 1 3か月以内処理件数割合については、相互協議事案、公訴関連事案及び国際課税事案のほか、令和2年度は、災害等による調査の中断や納税者の都合によって再調査の請求を3か月以内に処理できなかった事案(A)を除いて算出しています。なお、Aの事案を含めた場合の3か月以内処理件数割合は87.9%となります。
  2. 2 件数には「異議申立て」の件数が含まれます。