平成25年6月
国税庁

 国税に関する法律に基づく処分についての納税者の救済制度には、処分庁に対する異議申立て及び国税不服審判所長に対する審査請求という行政上の救済制度(不服申立制度)と、裁判所に対して訴訟を提起して処分の是正を求める司法上の救済制度があります。

 このうち、「異議申立て」は、税務署長などが更正・決定や差押えなどの処分をした場合に、その処分に不服がある納税者が税務署長などに対してその処分の取消しや変更を求める手続であり、国税に関する処分についての納税者の救済制度の第一段階です。

 異議申立事務の遂行に当たっては、納税者の権利救済及び行政の適正な運営の確保という制度の趣旨を踏まえた適切な運営を心掛けているところです。

 今般、平成24年度(平成24年4月1日から平成25年3月31日まで)の異議申立ての状況を次のとおり取りまとめました。

異議申立て <簡易・迅速かつ適正な権利救済>

1 異議申立ての状況(表1)

 =異議申立ての件数は3,424件で、前年度より10.0%減少=

(表1)
異議申立ての状況のグラフ

 平成24年度における異議申立ての件数は、申告所得税、源泉所得税、法人税等、相続税・贈与税、消費税等及び徴収関係に係る件数が減少したことに伴い3,424件と過去10年間で最少であり、前年度と比べ10.0%の減少となっています。

2 異議申立ての処理状況(表2)

 =異議申立てにおける認容割合は9.9%で、前年度より増加=

(表2)
異議申立ての処理状況のグラフ

 平成24年度の異議申立ての処理件数は3,286件となっています。

 処理件数のうち、納税者の主張が何らかの形で受け入れられた件数は325件(一部認容260件、全部認容65件)で、その割合は9.9%(一部認容7.9%、全部認容2.0%)となっており、前年度と比べ1.6ポイントの増加となっています。

 異議申立てについては、迅速な処理に努めており、異議申立ての3か月以内の処理件数割合は95.4%となっています(割合は、相互協議事案、公訴関連事案及び国際課税事案を除いて算出しています)。

(参考計表)

1 異議申立ての状況

(単位:件、%)
区分 課税関係 徴収関係 合計
申告所得税 源泉所得税 法人税等 相続税
贈与税
消費税等 その他  
23年度 983 80 562 398 1,363 9 3,395 408 3,803
24年度 836 74 455 335 1,325 8 3,033 391 3,424
前年度比 85.0 92.5 81.0 81.3 97.2 88.9 89.3 95.8 90.0

2 異議申立ての処理状況

(単位:件、%)
区分 要処理件数 異議申立ての処理状況 未済 3か月以内処理件数割合
取下げ等 却下 棄却 認容 合計
  一部 全部
23年度(構成比) 5,189 641 413 3,082 375   4,511 678 92.6
331 44
(14.2) (9.2) (68.3) (8.3) (7.3) (1.0) (100.0)
24年度(構成比) 4,102 576 396 1,989 325   3,286 816 95.4
260 65
(17.5) (12.1) (60.5) (9.9) (7.9) (2.0) (100.0)
  課税関係 3,631 512 218 1,811 322 258 64 2,863 768 95.1
徴収関係 471 64 178 178 3 2 1 423 48 97.4

(注) 3か月以内処理件数割合については、相互協議事案、公訴関連事案及び国際課税事案を除いて算出しています。