(1) 審査概況

東京国税局では、平成30年酒類鑑評会を開催し、出品された清酒、本格焼酎及びビール・発泡酒について、第1審を9月25日(火)及び26日(水)に、第2審については、本格焼酎部門は26日(水)、清酒吟醸部門、清酒純米吟醸部門、清酒燗酒部門及び清酒純米燗酒部門は、28日(金)に行いました。
 全体の出品状況は、清酒吟醸部門に29場29点、清酒純米吟醸部門に33場33点、清酒燗酒部門に26場26点、清酒純米燗酒部門に37場37点、本格焼酎部門に11場22点及びビール・発泡酒部門に20場47点の出品がありました。
 審査は部門別に、酒類の品質評価に十分な経験及び能力を有するとともに、製造方法や貯蔵・熟成に関する知識を有する者10〜12名の審査員により、採点法並びに特性及び欠点の指摘によって、味、香り及び香味の調和を慎重かつ厳正に評価しました。
 その結果、清酒吟醸部門11場、清酒純米吟醸部門13場、清酒燗酒部門10場、清酒純米燗酒部門14場及び本格焼酎部門4場を、優等賞受賞製造場として選定し、10月30日(火)に東京国税局にて表彰式を行いました。
 また、同日、酒類製造技術及び酒質の向上に資するため、全出品酒を公開する製造技術研究会を開催しました。

(2) 出品酒の酒質

各部門の出品酒における品質の総評は、以下のとおりです。

イ 清酒各部門

原料米は、平成28酒造年度と比べて溶けやすい傾向にあったため、米由来の味わい豊かな酒質の出品酒が多く出品されていました。酒造期に例年にないほど冷え込んだ影響もあり、醪管理に苦労したとの話も聞いております。

  • (イ) 清酒吟醸部門

    穏やかで上品な吟醸香と、軽快な味わいとソフトな甘みが調和した吟醸酒が数多く出品されていました。

  • (ロ) 清酒純米吟醸部門

    酒質は、軽快で切れがよいものから原料米からの味わいを引き出した豊かでふくらみのあるものまで多様であり、また、吟醸香も酵母の特性を反映し、バラエティに富んでいました。

  • (ハ) 清酒燗酒部門

    辛口で軽快なものから熟成感のある味わい深いものまで、酒質の多様化が図られており、それぞれの個性を活かした食中酒としての品質が感じられる燗酒となっていました。

  • (ニ) 清酒純米燗酒部門

    甘味や酸味と熟成による口当たりのやわらかさが米由来の旨味と調和し、なめらかでコクを感じられる燗上がりする酒質に仕上がっていました。

ロ 本格焼酎部門

米、麦、甘藷及び酒粕等の原料特性や蒸留方法が香味に反映され、クリーンな香りや奥深い味わいを有した個性豊かな品質の本格焼酎に仕上がっており、近年の酒質向上の成果がうかがえました。

ハ ビール・発泡酒部門

今年4月の酒税法改正を反映し、様々な原料を用いたビールや発泡酒が出品されていました。いずれの出品酒も原料特性が感じられ、しっかりとした味わいを持つ良質でバラエティに富んだビール・発泡酒となっていました。


平成30年酒類鑑評会の結果について

  1. 1 鑑評会の開催目的等
  2. 2 出品状況
  3. 3 優等賞受賞製造場一覧
  4. 4 審査概況と出品酒の酒質
  5. 5 審査員等
  6. 6 Tokyo Regional Sake Awards 2018(in English)