国税局においては、申告内容や各種資料情報を検討し、大口・悪質な不正計算が想定される、調査必要度が高い法人を的確に選定の上、厳正な調査を実施しています。
その結果、平成28事務年度の調査において、法人税の不正発見割合の高い業種は、「その他の飲食(60.7%)」、「管工事(39.8%)」、「職別土木建築工事(39.0%)」の順となっており、不正申告1件当たりの不正所得金額の大きな業種は、「建売、土地売買(9,000万円)」、「構築用金属製品製造(8,300万円)」、「その他の不動産(4,100万円)」の順となっています。
順位 | 項目 | 不正発見割合 | 前年順位 | (参考) 不正1件当たりの不正所得金額 |
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業種目 | ||||
1 | その他の飲食 | % | 3 | 千円 |
60.7 | 9,482 | |||
2 | 管工事 | 39.8 | 7 | 6,394 |
3 | 職別土木建築工事 | 39.0 | 6 | 8,963 |
4 | 構築用金属製品製造 | 35.0 | − | 83,147 |
5 | 自動車修理業 | 34.7 | − | 2,348 |
6 | 電気・通信工事 | 34.6 | − | 5,013 |
7 | 土木工事 | 33.8 | 5 | 4,485 |
8 | 漁業、水産養殖業 | 33.3 | − | 13,282 |
9 | 廃棄物処理 | 32.8 | − | 6,853 |
10 | 貨物自動車運送 | 32.5 | 8 | 7,151 |
(注) 網掛は、「不正申告1件当たりの不正所得金額の大きな10業種」にも掲載された業種を示します。
順位 | 業種目 | 具体的な業種の内容 |
---|---|---|
1 | その他の飲食 | 焼肉、ラウンジ、食堂 |
2 | 管工事 | 冷暖房設備工事、給排水・衛生設備工事、ガス配管工事 |
3 | 職別土木建築工事 | とび・コンクリート工事、鉄骨・鉄筋工事、左官工事、解体工事 |
順位 | 項目 | 不正1件当たりの不正所得金額 | 前年順位 | (参考) 不正発見割合 |
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業種目 | ||||
1 | 建売、土地売買 | 千円 | − | % |
90,476 | 18.2 | |||
2 | 構築用金属製品製造 | 83,147 | − | 35.0 |
3 | その他の不動産 | 40,961 | 9 | 16.0 |
4 | 水運業 | 30,689 | 3 | 15.9 |
5 | 漁業、水産養殖業 | 13,282 | − | 33.3 |
6 | その他の対個人サービス | 12,999 | − | 17.4 |
7 | その他の対事業所サービス | 12,283 | − | 19.1 |
8 | 医療保健 | 11,091 | − | 24.0 |
9 | その他の飲食 | 9,482 | − | 60.7 |
10 | 職別土木建築工事 | 8,963 | − | 39.0 |
(注) 網掛は、「不正発見割合の高い10業種」にも掲載された業種を示します。
順位 | 業種目 | 具体的な業種の内容 |
---|---|---|
1 | 建売、土地売買 | 建売、土地売買 |
2 | 構築用金属製品製造 | 建設用・建築用金属製品製造 |
3 | その他の不動産 | 不動産賃貸 |
消費税は、預り金的性格を有するため、適正な税務執行が一層求められています。
特に、消費税について虚偽の申告により不正に還付金を得るケースが見受けられるため、こうした不正還付等を行う悪質な法人に対して厳正な調査を実施しています。
平成28事務年度においては、消費税還付申告法人251件(前年対比116.7%)に対し実地調査を実施したところ、このうち145件(同110.7%)に非違があり、消費税3億2,700万円(同222.4%)を追徴課税しました。
事務年度等 | 26 | 27 | 28 | |||
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項目 | 前年対比 % | |||||
実地調査件数 | 件 | 260 | 215 | 251 | 116.7 | |
非違のあった件数 | 件 | 171 | 131 | 145 | 110.7 | |
うち不正計算のあった件数 | 件 | 44 | 23 | 31 | 134.8 | |
調査による追徴税額 | 百万円 | 312 | 147 | 327 | 222.4 | |
うち不正計算に係る追徴税額 | 百万円 | 29 | 35 | 61 | 174.3 | |
うち加算税額 | 百万円 | 49 | 25 | 49 | 196.0 |
事業を行っているにもかかわらず申告をしていない法人を放置しておくことは、納税者の公平感を著しく損なうものであることから、国税局では、こうした稼働無申告法人に対する調査に重点的に取り組んでいます。
平成28事務年度においては、事業を行っていると見込まれる無申告法人に対し実地調査を実施し、法人税7,600万円(前年対比96.2%)、消費税7,800万円(同162.5%)、合わせて1億5,400万円(同121.3%)を追徴課税しました。
このうち、稼働している実態を隠し、意図的に無申告であった法人に対し、法人税4,900万円(同71.0%)、消費税700万円(同53.8%)を追徴課税しました。
事務年度等 | 26 | 27 | 28 | ||||
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項目 | 前年対比 % | ||||||
法人税 | 実地調査件数 | 件 | 57 | 51 | 58 | 113.7 | |
うち意図的な無申告法人を把握した件数 | 件 | 2 | 10 | 9 | 90.0 | ||
追徴税額 | 百万円 | 51 | 79 | 76 | 96.2 | ||
うち意図的な無申告法人に係る追徴税額 | 百万円 | 33 | 69 | 49 | 71.0 | ||
消費税 | 実地調査件数 | 件 | 48 | 45 | 45 | 100.0 | |
うち意図的な無申告法人を把握した件数 | 件 | 0 | 7 | 4 | 57.1 | ||
追徴税額 | 百万円 | 45 | 48 | 78 | 162.5 | ||
うち意図的な無申告法人に係る追徴税額 | 百万円 | 0 | 13 | 7 | 53.8 | ||
追徴税額合計 | 百万円 | 96 | 127 | 154 | 121.3 | ||
うち意図的な無申告法人に係る追徴税額 | 百万円 | 33 | 82 | 56 | 68.3 |
(注) 調査による追徴税額には加算税及び地方消費税(譲渡割額)が含まれています。
経済の国際化に伴い、国境を越えた事業・投資活動が複雑・多様化する中、国税局では、調査必要度の高いと認められる海外取引法人に対し、実地調査を実施するとともに、非居住者や外国法人に対する支払について、源泉所得税等の観点から、重点的かつ深度ある調査を実施しています。
平成28事務年度においては、海外取引法人338件(前年対比114.6%)に対して調査を実施し、このうち海外取引に係る申告漏れのあった件数は88件(同112.8%)、申告漏れ所得金額は26億1,100万円(同125.5%)となっています。また、国際源泉所得税については11件(同84.6%)において課税漏れを把握し、1,900万円(同316.7%)を追徴課税しました。
事務年度等 | 26 | 27 | 28 | ||||
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項目 | 前年対比 % | ||||||
実地調査件数 | 件 | 289 | 295 | 338 | 114.6 | ||
海外取引に係る申告漏れ件数 | 件 | 83 | 78 | 88 | 112.8 | ||
うち不正計算のあった件数 | 件 | 11 | 9 | 13 | 144.4 | ||
海外取引に係る申告漏れ所得金額 | 百万円 | 1,799 | 2,080 | 2,611 | 125.5 | ||
うち不正所得金額 | 百万円 | 401 | 113 | 255 | 225.7 |
事務年度等 | 26 | 27 | 28 | ||||
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項目 | 前年対比 % | ||||||
非違件数 | 件 | 20 | 13 | 11 | 84.6 | ||
課税漏れ支払金額 | 百万円 | 80 | 30 | 109 | 363.3 | ||
追徴税額 | 百万円 | 13 | 6 | 19 | 316.7 | ||
うち加算税額 | 百万円 | 1 | 1 | 2 | 200.0 |