平成22年12月
高松国税局

相続税の調査の状況

 相続税の実地調査については、平成19年中及び平成20年中に発生した相続を中心に、国税局及び税務署で収集した資料情報等を基に、申告額が過少であると想定されるものや、申告義務があるにもかかわらず無申告となっていることが想定されるものなどに対して実施しました。

ポイント

  • 調査を行った584件のうち、546件(93.5%)で申告漏れ等が把握されました。
  • 申告漏れ課税価格は157億91百万円、追徴税額(加算税を含む。)は25億61百万円で、対前事務年度比は、申告漏れ課税価格で4.5%、追徴税額(加算税を含む。)で23.0%それぞれ減少しています。
  • 申告漏れのあった相続財産の種類別の状況は、現金・預貯金等が59億66百万円(構成比36.7%)と最も多くなっています。

1 調査件数及び申告漏れ等の非違があった件数等

 実地調査の件数は584件(前事務年度575件)、このうち申告漏れ等の非違があった件数は546件(前事務年度532件)で、非違割合は93.5%(前事務年度92.5%)となっています。

2 申告漏れ課税価格

 申告漏れ課税価格は157億91百万円(前事務年度165億31百万円)で、申告漏れ1件当たりでは2,892万円(前事務年度3,107万円)となっています。

3 申告漏れ相続財産の種類別の状況

 申告漏れ相続財産の種類別の状況は、現金・預貯金等59億66百万円(前事務年度67億73百万円)が最も多く、続いて有価証券26億98百万円(前事務年度24億43百万円)、土地23億66百万円(前事務年度26億38百万円)の順となっています。

4 追徴税額

 追徴税額(加算税を含む。)は25億61百万円(前事務年度33億27百万円)で、申告漏れ1件当たりでは469万円(前事務年度625万円)となっています。

5 重加算税の賦課件数等

 重加算税の賦課件数は68件(前事務年度70件)、賦課割合は12.5%(前事務年度13.2%)となっています。

表1 相続税の調査状況
事務年度
項目
平成20事務年度 平成21事務年度  
対前事務年度比
1 調査件数
575 584 101.6
2 申告漏れ等の非違件数
532 546 102.6
3 非違割合
(2/1)
ポイント
92.5 93.5 +1.0
4 重加算税賦課件数
70 68 97.1
5 重加算税賦課割合
(4/2)
ポイント
13.2 12.5 -0.7
6 申告漏れ課税価格 百万円 百万円
16,531 15,791 95.5
7 6のうち重加算税賦課対象 百万円 百万円
1,386 1,821 131.4
8 追徴税額 本税 百万円 百万円
2,905 2,215 76.2
9 加算税 百万円 百万円
422 346 82.0
10 合計 百万円 百万円
3,327 2,561 77.0
11 申告漏れ1件当たり 申告漏れ課税価格
(6/2)
万円 万円
3,107 2,892 93.1
12 追徴税額
(10/2)
万円 万円
625 469 75.0

(注) 6「申告漏れ課税価格」は、申告漏れ相続財産価額(相続時精算課税適用財産を含む。)から、被相続人の債務・葬式費用の額(調査による増減分)を控除し、相続開始前3年以内の被相続人から法定相続人等への生前贈与財産額(調査による増減分)を加えたものである。

表2 申告漏れ相続財産の種類別の状況
平成19事務年度から平成21事務年度の相続税の申告漏れ相続財産内訳ごとの金額の推移を表したグラフ

表3 相続税の無申告事案に係る調査状況
事務年度
項目
平成20事務年度 平成21事務年度  
対前事務年度比
1 実地調査件数
32 30 93.8
2 申告漏れ等の非違件数
24 28 116.7
3 申告漏れ課税価格 百万円 百万円
4,461 4,154 93.1
4 追徴税額 百万円 百万円
656 190 29.0
5 申告漏れ1件当たり 申告漏れ課税価格
(3/2)
万円 万円
18,588 14,836 79.8
6 追徴税額
(4/2)
万円 万円
2,733 679 24.8

相続税の申告の状況

 平成21年中(平成21年1月1日〜平成21年12月31日)に亡くなった人(被相続人)から、相続や遺贈などにより財産を取得した人に係る申告状況(平成22年10月31日までに提出された申告書で相続税額のあるもの)の概要は次のとおりです。

ポイント

  • 相続税の申告書(相続税額があるもの)の提出に係る被相続人数は1,377人で、対前年比は5.3%減少しています。
  • 課税価格は2,587億98百万円、税額は195億70百万円で、対前年比は、課税価格で7.6%、税額で24.1%それぞれ減少しています。
  • 相続財産の種類別の構成比は、土地が47.2%(1,300億50百万円)、現金・預貯金等が22.7%(626億28百万円)、有価証券が13.8%(379億3百万円)となっています。

※ 課税価格:相続財産価額から、被相続人の債務・葬式費用を控除し、相続開始前3年以内の被相続人から相続人等への生前贈与財産価額及び相続時精算課税適用財産価額を加えた相続税の計算の基礎となるもの。

1 被相続人数

 被相続人数は44,465人(前年44,756人)、このうち相続税の申告書(相続税額があるもの)の提出に係る被相続人数は1,377人(前年1,454人)で、課税割合は3.1%(前年3.2%)となっています。

平成12年分から平成21年分の被相続人数及び相続税の課税対象となった被相続人数の推移を表したグラフ

平成12年分から平成21年分の相続税の課税割合の推移を表したグラフ

2 課税価格

 課税価格は2,587億98百万円(前年2,800億95百万円)で、被相続人1人当たりでは1億8,794万円(前年1億9,264万円)となっています。

3 税額

 税額は195億70百万円(前年257億85百万円)で、被相続人1人当たりでは1,421万円(前年1,773万円)となっています。

平成12年分から平成21年分の相続税の課税価格及び税額の推移を表したグラフ

4 相続財産の種類別の構成比

 相続財産の種類別の構成比は、土地47.2%(前年45.1%)、現金・預貯金等22.7%(前年21.7%)、有価証券13.8%(前年16.8%)の順となっています。

平成21年分相続財産の種類別の財産額及び構成比

(単位:百万円・%)
種類 土地 家屋 有価証券 現金・預貯金等 その他 合計
財産額 130,050 15,390 37,903 62,628 29,547 275,518
(構成比) (47.2) (5.6) (13.8) (22.7) (10.7) (100.0)

種類別の構成比の推移 グラフ

表 相続税の申告状況
年分
項目
平成20年分 平成21年分  
対前年比
1 被相続人数(死亡者数)
44,756 44,465 99.3
2 相続税の申告書(相続税額があるもの)の提出に係る被相続人数
1,454 1,377 94.7
3 課税割合
(2/1)
ポイント
3.2 3.1 -0.1
4 相続税の納税者である相続人数
3,356 3,152 93.9
5 課税価格 百万円 百万円
280,095 258,798 92.4
6 税額 百万円 百万円
25,785 19,570 75.9
7 被相続人1人当たり 課税価格
(5/2)
万円 万円
19,264 18,794 97.6
8 税額
(6/2)
万円 万円
1,773 1,421 80.1

(注)

  • 1 平成20年分は平成21年10月31日までに提出された「申告書(修正申告書を除く。)」に基づいて作成しており、平成21年分は、平成22年10月31日までに提出された「申告書(修正申告書を除く。)」のうち入力されたデータ(速報値)に基づいて作成している。
  • 2 「課税価格」は、相続財産価額から、被相続人の債務・葬式費用を控除し、相続開始前3年以内の被相続人から相続人等への生前贈与財産価額及び相続時精算課税適用財産価額を加えたものである。
  • 3 「被相続人数(死亡者数)」は、厚生労働省統計情報部「人口動態統計」による。