平成28年11月
仙台国税局

相続税について、平成27事務年度(平成27年7月から平成28年6月までの間)に実施した実地調査の状況をまとめましたのでお知らせします。

実地調査件数は493件で前年並み
申告漏れ課税価格は137億円で前年より40億円増加

1 実地調査件数及び申告漏れ等の非違件数

相続税の実地調査については、平成25年に発生した相続を中心に、国税局及び税務署で収集した資料情報等から申告額が過少であると想定されるものや、申告義務があるにもかかわらず無申告と想定されるものなどに対して実施しました。

実地調査の件数は493件(平成26事務年度483件)、このうち申告漏れ等の非違があった件数は414件(平成26事務年度409件)で、非違割合は84.0%(平成26事務年度84.7%)となっています。

2 申告漏れ課税価格

申告漏れ課税価格は137億円(平成26事務年度97億円)で、実地調査1件当たりでは2,772万円(平成26事務年度2,010万円)となっています。

3 申告漏れ相続財産の金額の内訳

申告漏れ相続財産の金額の内訳は、現金・預貯金等43億円(平成26事務年度34億円)が最も多く、続いて土地・家屋30億円(平成26事務年度14億円)、有価証券8億円(平成26事務年度5億円)の順となっています。

4 追徴税額

追徴税額(加算税を含む。)は19.5億円(平成26事務年度16.9億円)で、実地調査1件当たりでは396万円(平成26事務年度351万円)となっています。

5 重加算税の賦課件数

重加算税の賦課件数は51件(平成26事務年度39件)、賦課割合は12.3%(平成26事務年度9.5%)となっています。

(別表)相続税の調査事績

項目平成26事務年度平成27事務年度
対前事務年度比
1実地調査件数
483 493 102.1
2申告漏れ等の非違件数
409 414 101.2
3非違割合
(21
ポイント
84.7 84.0 マイナス 0.7
4重加算税賦課件数
39 51 130.8
5重加算税賦課割合
42
ポイント
9.5 12.3 2.8
6申告漏れ課税価格(※)億円億円
97 137 140.8
76のうち
重加算税賦課対象
億円億円
10 15 152.3
8追徴税額本税億円億円
14.9 16.7 111.7
9加算税億円億円
2.0 2.8 140.1
10合計億円億円
16.9 19.5 115.1
11実地調査
1件当たり
申告漏れ課税価格
61
万円万円
2,010 2,772 137.9
12追徴税額
101
万円万円
351 396 112.8

(※) 「申告漏れ課税価格」は、申告漏れ相続財産額(相続時精算課税適用財産を含む。)から、被相続人の債務・葬式費用の額(調査による増減分)を控除し、相続開始前3年以内の被相続人から法定相続人等への生前贈与財産額(調査による増減分)を加えたものである。このため、付表1「申告漏れ相続財産の金額の推移」の金額と一致しない。

(付表1)申告漏れ相続財産の金額の推移

【仙台国税局】

平成23事務年度から平成27事務年度分の申告漏れ相続財産の金額の推移のグラフ

(付表2)申告漏れ相続財産の金額の構成比の推移

【仙台国税局】

平成23事務年度から平成27事務年度分の申告漏れ相続財産の金額の構成比の推移のグラフ

(付表3)無申告事案に係る調査事績

無申告事案は、申告納税制度の下で自発的に適正な申告・納税を行っている納税者の税に対する公平感を著しく損なうものであることから、資料情報の更なる収集・活用など無申告事案の把握のための取組を積極的に行い、的確な課税処理に努めています。

項目平成26事務年度平成27事務年度
対前事務年度比
1実地調査件数
24 57 237.5
2申告漏れ等の非違件数
16 46 287.5
3非違割合
(21
ポイント
66.7 80.7 14.0
4申告漏れ課税価格(※)億円億円
17 68 395.7
5追徴税額本税億円億円
0.4 4.2 1,079.7
6加算税億円億円
0.1 1.0 1,298.2
7合計億円億円
0.5 5.2 1,114.9
8実地調査
1件当たり
申告漏れ課税価格
41
万円万円
7,145 11,904 166.6
9追徴税額
71
万円万円
195 914 469.4

仙台国税局においては、実地による税務調査を適切に実施する一方で、納税者の自発的な納税義務の履行支援等を目的とした実地調査以外の多様な手法を効果的・効率的に活用し、適正申告の確保に努めています。
 その一環として、税務署が保有する情報から相続税の無申告が想定される者に対し、無申告理由のお尋ね等による書面照会を行うなど、自発的な期限後申告書の提出を促す取組も実施しています。

(付表4)贈与税に係る調査事績

仙台国税局では、相続税の補完税である贈与税の適正な課税を実現するため、積極的に資料情報を収集するとともに、相続税調査時等、あらゆる機会を通じて財産移転の把握に努めており、無申告事案を中心に、平成28事務年度も積極的に贈与税の調査を実施します。
 また、納税者の自発的な納税義務の履行支援等を目的とした実地調査以外の多様な手法を効果的・効率的に活用し、適正申告の確保に努めています。

項目平成26事務年度平成27事務年度
対前事務年度比
1実地調査件数
139 154 110.8
2申告漏れ等の非違件数
125 141 112.8
3申告漏れ課税価格億円億円
7 6 94.3
4追徴税額本税億円億円
1.8 1.3 74.5
5実地調査
1件当たり
申告漏れ課税価格
31
万円万円
480 409 85.2
6追徴税額
41
万円万円
126 85 67.2

1.調査事績に占める無申告事案の状況(平成27事務年度)

○ 仙台国税局では、あらゆる機会を通じて把握した生前の資産保有・移動状況に関する情報を蓄積・活用するなどして、贈与税の無申告事案の積極的な調査に努めています。

<「申告漏れ等の非違件数」の状況>
調査事績に占める申告漏れ等の非違件数の状況のグラフ(平成27事務年度)。無申告93.6%。申告有6.4%。
<「申告漏れ課税価格」の状況>
申告漏れ課税価格の状況のグラフ(平成27事務年度)。無申告91.4%。申告有8.6%。

2.調査事績に係る申告漏れ財産の内訳(平成27事務年度)

調査事績に係る申告漏れ財産の内訳のグラフ(平成27事務年度)。土地・家屋約21百万円、有価証券約28百万円、現金・預貯金354百万円。その他227百万円

(注) 各財産の金額は申告漏れ課税価格、( )内の数値は構成比である。

各県別(青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県)の相続税の調査事績