平成25年11月
仙台国税局

T 平成24事務年度 法人税等の申告(課税)事績について

平成24事務年度における法人税、復興特別法人税、源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税の申告(課税)事績がまとまりましたので、その概要を報告します。

平成24年度における法人税の申告事績の概要

申告所得金額、申告税額ともに2年連続増加

  • 平成24年度における法人税の申告件数は155千件で、その申告所得金額の総額は10,541億円、申告税額の総額は2,673億円と、前年度と比べ、それぞれ1,513億円(16.8%)、231億円(9.5%)増加し、2年連続の増加となりました。
  • (注) 平成24年4月1日から平成25年3月31日までに終了した事業年度に係る申告について、平成25年7月末までに申告があったものを集計したものです。
  • なお、平成23年度には、東日本大震災の発生(平成23年3月11日)により、岩手県、宮城県及び福島県の全域について申告期限延長措置がとられ、平成22年度から平成23年度に申告・納付期限が延長されたものが含まれていることに留意する必要があります。
法人税の申告及び税額の状況
年度等 23 24
項目 件数等 件数等 増減額 前年対比
申告件数 千件 159 155 マイナス4 97
申告所得金額 億円 9,028 10,541 1,513 116.8
申告税額 億円 2,442 2,673 231 109.5

平成5年度から平成24年度の申告所得金額の推移のグラフ。

(注) 平成19事務年度以前は、その年の7月1日から翌年6月30日までに申告期限が到来し、申告のあったものを集計しています。

黒字申告割合は33.6%と2年連続上昇

  • 黒字申告割合は33.6%となり、前年度に比べ5.6ポイント増加し、2年連続の上昇となりました。
黒字申告割合の状況
年度等 23 24
項目 件数等 件数等 前年対比
申告件数 千件 159 155 97
黒字申告割合 28 33.6 +5.6

平成5年度から平成24年度の黒字申告割合の推移のグラフ。

【東日本大震災に伴う申告等の期限延長】
  1. 1 東日本大震災の発生に伴い申告等の期限が延長されていた岩手県、宮城県及び福島県の3県のうち、一部の地域については、申告等の期限が平成23年9月30日、同年12月15日、平成24年4月2日とされました。
  2. 2 福島県の一部の地域については、申告期限が延長されており、集計時点(毎年7月末)までに申告があった場合は、その年度の数値に加えて集計しています。

(参考計表) 平成24年度における法人税等の申告事績

別表1
法人数の状況
区分 平成24年6月30日現在 平成25年6月30日現在
項目 件数 前年対比 件数 前年対比
法人数 法人 162,062 100.3 163,765 101.1

(注) 清算中法人を除く

別表2
法人税の申告の状況
年度等 23 24
項目 件数等 前年対比 件数等 前年対比
申告件数 1 159,397 108.1 154,594 97.0
申告割合 2 92.6 マイナス0.7 92.7 +0.1
黒字申告割合 3 28.0 +1.4 33.6 +5.6
申告所得金額 4 億円 9,028 151.2 10,541 116.8
黒字申告1件当たり所得金額 5 千円 20,223 132.8 20,284 100.3
申告欠損金額 6 億円 8,194 127.0 6,111 74.6
赤字申告1件当たり欠損金額 7 千円 7,141 119.8 5,954 83.4
別表3
法人税の税額の状況
年度等 23 24
項目 金額 前年対比 金額 前年対比
申告税額 億円 2,442 154.4 2,673 109.5
別表4
復興特別法人税の税額の状況
年度等 23 24
項目 金額 前年対比 金額 前年対比
申告税額 億円 - - 116 -

(注) 平成24年4月1日以降に開始し、平成25年3月31日までに終了した事業年度に係る申告について、平成25年7月末までに申告があったものを集計したものです。

平成24事務年度における源泉所得税等の課税事績の概要

源泉所得税等の税額は2年連続の増加

平成24事務年度における源泉所得税等の税額は4,108億円で、前年度に比べ180億円(4.6%)増加し、2年連続の増加となりました。これを主な所得についてみると、給与所得の税額は107億円(3.2%)、配当所得の税額は84億円(34.6%)増加し、利子所得等の税額は13億円(13.2%)減少しています。

(注)

  1. 1 平成24年7月1日から平成25年6月30日までに納付があったものを集計したものです。
     なお、平成23事務年度には、東日本大震災の発生(平成23年3月11日)により、岩手県、宮城県及び福島県の全域について申告期限延長措置がとられ、平成22事務年度から平成23事務年度に納付期限が延長されたものが含まれていることに留意する必要があります。
  2. 2 平成25年1月1日以後生ずる所得に係る税額から、復興特別所得税が含まれています。
源泉所得税等の税額の状況
事務年度等 23 24
項目 税額 税額 増減額 前年対比
給与所得 億円 3,344 3,451 107 103.2
退職所得 億円 78 78 0 99.9
利子所得等 億円 102 89 マイナス13 86.8
配当所得 億円 245 329 84 134.6
特定口座内保管上場株式等の譲渡所得等 億円 6 7 1 115.9
報酬料金等所得 億円 140 136 マイナス4 97.5
非居住者等所得 億円 14 18 4 130.1
合計 億円 3,928 4,108 180 104.6

平成5事務年度から平成24事務年度の源泉所得税等の税額の推移のグラフ。

(参考計表) 平成24事務年度における源泉所得税等の課税事績

別表1
源泉徴収義務者数の状況
区分 平成24年6月30日現在 平成25年6月30日現在
項目 義務者数 前年対比 義務者数 前年対比
給与所得 本店法人 129,796 98.5 130,956 100.9
支店法人 2,372 99.1 2,346 98.9
官公庁 1,468 99.1 1,435 97.8
個人 71,697 95.1 71,828 100.2
その他 10,191 100.1 10,275 100.8
215,524 97.5 216,840 100.6
利子所得等 3,056 98.0 3,007 98.4
配当所得 7,504 102.5 8,168 108.8
特定口座内保管上場株式等の譲渡所得等 1,035 100.4 1,044 100.9
報酬料金等所得 157,770 98.2 157,918 100.1
非居住者等所得 383 91.8 504 131.6
別表2
源泉所得税等の税額の状況
事務年度等 23 24
項目 税額 前年対比 税額 前年対比
給与所得 億円 3,344 106.7 3,451 103.2
退職所得 億円 78 118.2 78 99.9
利子所得等 億円 102 83.0 89 86.8
配当所得 億円 245 118.2 329 134.6
特定口座内保管上場株式等の譲渡所得等 億円 6 65.0 7 115.9
報酬料金等所得 億円 140 60.5 136 97.5
非居住者等所得 億円 14 156.1 18 130.1
合計 億円 3,928 104.0 4,108 104.6

(注) 平成25年1月1日以後生ずる所得に係る税額から、復興特別所得税が含まれています。

U 平成24事務年度 法人税等の調査事績について

仙台国税局・税務署では、適正かつ公平な課税を実現するため、税金の申告・納付に関して的確な指導を行うとともに、不正に税金の負担を逃れようとする納税者に対しては、様々な角度から厳正な調査を実施しています。
 平成24事務年度においては、東日本大震災で被災された方への対応を優先に取り組みつつ、震災復興等に伴う地域経済の動向や、地方の特性など様々な観点から有効な資料情報の収集、分析を行い、無申告法人事案や消費税不正事案等に重点的に取り組むなど、波及効果の高い調査の実施に努めました。
 今般、平成24事務年度の法人税、法人消費税、源泉所得税等の調査事績がまとまりましたので、その概要を報告します。

平成24事務年度における法人税等の調査事績の概要

法人税の申告漏れ所得金額の総額は250億円

平成24事務年度においては、大口・悪質な不正計算が想定される法人など調査必要度が高い法人約3千5百件について実地調査を実施しました。
 このうち、法人税について非違があった法人は約2千6百件、その申告漏れ所得金額は250億円、追徴税額は50億円となっています。

法人税の実地調査の状況
事務年度等 23 24  
項目 前年対比
実地調査件数 1,483 3,496 235.7
非違があった件数 1,150 2,613 227.2
申告漏れ所得金額 億円 430 250 58.3
  うち不正所得金額 億円 32 67 207.8
調査による追徴税額 億円 58 50 85.9

平成11事務年度から平成24事務年度の申告漏れ所得金額等の推移のグラフ

法人消費税の追徴税額は11億円

法人消費税については、法人税との同時調査等として約3千3百件の実地調査を実施しました。
 このうち、消費税の非違があった法人は約2千件、追徴税額は11億円となっています。

法人消費税の実地調査の状況
事務年度等 23 24  
項目 前年対比
実地調査件数 1,358 3,326 244.9
非違があった件数 858 1,956 228
調査による追徴税額 億円 9 11 128.6

(注) 調査による追徴税額には、地方消費税(譲渡割額)を含む。

無申告法人に対する取組

意図的な無申告法人は徹底した調査!

事業を行っているにもかかわらず申告をしていない法人は、法人としての最低限の義務さえも履行しておらず、納税者の公平感を著しく損なうものです。
 このため、無申告となっている法人については確実に実態確認を行い、期限後申告の提出の指導を行うほか、あらゆる機会を通じて情報を収集・分析し、意図的な無申告法人を把握した場合には徹底した調査を行うなど、重点的に取り組んでいます。
 平成24事務年度においては、事業を行っているにもかかわらず申告をしていない法人約3百件に対して調査を実施し、法人税について約2億2千万円、消費税について約2億3千万円の追徴課税を行いました。
 そのうち、17件は意図的に無申告であった事案であり、法人税について約4千万円、消費税について約1千万円の追徴課税を行いました。

平成22事務年度から平成24事務年度の稼働無申告法人に対する実地調査の状況の推移のグラフ。

稼働無申告法人に対する法人税等の実地調査の状況
事務年度等 22 23 24  
項目 前年対比
実地調査件数 349 256 265 103.5
  うち意図的な無申告法人を把握した件数 16 5 17 340
法人追徴税額 百万円 169 129 215 166.7
  うち意図的な無申告法人に係る追徴税額 百万円 51 32 41 129.4
消費追徴税額 百万円 317 266 228 86
  うち意図的な無申告法人に係る追徴税額 百万円 21 23 9 38.7

大口・悪質事案に対する取組

仙台国税局・税務署では、申告内容や各種資料情報などを検討し、大口・悪質な不正計算が想定されるなど、調査必要度が高い法人を的確に選定の上、厳正な調査を実施しています。
 また、例えば次のような取組を行い、適正・公平な課税の実現に取り組んでいます。

  •  海外取引法人等に対する取組
     企業等の事業、投資活動のグローバル化が進展する中で、海外取引を行っている法人の中には、海外の取引先への外注費を架空に計上するなどの不正計算を行うものが見受けられます。このような海外取引法人等に対しては、租税条約等に基づく情報交換制度を積極的に活用するなど、深度ある調査に取り組んでいます。
  •  無所得申告法人に対する取組
     本来、黒字でありながら赤字を装って申告することにより納税を免れている法人を放置しておくことは、納税者の公平感を著しく損なうものです。無所得法人に対しては、このような赤字の仮装や消費税の観点から、調査に重点的に取り組んでいます。
  •  消費税還付申告法人に対する取組
     消費税は、預り金的性格を有するため、適正な税務執行が一層求められています。
     特に、消費税について虚偽の申告により不正に還付金を得るケースも見受けられるため、こうした不正還付を行う悪質な納税者に対して厳正な調査を実施しています。

(参考計表) 平成24事務年度における法人税等の調査事績

別表1
法人税の実地調査の状況
事務年度等 23 24
項目 件数等 前年対比 件数等 前年対比
実地調査件数 1 1,483 29.1 3,496 235.7
非違があった件数 2 1,150 31.8 2,613 227.2
同上のうち不正計算があった件数 3 231 24.7 566 245.0
申告漏れ所得金額 4 億円 430 112.3 250 58.3
同上のうち不正所得金額 5 億円 32 29.5 67 207.8
調査による追徴税額 6 億円 58 96.9 50 85.9
同上のうち加算税額 7 億円 8 84.9 8 98.7
分析 不正発見割合(3/1) 8 15.6 マイナス2.8 16.2 +0.6
調査1件当たりの申告漏れ所得金額(4/1) 9 千円 28,984 385.7 7,164 24.7
不正1件当たりの不正所得金額(5/3) 10 千円 13,874 119.2 11,766 84.8
別表2
消費税(法人)の実地調査の状況
事務年度等 23 24
項目 件数等 前年対比 件数等 前年対比
実地調査件数 1 1,358 28.5 3,326 244.9
非違があった件数 2 858 32.0 1,956 228.0
調査による追徴税額 3 億円 9 64.8 11 128.6
同上のうち加算税額 4 億円 1 55.1 2 144.8
調査1件当たりの追徴税額(3/1) 5 千円 637 226.7 335 52.6

(注) 調査による追徴税額には、地方消費税(譲渡割額)を含む。

別表3
不正発見割合の高い10業種(法人税)
順位 業種目 不正発見割合 不正1件当たりの不正所得金額
    千円
1 ラブホテル・モーテル 50.0 14,886
2 医薬品小売 38.1 9,964
3 ハイヤー・タクシー 33.3 2,070
4 土木工事 26.9 6,679
5 貨物自動車 26.0 6,418
6 その他の機械製造 23.5 3,362
7 その他のサービス 22.0 38,164
8 その他の食料品製造 21.7 14,407
9 その他の対個人サービス 21.5 8,325
10 一般土木建築工事 21.5 6,564
不正申告1件当たりの不正所得金額の大きな10業種(法人税)
順位 業種目 不正1件当たりの不正所得金額 不正発見割合
    千円
1 その他の道路貨物運送 140,181 10.0
2 産業用機械製造 83,798 8.3
3 その他の不動産 43,793 12.1
4 その他のサービス 38,164 22.0
5 その他の卸売 36,520 12.1
6 温泉旅館、観光ホテル 32,926 17.6
7 その他の製造 32,333 20.8
8 一般機械器具卸売 28,782 17.5
9 建売、土地売買 26,649 14.7
10 その他の飲食 26,235 15.7

平成24事務年度における源泉所得税等の調査事績の概要

源泉所得税等の追徴税額は9億円

平成24事務年度においては、約5千2百件の源泉徴収義務者について実地調査を実施しました。
 このうち、源泉所得税等の非違があった源泉徴収義務者は約1千3百件で、その追徴税額は9億円となっています。

  • (注) 平成25年1月1日以後生ずる所得に係る追徴税額から、復興特別所得税が含まれています。
源泉所得税等の実地調査の状況
事務年度等 23 24
項目 件数等 前年対比 件数等 前年対比
実地調査件数 2,135 28.5 5,225 244.7
非違があった件数 474 27.2 1,330 280.6
調査による追徴税額 億円 2 28.6 9 350.5

(注) 追徴税額には、加算税を含む。

平成5事務年度から平成24事務年度の源泉所得税額等の追徴税額の推移のグラフ。