兵国実第 139号
平成16年1月19日
大阪国税局審理課長 様
のじぎく兵庫国体実行委員会
会長 井戸敏三
(兵庫県知事)
第61回国民体育大会等において企業等が支出する費用の税務上の取扱いについて(照会)

時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
 平素は第61回国民体育大会(のじぎく兵庫国体)の開催準備に際してご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、平成18年に兵庫県において「”ありがとう”心から・ひょうごから」をスローガンに第61回国民体育大会「のじぎく兵庫国体」が開催されます。
 また、当国体の競技別リハーサル大会が、平成17年から18年にかけて県下の市町において順次開催されます。
 このため、本県ではのじぎく兵庫国体実行委員会を設置し、県民総参加による大会の開催をめざして準備に取り組んでいるところでありますが、この大会を成功させるためには、県民、企業、各種団体などの支援と協力が不可欠であり、こうしたのじぎく兵庫国体及び競技別リハーサル大会へ企業等が参加できる機会として、概ね別紙1の参加形態を考えております。
 つきましては、別紙1に記載の企業等が支出する費用について、税務上別紙2に記載のとおり取り扱って差し支えないかご検討のほどよろしくお願いします。
 なお、大会の開催期間及び運営主体は別紙3のとおりとなっております。

別紙1
第61回国民体育大会等における企業等の参加形態
  1. 1 広告協賛

個人、企業及び団体(以下「協賛者」という。)が、次の広告媒体及びのじぎく兵庫国体マスコット(以下「国体マスコット」という。)等の使用による広告宣伝効果に応じた適切な資金をのじぎく兵庫国体実行委員会(以下「実行委員会」という。)へ提供し、実行委員会が協賛者の名称等を掲載した以下に示す当該広告媒体の設置等及び協賛者に対する国体マスコット等の使用権の付与、出展参加権の付与等を行うものである。
なお、出展参加の場合、実行委員会は開・閉会式会場内に協賛者の名称を表示して特定の場所を指定し、建設費用、展示・装飾費用、運営費用、撤去費用等は、全て協賛者が負担する。

  1. (1)大型広告物(開・閉会式場看板、各競技会場看板、横断幕、懸垂幕等)に協賛者の名称等を掲載
  2. (2)小型広告物(国体PR用のぼり、参加者輸送用バスの歓迎旗等)に協賛者の名称等を掲載
  3. (3)国体関係印刷物(ポスター、情報誌、プログラム等)の所定の箇所に協賛者の広告又は名称等を掲載
  4. (4)国体ホームページに協賛者の名称等を掲載
  5. (5)国体PRの新聞広告に協賛者の名称等を掲載
  6. (6)テレビの国体PRスポットコマーシャル内で協賛者の名称を表示
  7. (7)大会旗・炬火リレーユニホームに協賛者の名称等を掲載
  8. (8)協賛者PRに係る大会の名称、シンボルマーク、国体マスコット等の使用権の付与
  9. (9)協賛者PRに係る開・閉会式会場内で出展参加権の付与
  1. 2 施設、物品協賛
  2. (1)施設、物品の提供
    協賛者が、のじぎく兵庫国体及び競技別リハーサル大会(以下「国体」という。)の運営及び広報宣伝活動に必要とする施設、物品(設備・素材及び広告グッズの素材を含む。以下「施設等」という。)を建設、製作又は調達して実行委員会へ無償で提供するものである。
    なお、いずれの場合にもその施設等には協賛者の名称等が表示される。
  3. (2)施設、物品調達費の提供
    協賛者が、国体の運営及び広報宣伝活動に必要とする施設等を指定してその資金を実行委員会へ提供し、実行委員会がその指定された施設等を製作又は調達するものである。
    なお、いずれの場合にもその施設等には協賛者の名称等が表示される。
  4. (3)施設、物品の貸与
    協賛者が、国体の運営及び広報宣伝活動に必要とする施設等を建設、製作又は調達して実行委員会へ無償で貸与するものである。なお、いずれの場合にもその施設等には協賛者の名称等が表示される。
  1. 3人的協賛
    協賛者が、国体の運営に関して、国体開催期間中に業務員として自社等の職員若しくは、派遣会社を通して人を実行委員会へ派遣し、業務従事させるものである。なお、これに係る費用については、協賛者が負担する。また、協賛者の名称等については、大会開会式典の中で場内アナウンスにより紹介されるとともに、式典プログラム等の印刷物の中で表示される。
  2. 4営業参加
    個人、企業及び団体(以下「営業参加者」という。)が、国体の会場内において営業店舗を自らの負担で建設し、又は実行委員会から賃借して物品販売、飲食等の営業活動を行うもので、その営業店舗建設費、内装費及び撤去費等は全て当該営業参加者が負担するものである。
別紙2
協賛形態ごとの税務上の取扱い
  1. T 法人税法及び所得税法上の取扱い
  2. 1 広告協賛費用
    協賛者が、自己の広告宣伝を行うため、広告媒体の設置等及び国体マスコット等の使用権の取得、出展参加権の取得等に支出する費用については、当該広告媒体の設置等により広告宣伝が開始された日又は国体マスコット等を広告宣伝の用に供した日から国体閉会日までの期間を基礎として期間配分により損金の額又は必要経費に算入する。ただし、その支出の効果が1年以上に及ぶと認められる場合については、一般の例により処理する。
    なお、出展参加による協賛者(以下「出展参加者」という。)が支出する建設費用、展示・装飾費用、運営費用及び撤去費用については、次による。
  3. (1)建設費用及び展示・装飾費用(廃材等の処分見込価額を除く。)については、次のいずれかによる。ただし、国体終了後、出展参加者が引き続き事業の用に供することが明らかな資産については、一般の例による。
  4. イ その支出額を当該出展物の設置等により広告宣伝が開始された日又は閉会日の属する事業年度又は年の損金の額又は必要経費の額に算入する。
  5. ロ その支出額を当該出展物の設置等により広告宣伝が開始された日から国体閉会日までの期間を基礎として期間配分により損金の額又は必要経費に算入する。
  6. (2)運営費用については、支出の都度、損金の額又は必要経費に算入する。
  7. (3)撤去費用については、撤去の日の属する事業年度又は年の損金の額又は必要経費に算入する。
  1. 2 施設、物品協賛費用
  2. (1)施設、物品の提供
    協賛者が、施設・物品(設備・素材及び広告グッズの素材を含む。以下「施設等」という。)を提供するために支出する施設等の建設、製作又は調達費用(その施設等の搬入及び据付に要する費用を含む。)については、次のいずれかによる。
    なお、施設等の撤去費用(廃材等の処分見込額を除く。)については、撤去の日の属する事業年度又は年の損金の額又は必要経費に算入する。
    ただし、国体終了後、協賛者が引き続き事業の用に供することが明らかな資産については、一般の例による。
  3. イ その支出額を国体において施設等を提供した日又は国体閉会日の属する事業年度又は年の損金の額又は必要経費に算入する。
  4. ロ その支出額を国体において施設等を提供した日から国体閉会日までの期間を基礎として期間配分により損金の額又は必要経費に算入する。
  5. (2)施設、物品調達費の提供
    協賛者が施設等を指定して資金を実行委員会へ提供する場合のその支出額については、上記(1)に準ずる。
  6. (3)施設、物品の貸与
    協賛者が、自己の施設等を無償で実行委員会へ貸与する場合、その施設等については、貸与期間中も(新規に建設、製作又は調達してそのまま実行委員会に貸与する場合は、国体開会日以降)事業の用に供する資産として、一般の例による。
    なお、その施設等の搬入及び据付に要する費用(新規に建設、製作又は調達してそのまま実行委員会に貸与する場合を除く。)並びに施設等の撤去費用(廃材等の処分見込額を除く。)については、その搬入及び据付並びに撤去の日の属する事業年度又は年の損金の額又は必要経費に算入する。
  1. 3 人的協賛費用
  2. 協賛者が、国体開催期間中に業務員として自社等の職員若しくは、派遣会社を通して人を実行委員会へ派遣する場合の支出額については、次のいずれかによる。
  3. (1)その支出額を国体において人の派遣が開始された日又は国体閉会日の属する事業年度又は年の損金の額又は必要経費に算入する。
  4. (2)その支出額を国体において人の派遣が開始された日から国体閉会日までの期間を基礎として期間配分により損金の額又は必要経費に算入する。
  1. 4 営業参加費用
    営業参加者が、支出する営業店舗建設費、内装費及び撤去費等については、上記1の出展参加者が支出する建設費用、展示・装飾費用及び撤去費用の取扱いに準ずる。
  1. U 消費税法上の取扱い
  2. 上記1、2及び4に係る費用については、消費税額の計算上、課税仕入れに該当する。
    上記3に係る費用については、給与等を対価とする役務の提供を除き、消費税額の計算上、課税仕入れに該当する。
    なお、控除対象仕入税額の計算については、消費税法の規定による。
別紙3

大会名開催期間運営主体
第61回国民体育大会
リハーサル大会
平成17年4月〜平成18年6月まで順次開催 各市町国体実行委員会
第61回国民体育大会 平成18年9月30日〜10月10日 (開.閉会式)のじぎく兵庫国体実行委員会 
(各競技会)各市町国体実行委員会