全国高等学校総合体育大会は、全国高等学校体育連盟(昭和23年発足)が、全国各地で個別に開催されていた競技種目別選手権大会を昭和38年度の新潟大会から統合して誕生した大会であり、現在では、規模及び内容において高校生の最高・最大のスポーツの祭典に発展しています。
 平成22年度の沖縄県開催をもって都道府県単独開催は終了し、平成23年度からは、全国を9つに地域割りしたブロック開催となりました。
 また、全国高等学校総合体育大会は、教育活動の一環として高校生に広くスポーツ実践の機会を与え、技能の向上とスポーツ精神の高揚を図るとともに、高校生活動も含め生徒相互の親睦を深め、心身ともに健全な青少年を育成することを目的としています。
 この度、平成27年度全国高等学校総合体育大会(以下「近畿総体」といいます。)における卓球競技大会・ソフトボール競技大会・登山大会(以下「滋賀県開催競技大会」といいます。)を平成27年8月2日から同月14日までの13日間で開催するに当たり、その運営を行う滋賀県実行委員会では、企業、大学、団体及び個人(以下「企業等」という。)に対し広く協賛をお願いしたいと考えております。ついては、広告宣伝を主な目的として協賛に応じる企業等(以下「協賛者」といいます。)が支出する費用の税務上の取扱いについて、御照会申し上げます。

(参考)
 近畿総体は、平成27年7月28日から同年8月20日までの期間、和歌山県を中心に近畿2府4県において開催され、大阪府で開催する6つの種目(体操・バレーボール・ハンドボール・テニス・自転車競技・なぎなた)についても「協賛者が支出する費用(プログラム協賛広告)の税務上の取扱いについて」(照会)により大阪国税局に照会がなされ、平成26年8月11日に「貴見のとおりで差し支えない」旨の回答が国税庁ホームページに掲載されているところです。
 滋賀県開催競技大会は、基本的な運営方法は大阪府で開催される大会と同様のものとなっておりますが、広告宣伝の内容及び協賛方法について一部相違する事実関係がありますので、協賛者に疑問が生ずることのないよう照会を行うこととしたところです。

[協賛の概要]

1 協賛の方法

  • (1) 金銭による協賛
    金銭による協賛者は、滋賀県開催競技大会の運営に要する費用に充てるための金銭を滋賀県実行委員会に対して提供します。
  • (2) 物品による協賛
    物品による協賛者は、滋賀県開催競技大会の運営に要する物品を滋賀県実行委員会に対して無償で貸与又は提供します。

2 協賛に対する特典

上記1の協賛者は、協賛金額に応じて、次表のとおり協賛者名の表示等を通じて広告宣伝を行うことができます。
 この場合の協賛金額とは、上記1(1)の場合は金銭の額、上記1(2)のうち物品の提供の場合は提供される物品の価額、物品の貸与の場合には貸与される物品の賃貸料相当額とし、上記1(1)及び(2)の協賛をいずれも行う場合はその合計額とします。

  広告宣伝内容 広告宣伝期間
1 競技別プログラムでの協賛者名及び広告の表示 平成27年8月2日から平成27年8月14日まで
2 3競技共通リーフレットでの協賛者名の表示 協賛確認日から平成27年8月14日まで
3 競技別大会報告書での協賛者名及び広告の表示 平成27年9月
4 歓迎看板での協賛者名の表示 平成27年8月2日から平成27年8月14日まで
5 歓迎横断幕・幟旗での協賛者名の表示 平成27年8月2日から平成27年8月14日まで
6 弁当箱・うちわでの協賛者名の表示 平成27年8月2日から平成27年8月14日まで
7 大会ホームページでの協賛者のバナー広告、協賛者名の表示 協賛確認日から平成28年3月31日まで
8 高体連マーク、大会名称、大会の愛称、スローガン及びシンボルマークの使用 協賛確認日から平成27年8月14日まで
9 協賛者の広告チラシを大会参加者や大会関係者に配布 平成27年8月2日から平成27年8月14日まで
(注) 1 1の広告宣伝は、全ての協賛者が行うことができます。
  2 2から3までの広告宣伝は、協賛金額が高額になるにつれ順次付加されることとなります。
 なお、協賛金額が10万円以上の協賛者は、13及び7の広告宣伝を行うことができ、10万円未満の場合は、1の広告宣伝のみ行うことができます。
  3 1から7の広告宣伝は、協賛金額の区分に応じて異なる設定がされており、その区分ごとに協賛者名掲載の表示の大きさなどに差が設けられています。
  4  各競技大会の開催期間は次のとおりです。
競技 競技開催期間
卓球 平成27年8月9日〜8月14日
ソフトボール 女子 平成27年8月2日〜8月6日
男子 平成27年8月8日〜8月12日
登山 平成27年8月7日〜8月11日
  5  協賛者は、協賛を行うに当たり、滋賀県実行委員会に対して協賛届出書を提出することとされており、当該届出書に対して滋賀県実行委員会が承認して発行する確認書に記載された日が協賛確認日となります。

[協賛者が支出する費用の税務上の取扱いについて]

1 法人税法及び所得税法上の取扱い

  • (1) 金銭による協賛
    • イ 協賛金額が10万円以上である場合
       別紙2の2の広告宣伝内容等を示す表のとおり、広告宣伝期間は広告宣伝内容によって様々であり、協賛者は、それらの期間中、複数の広告宣伝を行うこととなります。
       他方、協賛者は、一括して金銭の提供を行うこととしており、また、個々の広告宣伝の対価の額も定められていないことから、個々の広告宣伝における対価の見積りを協賛者において行うことは実務上困難であると考えられます。
       したがって、協賛者が支出する金銭の額については、全ての協賛者の広告宣伝が実施され、かつ、広告宣伝期間が最も長い期間である別紙2の2の広告宣伝内容等を示す表の7の広告宣伝期間(協賛確認日から平成28年3月31日まで)を基礎として期間配分し、損金の額又は必要経費に算入することになると考えます。
    • (注) 同表の8における高体連マーク等の使用に要する費用は、出版権の設定の対価(法人税基本通達8-1-10、所得税基本通達2-29の3)に準じて繰延資産に該当するものとも考えられますが、仮に繰延資産として計上したとしても広告宣伝を行う期間に応じて損金の額又は必要経費に算入することに変わりはないことから、協賛金額のうち特にその部分だけを区分することは要しないと考えます。
    • ロ 協賛金額が10万円未満である場合
       10万円未満の金銭による協賛をした協賛者については、当該協賛者名及び広告の掲載された競技別プログラムが滋賀県開催競技大会の各競技に参加する選手や大会関係者へ配布されることから、主にその各競技開催期間に広告宣伝効果が生じるものと考えられるため、その金銭の支出額を、各競技大会の開催期間のうち、開催日が最も早い日(平成27年8月2日)から終了日が最も遅い日(平成27年8月14日)までの期間(広告宣伝期間)を基礎として期間配分し、損金の額又は必要経費に算入することになると考えます。
  • (2) 物品による協賛
    • イ 物品の提供
       上記(1)と同様、物品を無償で提供するために支出する費用を、協賛金額に対応する広告宣伝期間を基礎として期間配分し、損金の額又は必要経費に算入することになると考えます。
    • ロ 物品の貸与
      • (イ) 貸与する物品は、貸与期間中も事業の用に供する資産として減価償却を行う等一般の例により処理することになると考えます。
      • (ロ) 貸与する物品の搬入費用については、上記(1)と同様、協賛金額に対応する広告宣伝期間を基礎として期間配分し、損金の額又は必要経費に算入することになると考えます。

2 消費税法上の取扱い

  • (1) 金銭による協賛に係る支出については、課税仕入れに係る対価の額に該当することになると考えます。
  • (2) 物品による協賛に係る支出については、消費税が非課税又は免税となる資産の譲渡等に係るものを除き、課税仕入れに係る対価の額に該当することになると考えます。
  • (3) 控除対象仕入税額の計算については、消費税法の規定によることになると考えます。